ストリートファイターⅡ

登録日:2011/08/12(金) 12:35:46
更新日:2024/02/11 Sun 00:52:53
所要時間:約 6 分で読めます





ストリートファイターIIとはカプコンから1991年に発売された2D対戦型格闘ゲームで、同ジャンルの開祖と呼ぶべき存在である。

略称はストⅡ。

「ボタンにより攻撃の強弱を使い分ける」、「コマンド入力で必殺技発動」、「飛び道具」、「対空技」、
「キャンセル技による連続攻撃」、「かわいい女性キャラクター」など、本作により定着した格闘ゲームのテンプレートは数知れず。
日本のみならず世界中で大ヒットを記録し、後発の類似品が雨後の筍のように制作された。

前作『ストリートファイター』(1987年)はどちらかといえばCPU戦を主としたゲームだった(使用できるキャラクターはリュウ(1P)とケン(2P)だけ)。
しかし今作では新たに個性的なキャラクターを6人も追加したことにより、ある程度の対戦も行えるようになった。
とは言え初代ゆえにシステムも煮詰まっておらず、バランスも非常に悪かった(そもそもまだこのジャンル自体が生まれたばかりなので仕方ないのだが)。
そのため、本作は後述するようにバージョンアップを繰り返すことになる。




【シリーズ一覧】

(カッコ内は最初に稼動・発売された年)

アーケード版

◆ストリートファイターⅡ-The World Warrior-(1991)
前述した初代。
同キャラ対戦不可、四天王使用不可、バグや即死満載とお世辞にも良ゲームとはいいがたい。
しかし人々は対戦の奥深さや楽しさに感動し結果大ヒットとなった。

◆ストリートファイターⅡ'-CHAMPION EDITION-(1992)
シリーズ二作目。
通称はストⅡ'(ダッシュ)。
バグの削除、四天王のプレイアブル化、多くのカウンターダメージの削除、そして2Pカラーの概念により同キャラ対戦が可能になった。
しかしバランスは相変わらず悪い。

◆ストリートファイターⅡ'TURBO -HYPER FIGHTING-(1992)
シリーズ三作目。
通称はターボなど。
当時は割と基板が単純で加工が容易でありそストシリーズは人気ゲーム故に海賊版(後述)が出回っていた。
その為、急遽作られたのがこのターボである。
本作の特徴はなんといってもタイトル通りその圧倒的ゲームスピードである。
その分、火力も全体的に控えめになっているのも特筆すべきことだろうか。

◆スーパーストリートファイター-The New Challengers-(1993)
シリーズ四作目。
通称はスパⅡ。
使用基板が変わったことで大幅に進化。
そして本作の目玉はなんといっても4人の新キャラクターだろう。
既存キャラにも技の追加があったり、四天王に個別のエンディングが用意された。
キャラ選択画面や背景、そしてOPも一新
キャミィの舌に舐められたいです!

◆スーパーストリートファイターⅡX-Grand Master Challenge-(1994)
ストⅡシリーズの実質的な最終作。通称はスパⅡX。
SNKの『龍虎の拳』や『餓狼伝説』の超必殺技を輸入したスーパーコンボを実装。その他に投げ技のダメージを軽減できる受け身が取れるようになった。
また過去作の性能を再現した裏キャラも存在する。
最終作だけあって今までのどの作品よりバランスがよく非常に洗練された試合が楽しめるだろう。
今でも定期的に闘劇の種目に選ばれることからそれがうかがえる。

◆ハイパーストリートファイターⅡ-The Anniversary Edition-(2004)
ストリートファイターシリーズ15周年を記念して作られた作品。
基本はスパⅡXだが、各キャラ毎に今までのシリーズ全ての性能版を選ぶことができるオールスター仕様。
ちなみに空投げやヨガリセットなどの危険なバグは取り除かれているが、それ以外は割りと再現されている。
初代を再現した「ノーマル」だけ同キャラを選択できないというこだわりよう(この点は後に発売された『カプコンファイティングコレクション』で改善された)。

家庭版

◆ストリートファイターⅡ(1992)
SFCで発売され200万を超す大ヒットを叩き出した。ハードの性能差の為に幾分かデチューンされているがアーケード版ではできなかった同キャラ対戦が実装されている等、よく出来た移植で格ゲーには興味があったが(治安的な意味で)世紀末だったゲーセンを敬遠していた層にも浸透し、本作で刺激を受けた多くのプレイヤー達が「俺より強いヤツ」を求めてゲーセンへと身を投じた。

◆ストリートファイターⅡ'(1993)
PCEで発売された。PCEの前作初代は「ファイティングストリート」名義だったが、今作はアーケード版と同じタイトルになった。
でもアーケード版にあったドラム缶のボーナスステージが無い上に、『Ⅱ'』の移植なので追加必殺技やゲームスピード変更も無い。

