グライオン

登録日:2009/12/03 Thu 20:42:08
更新日:2024/03/10 Sun 21:12:48
所要時間:約 5 分で読めます




羽音を立てずに空を飛ぶ。長い尻尾で獲物を捕まえキバで急所を一突き。



出典:ポケットモンスター ダイヤモンド&パール、187話『激闘フルバトル!サトシ対シンジ!!』、
2006年9月28日~2010年9月9日まで放送。OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon


■データ


全国図鑑No472
分類:キバさそりポケモン
英語名:Gliscor
身長:2.0m
体重:42.5kg
タマゴグループ:虫
性別比率:♂50♀50

タイプ:じめん/ひこう
特性:すながくれ(天候が砂嵐の時に回避率が1.25倍になり、タイプに関係なく砂嵐のダメージを受けない)
  /かいりきバサミ(相手の効果で攻撃を下げられない)
隠れ特性:ポイズンヒール(どく・もうどく状態の時、毎ターンHPを最大値の1/8回復)

種族値
HP:75
攻撃:95
防御:125
特攻:45
特防:75
素早さ:95
合計:510

努力値:防御+2




■概要


普段は木の枝にぶら下がって様子をうかがっている。
獲物を見付けると音も無く滑空、長い尻尾で捕まえて毒針で急所を刺す。

僅かな風の流れに上手く乗ると、一度も羽ばたかずに星を一周出来る。
ただ、実際には滑空しか出来ないため、行きたい方向には行けない。
身長は2倍近くになったが体重は軽くなった。相当減量に努力したのだろう。

■ゲームでのグライオン


金銀で登場したグライガーの追加進化形態であり、ダイヤモンド・パールより登場。
ダイパでは使用トレーナーはいなかったが、プラチナでは四天王キクノが使用する。

自力では飛行、地面の技を覚えず、わざマシンやタマゴ技等が必要。
バトルフロンティアでは要注意ポケモンの一匹。
「ハサミギロチン」に3タテは誰もがトラウマを残してしまう。


■アニメでのグライオン系


ジョウト編でグライガーが初登場。この回はバットマンのパロディになっている。
AG編ではマサムネの手持ちとして登場。決勝トーナメント2回戦ではサトシのジュプトルを倒し、オオスバメと相討ちになるなど彼の主力。

DP編ではサトシの手持ちポケモンに加わる。ちなみにシンジが所持しているのは同じ群れの元ボス。
てへぺろっ☆が非常に可愛らしい。進化後も泣き虫な面が残っていたりとやっぱり可愛い。

シンジとの野良試合で悲惨な負け方をし、バトルに消極的になるが、シゲルの助けもあって克服。グライオンへと進化を遂げた。
ちなみにシゲルから『するどいキバ』を貰った時点でグライガーは進化する事でトラウマを払拭したがっていたが、サトシは「トラウマを克服してから進化だ」と言って、グライガーの進化を拒否した
進化のタイミングをポケモン自身に委ねているサトシが、ポケモン自身が進化を望んでいるのに拒んだのは26年の旅の中で、後にも先にもこの件だけ

偵察を担当することもあるが、上記の通りに風に乗り滑空するため、帰れなくなった時があった。ジム戦ではミオジムでトリをつとめるなどの活躍をした。
エアバトルマスター(空中戦の達人)のミツゾーに修行のため一時預けられたが、
ポケモンリーグにてシンジ戦前夜に戻り、サトシの手持ちを3タテしたシンジのドラピオンと死闘を繰り広げ見事勝利した。シンジ戦第2のMVPである。

このバトルでサトシはエアバトルマスターが使用した戦法を用いたり、グライオン自身も特訓の成果かかなりタフになっていた。
(ギガインパクトが当たった瞬間、その反動で上空に避難することで反動で動けなくなる所をカバーする戦法)
後のネギガナイトがスターアサルトの反動で動けなくなったところを10万馬力の餌食になったことを考えると非常に優秀な戦術を持っていることがうかがえる。

■対戦でのグライオン


防御が高い物理受けタイプ。素早さと攻撃もなかなかと、特攻以外は高水準のポケモン。攻撃も補助もこなせる。

タイプ的に主に格闘相手に優秀な物理受けになる。
特にあのヘラクロスを最も安定して受ける事が出来る存在として有名。

また、砂パに投入して砂隠れ発動時は命中率が0.8倍になり、命中率100%が「ストーンエッジ」並みまで下がるという凶悪さ。
さらに「ひかりのこな」を持たせれば「ふぶき」並の命中率に……
必中技の殆んどが物理技のため、万一被弾しても持ち前の防御力でダメージを抑えられる凶悪コンボ。
だが所詮運ゲなので過信は禁物。


隠れ特性の「ポイズンヒール」での無限ループも非常に凶悪。
毒々玉を持たせ、『有利な相手に後だし→流し際身代わりを張る→守る→身代わり→守る…』で延々と粘る。
第六世代では一試合あたりの時間が30分になった事もあり、上記を時間ギリギリまで使う事でTODを狙えるこちらの型が主流。
特筆すべきはそのハメ性能の高さであり、
身代わりを残した状態で対面した場合ほぼ全てのポケモンで突破が不可能になる性能を誇る。

