METAL GEAR

登録日:2011/07/29(金) 10:30:10
更新日:2024/01/12 Fri 00:58:39
所要時間:約 4 分で読めます






METAL(メタル) GEAR(ギア)


METAL GEARは、1987年にコナミからMSX2用に発売されたアクションゲーム。


概要

メタルギアシリーズの記念すべき第一作であり、後に幾度となく語られる「アウターヘブン事件」を扱った作品。

様々なハードに移植されており、現在でもWiiのバーチャルコンソールや携帯アプリなどで手軽にプレイできる。
FC版はクソだったが(後述)


当時のゲームハードは性能が低く高度な処理が出来ないため、複雑なアクションゲームは開発できなかった。*1
だが、本シリーズの監督である小島秀夫は、それを逆手に取る。

「戦闘シーンを再現するのが困難なら、戦闘シーンを回避すること自体をゲームにすればいい」

この考えの元に産まれたのが、「敵を倒して進む」のではなく「敵から隠れて進む」ステルスゲームというジャンルである。
さらに、緻密に考えられたストーリー、味のある登場人物などから、このゲームは国内外で大人気となった。

ただしの視界は真正面一直線しかない(よって少しズレていれば見つからずに正面から撲殺可能)など、まだまだ荒削りな部分も多い。

その後続編として、『メタルギア2 ソリッドスネーク』が発売された。


ストーリー

80年代後半、英雄的かつ狂人とも言われた一人の傭兵によって、南アフリカの奥地に武装要塞国家「アウターヘブン」が生まれた。そこで、全世界の軍事史を塗り替えてしまうほどの恐るべき兵器が開発されているとの情報が入る。
政府はこの謎の兵器の情報を入手すべく、ハイテク特殊部隊「FOXHOUND」に出動を要請。司令官ビッグボスは部隊の最優秀兵士、グレイ・フォックスを派遣させる。
しかし数日後、調査を行っていた彼は

「メタルギア…」
という言葉を最後に消息を絶ってしまった。

政府は再度FOXHOUNDに出動を要請。今度指名されたのは入隊したばかりの新米隊員、ソリッド・スネーク。

「こちらビックボス
…OPERATION INTRUDE N313。
敵要塞アフターヘブンに潜入、最終兵器メタルギアを破壊せよ!
まずは消息をたったグレイ・フォックスとコンタクト、最終兵器メタルギアの正体を探れ。」


登場人物

メインキャラ

おなじみ、シリーズの主人公。本作ではまだ任務経験が無い新米。
消息不明になったグレイ・フォックスの捜索とメタルギアの正体を探るという任務を受ける。

特殊部隊FOXHOUNDの司令官。
政府の要請を受け、フォックスとスネークを派遣し、通信でサポートするいわゆる後の大佐ポジ。
終盤、怪しい言動が増えるが…
後に彼がソリッドスネークと双璧を成す人気キャラクターになるとは、誰一人想像していなかっただろう
そして、MGSV:TPPでは衝撃的な事実が発覚する

FOXHOUNDの最優秀兵士。最初にアウターヘブンへ潜入し、メタルギアの正体を探ったが捕まり、捕虜になる。
今作ではドラゴの事を教えてくれるだけのチョイ役。

  • ペトロヴィッチ・マッドナー(復刻版ではドラゴ・ペトロヴィッチ・マッドナー)
メタルギアの開発者である天才科学者。娘とアメリカへ亡命中にアウターヘブンに捕まり、娘を人質に取られて兵器の開発を強いられていた。
FC版以外だとメタルギア破壊方法を知っていれば助ける必要がないので無視するプレイヤーもいる。?????「スネーク、それをやってはダメだ。未来が変わってしまう、タイムパラドックスだ!!!」

  • エレン・マッドナー
上記のマッドナーの娘。
彼女を助けないとマッドナーはメタルギアの破壊方法を教えてくれない。
マッドナーと離れた罠だらけの独房に閉じ込められているので上記の通りドラゴ共々無視されることが多い。


