銀幕の殺人鬼(金田一少年の事件簿)

登録日 :2012/04/25(水) 02:16:36
更新日 : 2017/08/21 Mon 21:17:31
所要時間 :約 20 分で読めます





…くっ
……くっくっくっくっ
呪われるがいい‥‥!
夜空の暗殺者サソリ座(スコーピオン)の名のもとに!!


銀幕の殺人鬼とは、金田一少年の事件簿での事件の1つであり、金田一少年が解決した事件の一つ。
単行本リニューアル後のCaseシリーズの第二弾。全9話。
テレビドラマでは第4シーズン(neo)第1話として2014年7月19日に、テレビアニメでは第84話~第87話として1999年4月12日~5月3日にかけて放送された。

アニメ版の容疑者リストの順番は上段が左から泉谷、蔵沢、黒川で下段が星野、門脇、真田、遊佐でバックは薄い紫色。
登場する怪人は「スコーピオン」。


【あらすじ】
自主映画の撮影のために不動芸術高校を訪れた一たち。
だがそこで映研が以前に製作したがお蔵入りになった映画『サソリ座の惨劇』に見立てる形で映研部員達が殺害されていく。
まるで映画の中の殺人鬼「スコーピオン」が、本当にスクリーンから抜け出てきたかのように…。


(以下、ネタバレにご注意ください)


【事件関係者】
  • 蔵沢光(くらさわ ひかる)
CV:上田祐司(現:うえだゆうじ) 演:神木隆之介
不動芸術高校3年で、映画研究部部長。
日本映画界の巨匠「蔵沢明」の孫。映画のヒロインとして美雪をスカウト、彼女を「アンドロメダ」と表現した。
巨匠と呼ばれる映画監督がそうであるという理由で、部員が殺害された後も当然のように撮影続行を宣言するなど非情な一面があり、真田に「冷血人間」と言われた。
撮影中に美雪から聞かされて一が有名な探偵な孫であることを知り、「お互いに偉大な祖父を持つと苦労するね」と言うが、一に「俺はそんなことは無い。ジッチャンは誇りに思うけど、俺は俺だからさ」と返され、「僕も君みたいにはなからあきらめられたら、どんなに楽か・・・」と言い残した。
飲み物を飲む際には検尿を思い出す紙コップは使わずマイカップを使用する。
一に本多の件について問い詰められた際に、一の「わざと間違える」罠にはまり、それを指摘してしまったことで、ボロが出た(金田一が「現場から車で立ち去る蔵沢たちを目撃した」と言った事に対し「ボロが出たな!あのとき俺達は車なんか……」と言いかけ、自分たちがその現場に行ってた事を認めてしまう。それ以前に、当時の彼らの年齢からしてまだ車の免許など取れる訳が無いのに、その点を指摘しなかっただけでもお粗末である)。
その直後、睡眠薬によって彼を除くその場にいた全員が眠ってしまう。
一たちが睡眠薬から目覚めた後、「 二重密室 」となった映写室の中で死亡しているのが発見される(4人目の死亡者)。
一連の事件は自分の手によるものだとする内容の自白フィルムを遺していたが…

ドラマ版で演じた神木は同作者コンビの探偵学園Q主人公・キュウ役。本作の主人公・一と「Q」のリュウ役の山田とは8年ぶりの共演。
自信家の面が強かった原作と異なり若干気弱な性格に改変されている。
祖父の威光に対し重圧を感じ自分の実力を認めてもらおうと焦っており、
また精神的に追い詰められると表情が引きつる場面が多い。

  • 泉谷シゲキ(いずみや - )
CV:高戸靖広 演:岡山天音
不動芸術高校3年で映研部員。脚本担当。
体型は小柄でやせぎす。
黒河の主演をイメージして脚本を書いたにも関わらず黒河が主役を降ろされたため、終始不機嫌な様子だった。
夜中に校庭に呼び出され、最初に殺害される。胸にナイフが刺さっていたため、多分刺殺。
死後、映画『サソリ座の惨劇』のワンシーンに見立てる形で、8ミリフィルムにグルグル巻きの状態で体育館の天井から吊るされた。

