ナイトミュージアム(映画)

登録日:2011/04/09(土) 20:00:57
更新日:2023/08/29 Tue 07:34:06
所要時間:約 4 分で読めます





『ナイトミュージアム』は2006年公開のアメリカ映画(日本公開は2007年)。

ストーリー

陽気だが失敗の多い男ラリー。妻には逃げられ息子も再婚相手になついており、まさに崖っぷちの人生。
そんな彼が再就職した先はアメリカ自然史博物館の夜警。楽な仕事だと高をくくっていたラリーだが…

そこは夜中になると展示物が動き出す
不思議な博物館だった…


登場人物

<人間たち>
〇ラリー・デイリー(演:ベン・スティラー、吹替:檀臣幸)
本作の主人公。動き出す展示物に驚くも、彼等の性格を把握し、彼等と仲良くなっていく。
序盤のダメ人間っぷりからは考えられない程の大活躍を後半で見せる。
井坂先生やゴッサムの蝙蝠ではない。

〇ニック・デイリー(演:ジェイク・チェリー、吹替:千葉翔也)
ラリーの息子。両親の離婚に伴い母親と同居中。
当初は母親の再婚相手になついていたが、ラリーの仕事ぶりを見て彼を見直す。
博物館の秘密を知る数少ない人間の一人。
ちなみに母親のエリカの俳優は『24 -TWENTY FOUR-』でオードリーを演じており、ベンも気に入っていたらしい。

〇セシル・フレデリックス(演:ディック・ヴァン・ダイク、吹替:中村正)
黒人レジナルド(演:ビル・コッブス、吹替:坂口芳貞)と小柄な男ガス(演:ミッキー・ルーニー、吹替:永井一郎)の三人で博物館の警備をしていた老人。
人員削減の為に博物館を去る事になり、ラリーに警備マニュアルと「誰も入れるな。そして誰も出すな」という意味深な言葉を残す。
見た目は老人だが、彼らも夜になると最盛期の体力を取り戻し、映画のクライマックスでは三人で最後のひと暴れとしてエジプト王の石板などの財宝を盗もうとする。

〇レベッカ・ハットマン(演:カーラ・グギノ、吹替:高乃麗)
博物館のガイドにして本作のヒロイン。インディアンの女性・サカジャヴィアについて研究をしているが展示物が動いている事は知らない。

〇マクフィー(演:リッキー・ジャーヴェイス、吹替:佐藤晴男)
博物館の館長。皮肉屋で嫌な上司だが、最終的にはニックを認めることになる。

〇エリカ・デイリー(演:キム・レイヴァー、吹替:山崎美貴)
ラリーの先妻。


<展示物>
〇セオドア・ルーズベルト(演:ロビン・ウィリアムズ、吹替:岩崎ひろし)
愛馬と共に駆けるアメリカ合衆国第26代大統領……の蝋人形。理性的で勇ましい性格であり、展示物達のリーダー。ラリーをローレンスと呼び様々な助言を与え、彼を成長させて行く。後述のサカジャヴィアに惚れており、昼の蝋人形の姿でさえ彼女のいるガラスケースを見ることができる位置いる。後半では文字通り体を張った活躍を見せる。
歴史上のセオドア・ルーズベルトは、アメリカとスペインの間で起こった米西戦争において、指揮官を務めたことで名を馳せ、1901年からの26代目大統領の任期中、ポーツマス条約の調停に尽力し、ノーベル平和賞を受賞したり、生涯に30冊以上の本を書くなど、とても頭のきれる人物だった。
ちなみに、愛称はテディ。「テディベア」とは熊狩りが趣味の彼の愛称から名付けられ、世界中でクマのぬいぐるみをそう呼ぶようになった。

