逆転イッパツマン

登録日:2010/11/03 Wed 01:07:02
更新日:2024/02/09 Fri 12:07:18
所要時間:約 6 分で読めます






待ちに待ってた出番が来たぜ!

ここはおまかせ、逆転イッパツマン!


いつか逆転してやるからなぁ~!


【説明しよう!】

『逆転イッパツマン』とは、1982年2月13日から1983年3月26日まで全58話が放送された、タイムボカンシリーズ第6作目の番組名である。

主な特徴としては前作『ヤットデタマン』に引き続いて巨大ロボが登場した事、それまでシリーズのナレーションを勤めていた富山敬さんが主人公を演じた事、そしてシリーズ初の超シリアス展開である(これには作中でも「本当にタイムボカンシリーズなのか」というツッコミがあった)。
また、本作でようやく悪側が勝つ回がある(『ヤッターマン』のバスガマシーン戦は引き分け、『ゼンダマン』の最終話近くで勝ったのはニャラボルタな為ノーカウント)。
…が、主役機乗り換えもあったりするため、マンネリズムの打破を試みようとするスタッフの苦心がうかがえる作品でもある。

ちなみに、イッパツマン登場シークエンスにおけるクリーン三悪トリオの「空を見ろ!」「鳥だ!」「飛行機だ!」のやりとりは、
かの有名なスーパーマンのパロディ。
最後にムンムンおよびミンミンがボケる流れの中には当時放送されていたバラエティ番組「オレたちひょうきん族」の「タケちゃんマン」やタツノコ繋がりの「ガッチャマン」、果ては歴代ボカンヒーローをもじった「イッパツヤットゼンダヤッターオタスケマン」といったネタが使われることもあった。


【ストーリー】

1990年、この時代にはタイムワープで荷物を届ける2つの運送会社があった。
1つは業界トップの実力を誇るタイムリース社、もう1つは業界2位のシャレコーベリース社である。
オストアンデル市でのタイムリース社の業績は絶好調である一方、シャレコーベリース社はとことん絶不調。シャレコーベリース会長のコン・コルドーはクリーン悪トリオをタイムリース社の妨害に向かわせるが、そこに立ちはだかるのは謎のヒーロー・イッパツマンであった…


ピンチが呼べば空を切り、
魔球のごとく現れて、
疾風のように去ってゆく!

正義のヒーロー イッパツマン!

我等のヒーロー イッパツマン!



【登場人物】

◆タイムリース社の関係者

◇豪速九/イッパツマン
CV:富山敬、松本保典(バンプレストのゲーム版)、加藤将之(ゲーム「タツノコ VS. CAPCOM」)
タイムリース社に勤務する20歳の好青年。イケメンな上に仕事もでき、スポーツ万能でもるので女性にはモテモテである。
特に、野球が得意なのか軌道を自在に動かせる野球ボール「レインボール」とあらゆる攻撃を受け止める「逆転バット」でクリーン三悪トリオを懲らしめる。
当初はイッパツマンの正体かと思われたが、なんと中盤までは豪≠イッパツマンである

◇放夢ラン
CV:原えりこ
タイムリース社に所属する18歳の少女。豪ラブな女性その1。
OPで豪の後ろに座り、物憂げな顔でバイクに乗っているのが印象的。
演じた原えりこ氏は本作が声優デビュー作となった。

◇ハル坊
CV:つかせのりこ
6歳ながらタイムリース社で働く少年。
ランの従姉弟で、豪からイッパツマンを呼ぶための通信機を手渡されている。

◇2-3(ツースリー)
CV:山本正之
お調子者で口が軽い三河弁でしゃべるカラオケ好きのロボット。

◇星ハルカ
CV:幸田直子
中盤から登場したヒゲノ部長の秘書。豪ラブな女性その2。超能力の持ち主。
第46話では豪に変わってイッパツマンへと変身するが、最終回ではコルドーの洗脳を受け最後の敵として立ちはだかる。
豪を庇うランの姿に洗脳が溶け、全裸でその場を後にした。

◇ヒゲノ部長
CV:郷里大輔
豪達のよき上司だが、時折ギャグ要員にされる事も。
若い頃に超能力を見世物にしているハルカと出会い、彼女の力を平和に利用しようとするが…


◆シャレコーベリース社の関係者

◇ムンムン
CV:小原乃梨子
営業成績最下位のシャレコーベリース北部支社長を勤める女ボスで26歳。豪ラブな女性その3。
劇中ではオタスケマンがゲスト出演した第41話でドロンジョのコスプレを披露した。