無線サポーター

  • シュナイダー
アウターヘブンに対抗するレジスタンスのリーダー。
元建築技師でありアウターヘブンの建設スタッフでもあったのだが妻子を殺された為にレジスタンスを結成する。
アウターヘブンの内部構造についてサポートを行い、アウターヘブンの司令官の正体を突き止めるが… 

  • ダイアン
レジスタンスメンバーの1人。
アウターヘブン内で諜報活動を行っており、敵兵の情報に詳しい。

  • スティーブ
ダイアンにCALL時に希に応答する。
スネークの事を誤解しており、後半になると「ダイアンに話しかけないでくれ」と怒鳴りつけサポートを受けられなくしてしまう。

  • ジェニファー
アウターヘブンに囚われた兄を救うためにメディカルスタッフとして潜入。
有能でスネークを直接サポートしてくれるがプライドが高い為に最高階級でないと応答もしてくれない。
他作品にも同名のキャラが登場するがおそらく別人と思われる。


アウターヘブンの傭兵達

  • シュート・ガンナー(復刻版ではショット・メーカー)
「ここから脱走できたものはいない」
グレイフォックスが囚われていた独房の看守。素早く動きながらショットガンを撃ちまくってスネークを苦しめる。
装備品を取り上げられた状態なので倒すにはまず装備品を取り戻す必要がある。
実は倒さなくても独房は脱出できる。

  • マシンガンキッド
「この先は通さん」
ビルの要所を守る傭兵。
障害物の関係で正面から撃ち合いを強いられる地形でマシンガンを乱射してくる為、真正面から戦うとあっという間に蜂の巣になる。
壁に隠れてリモコンミサイルを撃ち込めば無傷で倒せる…と言うかそれ以外だと厳しい。

  • ファイヤー・トルーパー
「丸焼きにしてやる」
ドラゴのいる独房への進路を阻む傭兵。
名前通り火炎放射による猛烈な攻撃を仕掛けてくる。
安全地帯があるのでそこから攻撃すれば無傷で倒せる。

  • カワード・ダッグ(復刻版ではダーティ・ダッグ)
「撃てるものなら撃ってみろ」
カード8を所持する傭兵。
大変な卑怯者であり、ジェニファーの兄を含めた3人の捕虜を盾にした上に部屋にトラップを仕掛け、更にブーメランによる遠距離攻撃を行ってスネークを倒そうとする。
ブーメランの攻撃力はかなり高く、捕虜を殺すとクリア不可能になるという面もあってかなりの強敵となる。
また復刻版のEASYの場合は2人までなら捕虜を殺してもクリアはできる。また初期位置から動かずにロケットランチャーを2発叩き込んでも倒せる。








以下ネタバレ










「メタルギア」の正体とは、単独での作戦行動が可能で、様々な状況や地形から核ミサイルを発射できる「核搭載二足歩行戦車 メタルギアTX-55」であった。
スネークはこれをプラスチック爆薬で破壊に成功。
しかし、それを引き金にアウターヘブンの自爆装置が作動。
そして、脱出しようとするスネークの前に、ビッグボスが現れた。

アウターヘブンの統率者は、FOXHOUNDの司令官でもあった彼自身だったのである。

新米であるスネークを送り込んだのも、偽の情報を持ち帰らせることが目的だったのだ。しかしスネークは彼の予想を上回り活躍してしまったため、巻き添えに始末しようとする。
だがスネークは彼にも勝利。アウターヘブンは自爆し、スネークは帰還するのだった。


「コチラ SOLID SNAKE …
METAL GEAR ハカイ ニ セイコウ。
OPERATION INTRUDE N313 カンリョウ シタ!

ナニモカモ オワッタ…
ナニモカモ…

タダイマ カラ キカンスル。
…OVER」






















「コチラ BIG MAIDEN …
OPERATION INTRUDE N313。
ANIOTA WIKI ニ アクセス、
コウモク ヲ ツイキ・シュウセイ セヨ!














