恐怖の円盤生物シリーズ!(ウルトラマンレオ)

登録日:2011/11/23 Wed 23:10:20
更新日:2023/07/23 Sun 21:10:43
所要時間:約 5 分で読めます






死神の使い、お前の正体は何だ?

謎の黒幕を追って、ウルトラマンレオが生きてきた。

人間にとって正義とは?思いやりとは?

誰だ! 誰だ! 誰だ?

ひとりぼっちのウルトラマンレオの死を弔う者は、一体誰なのだ!


「恐怖の円盤生物シリーズ!」は『ウルトラマンレオ』の第4クールを指し、その名の通りウルトラマンレオと円盤生物の戦いを描いたシリーズである。
円盤生物そのものについては項目を参照。


【シリーズの始まり】

これまでにないハードな作風で始まったウルトラマンレオ。
しかし、視聴率低迷のためテコ入れが行われ、中盤以降は様々なイベント編やレオの成長、MACメンバーの入れ替えによってある程度従来の作品に近付いた作風となっていた。
しかし、視聴率以上の強敵が現れた。オイルショックによる物価高騰である。
物価高騰はタロウの中盤より始まっており、全体的に予算を削減した中での製作が続いていたが、物価高騰がピークを迎えたためにさらなる予算削減が求められた。


そしてさらにシリーズ休止の決定が下る。39話で終了(打ち切り)案もあったがその中でまとまった第4クールの企画が恐怖の円盤生物シリーズであった。

本シリーズはまずMACをリストラすることでスタジオセットの維持費・隊員役の出演料を削減した。
また新シリーズということでゲンとトオル以外のレギュラーも一新し、セットは一般ドラマでも使い回しが効いて安上がりな民家にまとめられた。

そしてシリーズ休止ということで吹っ切れたのか、スタッフ達の暴走とも言える展開


M A C 全 滅

から新シリーズはスタートとなった。


【登場人物】

前述したようにゲンとトオル以外のレギュラーは一新されている。

◆おおとりゲン
ウルトラマンレオの人間態で本作の主人公。MAC全滅後、トオル共に美山家へ身を寄せる。
円盤生物が出ない時は遊びほうけているように見えたが第51話での日常シーンを観る限り、スポーツセンターの指導員は継続しているらしい(第1話のバンクだったが)
まぁ、ヒーローといえど、働かないといけないしね。

ダンを始めとした仲間や恋人の百子も喪い、自分がいるせいで、円盤生物はやってくるというジレンマに悩みながらも、
地球を守るウルトラマンとして、トオルの兄貴分として戦い続けた。
ブラックスターとの戦いを終え、トオルの成長を確認したゲンは、新たな旅立ちを決意する。

◆梅田トオル
父親に続き唯一の肉親だったカオルまで喪ってしまう。
美山家での生活で安らぎを得ながらも、ブリザード事件でカオルと重ねた眉子の悲劇に加え、ノーバ事件では、天涯孤独の心の闇をノーバに利用されてしまう。
しかし、美山家という新しい家族との絆、ゲンから一人で進む強さを教えられて著しく成長する。

最後の戦いでは、トオルを始めとした子供たちも戦い、レオの勝利に謁見した。 

●美山家
母の咲子、娘のいずみ、あゆみの三人家族で医者であった夫はすでに亡くなっている。
家族や仲間を失ったゲンとトオルを受け入れ、新しい家族として過ごしている。

◆咲子
看護婦でゲンとは以前から知り合いだった。
娘を女手一つで育てたためか芯が強く、厳しい中にも家族への愛情が溢れている。

彼女の存在はゲンやトオルにとって大きな救いとなった。

◆いずみ
大学生でやや軽い性格であゆみとも口喧嘩が多い。ゲンが気になるような描写も見受けられた。

ノーバの事件の際は咲子と共にトオルを家族として扱った。
円盤生物はレオを狙っていて、レオさえいなければ地球は無事なんじゃないかという考えを口にしたこともある。

◆あゆみ
トオルとは同学年でクラスも同じ。一言多い性格ではあるが人付きあいは良く、トオルとよく行動を共にしていた。
最終回では友人たちと共にブラック指令に立ち向かい、トオルを救出する。
バーミン星人によって眠らされた子供達を救った白い花の精にソックリであるが、それはきっと彼女の心がそれほど清らかであるということに違いない。
演じたのは杉田かおるである。