ドラマ版では黒河の降板に腹を立てて蔵沢に離脱を宣言。その際に「 あの事を警察にチクる 」という死亡フラグ直結のセリフを吐いてしまう。
新連続ドラマ版における記念すべき最初の犠牲者な事もあり、
原作以上に凝った吊るされ方をした上で白目をむいたインパクトのある死に顔を披露するという模範的な死体役を務めた。

ちなみに、ドラマ版で泉谷シゲキ役を演じた岡山天音氏は、後にフジテレビのスペシャルドラマ「金田一耕助VS明智小五郎ふたたび」において阿田野一平役を担当している。
それぞれの作品の原作者は違うものの「 金田一耕助の孫が活躍する物語 」と「 その孫の祖父である金田一耕助が活躍する話 」の二作品に、偶然にも出演する事となった。

  • 真田コージ(さなだ - )(ドラマ版では真田コウジ)
CV:加納詞桂章(現:加納明) 演:中川大志
不動芸術高校3年で映研部員。男優。
元陸上選手の黒コゲ男。準グランプリを獲った自主映画『大追跡』の主演。
泉谷の死亡後も撮影を続行する蔵沢のやり方に不満をこぼし、撮影から降りようと自分の荷物を物色中に襲われる。
殺害される直前に犯人から何らかの事実を告げられた様である(2番目の死亡者)。
死後、『サソリ座の惨劇』のワンシーンに見立てる形で、ダミー人形のマスクを被らされていた。

ドラマ版では蔵沢と口論の末に『殺人鬼スコーピオン』のフィルムを警察に持って行こうとした折に殺される。
また被害者は全員スコーピオンと同じマスクを被らされるという設定になったため、
死体は大量のダミー人形の中に紛れ込む形で発見される。

  • 門脇靖浩(かどわき やすひろ)
CV:ねずみ(現:松田佑貴) 演:大和田健介
不動芸術高校3年で映研部員。撮影担当。
8ミリをこよなく愛し、佐木の扱うビデオカメラを嫌悪する。体型は太め。
しかし、4人の中では、わりと一に協力的だったり(急に「サソリ座の惨劇をもう
1回見せて」と頼まれて、あっさり受けてやるなど)、一によって本多のことが暴かれると、率先して全てを告白しようとする(が、言いかけて蔵沢につかみかかられた時に睡眠薬が効いて眠ってしまった)など、被害者4人の中では、一番まともな神経の持ち主だったと思われる。
一たちが睡眠薬から目覚めた後、『サソリ座の惨劇』のワンシーンに見立てる形で、
サソリ座の形にロウソクが置かれた廊下で刺殺され横たわっているのが発見された(3人目の死亡者)。
実はこの見立て自体がトリックの一部だった。

ドラマ版では蔵沢に代わり本多の死体遺棄についてボロを出す役目を負う。
また泉谷殺害時のアリバイ検証でダイエットをしていた事が明らかになるが、
原作ならともかく大和田氏演じるドラマ版門脇はそこまで太ってないので若干違和感を感じる。
(ダイエットの結果あの体型を維持しているとも考えられるが)

  • 星野かなえ(ほしの - )
CV:木村亜希子 演:小島あやめ
不動芸術高校2年で映研部員。記録担当。
蔵沢に好意を抱いている。
中途入部であり『サソリ座の惨劇』については知らなかった。

ドラマ版では学年が1年に引き下げられたため、後述する遊佐や辻との1年生トリオで行動する事が多い。

  • 遊佐チエミ(ゆさ - )
CV:矢島晶子 演:上白石萌歌
不動芸術高校1年で映研部員。役者兼雑用。
今回大した役を貰えなかったらしく、こちらも終始不機嫌な様子。
泉谷の死後も撮影を続行する蔵沢の方針にも不満そうな態度を示していた。
さらに、他校生とはいえ1学年下のくせに、2年生の美雪を初めて見た時「この子」とタメ口のような言い方をした。