〇オクタヴィアヌス(演:スティーブ・クーガン、吹替:水野龍司)
古代ローマ帝国の初代皇帝……のミニチュア人形。闘技場のジオラマや部下達と一緒に展示されている。愛すべき馬鹿その1。
歴史上では、皇帝の座に就いた際に共和政の復興を掲げて、アウグストゥス(尊厳者)の称号を得たり、暗殺されたカエサルが夢見た平和な国作りを目指し、40年程にわたる“パックス・ロマーナ(ローマの平和)”を実現させたことで知られている。

〇ジェデダイア・スミス(演:オーウェン・ウィルソン、吹替:森川智之
西部開拓時代のカウボーイ……のミニチュア人形。オクタヴィアヌスや彼以外にもマヤ族のミニチュアがいる。愛すべき馬鹿その2。彼が自分達の展示スペースより外に蒸気機関車のレールを伸ばそうとしているため、古代ローマとの境にある壁にダイナマイトを仕掛けたり、その対抗としてオクタヴィアヌスがジェデダイアを処刑器具にかけたりと、お互いにいがみ合い衝突していたが、セシルからの石板奪還作戦の要として協力し、やがて無二の親友に。

〇デクスター
オマキザル……の剥製。猿の中では知能が高く、イタズラ好きでトラブルメーカーだが、ラリーとはビンタし合う仲。

〇アッティラ(演:パトリック・ギャラガー)
かつてヨーロッパを支配した、フン族の王様……の人形。常に叫び声(フン族の言語)で話す。
実は寂しがり屋なのだが、やたら手足を引きちぎりたがる。
「マキカカッ!(お茶目顔)」

〇サカジャヴィア(演:ミズオ・ペック、吹替:本田貴子)
展示物側のヒロイン。探検隊の現地ガイドを務めたアメリカ先住民の娘…のポリウレタン製のマネキン。
ガラス越しに陳列されていた為に言葉を外に伝える事が出来ずに困り果てていた。
歴史上では、同じくアメリカ先住民女性のポカホンタスと並び、アメリカ現地ではかなり有名。19世紀初期にルイスとクラークの探検隊と出会い、彼らのガイド兼通訳を務めた。赤ん坊を背負いながら、2年以上に渡る旅を成功させた功績は、今も語り継がれている。

○ルイス
○クラーク
2人とも当時未開の地であるアメリカ西部をサカジャヴィアの案内で旅した探検隊のメンバー……の人形。自由気ままな展示物の中では貴重なルーズベルト達と同じように理性的な偉人の展示物であり、メインキャラにもなってもおかしくないのだが、キャラがサカジャヴィア達とかぶっていて少し影が薄い。実は未公開シーンで市バスに乗って太平洋に行きかけた。

〇モアイ像(声:ブラッド・ギャレット、吹替:玄田哲章
壁沿いに設置された巨大なモアイ像……のレプリカ。「ボケボケ」「ガムガム」等どこかの獣拳使いのような単語を使う会話が目立つが、業務初日のラリーに気さくに話しかけたり、ラリーの代わりに博物館中に声を響かせて曲者揃いの展示物達を一喝し、落ち着かせてくれるなど、終始味方の存在。
本家のモアイは、南太平洋の真ん中に位置するイースター島にある巨大な頭像のこと。建設中に放置されたものも含め約1000体ある。この島に文化が発達していたことは間違いないが、いつごろ何の目的で作られたのかはまったく不明。
ちなみに、渋谷駅南口にあるのは“モアイ像”ではなく“モヤイ像”。

〇アクメンラー(演:ラミ・マレック、吹替:小森創介)
包帯で厳重に保護されていた古代エジプトの王、ただし彼のみ展示物の中では実在の人物でない映画オリジナルキャラクター。礼儀正しく、巨大なアヌビス像を従えている。ラリー達をブルックリンの守護者と呼ぶ。
ミイラのはずだが、生前の姿に戻っており見た目は普通の人間でかなりイケメン。
大英博物館にいた為流暢な英語を話すほか、フン族の言葉も通訳できる。彼の所有物である黄金の板が(アクメンラー含む)展示物に命を与えているので、ある意味すべての元凶だが、作中では終始味方のいい人。