◆ストリートファイターⅡTURBO / ストリートファイターⅡ'PLUS(1993)
それぞれSFC、MDで発売された。タイトルは異なるがどちらもほぼ同内容。
四天王の参戦に加え、演出など全体的な仕様もアーケード版に近くなった。
NORMALモード(DASHモード)がⅡ'準拠、TURBOモード(EXCITEモード)がⅡ' TURBO準拠になり、実質カップリング移植。
もっとも基本はⅡ' TURBO準拠の移植で、前者は技構成やカラーだけⅡ'っぽくしたオマケと言ったほうが近いか。
特にTURBOモードのゲームスピードは隠しコマンドで10速にまで変更が可能。10速ともなるともはや人類には速すぎるレベル。というかストリートファイターシリーズはおろか格ゲー史上でも類を見ないレベルの速さである。

◆スーパーストリートファイターⅡ(1994)
SFC、MDで発売された。キャラクター毎の専用ボイスも増え、演出面はアーケード版にかなり肉薄した。グループバトルやトーナメント、タイムチャレンジといった家庭用だからできるモードを追加して、対戦ツールとしての進化を見せた。
その一方でBGMは音が貧弱になったと不評。

◆ストリートファイターⅡ(1995)
GBで発売された。誰か止める奴はいなかったのか。
キャラクターは減少しているが、技などはスーパー準拠のアレンジ移植。だが操作性は…。

◆ストリートファイターコレクション(1997)
PSとSSで発売された。スパⅡとスパⅡX、ZERO2'が収録されている。ゲームアーカイブスではZERO2'名義でディスク1,2でそれぞれを遊べる扱いになっている。
一応、スパⅡXは3DO(純粋なゲーム機ではない)に独占移植されていたが出来は良くなかった。家庭用ゲーム機への移植という意味では本作が初。

◆カプコンジェネレーション第5集(1998)
PSとSSで発売された。初代とⅡ'とⅡ'TURBOが収録されている。
条件を満たすと収録している3作品の使用キャラクター同士を対決可能な『ハイパー』なモードが選択可能。しかもこのモードでは初代仕様のキャラクターでも同キャラ対戦が可能となる。

◆スーパーストリートファイターⅡX for Matching Service(2000)
スパⅡXのドリームキャスト版。ネットワーク対戦対応。
隠し要素で様々なエクストラオプションがあり、瞬獄殺が使えるようになった通称「天豪鬼」も使用可能。

◆スーパーストリートファイターⅡX Revival(2001)
スパⅡXのGBA移植。知名度は低いが、GBAの格ゲーとしては破格の完成度を誇る。
惜しむらくはボタンが足りない事と一部のステージが『ZERO』シリーズのものになっている事。
性能の異なる二人の豪鬼(ボス仕様と調整版)が独立したキャラクターとして使用できたり、ありそうでなかったボーナスステージで遊べるモードも実装されている。

◆スーパーストリートファイターⅡ HD Remix(2008)
北米のPS3とXbox360限定で発売。ⅡXのリメイクで、全面的にグラフィックがハイデフ化されている。
エンディングも新規イラストを使ったものに一新。

◆ウルトラストリートファイターⅡ-The Final Challengers-(2017)
Switchで発売。シリーズ30周年記念作品。通称はウルⅡ。
ⅡXをベースに、原作通りのBGMやドット絵の「クラシックジェネレーション」と、上記のHD Remixをベースにした「ニュージェネレーション」の2種類のスキンを選択可能。
新キャラクターとして殺意の波動に目覚めたリュウ、洗脳されたケン、真豪鬼が追加されている。1対2のドラマティックバトルの「バディファイト」等も搭載。

【キャラクター】


リュウ
説明不要のMr.格ゲー。
オーソドックスな波動昇龍型の開祖。

ケン
リュウの永遠の親友にしてライバル。
リュウとは無印から段々と差別化されていく。

春麗
お馴染みMs.格ゲー。
ふともものエロさや勝利時の可愛さなど今でも我々の心を掴んで離さない。

ガイル
元祖タメキャラ。
初代から一貫して待ちに特化しておりその待ちガイルの強さは格ゲーを知らない人でも知ってるくらい。

ザンギエフ
元祖投げキャラ。
初代から一貫してワンチャンを狙い一発逆転を決める上級者向けキャラクター。
その浪漫に惹きつけられた御人は数知れない。

E・本田
パワーキャラな力士。
張り手や突撃など絵的に映え尚且つ実戦的な技を持つ。
飛び道具に弱いのはご愛嬌。

ブランカ
野生のビリビリビースト。
高い機動力と高性能な通常技を生かしたトリッキー戦法が強力。

ダルシム
見た目から分かる通りのイロモノ。
だが初代からⅡXまで高いキャラランクを維持した名実共に最強キャラ。

M.バイソン
DQNボクサーで、シャドルー四天王の一番手。
タメキャラだが巨体の割に突進力とラッシュ力が高い。

バルログ
シャドルー四天王の一員で、同シリーズで唯一武器を使うキャラクター。
登場キャラクター中最速のスピードの持ち主。
ヒ ョ ー


サガット
初代SFのラストボスであった男で、本シリーズではシャドルー四天王の一人。
波動昇竜に特化しており下手に飛ぶと簡単に落とされる。
((    ((     


((



ベガ
初代からスパⅡまでのラストボス。
シャドルーの総帥にして、四天王のリーダー。
ラストボスという立場上、使い辛いが慣れると強い。
ストⅡ'では最凶との呼び声が高い。

