金田一少年の事件簿 星見島 悲しみの復讐鬼

登録日:2010/01/09(土) 05:21:09
更新日:2024/04/08 Mon 03:39:11
所要時間:約 7 分で読めます





98年にハドソンからセガサターンで発売された「金田一少年の事件簿」のアドベンチャーゲーム。
探偵モノキャラゲーには珍しく、犯人側視点のゲームで、
マニュアルや冒頭にこの作品は、犯罪を助長するゲームではなく、金田一少年の事件簿の世界を舞台に推理トリックを楽しむゲームですとの注意書きがされている。
実際、ベストエンドを迎えても、 他人に罪を擦り付け、金田一からは「これで犯人は幸せなのかな」と言われて終わる ので、ものすごく後味は悪い。
また、本来の主人公である金田一が謎を解けないまま終わるもやもや感もある。
ある程度終盤までは事件を進めつつ、ミスから謎解きされて話としては綺麗に終わるバッドエンドトゥルーエンドなんて言われることもある。

プレイヤーは桂木なお、阿佐桐卓也の2人の主人公から1人を選び、復讐を遂行する。
…とは言っても別に2人の事件が同時進行するという訳ではなく、主人公に選ばなかった方は何も犯罪を犯さない第三者となる(つまり互いのシナリオは完全にパラレル)。
犯人側に立つことで金田一のウザさや怖さがよくわかるゲームでもある。
また、ターゲットに返り討ちに遭ったり、関係ない人物を殺してしまうたび、原作の歴代犯人達がいかに凄いかが理解できるゲームでもある。
そんなプレイヤーの思惑を予想してか、ゲームオーバーになるとファントムや地獄のクグツシ(原文ママ)等歴代の怪人がヒントを与えてくれる。
だが冷静になってみると、こいつらも結局は金田一にトリック暴かれてるので、偉そうに言えた立場ではないのだが。

なお、両主人公をクリアするとおまけの「金田一編」が解禁されるがグラフィック無しで本編をパロディしたギャグシナリオとなっている。


【登場人物】
TVアニメ放送後の作品だが、金田一らレギュラー陣の声優は全員アニメとは異なる本作独自のキャストとなっている*1

  • 『復讐の歌姫』桂木なお
CV:緒方恵美
捏造されたスキャンダルに陥れられ、マネージャー立花由布の自殺により全てを失ったアイドル。
男装し「直木桂一」として、スキャンダルを仕組んだ一味に復讐すべく星見島に向かう。*2
(おかしい選択肢がいくつもある事もあって)急に突飛な行動をとる事も多く、サラシ巻き忘れて女とバレたり、オカマの恋人(男)に刺されたり、オカマの修羅場に巻き込まれて刺されたり、ファンになおと見抜かれて無理心中させられたりする。
「人気アイドル桂木なおのオールヌードを見ながら死ねるなんて、幸せ者ね…」(これから殺す オカマ に自分がなおだと証明する際のセリフ)
また、なお自身が犯罪に関わらない阿佐桐卓也編でも 天然のドジっ子ぶり を発揮し、こちらの犯罪計画を意図せず邪魔してきてしまうこともある。
中の人は同作者の次回作「探偵学園Q」のアニメ版で主人公・キュウを演じている。

  • 『審判の使徒』阿佐桐卓也
CV:置鮎龍太郎
由布の婚約者でツアープロデューサー。星見島レジャー施設のプレイベントに芸能関係者を多数招待し、恋人の死の真相を探り、復讐を果たそうとする。
巨大冷凍庫に隠れたら開かなくなったり、オカマの恋人(男)に刺されたり、婚約者の妹と心中したりする。
「しまった…!捨て忘れていたのか…!にんじんを…!」
中の人はドラマCD版では明智警視役を務めていたりする。
また、後に舞台版『獄門島』・『犬神家の一族』で本家金田一ものに出演し、そっちでは前者で回想シーンのみ・後者では刑事役だったため犯人役を免れた。


CV:草尾毅
お馴染み金田一耕助の孫。
今回も推理能力は健在で大量に存在するバッドエンドではズバズバと名推理を披露する。
漫画ではズバズバと犯人に真相を突きつけていく彼であるが、このゲームではその推理能力がプレイヤー自身に向けられるため、殺したくなること請け合いである。実際に殺そうとすることもできるが、当然バッドエンドになる。
が、最終的に各章のベストエンドに行くと金田一が事件を解決できずに終わってしまう。
完全犯罪で終わる場合、 行き当たりばったりで犯罪を犯しつつもしっかりアリバイ確保と証拠隠滅だけはする という形になる為、流石に金田一にも無計画な犯罪は読み切れなかったようだ。
「やばい…たってしまった…時間が」

CV:飯塚雅弓
お馴染みボイン幼馴染み
都合のいい目撃者にされたりパンチラしたりまあいつも通り。
中の人はTVアニメ版で玲香役を演じている。
「そんなに記憶力がいいなら数学の公式でも覚えればいいのに」

