アレルギー

登録日:2011/05/09(月) 17:53:10
更新日:2023/08/06 Sun 14:53:06
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※ご自身の健康問題については、専門の医療機関に相談してください

現代の医学は日々進歩をとげている。病気による死亡率はどんどん低下しており、将来的には臓器すら0から作り出すことすら出来ると言われている。
しかし、その医学が進歩した中でも発症率が下がるどころか増加している病気がある。その1つがアレルギー(アレルギー反応)だ。

そもそもアレルギー反応とはどんな反応なのだろうか?それを簡単に説明する。(あくまでわかりやすく説明するだけなので、ちょっと違ったりしたらごめんなさい)

人間には免疫というものがある。
例えばおたふく風邪にかかったとして、治った直後にまたおたふく風邪にかかってしまったら意味がない。
なので、体は免疫と呼ばれる防衛機構を生成し、同じ抗原に対する抵抗力を手に入れる。これにより、抗原が再び体内に入ってきても発症せずに済んだり、発症しても軽症で済んだりするのである。
普通なら免疫は正常に働くのだがアレルギーをもつ人の場合、特定の物質(アレルゲン)の時のみ抗体が好ましくない方向に働いてしまう場合がある。

これが鼻づまりや皮膚炎の元となるのだ。
つまり、免疫の過剰反応が原因である。…多分。


では完全に治ることはあるのか?
ぶっちゃけほぼ完璧に症状を抑えることは可能だが、完全に治ることは殆どない
ステロイド*1で抑えたとしても、それは対処療法なので-を0に戻すだけで+にするわけではない。
ある程度+にもっていくのに最も良いのは生活リズム・食生活の改善がベストだと言われている。
特に、単純なことだが部屋を綺麗にする・早寝早起きをする等は目に見えて効果が出る場合が多いのでオススメ。ただし、食物アレルギー等の人にはあまり効果がないかも。
また、当たり前だがストレスはないほうがいいので、適度に発散するといい。

なお、輸血時に発生し得る異なる血液型の赤血球に対する拒絶反応や、ツベルクリン反応も免疫の働きによるものである。



【主なアレルギー性疾患】
  • アレルギー性皮膚炎
アレルギー性疾患の中でも最メジャーの1つ。所謂「アトピー」
思春期に発生するパターンが多く、埃やダニに反応する場合が多い。
非常に痒い。また、掻き慣れた人は神経が麻痺している場合がある。
気になる人は皮膚炎ではない人に少し掻かせてもらおう。恐らくかなり痛がられるだろう。
しっかり風呂に入り、ストレスを溜めないことが重要。
そして乾燥が肌荒れの原因にもなるので保湿もしっかりする事。これはニキビ対策にもなる。


  • アレルギー性鼻炎
同じく最メジャーの1つ。こちらも埃やダニに反応する場合が多い。
鼻づまりで基本鼻呼吸が出来ない。鼻水・くしゃみも多発し、受験の時になろうものならストレスがストップ高となること間違いなし。

メジャー度で言ったらこれがトップだろうか。花粉に対するアレルギー反応。
一昔前はあまりなる人は多くなかったが、最近はかなり増えた。
鼻炎と結膜炎が来るので、酷い時はかなりきつい。


  • アレルギー性結膜炎
目の結膜で起きるアレルギー反応。
目が異常に痒くなる。しかし、ここで擦ってはいけない。目は真っ赤になってしまうし、視力は落ちるしいいこと0だからだ。
ここは水で綺麗に洗い流すのを勧める。
まあ実際はそう上手くいかないのだが。

  • アレルギー性喘息
名前はそこまで有名ではないが、凶悪さではダントツのアレルギー性疾患。
原因はあまりわかってはいないが、埃・ダニ・ストレス・季節の変わり目・運動など様々な要因によって発症する。
症状は喘息と同じように呼吸が苦しくなり、大量の咳、粘着性の高い痰が出やすくなる。悪化すると呼吸そのものが殆ど出来なくなったりも。
規模には個人差があり、30分程度で済む人もいれば、1、2日かかっても治らない人もいる。
前者ならまだ問題はないが、後者の場合は冗談抜きで病院を勧める。亡くなった人もいるので注意。


  • 食物アレルギー
近年かなり増加傾向のあるアレルギー。
牛乳・卵・大豆・小麦・蕎麦・米・果物・ピーナッツ・菓子・アルコール・魚介類等、多種多様なラインナップとなっている。
この中でもきついのは牛乳・・大豆・小麦。
これらのどれか1つでもある人は厳しい食生活を送ったのではなかろうか?
特に幼少期はかなり厳しかったと思われる。
歳を重ねる内に多少改善したという話も良く聞く。
酷いと死に至る場合もある。
近年は学校給食で個人のアレルギーに対応した除去食が出されることも。
認知度は高くなっているものの、未だに理解のない大人が無理やりアレルゲンを食べさせたり本人が不注意で食べてしまう事故もある。
一応アレルゲンとなる食べ物を少しずつ食べて慣らす治療もあるが、専門家の指導なしにやるのは大変危険なので素人判断はやめよう。
K2(医療漫画)では実際に卵アレルギーを克服するために経口摂取による治療が描かれたが、再三にわたって「医師の指導の下に行わないと危険」と説明されている。
また注意するべき点として、これらの食物アレルギーは「食べなければ問題無し」とは限らないという事がある。
例えば蕎麦アレルギーの場合、蕎麦を茹でる湯から出る湯気を吸い込んだだけでも、酷い時には呼吸困難になる例があるし、
そばがら枕を使用していても発症してしまう事がある