反面、「ほえる」や「ちょうはつ」、身代わり貫通技であっさりと封じられる。
第六世代以降は音技が身代わりを貫通するようになったため、突破手段が増した。
また、小ネタレベルの対策ではあるが、実はポイズンヒールで回復している間にもターン経過によるもうどく状態のスリップダメージ増加はしっかりカウントされている。
そのため、何らかの理由でポイズンヒールを失った場合は経過したターン数に見合ったダメージを受けてしまう
もっとも、特性を変化させる技はほとんど身代わりによって防げるため、上述のようにみがわりを貼った状態では対策が困難であることに変わりはない。
ただし、スキルスワップは身代わりがある状態でも有効であるため、ターンが進んだところでこれが決まると莫大なダメージを与えられる*1

アタッカーとして使うなら「いかく」に強くなる「かいりきばさみ」が良い。
ただし単純なフルアタではランドロスの劣化になりがちなのが難点か。

  • 主な技
攻撃技
じしん】安定のメインウェポン。
【じならし】【がんせきふうじ】威力は低いが、流し際に放って後続のサポートや無限コンボの補助として。
【つばめがえし】小回りがきく。小さくなるされようが必中です。
【アクロバット】BWで習得。ジュエル没収後は「きあいのタスキ」との併用が基本。ポイヒ型で使うなら投げつけるをする等の工夫が必要。
【ハサミギロチン】ノーガードカイリキーや耐久型対策に色々と便利な一撃必殺
【ストーンエッジ】飛行、氷と範囲が広く優秀。命中率・PPが不安なら「いわなだれ」で
【とんぼがえり】当て逃げ。不利に見えたら逃げる。
【でんこうせっか】唯一の先制技。読まれにくい。
はたきおとす】第六世代から威力が上がり、サイクル戦に強くなれる。
【なげつける】「どくどくだま」との併用。
他にも「シザークロス」「つじぎり」「かわらわり」「アクアテール」に三色牙サブウェポンの選択肢は豊富である。

補助技も優秀。

【はねやすめ】高い耐久力との相性は抜群。ポイズンヒールとの両用は不可だったが第六世代から可能に。対面的に使う場合は回復源がポイヒで間に合っている場合はあまり必要ない技だが、サイクル戦で受け回す場合に便利。
【つるぎのまい/こうそくいどう】積んでから殴ってもいい。
【バトンタッチ】上記の積み技の効果を交代後も引き継げる。
みがわり】なかなか便利な防御技。特性とのシナジーが凄まじい。
まもる】上述の「ポイズンヒール」と「みがわり」を絡めた無限ループコンボ等に。
【嫌な音】後続サポート。
どくどく】高めの素早さを活かして耐久潰しに。

このようにかなり器用なポケモンだが、タイプ上氷タイプや水タイプ相手には非常に辛い。
ポイヒ戦術も「こおりのつぶて」の前には無力なので、この技を使える相手からはすぐに引こう。

SMでは対戦時間が両者合計で30分ではなく各トレーナー毎の待ち時間制に変更された。
一方のトレーナーの待ち時間が0になるとそのトレーナーの敗北となるため、事実上TODが廃止されたことになる。
今度のそのせいでオニゴーリ使いが得したりしていたりもするが。

USMでは教え技として「ステルスロック」と「おいかぜ」を習得。
サポート役として新たな立ち回りが可能となった。

またVC版金銀クリスタルの技マシンでグライガーが「のろい」を習得でき、それを最新作に転送できる。
ポケムーバーの仕様上隠れ特性持ちとなるため、「ポイズンヒール」型で使える点も安心。
レートでは使用できないのが残念な所。

ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール環境では、第四世代までのポケモンしか存在しない中で、第七世代と同じスペックを誇ることから、ブッチギリの1トップの座に就いているキノガッサの1つ下のNo.2に輝いている(2021年12月下旬時点)。

第9世代では「碧の仮面」で復帰。
習得者の少ない「どくどく」を覚えられるのはいいのだが、代わりに「はねやすめ」「ハサミギロチン」が没収されてしまった。
回復が完全にポイズンヒール任せになり、打点で苦労する事になったのは痛手か。
なお、ハサミギロチンの代替技はなんと「クラブハンマー」。サソリはカニじゃないと思うのだが
それでも強いのは変わらないため。はめ戦法は健在のため使用率は上位を維持していたが、シーズン12では以下の要因で順位を落としている。

  • それまでの「みがまもどくどく型」だとアーマーガア、ミミズズ、風船もちのはがねタイプ、はがねやどくテラスタルした浮遊もちに打点がない
  • ディンルー、赫月ガチグマなどの新規地面ポケモンの登場
  • パオジアンテツノツツミなどの高速氷タイプ
  • れんげきウーラオス

と苦手な奴らがかなり増えてしまい、ギロチン消失で何も出来なくなってしまった。
そもそもグライオンはそのはめ戦法が故に碧の仮面で参戦時には早々に対策されていた事もあり、以前のような圧をかけるのが難しくなった……と思いきやママンボウとカミツオロチといったメンバーでサイクルパーティがシーズン13以降流行りだし再び順位を上げ始めた

