ラスト(鋼の錬金術師)

登録日:2011/02/19(土) 23:58:27
更新日:2024/03/02 Sat 17:45:59
所要時間:約 6 分で読めます






流血は流血を、憎悪は憎悪を呼び、
ふくれ上がった強大なエネルギーはこの地に根を下ろし、血の紋を刻む…

何度くり返しても、学ぶ事を知らない。

人間は愚かで…悲しい生き物だわ



漫画『鋼の錬金術師』の登場人物。

CV:佐藤ゆうこ(2003年版アニメ)/井上喜久子(FULLMETAL ALCHEMIST)
演:松雪泰子(実写映画版)



「色欲」の名を持つホムンクルス。2番目に造られ、胸元にウロボロスの紋章を持つ。
名前のスペルはlastではなくlust

ウェーブがかった長髪にドレスのような服を纏う美女。ボイン。好きだろ?大好きっス。

冷静沈着な性格で謀略に長けている。
自分達の手の平の上で踊る人間の事を見下してはいるが、マスタングらのように確固たる意志を持つものには敬意を抱く一面もある。良くも悪くも誇り高い人物である。

ホムンクルス内では実行隊長的な役割を持ち、アメストリス各地を周り計画を遂行している。
単独行動が多いが、グラトニーと行動することも多く、彼からは特に慕われている。

ボイン故、肩こりが悩み。タバコは嫌い(一度挑戦したが、マズかったらしい)。
本編中は2回もおばはん呼ばわりされても軽く流しているのだがおまけ4コマでは年長である事を気にしており、悪口を滑らせたエンヴィーをよく半殺しにしていた。



ホムンクルスとしての固有能力は、指先(皮膚と一体化した手袋)を伸縮自在の鋭利な刃に変える「最強の矛」
名の通りかなりの貫通力、切れ味を誇る。コンクリートや鉄を豆腐のように切断し、銃弾を弾き返すアルの装甲すらいとも簡単に貫いた。
シンプルゆえに応用が利く非常に強力な能力と言える。

作中では数々の戦闘や暗殺を行ったが、他のホムンクルスと違ってラスト本人に特筆した身体能力はないので、
賢者の石の力ですぐに再生できるとは言え、銃弾や普通の錬金術であっさりやられてしまう事も少なくなかった。
が、非力な分頭と経験でカバーしているのか、エドリンが協力してもかなわなかった真エンヴィーを圧倒したマスタングを追いつめているあたり、なんだかんだで戦闘力はかなり上位なのかもしれない。
もっとも、ラスト戦の時の大佐は人柱候補に挙がっておらず邪魔になるなら殺害していい対象であり、エンヴィーが相対した時と状況は大きく違うのだが。

しかし序盤の敵の宿命か、図書館の蔵書の中身を改めるのを渋って図書館ごと燃やしてしまったり、賢者の石の秘密を漏らしかねないマルコーの居場所を突き止めたのに始末するでも監視を置くでもなく脅すだけで放置する、バリーを探させる為の駒として制御のきかない腐乱死体であるバリーの肉体を市街地に解き放って逆に自陣のアジトを突き止められてしまう、倒した敵の死亡確認をしないなど、
作中での詰めの甘さや大雑把さは(大総統を除いて全体的に慢心気味な)ホムンクルス達の中でも特に目立つ。

暗躍するマスタングらを牽制するため、『ソラリス』と名乗ってハボックに近づき、バリーを処分するために、動物の魂を入れたバリーの肉体を解放する。
ちなみにこの変装、髪型や顔はほぼノータッチかつ原作では黒服のドレスは体の一部で脱げない為、チャイナドレスを上に着込んでいるだけで特徴的な基盤模様がモロ出しだったりとバレバレである。
ただし自分から正体をバラすまではバレなかった辺り、ハボックとは清いお付き合いだった模様。
…色欲なのに。

しかしながら、仕事とプライベートを分けるタイプであったハボックからは何も情報は得られず失敗。
バリーの肉体を泳がせる形で利用するも、そのせいでバリーが突き止めた第三研究所深部に侵入してきたマスタング達と戦うこととなる。

マスタングの錬成陣入り手袋を破り捨てた上、どちらも『矛』が腹を貫通しており行動不能になる出血の重症*1を負わせ撃退。
さらに懐まで侵入したバリーをなます斬りで倒し、ホークアイを迎え撃つ。
しかし、アルフォンスに攻撃を阻まれ、自力で傷を塞いだマスタングと再戦になる。
明らかに立てるはずも無い傷を負いながら立ってきたマスタングに驚愕するが、
マスタングは自身の手の甲に血で錬成陣を書き込み、ライターの火打石を発火布代わりにして錬金術を発動可能にし、
その爆炎で自身の傷口を焼いて塞ぐというとんでもない方法で応急処置をしていた*2
そして『焔の錬金術』全開のマスタングと交戦するが、一切の手加減無しの爆炎の前に矛を届かせる事もできず、
核の賢者の石のエネルギーを全て使い果たすまで殺し続けられ、敗北。
マスタングの誇り高い姿と覚悟に敬意を表し、これからの彼の運命を哀れむかのような言葉を残しながら消滅。
ホムンクルス陣営における最初の死者となった。



