SESAME STREET

登録日:2011/11/05(土) 11:12:53
更新日:2023/12/09 Sat 21:47:01
所要時間:約 4 分で読めます




『SESAME STREET』とは、アメリカ合衆国で生まれた幼児向け教育番組で、同番組の舞台となる架空の通りの名前でもある。
日本語タイトルも『セサミストリート』。

【概要】
1969年から放送開始。
「セサミ」(ゴマ)と付くのは、「『アリババと40人の盗賊』でアリババが『開けゴマ!』の呪文を唱えて洞窟の扉を開けたように、子供達に新しい知識や世界の扉を開いてほしい」という願いを込めているから。

初期は人間キャラがメインだった。
だが、途中からビッグバードを始めとする「マペット」(「マリオネット」と「パペット」を組み合わせた造語)達も加わったところ、彼らに人気が集まるようになり、今ではほぼマペット達がメイン。
番組は人間キャラとマペット達の寸劇、アルファベットや数字、歌のコーナーなどを挟んで進行していく。

一見どこにでもありそうな番組だが、メインターゲットである幼児達の識字率・読解力等の向上に貢献したことから、米教育省(日本国で言う文部科学省に相当)のお墨付きをもらっている。
さらには「TV界のアカデミー賞」と名高いエミー賞で通算122回もの受賞歴を誇る、かなり凄い番組でもあるのだ。

子供向け番組と侮るなかれ。時折重い背景を持つマペットが登場しており、過去には家族が服役中の子供や、家族に先立たれたエルモの親戚がゲスト出演したことがあるそうな。
また80年代にはストリートの雑貨店店主「フーバーさん」が(演者の死去に伴い)他界するという悲痛な出来事を描いており、現在でもフーバーさんの店(フーバーズストア)は日系人の「アラン」が営んでいる。

また2022年には公式スピンオフ教育アニメ『セサミストリート・メカビルダーズ』の配信がスタート。エルモ、クッキーモンスター、アビーの3人がロボヒーロー化して様々な問題へと立ち向かう話となっている


【主な登場マペット】
  • エルモ(NHK版:落合弘治、テレ東版以降:松本健太)
ちっちゃくて赤いの
詳しくは当該項目を参照のこと。

  • クッキーモンスター(NHK版:大川透→東地宏樹、テレ東版:菊地慧、日本語公式配信版・『エルモのおうちで遊ぼう』・U-NEXT版:佐藤哲也)
青いの
「いっただっきまーす!あ~ぅぐしゃぐしゅ%〆Ⅷж‡…」
目の焦点が合ってない。食欲旺盛で、特にクッキーは食べるのも作るのも大好きで、クッキーに関することだと詩人や哲学者になるほど。
でもやっぱり、クッキーの飛び方は汚い。「フーバーズストア」の上に住んでいるという。
事あるごとにクッキーを貪っているが、2013年頃から少し自制心を身に着け始め、時々食欲ならぬクッキー欲を抑えたり友達と分け合って食べたり、たまに果物なども食べたりするようになった。
ちなみに実際の撮影時には汚れ対策のためクッキーならぬクッキー風ライスケーキを食っているが、昔の日本語版公式曰く「健康食も好きだから大丈夫」だそうな。

  • ビッグバード(NHK版:真殿光昭、テレ東版・U-NEXT版:鶴岡聡)
黄色い巨鳥だが実は6歳半。
マペットの中で一番背が高い。中に人がいるからね
ちなみにNHK版の中の人は、後にビッグバードのイメージを壊すようなあんなキャラこんなキャラを演じている。

  • ゾーイ(NHK版:玉川紗己子、U-NEXT版:大室佳奈)
少し明るいオレンジの女の子で、エルモと仲良し。
バレエが好きで、チュチュを着ていることも多い。

緑の。詳しくは当該項目を参照。

  • アーニー(NHK版:真殿光昭、テレ東版:西脇保)
オレンジのその2。
横長の顔で、ボーダーの長袖を着ている。
親友のバートへのイタズラが大好きだが、想像力は非常に高い。
バートとあまりにも仲がいいので一部で2人はゲイカップルではないかという意見もあるが、公式は「2人はゲイカップルではなく親友」だとはっきり否定している。