FC版

上記で述べられたように今作にはファミリーコンピュータ移植版が発売されていた。
当時MSXは(と言うかPC全般が)いまだ高嶺の花的存在であったのでFCユーザーは歓喜したと思われるが…

このFC版はMSX版スタッフが関わっていない事もあって まごう事なきクソゲーである。
しかし、海外では(当時MSX2版が知られていなかったせいか)良ゲーとしてミリオンヒットし、MS-DOS・コモドール64にも移植された。
その結果、別の部署による独自の続編『Snake's Revenge』が発売されている(開発は日本で行われたが、こちらも小島は全く関与していない)。
『Snake's Revenge』の内容は、再び暗躍する謎の軍事集団と彼らのもつメタルギアの破壊。本作では横スクロール面があるほか、ちゃんとメタルギアとの戦闘もある。
「量産され、輸送船に並ぶ複数のメタルギア」「復活する過去の強敵」「サーチライト」「足元が弱点のボス」「スネークがナイフを装備」といった後の作品につながる新機軸が含まれており、評価は高かった。
小島が『Snake's Revenge』の評判を聞きつけ、「じゃあ自分の『メタルギア2』を作ろう」ということになり、小島が書いた企画書をもとに『メタルギア2 ソリッドスネーク』が制作されたという噂も存在しているが、明確なソースに欠けており真偽は不明。

主な変更点

  • 開始時の潜入方法が排水口から侵入→飛行艇からの降下に変更
    • 上記の変更に伴い基地潜入が野外を駆け抜けトラックを利用した潜入に変更された。トラックにはこの時点では行っても意味がない場所も含まれており、違うトラックに乗ると戦車に遭遇したりカード4も入手できてしまう(この時点ではほぼ無意味だが…)。
      • 階級が上がるまでは初期位置から再開されるので行き来が面倒。
  • 一部の敵兵やボスの強化、変更
    • フライングアーマー兵が飛行しなくなったり、ヘリが追撃砲を撃ってくる兵士2名になったりと技術力の不足か簡略化された物が多い(追撃砲に関しては結構強いが)。
  • 配置ルーチンが固定、アラートが一種類に
    • MSX版と違いスネークの移動元に応じて敵兵の配置が変化する事はない(MSX版でも必ず発見される場所はあるが)。その為に 画面が切り替わった瞬間に見つかる という事故がかなり多発する。
    • アラートに関しても画面を切り替えれば解除されるので下手に潜入するよりは ゴリ押ししたほうが楽 という本末転倒な結果に…
  • BGMの変更
    • ボス戦とゲームオーバー、エンディング以外の曲が変更された。











以下ネタバレ

  • メタルギアが登場しない
    • 今作が駄作呼ばわりされる最大の理由。メタルギアを破壊する場面に登場するのはメタルギアを管理するスーパーコンピューターであり プラスティック爆弾16個仕掛けるだけで破壊できてしまう 。防衛に関しても一般の敵兵が4人いるだけで排除してしまえば無傷で破壊できてしまう。
      • ただし、FC版ではマッドナー親子を救助しないと破壊できないのでこの面に関してはMSX版よりも話の統合が取れているとも言える。


「そうだ。私が『ホックスハウンド』総司令官そして…このアウターヘブンのボス、ビッグボスだ。」
「ソリッド・スネーク、私はただでは死なない『道ずれ』にしてやる!!かかってこい。」
  • ビッグボスの扱い
    • 上記はスネークと対峙した際に語る台詞である。 …自分が指揮する部隊の名称を盛大に間違えたり誤字があるという残念な展開にされている。
      • 一応、強化はされておりMSX版と比べて耐久力が2.5倍ほど高くなっている。ロケットランチャー10発叩き込まないと倒せないとか2より強いような…








…聞こえるか?ソリッド・スネーク…
私は死なん…
いつか決着を付けよう。
いつの日か…
また会おう!








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最終更新:2024年01月12日 00:58

*1 その複雑なACTである『魂斗羅(アーケード版)』が1988年にFCとMSX2で移植されたが、それでもゲーム機由来の問題が付きまとっていた。