CV:土師孝也
お馴染みおっさん。
まあいつも通り。
今回はエンディングによっては金田一を呼ぶまでもない状況も多い為、そのまま逮捕する事も多い。
なお編では何回↓の台詞を言ったのだろうか。
「詳しいことは署に戻ってから聞こうか」

CV:子安武人
お馴染み嫌味エリート。
最終日にようやく上陸してくる。
なお編では自信満々に間違った推理で違う犯人を捕まえてくれる。すっごくダンサブル…
卓也編では自慢の肉体を披露。
「潮風っていやですねえ」

CV:倉田雅世
お馴染みトライアングラーアイドル。
星見島でもステージに立ち、グラビアも撮影。
なお編ではアリバイの為のダシにされる。
「美雪ちゃん。私も耳引っ張っていい?」

CV:藤原啓治
お馴染みロリコンエロライター。
水嫌いのはずなのに船に乗っている…が、水嫌いは「金田一少年の殺人」の時点で治ったようなので、その後なんだろう。
あまり出番はなく空気気味だが要所要所で裏方として活躍している。
「いたぞ!桂木なおだ!」

CV:なし
お馴染み盗撮魔。
本編には出ないが、何故か怪人達に紛れてゲームオーバー時にヒントをくれる。
「頭悪いですねえ」

  • 立花由布
CV:豊嶋真千子
阿佐桐卓也の婚約者かつ、桂木なおのマネージャー。本作は、彼女の自殺により幕を開ける。

  • 立花麻衣
CV:金月真美
由布の妹。不動高校2年生で、一・美雪の同級生。
中の人はTVアニメ版では美浦エミリを演じている。

  • 渚ちはる
CV:鈴木史華
桂木なおの後輩アイドル。なおが失脚した後、代理として仕事が舞い込んでくる。

  • 高木ちえ
CV:片岡富枝
渚ちはるの母親兼マネージャー。通称「ちえママ」。

  • 大山孝志
CV:三木眞一郎
渚ちはるのスタイリスト。キレやすい性格。

  • 竹村正彦
CV:高戸靖広
カメラマン。いわゆるオネエキャラで、孝志とは恋人同士。

  • 久堂明子
CV:根谷美智子
フリーのルポライター。桂木なおのスキャンダル記事を書いた張本人。

  • 大山良介
CV:鈴木淳
孝志の弟。

  • 沢沼研
CV:関智一
良介をアニキと呼ぶ男。

  • 矢追つとむ
CV:肥後誠
桂木なおのファン。

  • 阿佐桐剛
CV:立木文彦
阿佐桐病院の院長で、卓也の父親。

  • 岡田淳子
CV:兵藤まこ
阿佐桐剛の愛人。

  • 辰巳哲
CV:大友龍三郎
桂木なおや渚ちはるの所属する辰巳プロダクションの社長。
別の話同姓同名の人物が登場するが、特に関係はない。

  • 辰巳伸也
CV:上田祐司(現・うえだゆうじ)
辰巳社長の息子。桂木なおと密会したとしてスキャンダルになるが、実際は発熱して家で寝ていた。しかし、スキャンダルが過熱する余り、学校を停学になった末に自殺してしまった。

  • 角野幸夫
CV:上田祐司(現・うえだゆうじ)
大学生。顔に包帯を巻いていたが、その素顔は辰巳伸也にそっくりで、実は桂木なおと対面していたのは彼。

  • 久堂進
CV:坂口哲夫
阿佐桐病院の事務長で、明子の父親。

  • 立花光一
CV:清川元夢
立花レジャー開発社長。由布・麻衣の父親。

  • 立花華江
CV:さとうあい
光一の妻で、由布・麻衣の母親。

  • 大山征二
CV:泉尚摯
孝志・良介の父親。


  • ポケット
CV:なし
本作をプレイした人には忘れられない存在。
なおちゃんも阿佐桐さんもついつい重要な証拠をポケットに隠してしまう癖があり、「 そのポケットの〇〇は何だ!? 」でバッドエンドに行く展開が大量にある。
何かをポケットに入れたらバッドエンドフラグと思っていい。
しかもどう考えても隠せない物を半分以上はみ出させたままだったり、見えたらヤバい物を見える形で入れたままなのを忘れていたりと間抜けな描写が多い。
ある意味で本作を象徴する存在である。


  • 余談
ちなみに本作に出演したキャストの中には、後に自ら舞台でじっちゃんを演じ、阿佐桐の中の人と共演した関智一(「沢沼研」役)がいた。
余談だがら関主演の金田一ものには他にも月読ジゼルの中の人等アニメ版のゲスト経験者が数人出演している。


追記・修正は見事復讐を成し遂げてからお願いします。

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最終更新:2024年04月08日 03:39

*1 同時期に展開された他のメディアミックスでも統一されておらず、アニメ放送開始の半年前に公開された劇場アニメやドラマCD、PSゲームでも一部のキャラクターを除き、それぞれに独自のキャスティングがなされていた。

*2 選択肢次第では汚れアイドルに目覚めて復讐を始めない場合もあり、いずれもアイドルとしてだけは一定の成功を収めており実力は確か。結局死ぬことになるが。