  • バート(NHK版・U-NEXT版:落合弘治、テレ東版:内田泰喜)
黄色いのその2。
アーニーの親友。縦長の顔であり、長袖の柄も縦長。2人仲良く(?)アッーニーと一つ屋根の下で同居中。
バナナマンのましな方に似てる。通称:もろこし。

  • グローバー(NHK版:落合弘治、テレ東版以降:西脇保)
スリムで青いの。
一言で言うと愛すべきバカ。OPや本編ではオチやギャグ担当。
また時々「スーパーグローバー」に変身して人助けに励むも、ドジや天然ボケのせいで迷ヒーローである。
NHK版では何とエルモの中の人が兼任しており(他にバートなども担当)、後にアニメ『マペット・ベビー』の吹き替え版(カーミットがセサミ版と同じビッグバードの中の人)でグローバーに似た「ゴンゾ」役を演じている。

  • カウント伯爵(NHK版:大川透→桐本拓哉、テレ東版:伊丸岡篤、U-NEXT版:落合弘治)
紫の
左目に片眼鏡をかけており、鋭く尖った犬歯はドラキュラ伯爵を彷彿とさせる。ちなみに既婚者。
その名の通り、数を数えることが大好き。
名前はなにげに「数える(Count)」と「伯爵(Count)」のダブルミーニングである。

  • ロジータ(NHK版:滝沢ロコ、『エルモのおうちで遊ぼう』・U-NEXT版:竹田佳央里)
青緑でメキシコ出身の明るい女の子。
頭に黄色いリボンを着けており、スペイン語が話せる。エルモ達とバンドを結成したことも。だが2008年の教育ビデオと公式ミニアニメでは父が怪我で車椅子生活になり、惑う思いをエルモに相談していた。
モチーフはフルーツコウモリで、初期は手が滑空用の翼腕だったが、諸事情により無くなってしまった。
ちなみにフルネームは「ロジータ・ラ・モンストゥルア・デ・ラス・クエヴァス(洞窟のモンスターロジータ)」。

  • カーミット(NHK版:真殿光昭)
黄緑のカエルで、記者としての取材や子どもに何かを教える描写が多い。
マペット放送局』など数々の番組のレギュラーにして、1955年に現れた作者ジム・ヘンソンによる第一号マペット。
しかし2004年にディズニーが彼ら多数の非セサミ系ジム・ヘンソンプロ所属マペットの版権を買い取ったため、現在ではセサミに登場できないという……(一応2019年のSPにゲスト出演したらしいが)。
なおNHK版ではビッグバードの中の人が兼任しており、この後多くの映画やアニメでカーミット役を担当していくことになる。

  • プレーリー・ドーン(NHK版:玉川紗己子、U-NEXT版:おまたかな)
ピンクの女の子で、おかっぱの金髪が特徴。
学級委員長タイプでイベントの際には積極的に皆をまとめようとするが、誰かに邪魔されることが多い。

  • テリーモンスター(NHK版:玄田哲章、テレ東版:魚建、U-NEXT版:田中英樹)
赤紫の
少々打たれ弱い性格で、三角形のものが大好き。
ベビーベアとは親友。

  • スナッフィー(TVSP版:辻村真人、NHK版:大川透→てらそままさき、DVD版:岩尾万太郎、U-NEXT版:落合弘治)
茶色いマンモスっぽい生き物で、ビッグバードの親友の4歳児。フルネームは「Aloysius Snuffleupagus」。
普段は洞窟に住んでおり、両親とアリスという2歳の妹がいる。
実は登場初期はビッグバードのイマジナリーフレンドだったが、「大人に痛みを訴えても言うことを信じてもらえない子供」を励ますため、実体のある友達に変更されたそうな。