◇コスイネン
CV:八奈見乗児
シャレコーベリース北部支社の部長で、武器作り担当。イッパツマンのパロディ・サンパツマンに変身した事もある。
シリーズ初の最初から所帯持ち(妻はムンムンに似た美人、息子1人、娘1人、どちらも父親似)*1の三悪である。
そば作りが得意で、ボヤッキーに腕前を伝授したらしい。
そんな彼も第41話にてセコビッチになったこともある。
「こういう方もおられるんですよ?……いけずぅ!」

◇キョカンチン
CV:たてかべ和也
シャレコーベリース北部支社の課長。三人の中では一番真面目だが、地位の低さが災いして貧乏くじを引かされる事が多い。
元軍人で「〜であります」が口癖。しかし焦ると歴代三悪キャラと同様関西弁ぽい話し方になることも。

◇隠球四郎(かくれ たましろう)
CV:大滝進矢
2話から登場した、26歳の若さで営業成績トップのシャレコーベリース西部支社長を勤めるイケメンエリート。
キザで皮肉屋な性格だが腕前は確かで、一度イッパツマンを倒している
実は本物の隠玉四郎は入社以前の無茶なダイエットが原因で死亡しており、今の彼は会長に記憶まで複製された偽物である。
解雇された時には退職金5千万円がしっかり支払われているが、コルドーから用済み宣告されたことで逆上。反旗を翻すも時空の狭間へと飛ばされた。

◇スパイ000
CV:鈴置洋孝
コルドーがタイムリース社へ送り込んだスパイ。得た情報は玉四郎の元に送られている。

◇コン・コルドー
CV:肝付兼太
シャレコーベリース社会長で、三悪や玉四郎に命令を出す黒幕。見た目や声からはとても想像できないが性別は女性
その正体は宇宙人であり、地球人の宇宙進出を阻止しようとしていた。
ちなみに中の人は前のスネ夫

◇ミンミン
CV:土井美加
自由きままな性格なコン・コルドーの孫娘。下着姿でのセクシーな露出も多いが、実はコン・コルドーと同一人物であった
変身前のコルドーの性別は女性なのでTSとか女装ではない。はず。

◇今井市郎
CV:千葉繁
シャレコーベリース社の下請け会社マシンフレンド社の社員で、序盤と終盤のメカ作りを担当した。
「イマイチだったかなぁ…」

【登場メカ】

◆イッパツマンのメカ

◇トッキュウザウルス
ラン、ハル坊、2-3が運転するタイムリース社の荷物運搬用タイムマシン。
その名の通り恐竜のような姿をした四輪車であり、タイム運搬の際には荷物の入った卵型のコンテナを載せたカーゴユニットと連結する。


逆転王、見参!!

◇逆転王
イッパツマンの思念を受け、車輪部から分離したトッキュウザウルスとイッパツマンが操縦する弾丸ヘッド号が合体して生まれる巨大ロボ。
伸縮自在な魔伸棒、正義刀という青龍刀、巨大な円盾の逆転シールドといった多彩な武器を持つが
逆転王・必殺百文キックや逆転ボディスラムなどのパワフルなプロレス技で決着をつける事も多い。
中盤で大破したが最終回では無事な姿を見せている。
前作の大巨神とはOVA「タイムボカン 王道復古」で一戦を交えるが強敵と書いて友と呼ぶ関係となり、ダブル大激怒で新旧三悪トリオを成敗した。

◇トッキュウマンモス
大破したトッキュウザウルスに代わる荷物運搬用タイムマシン。
マンモスの姿をしており、タイム運搬の際には荷物は背部のカーゴスペースに搭載される。

三冠王飛来! ここに参上!!

◇三冠王
CV:稲葉実
逆転王に代わり登場した巨大ロボ。
イッパツマンの思念を受け変形したトッキュウマンモスが、弾丸ブースター号と合体して生まれる。
人工知能によって自らの意思を持っており、喋ることも可能。
や棒が主体の逆転王とは違い、三冠トマホークというや三冠アームガンという光線銃が主な武器。
胸部の左右に施された三冠ミサイル砲にはランとハル坊が搭乗しており、彼女らもイッパツマンを援護している。

