1500m走の練習方法(陸上競技)

登録日:2012/07/27 (金) 23:25:51
更新日:2023/11/08 Wed 22:50:54
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陸上競技の1500m走は日本ではマイナーですが欧州、アメリカでは陸上競技の花形種目です。

伝統的に人気のある大会が多く、TV中継も多い欧州では、競技者として走るにも観客として観戦するにもエキサイティングな種目として認識されています。

日本の実業団の選手が遠征で欧州の大会に出ると、日本と比べ物にならないくらいの盛り上がり様で驚くといった話しがたまにあります。


【必要な体力要素】
スプリント能力と持久力を高いレベルで両立することが要求されます。

いかに乳酸を処理してスピードを維持するか、かつ緻密なレース戦略も必要とされるとってもハードな種目です。

格闘技に例えられる800m走ほど激しくはないものの、選手同士の接触も多々あります。

この項目では1500m走について(歴史、競技体形、世界記録、有名な選手etc)ではなく1500m走の練習方法を主に紹介したいと思います。

1500mは非常に潰しが利く種目で、専門種目を決めていない人や800m、5000mをやってる人はもちろんハーフやマラソンメインのランナーにも役に立ちますよ。

1500mを速く走るためには長い距離の走り込みよりも、短い距離を1500mの自己ベストよりも速いペースで反復する練習をしたほうがより効果的です。

以下、トレーニングの詳細を紹介した後、それらを組み合わせたトレーニング計画を紹介します。


【練習内容一覧】

10×400m or 7×300m Classic Repeat

古典的な練習方です。

400レペのほうはかつて不可能だと言われていた1600m4分切りを人類で初めて達成した選手が好んでやっていたことで有名です。

300mレペは現在アメリカで数々のランナーを育成し、アメリカの中長距離走のレベルを大きく飛躍させた名伯楽アルベルトサラザール氏が好んで行っています。


どちらも1500mの自己ベストのペース±5%で反復することで'予習,をするトレーニングです。

レストは150m~300mJog or 30秒~3分で


変化走

速いペースと遅いペースを組み合わせて走ることで、ペース変化に対応できる脚を作ります。

できれば未舗装の道か芝生でやるのが望ましいです。


例1:(1分hard
  1. 2分easy)×6~10
hardは400m~5000mレースペース

easyは好きなペースで

例2:(30秒hard+30秒easy)×12~30
ペースは上記と同じ


セット走

1500mのレース展開に対応した練習。分割走。

例1:4×200m/400m/200m

最初200mを800mのレペ、次の400mは1500のレペ、最後の200mは400mのレペで走る。
距離間のレストはとらない。

4×200mの間のみ2分レスト。

例2:4×800m/400m
800mを1500mのレペで走り、4本目を終えたら休まずにすぐ400mを800mのレペで走る。

800mの間のレストは3分。

例3:600m/400m/300m/200m

r=2分、90秒、60秒


坂レペティション
100~300m程度の坂を1500mのレペで登り、下りをjogで繋いで反復する練習。

無理に追い込まなくても負荷が高くなるので、脚筋力と心肺機能が自然に鍛えられる。

100m程度の坂なら10本くらい反復。


ファルトレク
ペースに変化をつけて起伏のある道を走る練習方法です。

変化走とは違いペースを設定せず、好きなタイミングでペースを上げ下げしながら自由に走ります。

フォームを意識しつつリラックスして行ってください。



【基礎プログラム】
ランニング経験が少ししかない、または新規で1500mを走る他種目の選手が対象。

最低でも3kmは止まらずに走れる体力が必要です。

アメリカのクラブチームのプログラムを参考にしたので、一般的な練習とは少しズレがあるかもしれません。

以下14日間の練習メニューです。


▼試合期前期

一日目・8×400m
1500mレースペース、レスト2分

ニ日目・3km easy


三日目・2×1600m
5000mレースペースで、レスト4分


四日目・3~5km easy

五日目・6×200m
400mレースペース、レスト1分

六日目・5km easy or Rest

七日目・4×200m/400m/200m

最初の200mを800m、次の400mは1500m、最後200mは400mのレースペースで

同じ距離は2分レスト、距離間レストはなし。

八日目・5km ファルトレク

九日目・4×400m/4×200m/6×100m

400mは1500mのレースペース、200mは800mレースペース、100mは全力で

距離間レストなし
十日目・3km jog

十一日目・変化走12分(1分hard+2分easy×4)+6×100m

十二日目・5km easy

十三日目・ 10×100m hill repeat

1500mのペースでレストは下りをjogで

十四日目・Rest



▼試合期中期

一日目・6×400m(p=1500mレペ)+2×400m(p=1500mレースでのスパートのペース)

レストは2分の完全休養

ニ日目・5km ファルトレク

三日目・2×1600m
5000mレペ、レスト3分

四日目 6km easy

五日目 8×200m
400mレペ レスト2分

六日目 5~7kmファルトレク

七日目 3×600m+1×200m

600は1500mレペ、200は800mレペ

3×600mのレストは5分、距離間レストはなし。


八日目 6km easy

九日目 4×400m+4×200m+4×100m

400は1500レペ、200は800レペ、100は全力で

400のレストは2分、200のレストは1分、100のレストは30秒
十日目 7km ファルトレク

十一日目 15min変化走(1分間1500m pace+2分間easy pace)×5

十二日目 5~8km ファルトレク

十三日目 10×100m Hill Repeat

登りは1500レペ、下りは楽なjog

十四日目 8km easy



▼試合期後期

一日目・5×400m+3×400m

最初の5本は1500mのイーブンペース、次の3本はスパートのペース

レストは1分。5本目と3本目の間のみレストなし。

二日目・8km ファルトレク

三日目・2×2400m
5000mレペ、レスト2分

四日目・8km easy

五日目・10×200m 400レペ、2分レスト

六日目・5~8kmファルトレク

七日目・3×800m+1×200m

800は1500レペより速いペースで、200は800レペ

800mの間のレストは4分、距離間はレストなし。

八日目・10km easy

九日目・4×400m+4×200m+4×100m

400mは1500レペ、200mは800レペ、100mは全力。

レストは2分+1分+30秒
十日目・10kmファルトレク

十一日目・18min変化走(1min hard 2min easy)×6

十二日目・10km easy




追記修正は集団戦での肘打ちマスターになってから願いします。

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最終更新:2023年11月08日 22:50