キャミィ
スパⅡの追加キャラクターの紅一点。
けしからん服を着たけしからん娘。
とりあえず尻がエロい
実はシャドルーの戦闘員だった過去を持つ。

T(サンダー).ホーク
スパⅡの追加キャラクターの一人。
それはザンギと昇龍拳を合わせた全く新しい……。
シャドルーに一族を滅ぼされた過去を持つ。

フェイロン
スパⅡの追加キャラクターの一人。
ブルース・リーに影響を受けたと思われるカンフーの使い手。
ラッシュ力が高く接近戦に特化したキャラクターである。
実はスト2シリーズではKO時に唯一うつ伏せで吹っ飛んでいくキャラ。

◆ディー・ジェイ
スパⅡの追加キャラクターの一人。キックボクサー兼ミュージシャン。名は体を表すとはまさにこのことを言うのだろう。
ガイル同様、典型的なタメキャラだが攻めも強い。
余談だがやられた時のセリフは「Nooooooo!」なのだが空耳でとんでもないイジられ方をされているとか。

豪鬼
スパⅡXにて衝撃のデビューを飾った拳を極めし者
紙キャラの印象が強いが初実装時の防御値は並で気絶してもすぐ治る。パワーゲージが無いもののそれを補う程性能が高い波動昇龍タイプ。
ウルⅡではネット対戦で使えるように防御と気絶値が致命的に低くなるなどの弱体化された。代わりにパワーゲージが実装され、スーパーコンボの「瞬獄殺」が使えるようになった。
だが弱体化しても移動技の「阿修羅閃空」や中下段崩しが容易にできる「斬空波動拳」のせいで結局最上位クラスであった。弱体化してこれって…
その他にはネット対戦では使えないボス仕様豪鬼こと真・豪鬼も隠しコマンドで使用可能に。

◆殺意の波動に目覚めたリュウ
ウルⅡで追加されたキャラクターの一人。自身の内なる殺意の波動に呑まれてしまった姿。
通常のリュウよりも防御が低いものの火力がヤバく、飛び込み攻撃や中版「竜巻旋風脚」が決まれば気絶込みで10割がほぼ確定する恐ろしい爆発力を持つキャラ。
豪鬼や洗脳ケンにはやや劣るものの火力がぶっ飛んでいるので最上位クラスの一角とされている。

◆洗脳されたケン
ウルⅡで追加されたキャラクターの一人。ベガのサイコパワーによって洗脳された代わりに圧倒的な力を手に入れた姿。
通常のケンよりも防御が低いものの移動技の「羅刹脚」の裏表択が非常に凶悪で、理不尽に択を押し付けてそのまま高ラッシュで一気に畳みかける暴力キャラ。
豪鬼や殺意リュウと並ぶ最上位クラスの一角で、ネット対戦ではこの3人は見ただけで忌み嫌われる存在になってしまった。
殺意の波動に呑まれたり洗脳された方が強い世知辛い世の中である

シェンロン
豪鬼や剛拳に匹敵する格闘家ではないかと言われている。
海外版の誤訳から生まれたネタ。



【余談】

  • キャンセル技
本作により定着した格闘ゲームのテンプレートのひとつに「キャンセル技」がある。
これは、攻撃ヒット中にさらに必殺技を入力すると、そのモーションが途中でキャンセルされ、連続して必殺技を打ち込むことが可能になるというもの。
たとえば、リュウが密着状態で大パンチをヒットさせた後は振り上げて戻るモーションが入るのだが、ヒットさせた時点でタイミングよく波動拳コマンドを入れきると、このモーションがキャンセルされ、すぐさま波動拳が出せるのである。

現在ではコンボという名前でシステムに組み込まれ、スコアアップの手段としても使われる技だが、これは実は、開発当初はバグであった
内部的には、少しでも必殺技を出しやすくするために「通常技の出かかりは必殺技で上書きできる」とすることで、最後のレバー入力よりボタンを早めに押してしまっても必殺技が出るようにした措置であり、いわゆる空キャンセルシステムである。
このため発生の早い攻撃だとヒットしたときにも上書きできてしまったが「これはこれで面白い」ということで修正せず、そしてテクニックの一つとして定着することになった。


  • 海賊版
数はあるが特に「降龍」と「レインボー」が有名だろう。
ターボすら上回る圧倒的スピード、タメが必要ないタメ技、飛び道具がないキャラが飛び道具を出す、間合いにいたら飛んでてもスクリューを決めてくるザンギ、ゲーム中にキャラクターを変えるCPU、弾幕昇龍……

正直ツッコミが追い付かない
まぁ今は検索したら割と動画が転がっている上、エミュ基板の普及によりゲーセンでも楽しめるのでとりあえず確かみてみろ!
未だコアなファンが多く、不定期でレインボーの大会を行っているゲーセンも存在する。



追記・修正をせぬ限りお前に勝ち目はない!

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最終更新:2024年02月11日 00:52