「昔は食物アレルギーなんて無かった!我慢して食べれば治る!」「アレルギーなんて、ショック療法でコロッと治るものだよ。だから食べなさい!」などと何の根拠もなく主張するお年を召された人や、「アレルギーなんて偏食な人間がよく言う逃げの一言だよね。俺は逃がさないよ?つーワケで、食え(威圧)」「いやいやいや食べ物なんかで死ぬとか有り得ねーしwせいぜい発疹とかが出来る程度だろ?w食いたくないからって変に誇張してんじゃねーよjkww」などと考える非常識な若者も存在するが、
前述の通り素人がやっていい治療法ではないので、ちゃんと説明して止めなければいけない。
同様に「イタズラで食べさせる」「好き嫌いのようなものだと安易に判断して目立たない形で料理に仕込む」
などの行為も絶対にやってはいけない。それで重大な症状を引き起こした場合は傷害罪として、死に至った場合、過失致死として立件される可能性もありうるのだから。

ちなみに「昔はアレルギーが少なかった」というのは裏付けとなるデータが存在する事実である。
アレルギーが急増している原因は高度経済成長期以降から日本の衛生環境が大幅に改善されたためとされている。
衛生環境が改善されたことで、体内の免疫機能が仕事を失った結果、食物などの刺激に過敏に反応してしまうようになったという仮説も存在する。
(あくまでも仮説なので注意。「幼児期から猫や犬などペットを飼うと免疫機構が鍛えられるのでアレルギーに強くなる」という説は俗説とする意見も多い。)
特に回虫をはじめとする寄生虫が体内に存在すると、アレルギー反応が起きなくなるという報告もあり、治療に転用するための研究が続けられている。
逆にアレルギーが全くない人、急にアレルギーが治った人は寄生虫感染症の疑いがあるので検査したほうがいいかもしれない



他にも金属アレルギー・ダニアレルギー・薬物アレルギー・紫外線アレルギー等、様々な種類のアレルギーが存在するので、
もしアレルギー反応が出たら治療と同時に、自分が何に対してアレルギーをもつのか病院で調べて貰うことをオススメする。
非常に希少な例として、自分のそれをも含んだ水分そのものさえ牙をむく水アレルギーというのもある。



【注意】
アレルギーを語る上で欠かせないことがある。それは



詐 欺 が 多 い


ことだ。
正直アレルギーと言われてもパッとわかる人はあまりいない。
そんな人がネットで治療法を調べて『病院では治らないと言われませんでしたか?』とかの宣伝文句にあっさり引っ掛かり、買ってしまうのだ。


ここで私の経験談を話そう。

つい先日家の母親が俺に物凄い笑顔で話しかけてきた。
母「○○。これであんたのアレルギー治るよ!」
俺「は?」
母「インターネットで調べたら治るって!」
俺「何でいきなり」
母「もうすぐあんたが誕生日だからね。たまには親としてのウンタラカンタラ」
俺「はあ、んでいくら?」
母「13800円」
俺「はあ!?たっか!」
母「あれほどきつかったアレルギーが治るなら安いものでしょ?」
俺「(その金があれば神採りにスパロボも買えるのに)」


~数日後~


母「○○、届いたよ!」
俺「さてどんなもんかね」
カザゴソ…
母「………」
俺「………何これ」
あったのは
  • 80ページくらいの本
  • いかにもお手製
  • 著者なし
  • 半ページしか書かれてないので、実質40ページ
  • 内容は食べ物に気を使う、早寝早起きをする等基本的なこと
  • 食べ物のハードルが異常に高く(肉は一切食べたら駄目、水は○○の水、全ての野菜は無農薬で、刺激物は駄目、米もあまり食べないようにetc.)、
    全部試したら殆ど食べるものがない
  • 最後に『これら全てを試して効果が無いときのみ保証いたします。試して無い場合は試してからご連絡下さい』
  • 連絡先なし

どう見ても詐欺じゃん!…親にサイトを聞いてみたところ職場のパソコンで注文、どこのサイトかもわからない。とのこと。

今回は家がアホ過ぎただけだが、他の者も引っ掛からないように気をつけて。まずは病院に行ってみよう。


余談だがドラマ「時効警察」で食物アレルギーを利用した殺人があった。
簡単に言うと、夫がピーナッツアレルギー→妻が夫の浮気相手に(相手は男性)ピーナッツオイルたっぷりの料理を食べさせる
→浮気相手と夫がキス→夫、アナフィラキシーショックで死亡、と言った具合。



もしかしたら細かいアレルギーの解釈が違うかもしれないので追記、修正よろしく

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最終更新:2023年08月06日 14:53

*1 炎症を抑えたり、免疫を抑制したりする薬剤