ドラマ版では雑用係のみの設定のためかそれほど不機嫌な様子はない。
一人暮らしをしている。

ちなみに、ドラマ版で遊佐役を演じた上白石萌歌は後にドラマ版蔵沢役の神木と新海誠監督の長編アニメ映画「君の名は。」で主役&ヒロイン役として共演した上白石萌音の妹。

  • 黒河美穂(くろかわ みほ)
CV:水原リン(現:真山亜子) 演:岡本あずさ
不動芸術高校2年で映研部員。女優。
真田曰く「特上」の美人で、腰まで伸びた黒髪が特徴。
‎・・・とはいえ、あまり表情を変えない冷たそうな見た目もそうだが、初対面の美雪に 挨拶も自己紹介もせずいきなり誕生日を聞いてホロスコープを見たり するあたり、かなりとっつき辛そうな印象があり、 これなら美雪の方がずっとモテるんじゃないか? と思わされる。(実際に美雪は自分の学校でモテモテなわけだが)
ただし、蔵沢の死にショックを受ける星野をなぐさめたりするあたり、ある程度の優しさも持っている様子。もっとも、それもホロスコープに絡めて言うので、ショックを受けている相手にとっては、それがなぐさめになっているかどうかは不明。
特技はホロスコープを見ることで、台詞もそれに関する言い回しが多い。
二度もサービスショットがあり、下着姿と全裸を披露した。 その背中には サソリのような形のアザ が…。
関連性は不明だが、異性はもちろんのこと同性からも着替えを見られるのを極端に嫌う。
ちなみに背中のアザがよく見える全裸シーンはそれなりに重要だったので、アニメでは後ろ姿の部分のみだがちゃんと放映されました。
…なのは良いがCVの水原リン(現・真山亜子)はむしろ中年女性の声に定評があり、
美少女キャラの黒河のイメージに合っておらずミスキャストと専らの評判。
真山女史が他にアニメ版で声を当てたキャラが雪影村の都の母と二三誘拐事件の誘拐犯の妻である辺りから、
キャスト否定派の言い分が何となく想像できるだろう。

ドラマ版ではミステリアスな美少女というよりはプライドの高い女優志望キャラに描かれており、背中のアザも無し。
美雪に嫉妬する余り蛇口にカッターを仕込む、蔵沢犯人説に疑問を持った一の目を逸らすために急遽スケープゴートにされる等、
お世話になった少年たち原作ファンからは改悪と見られかねない扱いをされた。ちなみにEカップ。

  • 辻隼人(つじ はやと)
演:萩原利久
ドラマオリジナルキャラクター。
不動高校1年で映研部員。雑用係。
大型犬を飼っている。

【その他の人物】
毎度お馴染み主人公。美雪を心配して、彼女のマネージャーと称して佐木2号・フミを伴って不動芸術高校に同行した。
美雪の口添えもあって追い帰されなかった代わりに、雑用やエキストラをやらされるが、美雪が撮影で使う石鹸に仕込まれたカッターの刃に気付いて使用を阻止。しっかり彼女を守るという仕事はしていた。
「お互い偉大な祖父を持つと苦労する」と言う蔵沢に対して、「ジッチャンのことは誇りに思うけど俺は俺」と答えた。一がジッチャンに対する思いを話すのは初めて。

お馴染みヒロイン。蔵沢にスカウトされ、彼らの自主映画の主演に抜擢された。
今回、 ピチピチレオタードに透け乳首 というカゲキな姿を披露した。
なお、蔵沢にスカウトされた際、一に助けを求めようとしたが、たまたま彼のそばに玲香が来ていたため、彼女への対抗心から、勢いでOKしてしまった。つまり、 もしその時玲香が一のそばに来ていなかったら、一が割って入り、美雪がOKすることも無かった と思われる。
また、勢いでOKしてしまったことに不安を感じていたため、一・佐木・フミが勝手について来たことを知っても、最初は驚いたものの、やはり彼ら(特に一)が来てくれたことが心強かったと見えて、一達が追い返されないように、自分が頼んでついて来てもらったかのように口裏を合わせていた。実際、一が来ていなかったら、 確実にカッターの刃でケガをしていた ため、本当の意味で彼の存在が助けになったのだった。
ドラマ版では蔵沢と交流するシーンが大幅に追加。プレッシャーに苦しむ彼を気にかけていて、蔵沢は犯人ではないと頑なに信じる。

