筋ジストロフィー

登録日 :2011/07/20(水) 19:37:17
更新日 : 2016/12/29 Thu 17:27:16
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筋ジストロフィー(筋ジス)とは、遺伝子的異常により筋肉の萎縮や筋力低下などを引き起こす疾患を指す。



<原因>
我々の体内の細胞には ジストロフィン という物質が含まれている。ジストロフィンは筋肉の生成にかかせない重要な役割を持つ。

ところが何らかの遺伝子異常が発生し、ジストロフィンが生成されなくなるとどうなるか。
筋肉は脂肪に置き変わったり変性してしまい、結果筋肉はどんどん萎縮・破壊されていくこととなる (これをジストロフィー変化という)。
これが筋ジストロフィーという病の構造であり、また定義である。

ただ詳しいことに関しては現代医学でさえ不明な点が多く、またどの型も発生率が 人口10万人中数名 という稀な病であるため、研究はなかなか進んでいない。
そのため周知の通り難病の一つに数えられている。


<デュシェンヌ型>
筋ジストロフィーの内の、実に60%を占める。
10万人に5人の割合で発症。


●特徴
  • X染色体伴性劣性遺伝
  • ジストロフィンの欠損
男児*1
仮性肥大*2


●症状
2~5歳で発症し歩行が困難に、
10歳ほどで歩行不能、
20~30歳ほどで心筋、呼吸筋障害で死亡する場合が多い。※例外もあり(例えば、20代を越えても、寝たきりにもならない強者も存在する)


●治療法
完全な治療法は存在しない。
だが希望を捨ててはならない。近年の技術の進歩により以前よりもかなり延命が可能になった。
また2011年5月、ジストロフィンの生成を促す化合物が京大医学研究所のチームによって発見された。
実用化されれば破壊された筋肉を再生させる特効薬にもなりうるため、世界中の医学者が注目している。


<ベッカー型>
デュシェンヌ型筋ジストロフィーに準ずる代表的な筋ジストロフィー。
発生率は10万人中3~6人前後。


●特徴
  • ジストロフィンの生成異常(過小など)
  • 男児


●症状
基本的にデュシェンヌ型と同じだがやや発症時期が遅く、症状の進行も緩やかである。これにはジストロフィンが関連しているとする説もある。


●治療法
デュシェンヌ型同様根治法は見つかっていない。
ただ症状が緩やかなのでデュシェンヌ型よりも予後はいい。




これら以外にも筋緊張性ジストロフィー、福山型ジストロフィー、ウールリッヒ型ジストロフィーなど様々な種類がある。
これらは発生部位や進行速度、遺伝形態などによって区別されている。



現実世界や創作でも「徐々に筋力を奪われる病」として取り上げられるため、知名度はそれなりに高い。


我々アニヲタ民としては『とある魔術の禁書目録』は外せないだろう。
作中では御坂美琴が筋ジス治療のために善意でDNAマップを提供するが、それが御坂妹の製造及びレベル6シフト計画に結びついてしまうことに…

電気系能力者が何かやっても筋ジス治らなくね?という突っ込みは置いとこう。
(作中では神経ルートの電気信号をどうにかできればという設定だったが、神経ルートがどうにかなっても筋肉自体がだめになるのがこの病気である。
神経の異常によって筋力が奪われる筋萎縮性側索硬化症と混同した疑いがある)


1

男児の理由は
男性の染色体は XY
女性の染色体は XX
である。
つまり女性の場合、片方のX染色体に異常が起きても片方無事なら問題無いのである。
「両方に問題が起きることはないの?」って思うがその辺りはよく解りません。
因みにY染色体、こいつはXの右下の「、」が欠けてYに見えるだけである。
つまり…我々の体は最初、女として作られるが、片方のX染色体が欠けると男に作り変えられるのである。
生命って不思議ですね。


2

筋が萎縮した部分に脂肪が沈着し、見た目には筋が膨れているように見えること。
ふくらはぎの腓腹筋、肩の三角筋という。





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