  • ベビーベア(NHK版:落合弘治、テレ東版:こぶしのぶゆき、U-NEXT版:後藤敦)
茶色いクマで、冒険心が強い性格。
カーリーベアという妹がおり、良きお兄ちゃんでもある。

  • アビー・カダビー(2018年『バリバラ』セサミ吹き替え版以降:小桜エツコ)
ピンクのお下げとそばかすが特徴の妖精見習いの4歳の女の子。
魔法の修行のため、妖精の国からセサミストリートにやって来た。
実は両親が離婚して母に引き取られたという過去を持ち、最近では母が小鬼風の男性マペットと再婚、ルーディーという3歳の義弟がいるお姉ちゃんになった。
魔法妖精幼女義姉とか日本だったら擬人化されていそうだ。


【ゲスト】
普段は人間とマペットがメインだが、有名な俳優やトップクラスのミュージシャンなどがゲスト出演することがある。
これまで出演したのはスティービー・ワンダー、ロバート・デ・ニーロ、ニコール・キッドマン、サラ・ジェシカ・パーカーなど錚々たる顔ぶれ。
それ故に、番組に出演することが彼(女)らにとって一種のステータスになっているようだ。


【外国での放送】
〈日本〉
米国版が1972年からNHKで放送され、5年間の中断を経て再開される。98年から米国版を元にした2ヶ国語放送になった。
しかし、大人の事情によって2004年にNHKでの放送が終了する。
同年からはテレビ東京で放送が始まった。
こちらは日本製作のため、人間の殆どが日本人。
モジャボ、グローリー、メグ、ティーナ、アーサー、ピエールの6体が日本限定マペットとして登場。
なお、その中で何故かモジャボのテーマ曲はあのロックスター、吉井和哉が提供した。どういう繋がりなの……。

2018年2月11日にはNHKの番組『バリバラ』で、2017年に本家で登場した自閉症の少女キャラ「ジュリア」に関する映像が放送され、久しぶりに日本語吹き替え版セサミがテレビに登場。
番組本編にもジュリアとエルモ(テレビ東京バージョン)がゲスト出演した。
そして2019年3月、『セサミ』日本語版公式YouTubeチャンネルにて、新規吹き替え版配信がスタート(全10本分)。キャストは『バリバラ』版準拠となっている。
2020年5月17日には原語版でのステイホームビデオ会議編『セサミストリート エルモのおうちで遊ぼう』がNHKでも放送され、16年ぶりにフルバージョン吹替版が全国放送された。

そして2021年11月12日から、動画配信サービス『U-NEXT』で新規字幕・日本語吹き替え版の配信がスタート!
内容は2019年放送のシーズン50や一部SP番組回、教育用ミニアニメ等で、吹き替えキャストはテレビ東京・YouTube版をベースとしている。

〈南アフリカ〉
大統領がHIVとエイズの因果関係を否定したことがきっかけで、HIV患者の女の子マペット「カミ」が登場。
現地の子供達に、エイズについて考えるきっかけを与えた。

この他にもカナダ、オーストラリア、ロシア、フランス、ドイツ、ポーランド、オランダ、ブラジル、ポルトガル、中国、インド、エジプト等様々な国で放送された。

いずれの国でも「その国限定のマペットが登場して番組を進める」という共通点がある。


【余談】
2009年に生誕40周年を迎えた際には、Googleのロゴがセサミ仕様になるなどのタイアップが行われた。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンには『セサミ』のアトラクションがあり、2011年にはUSJ10周年記念として日本オリジナルの『セサミ』キャラ「モッピー(CV:大谷育江)」が誕生している。



クッキーモンスター「追記・修正しまーす!あ~ぅぐしゃぐしゅ%〆Ⅷж‡…」

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最終更新:2023年12月09日 21:47