〇ネアンデルタール人達
石斧を持ち歩き、集団で行動する原始人達……の人形。作中では四人登場していたが、一人が太陽を浴びて灰になってしまった。 彼等の時代には埋葬の風習はあったとされるが、
当の本人達は人数の増減を気にも留めずサッカーをしたり、博物館の外の屋根の上や地下鉄で大騒ぎしたり、消火剤をガブ飲みしたりして夜を楽しんでいる。少しは気にしろよ……

〇レックス
ティラノサウルスの骨格模型。ゴツい見かけとは裏腹に性格はそのもの。
愛称はレクシー。外した肋骨(遊び道具)はちゃんと自分で嵌め直す。

〇クリストファー・コロンブス(演:ピエルフランチェスコ・ファビーノ)
インドを目指していたら計算ミスでアメリカを発見したイタリア生まれの航海者……の銅像。演じていたのは本物のイタリア人の俳優さん。展示物達が力を合わせるクライマックスシーンではネアンデルタール人達と共にレジナルドを追い詰める。ラテン語で話す。
歴史上では、1492年に当時の人々にとって未知だった新大陸(アメリカ)に到達した探検家として有名。アメリカをインドと信じていたので、アメリカの先住民は西洋人の天然ボケによって、“インディアン”と呼ばれるはめになってしまった。

〇南北戦争の兵士たち
かつてアメリカ南北戦争を戦った兵士たち……の軍服を着た綿入りの布製マネキン。
完全武装しており毎夜終わりのない戦争を繰り広げているが、ラストでは巧みな動きと統率でセシル達三人組の一人を圧倒し、仲良くなった。
南北戦争とは、1861年に始まったアメリカ史上最大の内戦にして、世界初の“近代戦争”。おもに奴隷制度に対する意見の違いから工業社会で奴隷の解放を主張する北部と綿などの農業社会で奴隷の存在が産業の維持に必要だった南部が激しくぶつかり合った。両軍で60万以上の死者が出たこの戦争は、最終的に北軍が勝利し、奴隷制度は幕を閉じた。

〇ライオン
ご存知サバンナで暮らす百獣の王……の剥製。展示されている区画の鍵を閉めないと警備員に被害が及ぶ。

○その他
ライオンと共に展示されていたダチョウやサイなどの動物の剥製、アフリカとペルーの民族の家族、修道女やエスキモー、中世の甲冑など。背景に少し映り込むだけの脇役達だが、この映画の雰囲気を盛り上げてくれる存在達。



余談

本作のDVDには珍しく脚本家のロバート・ベン・ガラントとトーマス・レノンによるオーディオコメンタリーが収録されており、
  • 「このコメンタリーを見てる人は脚本家になりたい人か、監督や主演俳優のコメンタリーまで全部見終わった人のどちらかだと思う」といきなり自虐ネタを突っ込む
  • 「プロデューサーは予定外の出費を凄く嫌うんだ」「最終的に予算よりかなり安く済ませたのにねぇ」と苦労話を披露
  • 「原作はたった25ページの絵本なんだけど、映画にするには短すぎて色々エピソードを追加したんだ」と、普通に面白い裏話もする
  • 「そういえばぼくらは完成版を見るのはこれが初めてなんだよね」「そう、この前見たときは"ここにライオン"って書いてた」などと言い出し、そのうちネタも切れたのかガチで映画を見始める(喋らなくなる)
と、色々と突っ込みどころの多いものとなっている。ちなみにレンタル版には収録されていないとの情報あり。


2009年にスミソニアン博物館を舞台にした続編『ナイトミュージアム2』が公開され、
2014年には大英博物館を舞台にした完結編の『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』も公開されている。

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最終更新:2023年08月29日 07:34