一と共に付き人として不動芸術高校に同行。
門脇にビデオカメラをごみ箱に捨てられてしまうが、
それに対して 「8ミリなんてただの骨董品ですよ!」 と言い返すなどこっちも負けていない。
ただしドラマ版ではこのやり取りはカットされている。
『大追跡』に隠された真実を証明する実験に協力する。


付き人助手として不動(ry
キンキンキッズの剛君のファン。

ご存知オッサン。
一に「あること」を教えてくれる。
ドラマ(山田版)ではここで初登場だが、一とは既知の間柄のようだ。

  • 正野刑事
オッサンの部下。
学生時代は映研部所属だった。
別に個人としての活躍は無いのだが、彼と剣持が一の謎解きの場に現れたことが、
犯人のトリックにほころびを生じさせるという、思わぬ結果を招くことに・・・。

  • 畠山高徳
ドラマオリジナルのレギュラーキャラ。
原作における正野刑事のポジションだがこの時は一に対して懐疑的。

  • ポアロ
怪盗紳士の殺人」に登場した犬。近所の小松さんに引き取られていたらしい。
どこからその存在を聞きつけたか知らないが、蔵沢が撮影に使うということで、二三によって連れて来られた。
ラベンダーの匂いが嫌いなのは相変わらず。
ドラマ版では真壁の飼い犬という設定で登場。やっぱりラベンダーの匂いは嫌い。
しかしポアロなのに何故かホームズの服を着せられておりその事を佐木にツッコまれた。

原作プロローグのみ登場。
新作映画で主演俳優とキスシーンを演じたため一に映画のチケットを送らなかった。
しかし映画もキスシーンも一に見られてしまい涙する。
この時のやり取りが最終的に美雪の女優魂に火をつける。

ドラマ版のみの登場。
ミス研部長という設定で、『殺人鬼スコーピオン』の噂を確かめるため一と佐木を引き連れ美雪を追って映研に潜入する。
堂本版真壁と同様、一や美雪との関係性は良好なようだ。

  • 本多影行(ほんだ かげゆき)
CV:津久井教生 演:中島広稀
一が不動芸術高校の映研による自主映画『大追跡』を観た際に感じた違和感から存在が明らかとなった「5人目のスタッフ」。
名前が何処にもクレジットされておらず、まるで最初からいないかの様に扱われていた。
一は、蔵沢達が撮影中の事故で彼を死なせてしまい、その死を隠蔽しているのではないかと推測する。
お蔵入りになった自主映画『サソリ座の惨劇』の主演。



【以下、事件の核心。更なるネタバレにご注意ください】








お兄ちゃんは蔵沢たちにだまされて、むりやり奈落の底に突き落とされたのよ!








  • 遊佐チエミ
この事件の真犯人 「スコーピオン」
実は本多の妹(2年前に両親が離婚。遊佐は母方の姓で父方の姓は本多)。
両親の離婚後も頻繁に兄に会いに行っていたが、ある日自主映画の撮影に行くと言ったきり行方不明になったことに疑問を持つ。
その後、兄の行方の手掛かりを捜すために自主映画という自主映画を観て回り、ついに兄が出演していた自主映画『大追跡』を発見した。
その時に立ち聞きした映研部員達の会話から、安全対策を怠った為に兄が転落死し、
その死を部員の4人が隠蔽していた事を知り、更に、

あんな奴より、そこのダミー人形のようがよっぽど役に立つぜ!