◆クリーン悪トリオのメカ

◇シャレコーベバギー
クリーン悪トリオが乗る初代マシンで、その名の通りしゃれこうべ型三輪バギー。
自力でタイムワープ出来ず、タイム落とし穴を使って移動する。

◇シャレコーベダチョウ
イッパツマンを倒した褒美に三悪に与えられたニューマシン。
ダチョウなのに空を飛ぶ事が可能な上、自分でタイムワープが可能。

【タイムリース社】

物品リース・運送会社。過去未来現代問わず、ありとあらゆる荷物を届ける。
本社所在地はオストアンデル市。

【シャレコーベリース社】

タイムリース社のライバル企業。創業からたった8年でタイムリース社に匹敵する規模まで拡大し、全世界に支社を千社設置した。
会社創立記念日の翌日に開催されるコルドー製作の映画上映会は全員の出勤日として設定され、出席しないとその分の給料が引かれる。
本社所在地はヒネルトジャー市。

その正体は地球人の宇宙進出を妨害するために飛来した宇宙人がカモフラージュのために立ち上げた会社。真の狙いはサイキックロボット技術の奪取とそれを邪魔するイッパツマンの抹殺。
星ハルカが行動を開始したことで用済みとなり、会社は倒産した。

【OP・EDテーマ/挿入歌】

  • 逆転イッパツマンの歌(OP)
    作詞・作曲:山本正之
    編曲:神保正明
    歌:やまもとまさゆき・ピンクビッキーズ
31話まではコスイネンの「いつか逆転してやるからな」、32話以降は「こういう方もおられるんですよ」→「イケズ…」という台詞が入っていた。
富山氏・ナレーションの鈴置洋考氏・ハル坊役のつかせのりこ氏を追悼して作られたオープニングテーマのリメイク版「逆転イッパツマン+3C」は涙無しには聞けない。

オリックス・バファローズのチャンステーマ(BWチャンテ→チャンテ3)としても有名。
元々はブレーブス末期から高橋智の応援歌として用いられていたが、98年オフの高橋移籍後にチャンテにし、BW・Bu合併後もそのまま用いられている。
ブルーウェーブ時代はこれが唯一のチャンテだった。
また、近鉄最後の優勝を決めたホームランを打った北川博敏も2003年から打席入場テーマとして使っていた。

本曲のパロディソングを作詞・作曲を手がけた山本が発表している。タイトルは「100点シュッパツマンの歌」

  • シビビーン・ラプソディ(ED)
    作詞・作曲:山本正之
    編曲:神保正明
    歌:やまもとまさゆき・ピンクビッキーズ

  • 嗚呼!逆転王(IN1)
    作詞・作曲:山本正之
    編曲:神保正明
    歌:やまもとまさゆき

  • トッキュウザウルスの歌(IN2)
    作詞・作曲:山本正之
    編曲:神保正明
    歌:やまもとまさゆき・ピンクビッキーズ

  • やられソング(IN3)
    作詞:コスイネン
    作曲:山本正之
    歌:クリーン悪トリオ・ミンミン

楽曲のクオリティーはいずれも高く、オリックスのチャンステーマとして使われているオープニングテーマやサラリーマンの哀愁を漂わせるエンディングテーマ、正統派ロボットソングの挿入歌「嗚呼!逆転王」等名曲が多い。
なお、三冠王登場後は該当部分を差し替えた「嗚呼!三冠王」に変化している。


【余談】

本作はシリーズ第2位の人気を誇り(1位はもちろんヤッターマン)、「タツノコ×カプコン」に参戦している。

シャレコーベリース社はアニメに出てくる会社の中でも一、二を争うブラック企業である。
多分後のナイトメア社クライアス社と同格かそれ以上。

恐らく当時のお父さんたちを土曜日の夕方から憂鬱にさせていたのは間違いない。

ちなみに最終回では計画倒産する。

次回予告の前にCパートとして三悪によるミニコーナーがあったがテーマは

今の仕事を辞めて何をする?

だった。
毎回三悪が居酒屋やらおでん屋やらで転職を考えるもののやはり今の仕事が一番いいと思い直すというもの。
だんだんネタがなくなってきたのか途中から人間を辞めることも検討しはじめていた。





「辞めます辞めます♪放置なんか辞めます♪内容も中身もみんなからっぽ〜♪一、二の三、四で追記・修正〜♪」

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最終更新:2024年02月09日 12:07

*1 ドロンボーやオジャママン、花の刑事トリオのヒエールなど本編終了後に所帯を持ったことが明かされた、もしくは示唆された三悪や、リメイク版で実は所帯持ちだったことが判明した三悪のボスはいる