完敗よ、悔しいけど貴方みたいな男に殺られるのも悪くない

その迷いのない真っ直ぐな目、好きよ



楽しみね。その目が苦悩にゆがむ日は…



……すぐ……そこ……


後に彼女の言葉は、見事に的中する事になる…


作者のお気に入りのキャラの一人らしく、ガンガン本誌などで
「(展開上仕方ないとはいえ)退場させるのが少し早過ぎた」とコメントしている。

聡明でリーダーシップのある人格からか他のホムンクルス達にはかなり慕われていたようであり、彼女の訃報を聞いてなおも大佐を始末しないという決定にエンヴィーは激昂して反発、ラストにべったりだったグラトニーは終始泣きじゃくっていた。

その提案をした大総統からも「人間が人間である事に誇りを持つように、人造人間であるという矜持を抱いて死んでいった女」だと一目置かれているような描写が描かれているのだから、彼女を最初に喪ったせいで統率が取れなくなった事がホムンクルス側の敗因の一つと言っても過言ではないのかもしれない。


【アニメ2003年版】



容姿は原作とほぼ同じだが、ドレスの色が緑がかっていたり、胸元の露出が高いなど、微妙な違いがある。
原作とは服の設定が違うため、軍服や民族衣装などいろいろな服に着替えている。微妙にコスプレ趣味。
ちなみに、第一期では、ホムンクルスは誕生時は素っ裸で、服はダンテが作り与えたものである。
つまりはラストも…

身長はハイヒール混みで170㎝
見かけによらず背は普通の女性よりちょっと高い、と言う程度である(実はスロウスの方が背が高い)。

ベースとなった人間は「傷の男(スカー)」の兄の恋人。
先代のラストも存在していた(一部では『翔べない天使』に登場した、容姿がそっくりなカミラではないかとも言われているが、詳細は不明。ベースとなる人間がいるという設定上同じ顔のホムンクルスがそう何人も錬成されるとも思えない為、おそらくは他人の空似かアニメの設定が練られる前にゲームが出たものだと思われる)。
性格は基本的にはクールだが、感情的になったり、非情になりきれない詰めの甘い面も目立つなど、実年齢からの経験不足ゆえか原作以上に人間臭い一面を見せている。
特に美味しい料理には目がないらしい。

原作とは逆に、実年齢がずっと若い(後述)。ババアロリ
そのため、仲間内での序列は原作とは逆転しており、終盤では自分よりも年上なラース(ブラッドレイではない)*3からおばはん呼ばわりされたり、
「とっととやれよぐずぐずすんじゃねえ!」と激昂されるなど使いっ走りのような扱いをされていた。
グラトニーを除いた他のホムンクルスからもぞんざいに扱われていたが、立場と境遇が似ているせいかスロウスとは仲が良く、友人とも言える関係になっていた。


上記の通りダンテからは不遇な扱いを受けていたこともあってか物語上では単なる悪役ではなく、ホムンクルス側の主人公、準ヒロインとも言える立ち位置になった。


終盤にて生前の記憶の一部を取り戻し、ダンテの扱いに我慢できなくなって彼女と決別。エルリック兄弟の味方になった。
同時に親友であるスロウスとも人間になりたい理由の違い(スロウスは今の自分のまま人間になりたかったが、ラストは昔の自分を取り戻したかったため)から袂を分かち、彼女の封印に手を貸した。
それに激怒したラースも封印しようとしたが、逆に自身が封印の錬成陣に引っかかってしまい、ラースの錬金術で紅い石を吐き出し、封印されてしまう。

実はよく見ると、紅い石を吐いている際、涙を零している。
最期に自らが欲していたのは「人間としての死」と知り、安らかな表情を浮かべて眠りについた。
…ある意味では、2003年版で一番「人間」だったと言えるのは彼女なのかもしれない。


劇場版では扉の向こうの世界に彼女に似た女性が傷の男のそっくりさんと一緒に登場。
恋人であった兄ではなく弟の方である。
傷の男がラストのベースの女性に惚れていたと推察出来る場面が本編で幾度か出てくる。

裏鋼のラストは中の人全開のゆるゆる系でかわいい。


そしてこう見えて、実年齢は7歳である

7歳である。

大事な事なのでもう一度(ry

お時間があれば、この事を頭に入れてもう一度視聴して頂きたい。
きっと、違った見方ができるはずである。



悔しいけど、貴方みたいなヲタクに追記・修正されるのも悪くない

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最終更新:2024年03月02日 17:45

*1 ハボックはさらにこの傷が脊髄を傷つけており下半身不随に陥っている

*2 当然すさまじい苦痛を伴うもので、マスタング自身が何度か気絶しかけたと語りながら傷口を見せたのを見てラストも戦慄している

*3 外見は7人の中で一番若く、加入も一番遅かった。唯一錬金術を使用できるものの、戦闘力も本来ならラストより下で実際に戦った際にはあっさり負けている。