■ポケダンのグライオン


空の探検隊』では進化前のグライガーがスペシャルエピソードの「ビッパのねがいごと」の盗賊団「アクトーズ」の一人として登場。
「グハハハ!」という笑い方をする。
同じメンバーのタツベイらと共に芝居をしてビッパを騙してほしのどうくつにおびき寄せるが、彼らの正体を見抜いていたプクリンたちがギルドのメンバーを率いて参上し、同じメンバーのタツベイとユキカブリと共に逆に成敗され、逃げていった。

グライガーはダンジョンではエンディング後に行ける空の裂け目に出現するが、仲間になるのは黒幕を倒した後。
ハサミギロチンに注意。

グライオンは未来世界ダンジョンの暗闇の丘に出現する。

』ではつながりオーブでドゴームとビッパを仲間にすると、ビッパから進化前のグライガーが派生。 大切なものを失くしてしまったようで、見つけてあげると仲間になる。
盗賊団「アクトーズ」の事は言及していないが、ギルドのビッパや盗賊団「アクトーズ」のリーダーであるユキカブリ♂と繋がっていることから、盗賊団「アクトーズ」のグライガーと同一人物であると思われる。
「グハハハハッ!」という笑い方をする。

■進化前 グライガー



顔面めがけて飛んでくる。張りつかれた獲物が驚くあいだに毒針を刺しこむ。

全国図鑑No207
分類:とびさそりポケモン
英語名:Gligar
身長:1.1m
体重:64.8kg

特性:すながくれ(天候が砂嵐の時に相手の技の命中率が0.8倍になり、タイプに関係なく砂嵐のダメージを受けない)
  /かいりきバサミ(攻撃が下げられない)
隠れ特性:めんえき(どく・もうどく状態にならない)

種族値
HP:65
攻撃:75
防御:105
特攻:35
特防:65
素早さ:85
合計:430

努力値:防御+1


進化前。普段は崖に貼り付いているが、獲物を見つけると風に乗って音も無く滑空。
手足の爪で獲物の顔に貼り付き、毒針を刺して仕留める。
あっかんべーした表情は進化後よりも愛嬌があるが、やってることは既に恐ろしい。

じめん・ひこうという真逆のイメージを持つ複合タイプなので、初見では地味に分かりづらい。
「どくタイプだと思ってじめん技を打ったら無効化された」「ひこうタイプだと分かってでんき技を打ったら無効化された」という経験を持つトレーナーもいたことだろう。

高い防御や「はねやすめ」「ハサミギロチン」の存在から「しんかのきせき」型で使える。
また、グライオンの隠れ特性「ポイズンヒール」に対し、こちらの隠れ特性は「めんえき」
耐久型のグライガーとは好相性で、「ハサミギロチン」連打もしやすくなる。

「ハサミギロチン」が効かない「がんじょう」持ちが多い岩・鋼タイプをタイプ一致「じしん」で倒せるのが強み。
他には交代読みで役立ち、同じく「ハサミギロチン」が効かないゴースト対策に有効な「はたきおとす」
交代読みで味方を無償降臨させる「とんぼがえり」、鋼・毒が「じしん」を警戒するおかげで使いやすい「どくどく」
誘う特殊アタッカーに有効な「むしのていこう」等も。

第二世代当時はポケスタ金銀の裏面をクリアしないと「じしん」を覚えた個体が手に入らず、それ以外ではロクなじめん技が使えないという酷い仕様だった。
この入手条件なので厳選も非現実的である。
またひこう技も威力の劣るタマゴ技「つばさでうつ」かこれまた厳選の大変な「めざめるパワー(飛)」に頼る必要があった。
ただ攻撃種族値は当時としても低めであり、どちらかといえばアタッカーよりも優秀な耐性と耐久種族値を評価されてかくとう・じめん技に対する受けとして採用されていた。
第三世代からは普通にわざマシンで「じしん」を覚えるようになっているので今は入手条件に悩む必要はない。


追記、編集は滑空しながらお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ポケモン
  • 小西克幸
  • ポケモン解説項目
  • ポケモン最終進化形
  • じめん
  • ひこう
  • 第四世代
  • DPt
  • ダイパ追加進化組
  • 無限戦法
  • てへぺろ
  • 砂蠍
  • 砂漠の処刑人
  • 減量成功
  • 銀河旋風ブライガー
  • 超重神グラヴィオン
  • 百獣王ゴライオン
  • ダイエット
  • トラウマ
  • 砂嵐PT
  • 砂パ
  • 氷4倍
  • ハサミギロチン
  • すながくれ
  • かいりきバサミ
  • ポイズンヒール
  • めんえき
  • グライガー
  • するどいキバ
  • グライオン
  • サトシ
  • シンジ
  • 剣盾リストラ組

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月10日 21:12

*1 もうどく状態により受ける最大ダメージは最大HPの15/16(15ターン目以降)が最大であるため、これにより1ターンで落とすことは困難