Dr.ドゥーム

登録日:2012/05/19(土) 22:36:32
更新日:2024/04/01 Mon 22:47:34
所要時間:約 6 分で読めます






「愚かなるリチャーズよ、余の叡智の前にひれ伏すがいい……このDr.ドゥームの足下にな」





……もしかして、
悪魔博士?
ちょっと(?)違います。






Dr.ドゥーム

『Dr.ドゥーム(Dr.Doom)』はMARVELコミックスを代表するスーパーヴィラン。
初登場は62年の『FANTASTIC FOUR(FF)』#5で、同シリーズ最大の宿敵でもある。
世界最高の頭脳を持つ科学者にして世界征服を目指す尊大な独裁者。
他にもMr.ファンタスティックの抹殺と母シンシアの魂を悪魔王メフィストから解放する事を生涯の目的としている。

……その圧倒的なカリスマ性と強烈なキャラクターにより、FF最大のライバルと云う立場を越えて早々にMARVELユニバース最大の大物悪役としての地位を獲得。
それ以降、FFやアベンジャーズ、スパイダーマンにDr.ストレンジと云った名だたるスーパーヒーロー達を相手に戦いを演じて来た。


【人物】


本名:ヴィクター・フォン(ヴァン)・ドゥーム
生国:ラトヴェリア
※以下はオリジナル設定に準拠。

磁界王マグニートーらと並ぶMARVELスーパーヴィランの中のヴィラン。
コミックの枠を越えた人気を誇っており、悪役人気投票をすると必ず上位に食い込んでくる程。
ジプシーの治癒師であった父ワーナーと、魔女であった母シンシアとの間に生まれる。
しかし、政府の圧制による迫害の中で両親を失ったヴィクターは復讐を誓い、その為の手段として科学と魔術を求めた。

亡命した米国にて天才的な頭脳を発揮した彼は奨学金を受け名門ステート大学に進学。
まだ学生の身でありながら数々の実験や発明を成功させる。
この当時の同級生であり、同じく天才(ヴィクター本人は頑なに認めようとはしていないが)として鎬を削っていたのが後のMr.ファンタスティックことリード・リチャーズであり、リード自身はヴィクターを友人と思っていた様だ。
※ヒーローズ・リボーン版ではアイアンマン=トニー・スターク、ハルク=ブルース・バナーもまた、二人と同級生である……教授達はさぞかし立場が無かっただろう。

……しかし、この当時のヴィクターが寝食を削り没頭していたある実験を巡る事件が、その後のヴィクターの運命を大きく変える事になる。

ヴィクターが研究していたのは亡き母の声を聞くと云う、霊界通信装置であり、実際にヴィクターは異界との扉を開く事には成功しかけていた……が、その実験の危険性を予見していたリードはヴィクターに中止を求めていたのである。
しかし、目的の達成を間近に控えていた事と、何よりもプライドの高いヴィクターがリードの言葉に耳を貸す筈も無く実験を続行……その結果、大規模な爆発事故を起こしたヴィクターは一命こそ取り留めたものの、事故の責任を取らされ大学を辞めさせられた上に、顔に一生消えない傷を負ったのである*1
※この一件を機に、リードを逆恨みしたヴィクターは、彼の抹殺を生涯の目標に加える事となった。

この一件で俗世への興味を無くしたヴィクターはチベットの山奥の密教僧達の許に身を寄せると今度は魔術の叡智を学び始める……ここでも天才的な才能を発揮したヴィクターは僅か数年で全ての教えを収めると修行の締め括りとして密教僧達に鋼鉄の鎧の鋳造を命じ、最後にまだ赤く燃え上がる鋼鉄の仮面を被り、屈辱の傷と共に素顔を焼き人間と決別する
……こうして誕生したのが、人間として考え得る最高の叡智を持つ狂気の復讐者Dr.ドゥームであったのである。

手始めに故郷ラトヴェリアに戻ったドゥームは、まず当時の政府を打倒し自らがラトヴェリアの専制君主に収まる。

これと同時に覇道を歩み始めたドゥームは宿敵リードの率いるFFを始めとしたヒーロー達への挑戦を開始するのだが、実はラトヴェリアの君主として米国、他での外交特権をも獲得している身分なのである。
※約100年後の世界を描いた2099年シリーズでは本人が米国の君主とまでなっているが、正史かどうかは不明。

因みに、ラトヴェリアの君主としてもちゃんと働いてはおり、政敵に国を追われてもちゃんと復讐していたり、12歳の少年に自分の記憶をコピーして後継者として育てたりしている。
また、傲慢な独裁者と云いつつも強いリーダーである事は確かで、それなり(かなり?)に国民からの支持も集めている様である。