ああ、ダミー人形ならビビってとちったり死んだりすることもないしな……

兄の夢と命を侮辱する発言をしていた事から復讐を決意する。

金田一や警察関係者を含む一同を睡眠薬で眠らせ、その間に二人のターゲット(門脇、蔵沢)を殺害して「二重密室」のトリックを作り上げるなど、なかなかの行動派。
しかし、蔵沢が泉谷殺害後に大量のフィルムを注文したこと、自分が犯人だというフィルムと全く違う漫画のフィルムが映写機で映されたこと、
ポアロが蔵沢が握っていたラベンダーの香りがついていた鍵に吠えたことから自殺でなく他殺だと見破られ、
さらに、睡眠薬入りの紙コップトリックでは、直前になって剣持と正野という予定外の来客によって狂いが生じ、捨ててあった中から汚れていない紙コップを2個重ねてごまかしたが、それが裏目に出て、使った人数と残った紙コップの数に矛盾が出てしまい、さらに睡眠薬を仕込んでいないただ1つの紙コップを唯一選んで取れる立場であるということで、犯人だと暴かれた。そして、二重密室のトリックを暴かれて自白。

撮影で美雪が使う予定の石鹸にカッターの刃を仕込んだのは、美雪にケガをさせることで、精神的にショックを与え、一達とともに逃げ帰るよう仕向けるため。つまりは、計画の邪魔になりかねない部外者を排除するため。しかし、寸前で一が気づいて美雪がそれを使うのを阻止したため、失敗に終わった。

しかし、紙コップと睡眠薬のトリックは、 一が皆を集めて謎解きをしなければ全く不要になるものだった。 にもかかわらず、なぜそんなトリックを用意していたのかは、謎である。

真相解明後に逮捕され、逮捕後は、母親の面会を拒み食事にもほとんど手をつけず自暴自棄の状態になっていた。
金田一が面会に来た際には、本多についての真実を聞かされ涙を流した。

ちなみに彼女はプロローグの冒頭において、映写室でサソリ座の惨劇のフィルムを見ながら(おそらく二重密室のトリックの練習のため)、
本項冒頭のセリフを言っているため、一部の読者から 隠れ中二病 の疑惑がかけられてしまっている。

ドラマ版では既に両親と死別しているという設定で、兄とそれぞれ違う親戚に引き取られた事が分かる(姓が違うのはそのため)。
また上記の一人暮らし発言や逮捕後に親戚が面会に来ている様子がない事から、親戚とも疎遠になっており、より孤独である事が伺える。


  • 本多影行
遊佐の兄で、蔵沢たちの自主映画の製作仲間。
プロのアクション俳優を志望しており、命がけのアクションシーンにもやりがいを感じていた。
しかし12階建てのビルの上で飛び移るシーンの撮影中に突風に遭い、転落死する。
死体は蔵沢達によって隠蔽され、真相解明後に撮影現場近くの下水道にて(ドラマ版では山中にて)発見された。
遊佐は、彼がスタントとして危険なアクションシーンを無理矢理やらされていたと思い込んでいたが、実は彼こそが映画『大追跡』の主役。
本多が事故死したためやむなく雰囲気の似ている真田が替え玉役者になっていただけに過ぎなかったのだ。
(ビルからビルへ飛ぶ時の踏み足が真田は右足、本多は左足で一はこれを不審に思っていた)


ダミー人形なら死なないですって‥‥‥‥‥!お兄ちゃんは人形以下とでもいうの!?

  • 蔵沢光
  • 泉谷シゲキ
  • 真田コージ
  • 門脇靖浩
本多の死は完全に事故だが、その後の「死の理由を隠蔽した」という一件を見るとやはりゲスと言うしかない被害者たち。
特に真田は、本多への嫉妬からか死んでしまった彼を「ダミー人形のほうがよっぽど役に立つ」と侮辱するような発言をしていた。
門脇と泉谷は撮影の時に「上空からのアングルで撮影した映像じゃないと迫力が出ないが、そうするとマットが映り込んでしまう」という理由でマットを敷かず、
「マットを外した門脇が悪い」「あのアングルじゃないと迫力が出ないと言い張った泉谷が悪い」と責任をなすりつけあっていた。
蔵沢だけは表情に笑顔がなく、主演俳優として期待していたに違いない本多を死なせたことを後悔しているような素振りを見せていたが、
「ダミー人形ならドジったり死んだりしない」という冷たい一言(無論、本心ではないと思うが…)が遊佐に復讐を決意させる最後の一押しとなってしまう。
蔵沢の死因は彼専用のマグカップに入った毒入りのお茶を飲んだことによる毒殺だった。
なお、一が「大追跡」についての謎解きをした際、門脇は、観念して全てを話そうとして、蔵沢に止められていた。そのため、他の3人に比べれば、多少はマシな神経を持っていた可能性はある。しかし、仮にあの場で門脇が全てを自白していたとしても、計画の都合上、 どっちみち殺されていた と思われる。