ブラック指令
悪魔の惑星「ブラックスター」から襲来した宇宙人であり、本シリーズのメイン敵役。
外見は全身黒ずくめの怪人物。
ゲンに数々の円盤生物を暗殺者として送り込み、彼の大切な仲間や友を奪ってきた恐るべき仇敵。
各話が終わる最後に来週に登場する新たな円盤生物を呼び寄せるのがお決まりの流れ。


【シリーズの展開】

始まりにおいては、仲間達の死亡というショッキングな出来事があったが、以降は円盤生物が小型化して地球に忍び込んで怪事件を起こし、
それをゲンとトオルが追いかけるという展開が基本だった。
また、この時期の円盤生物は繰演で演出されている。

やがて、人類全体が円盤生物対策に乗り出したためか、円盤生物の行動は邪魔になる要人の暗殺やゲン本人を狙った事件が増えてくる。
この頃からスタッフの暴走が本格的に始まり、ブラックテリナの回のような鬼気迫るようなホラー演出も散見されるようになった。
また、繰演による疑斗の演出が難しかったためか、ブラックガロンの回から着ぐるみの円盤生物も登場し始めている。
アストラの最後の登場もこの頃。
円盤生物編としてはやや違和感のある内容だが、ゲストの兄弟とレオ兄弟を重ね合わせたストーリーやアストラによる単独撃破といった見所もある。

最後の3話では、ノーバブニョのエグい手段による作戦で、トオルは操られ、レオはバラバラ死体にまでされてしまった。
この為、最後の刺客のブラックエンドの影がやや薄く感じたが、ブラックエンドは小細工なしで真っ向から破壊活動を行うと、
円盤生物らしからぬ王道怪獣の姿を見せたとも言える。
ウルトラマンキングはブニョの回で登場、バラバラになったレオにウルトラマンの宿命を語った後、
M78星雲光の国のウルトラマンとして復活させるという奇跡を起こした。
最終回ではゲンの夢の中で死んだはずのセブンが現れ、レオに再度第1話の言葉で激を飛ばした。
未来を担う子供達の勇気ある行動に助けられ、ブラックスターとの戦いを終えたレオは、雄々しく戦い続けた日々に終止符を打ったのである。


【余談】

39話までと作風が変わっているがブラック指令は辰巳出版の書籍『心にウルトラマンレオ』での解説によれば、復讐に燃えるババルウ星人の依頼によって地球に向かったとされており、38・39話の出来事が本シリーズに繋がったことになる。
放送当時連載されていた内山まもるの漫画版『レオ』では実際にババルウ星人の生き残りとブラック指令が共同戦線を張る展開が描かれている。

本シリーズでは、その回の最後にブラック指令が次回の円盤生物を呼び寄せるのがお約束であった(ブニョは例外)。

ダン役の森次は退場した40話が最終回だと思っておりその後も続くことを知らず、ダンとして中途半端に終わってしまったことに忸怩たる思いであったとしている。
何故か2週連続で同じ次回予告が使われてる回が存在する。

円盤生物とレオの戦いでは以前の特訓で得た技術を再使用したり、かつては苦手だった光線技によるトドメが増えていたりとレオの成長が感じられる内容となっている。

過去にソフト化された際は、ビデオもDVDもわざわざ話数調節して円盤生物シリーズだけでまとまるようになっている。粋な計らいである。

前作『ウルトラマンタロウ』のオニバンバは(1974年2月から)「来年また来る」と言っていたが1975年2月はこのような状況のため再登場は果たされなかった。
なお、時期は大きく異なるものの、鬼のような隊長怪獣や宇宙人は出てきている。

第4クールの案はもう一つあり、新たな敵に対しウルトラ兄弟が巨大円盤で助けにくるというものであったが、MACの壊滅が前提条件であったためどちらにせよMACは全滅する予定であった。なおどちらも円盤が登場するのは、当時空飛ぶ円盤がブームになっていたからである。
それを反映してかブラックドームの回では子供達が空飛ぶ円盤(UFO)探しに興じている。円盤によってMACが全滅した事は知られてないのだろうか?

MAC隊員やゲンの友人の死亡は純粋にリストラによるものだったが、カオルの場合は演者の冨永美子(冨永みーな)が学業を優先するためによるものである。




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最終更新:2023年07月23日 21:10