……以上がDr.ドゥームの基本的な概要であり、時代と共に多少の変化や矛盾を抱えつつも、ヒーロー達の宿敵として君臨し続けている。

作品によってはかなりマヌケな性格もしているが、それも魅力である。


【能力】

前述の様に地球でも最高レベルの科学知識と魔術の使い手であり、本来は生身の人間であるにもかかわらず*2、最強のヒーロー達を相手取っても圧倒出来る程の装備を身に付けている。
身に纏った鎧は数々の先進的技術を秘めたパワードスーツであり、驚異的な破壊力を秘めたガントレットや宇宙レベルの攻撃からすら命を救う等、ドゥームを不死身とも呼べる存在へと変えている。
最高レベルの魔術師である事も確かなのだが、自身の傲慢さが魔術師としての完成を妨げていると云う設定もある様で、そのプライド故に圧倒的優位からの逆転を許してしまう事も少なくない。

……力への飽くなき渇望も特徴で、過去にはシルバーサーファーやギャラクタスのコズミックパワーを奪う事に成功している他、無限の力を秘めたインフィニティ・ジェムの力を得ようとしている。

……この他、元々はストーリーを有耶無耶にするべく生まれた、非常にズルい設定ではあるのだがドゥームボットなる精巧な影武者を用意しており、歴史上の重要な事件に登場したドゥームが実はドゥームボットだった……等と云う事態も起こっている。


【関連人物】


  • Mr.ファンタスティック
本名:リード・リチャーズ
生涯の宿敵。
彼の抹殺は最大の目標の一つだが、ドゥームなりに正々堂々と打倒したいらしく、タイムスリップした彼を救った事もある。


  • クリストフ
政敵との戦いの中で孤児となった少年で、ドゥームは責任を感じて彼を養子として引き取った
ドゥームが死亡していた時期にコンピューターにより二代目ドゥームに仕立て上げられた。
養父の復活後はFFの協力者となっている。
何気に慕われてたり。


  • Dr.ストレンジ
本名:スティーブン・ストレンジ
世界最高の魔術師で、ドゥームの魔術師としてのライバル。
母シンシアの魂を救うべく、協力してメフィストと戦った時もあるのだが……偽物でした(ドゥームが)。


  • シルバーサーファー
本名:ノリン・ラッド
FFの活躍により宇宙魔神ギャラクタスの支配から逃れた星々を跨ぐ最も高潔なヒーロー。
ドゥームとは力を狙われて以来の仇敵。

本名:トニー・スターク
何気に設定が似ている為か仲が悪い。


  • メフィスト
狡猾な地獄の支配者。
母シンシアの魂を持っており、ドゥームの生涯の宿敵とも言える。


  • スクイレルガール
本名:ドリー・グリーン
リスの特徴と能力を持ったミュータント…のようなよくわからない存在のスーパーヒロイン。
基本的にギャグ漫画寄りの存在である彼女との相性は最悪の一言であり、初遭遇した当時14歳の彼女(と仲間のリス軍団)のヒーローデビュー戦でまさかの大敗を喫し、彼女のジャイアントキリング伝説の犠牲者第1号となった。
以来彼女と関わるとだいたいロクな目に合わないため、ある意味ではリード・リチャーズやアイアンマン以上の天敵と言える存在。





【余談】


※数々のMARVELヒーローを生み出したスタン・リーとジャック・カービーにより“圧倒的なカリスマ悪役”を目指して創造され、実際にそうなった希有な存在である。


※MARVELとDCの共同企画アマルガムコミックスではスーパーマンを殺した最強の怪物ドゥームズデイと合体している(Dr.ドゥームズデイ)。

※日本でも映画やゲーム等でまずまずの知名度を誇るが、本国においてはダース・ヴェイダージョーカーにも匹敵する超有名ヴィラン。日本におけるベジータフリーザをイメージすると分かりやすいだろう。


追記修正は偉大なる叡智により世界を屈服させてからお願いします。

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最終更新:2024年04月01日 22:47

*1 この傷跡についてはシナリオライターの設定や解釈によって様々である。よくある顔の大部分に至るような他人からも目立つ重傷、逆に至って目立たない軽傷かつ小さな傷跡であるが完璧主義者のヴィクター本人だけが許容出来ないなど。

*2 それでも全ての装備どころか魔法を奪われて放り出されても襲ってきたライオンを一撃で殺してのける位の訓練は受けている。