更にアニメ版においては、黒河が事故で大怪我を負った時の回想で、本多が慌てて駆け寄ったのとは対照的に4人とも呆然として立ちつくすだけであり、
彼らが映画作りの楽しい面しかほとんど見えておらず、普段から撮影中のアクシデントや事故に対して甘い考えを持っていたと思われる描写になっている。

黒河は蔵沢について「自滅的な最期が訪れる」とホロスコープで占っており、「彼は暗い星の運命に負けたのよ」と語っている。

全員映画への情熱は本物だったのであろうが、その前に安全管理など、人としての常識を考えるべきだったのだろう。

ドラマ版の蔵沢は死体隠蔽を主導したり、前述の安全管理の問題など過失の大きさは原作と変わらないものの、
アクションに体を張る本多に期待と友情を抱き、その死に後悔している側面が強調されていた(本多も彼のことを「才能がある」と評価していた)
「撮り直しが利かなかった」本多が飛ぶシーンをあえて入れるあたり本多の死を無駄にしたくないという思いもあったのだろう。
泉谷たちも本多の事故死までは彼との関係は良好な様子だったが、本多の死体遺棄を明かそうとする理由が良心の呵責などではなく単に蔵沢への反発による物のため、小物臭さも強調されている。
そもそも遊佐が復讐を決意したのは本多の死体遺棄だけでなく、彼らがその死を侮辱したことが要因であるため、
死体遺棄を明かすだけでは(警察の保護で助かりはするだろうが)遊佐に許してもらう事は難しいだろう。
門脇に至っては原作と同様に明かそうとするタイミングが遅すぎるため、助かった可能性すら薄い(既に蔵沢が服毒しているため遊佐も後に引けない)。
だが、回想での泉谷たちは撮影直前の本多と彼を激励する蔵沢のやり取りを穏やかな表情で見つめており、
蔵沢同様に本多に期待を寄せていたことを思わせる描写がされている。

もし彼らが死体を隠蔽しなければ、最低でも調子に乗って本多の死を侮辱するというゲスなことさえしなければ、命までは奪われなかったかもしれない。
オペラ座館同様、悲しいすれ違いが生んでしまった事件と言えるだろう。
男性ゲストキャラ全員が死亡し、女性ゲストキャラ及び犯人が生き残った唯一の事件でもある。


  • 黒河美穂
意味ありげに披露していた背中のアザについては、結局何も触れられる事は無かった。
Caseシリーズは単行本1巻分か2巻分ちょうどに収める必要があったため、ページ数が足りずに端折られたものだと思われる。
要するにミスリード要員 兼お色気要員。
アニメ版ではこのアザは、撮影中に背中に落ちてきたライトがショートしてできたものだという説明がなされた。
この時、本多が自分を心配して駆け寄ったのに対し、他の4人は立ち尽くし映研の今後の活動についての心配をしているだけだったのを目の当たりにしているが、
それでも彼らとずっと一緒に活動していたのは、映画が好きだからだという。
『大追跡』の撮影中は入院していた為、本多の事故については知らなかった。

ドラマ版では事件後に映研が廃部したため、星野、辻と共にミス研に入部しレギュラー化(原作でも星川が「うちは潰れたも同然」と言っているため、廃部になったと思われるが、その後は不明)


【謎解きについて】
どちらかというと心理トリックがメインである金田一ではやや珍しい物理トリック。
他の事件における、シンプルかつインパクトのある密室トリックに比べると、どうにも力技という印象が拭えない気もする。
ヒントもふんだんなので謎解きはかなり簡単。

