首無し鶏マイク(ギネス記録保持者)

登録日 :2012/07/22(日) 21:17:03
更新日 : 2017/02/22 Wed 12:03:07
所要時間 :約 4 分で読めます




この項目にはグロテスクな表現があります




1945年9月10日、コロラド州フルイトの牧場主、ロイド=オルセンは、近所の雑貨屋にてフライパンを購入し帰宅した。
それまで使っていたものはもうボロボロになっていたのである。

そして、帰るなり、鶏小屋から一羽、格別に元気な雄鶏を選ぶと、台所へと持ち帰った。
今日の夕飯のオカズである。
ロイドの家は牧場である事もあり、こうして鶏を絞めて食べる事は普通の事であり、いつもの光景であった。

彼は祖母から、「鶏は首を真っ先に切り落として血を抜くのが一番美味しい」と教わっており、台所の器具に固定した鶏の首めがけ、一思いに斧を降り下ろした。

狙い通り、鶏の首は見事に落とされた。
だが、首を落とされたその鶏の身体は、何も無かったかのように動きだし、なんと、自分がいた鶏小屋へと走っていったのだ。
そして、そのまま、餌をついばむような仕草や、首を羽の部分にやって毛繕いをするような仕草まで始めたと言う。
その様に家族も皆仰天し、とりあえず、この鶏を夕飯にするのは諦めた。
そして、切断された首部分からスポイトを使い、水や餌をあげると、鶏はそのまま生存し続けたと言う。

一家は、その鶏を「マイク」と名付けた。



■何故首を切られて生きていたか?
その翌週、一家は、ソルトレイクシティの大学にマイクを連れていった。

当然だが、びっくり仰天されたとの事。

そして、大学にて調査が行われ、「斧で頸動脈を切り取った時に血液が一瞬にして凝固し失血を抑えた事」と、
「脳幹と耳の神経が半分以上残っていた事」が要因であると結論が出された。
反射作用の大部分を司る脳幹が無事だったため、マイクは至って健康であったと言う。
その後も、マイクは2ポンドだった体重を8ポンドにするなど、成長さえしながら元気に生存していたと言う。
いくつかの動物愛護団体から苦情はあったものの、身体検査の結果、マイクに苦痛は特に無かったらしい事もわかっている。
視力・聴力・嗅覚は間違いなく失っていただろうが



■全米の反応
このニュースは「ライフ」や「タイム」などの大手新聞や雑誌も取り上げ、「首無し鶏のマイク」の名は全米に知れ渡った。

そして、主人のロイドと共に、ニューヨーク、アトランティックシティ、ロスアンジェルス、サンディエゴなどに見世物としての興業が行われ、
人々は、「ミラクルマイク」の生命力に固唾を飲んだと言う。
また、彼をテーマにした童謡すら産まれた。



■マイクの最期
しかし、興業中、彼と人々との別れは突然訪れた。
アリゾナのモーテルにて、食餌中、彼の食道に餌が詰まってしまったのだ。
その時には運悪く、掻き出すためのスポイトも手元には無く、マイクはそのまま窒息死してしまった。

それは、首を切り落とされてから18ヶ月の事であった。



■その後
「首が無い状態で18ヶ月生きた鶏」である彼は、もちろんギネス世界記録として認定された。
そして、彼の故郷、コロラド州のフルイタでは、毎年5月の第3週末日を「首なし鶏の日」として祭りを行っていると言う。

後に、マイクの飼い主であったロイドは語っている。

「マイクが人々を感動させたのは、首が無かったからでは無い。その生への執着と生命力が、皆の心を動かしたのだ」


■影響
マイクの奇跡を模倣すべく大量の鶏を購入、首を切り続ける者もあらわれマイクの興行にも批判が集まった。
その勢いは一つの町から鶏が完全に姿を消してしまうほどであった。しかし、結局生き延びた鶏は一匹もいなかった。
マイクの死後、首狩り騒動は徐々に沈静化し、奇跡を追う者は一人もいなくなった。



追記、修正は、マイクの冥福を祈りつつお願いします




―♪―

Mike, Mike,

where's your head?

Even without it,


―♪―

この項目が面白かったなら……\ポチッと/