なので事件の推理よりも、黒河さんの背中の火傷の推理のほうに力を入れていた人も多いかもしれない。


【アニメ版】

◇原作との違い
  • 佐木は同行しない。
  • 紙コップで水を飲む警察関係者を剣持警部1人に変更。それにより紙コップの数の件は「12-9=5」から「12-7=6」に変更。
  • 石鹸にカッターの刃を仕込んだ犯人が遊佐である事が、撮影後に黒河によって見抜かれている。
    (遊佐曰く、黒河が主役を降ろされたのが気に入らなかったからとの事。もっとも、事件の真相を考えると嘘だった可能性が高いが)
  • その一件で黒河は遊佐に対し平手打ちをするなど、人格面でも真っ当な扱いを受けている。
  • 原作では説明されなかった黒河の背中のアザに関して、撮影中の事故によってできたものであり、
    その際に心配して駆け寄ってくれたのが本多だけだったことから、黒河が蔵沢たち4人に不信感を抱いているという説明がなされた。
    また、門脇が一連の事件はこの事故で恨みを持った黒河の仕業ではないかと疑う場面が追加された。
  • 門脇が「フィルムの側面は剃刀のように切れ味がある」と語るシーンや蔵沢の腕にフィルムで切った傷があるシーンが追加。これが密室トリックのカギになる。


【ドラマ版】

◇原作との違い
  • 舞台を不動芸術高校から不動高校の映画研究部に変更。
  • 日本テレビアナウンサー・枡太一が生物教師役で登場。
  • 速水玲香が登場しない。その為、美雪が撮影に参加する理由を一が女子高生の胸のサイズを観察していたのにキレたからに変更
  • オリジナルキャラクターとして映研部員・辻隼人を追加。さらに金田一達ミス研グループに真壁も同行する。
  • 真田の下の名前を「コージ」から「コウジ」に変更。
  • 黒河の背中に蠍座のやけどがある設定はカット。
  • 星野が1年に変更。
  • 映研が準グランプリを取った映画が『殺人鬼スコーピオン』になっている
    (原作における『サソリ座の惨劇』風のサスペンスホラーと、『大追跡』風のアクションを合わせた映画)。
  • サソリ座生まれの人への配慮か、サソリ座に関する表現が極力省かれている。
    (『サソリ座の惨劇』→『殺人鬼スコーピオン』、黒河の蠍型のアザ→なし、
    泉谷・真田死体発見現場→サソリ座のマークなし、門脇死体発見現場→『死体を囲むように置かれた蝋燭』とぼかした表現)
  • 殺害された泉谷、真田、門脇の顔にはスコーピオンと同じマスクが付けられている。
  • 一の誘導に乗せられてボロを出す発言をした人物を蔵沢から門脇に変更。
  • 泉谷が殺害されるタイミングが早くなっており、一たちが撮影に参加する前夜に殺害されている。
  • 泉谷の死因が撲殺になっている(原作では胸にナイフが刺さっていたが死因は言及されていなかった)。
  • カッターの刃が仕掛けられる場所が石鹸から蛇口に変更。また、仕掛けたのは黒河になっている。細工に気付いた一はわざと水を噴出させ(原作ではその勢いで美雪の手からカッター入り石鹸を吹っ飛ばしている)、自分のミスでそのシーンが撮影不能になった、という形で回避させた。その際、原作では美雪はすぐにその理由に気付いたが、ドラマでは気付くタイミングが蔵沢殺害後になっている。
  • ポアロは真壁が飼っている犬として登場。無論、二三の登場は無し。
  • 黒河が罪を擦り付けられて警察に連行されるシーンを導入。
  • 紙コップでウーロン茶を飲む警察関係者は2人のままだが、元々は真壁もウーロン茶を飲むはずだったが遅刻したという設定に変更。
    それにより紙コップの数の件は「12-9=5」から「12-(9+2-1)=3」に変更。
  • 犯人を判別する方法を水で変色からマジックペンでコップの裏に「君がスコーピオンだ!!」に。
  • 本多と遊佐は両親が亡くなった後別々の親戚に引き取られたという設定に変更。
  • 遊佐の面会には、原作でははじめ一人で来ていたが、ドラマ版では美雪も来ていた。
  • 映研が事件で廃部になったため、残った部員の星野・黒河・辻がミス研に入部する。


追記・修正は映画を観に行ってからお願いします。

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