Dr.クローム・バランシェ(FSS)

登録日:2011/09/17 Sat 23:44:17
更新日:2024/02/27 Tue 09:20:11
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「オレはファティマ達に希望を与え続ける!」





◆クローム・バランシェ

Dr.クローム・バランシェ、或いはバランシェ伯は永野護の漫画作品『ファイブスター物語』の最重要登場人物。
劇中では既に故人となっているが、その存在感や業績は色褪せる事無く作中に登場し続けている。
……そもそも、物語の象徴にしてヒロインである「運命の3女神」を始めとする「バランシェ・ファティマ」達を生み出したのがバランシェなのだから薄れようが無いと言えるのだけども。

光の神である主人公・天照帝にとって、初めての友人と呼べる存在であり、この二人が出会った場面から『ファイブスター物語』は始まったのだな、と言っても過言では無いと思われる。

初登場は「運命の3女神 ラキシス編」。
……完成したばかりの「娘」であるラキシスに彼女の願いを叶えた結果とは云え、化け物の様な身体に変えてしまった……と、自らの罪の許しを乞うているかの様な台詞が印象的である。



【人物】

2460年生まれ。
アドラー星に広大な敷地を有する大邸宅にして研究施設でもあった「バランシェ城」を構え、45体にも及ぶ「バランシェ・ファティマ」を生み出した天才科学者。
2000年代後半の4大ファティママイトの筆頭であり、友人である天照の庇護の下、ファティマの制作以外にも数々の功績を残している人物ではあるが、若い時分には余りにも自らの知的欲求を優先する余りに、非人道的且つ著しく倫理を欠いた研究姿勢から学会を追放されていた身でもあった。

因みに、バランシェとは彼が自らの知的探求の為に生家を捨てて後に名乗った名前であり、本来の名はクローム・バランス・アイツ・フェイツ・エルフ(クローム・バランスⅨ)。

……星団で初めて「ファティマ」の理論を発表したウラニウム・バランス、その理論を元に星団で初めてとなる4人のファティマ(4ファッティス)を生み出したリチウム・バランスらを輩出したデルタ・ベルン星はフェイツ公国を収めるバランス公爵家の11代目の当主となる筈の人物であった。

母は風のファティマの生みの親にして、嘗て存在した「何者」かにより凡ゆるジョーカーの生命に仕込まれた「遺伝子コード」の存在に気付き、更には永遠の記憶「モナーク・セイクレッド」を求めたアルセニック・バランスであり、ざっと見ても判る様に「ファティマ」の誕生を始めとしたジョーカーに於ける科学探求の歴史に於いて名を残す一族の一人にして、その血族が生み出した最大の天才である。

……因みに、彼が生国を捨てたのには当時、グリース王国の天照帝が東方11国のみならず、デルタ・ベルン全星の支配を間近にしていた事から逃れたいと云う意識があったともされるが、前述の様に2629年に偶然から天照個人(ソープ')と邂逅を果たした事が、強力なパトロンを得る事が出来た上に漠然としていた自らの研究の目指す到達点を悟る契機となったのは皮肉である。

長男はカイエン・バランスこと、剣聖ダグラス・カイエン
彼が自身との不和により出奔してからは血縁となる人物が居なかったが、現在はカイエンの養女にして妻と記録されるであろうミース・シルバー・バランシェが「バランシェ」の名と伯爵の爵位を継承している。

……そして、このミース・シルバー・バランシェの長男が蒔子・アイツ・フェイツ・バランス]U。
またの名を剣聖マキシ(或いはマキシマム・ハルトフォラス、M・X、マキシ・カイエン、etc.……)。
……バランシェが生家を捨ててから400年。
遂にフェイツ公国に復帰したバランス大公であった。



※ただし、本編を読んでいる読者なら解る様に、バランシェ自身は研究に生涯を捧げた事により家族を持っておらず、カイエンとの間に血縁関係は存在しない。

ファティママイトとしてのバランシェの名は、3000年代からの新たなる4大ファティママイトに数えられるミースが引き継いでゆく事になるが、彼女もまたカイエンとの運命的な邂逅により表舞台に引き出された人物であり、バランス直系の血自体はバランシェの代で途絶えいる。

※公国を捨てる事により「公爵」位を失った代わりに受けたのが「伯爵」位。
カイエンが「子爵」位を名乗るのは更に「伯爵」であるバランシェの許から離れていた為である(貴族称号は数々の合法、非合法活動に於いて絶大な利益をもたらす為)。



【主な研究の歴史】

少年時代より母アルセニックの許で天才的な頭脳を発揮した後に、自らの研究の自由を求めて生家を捨てる。

この生家を捨てた理由の一つは、公爵家(国王)の重責と天照帝による支配を受ける可能性を煩わしく思った事。
もう一つは母アルセニックも求めたジョーカー太陽星団の生命コードを探る中で実在を確信したAD世紀の「超帝国」の存在を探る為であった。

……そして、ジョーカーの生命コードからは外れた存在であるドラゴンの盟主にして「ライブ・コントローラー」と呼ばれるL.E.D.ドラゴンとの邂逅と、L.E.D.ドラゴンから受け取った超帝国剣聖の「胚」を受け取った事により、若きクローム・バランスはバランスの名を捨てる決意をする事になるのである。

バランシェ自身が国家に寄らずに最初に作り上げたファティマが「クーン」であり、彼女が以降の「バランシェ・ファティマ」全ての原型となった。

放浪してから直ぐにバキン・ラカン帝国に迎え入れられ「サロメ」を始めとするファティマを手掛け、高い評価も得ていたとも云うが、彼の真の研究の始まりはここからだと言っても良いであろう。
……そして天照帝との出合いに「神」が人の世界に下りている事を知ったバランシェはL.E.D.ドラゴンから受け取った「胚」を「クーン」を母体として誕生させると共に、バックロードされた「超帝国」のオーバーテクノロジーを自らのファティマらに組み込み、更なる実験を重ねて行く事になる。
……その過程により生み出されたのが時にマインドコントロールを外され、「騎士」以上の能力を発揮する存在すらが生まれた「バランシェ・ファティマ」達。
……そして、その最後の作品にして「神」の領域にすら踏み込んだ物語の象徴たる「運命の3女神」であった(※剣聖マキシもまた、理論上は46体目の作品と言える)。

その研究を優先させ、本来は愛情を注ぐべき対象にすら過酷な運命を与えたバランシェだが、彼の願いはただ一つ「人間を超える生命体を」……であった。

……奇しくも、これは人間により誕生させられ乍ら身勝手な人間のエゴにより過酷な運命を背負わされた「ファティマ」達の「希望(フォーチュン)」となったのである。

……人間の誇りと人工生命体の希望を賭けて「神」である天照を倒す道を探り、ファティマの肉体に自らの頭脳を移し常人の2倍以上の時を研究に捧げた中で2989に没したクローム・バランシェ……。

その願いは56億7千万年後に出現するラキシスの娘カレン(嘩蓮)の出現により果たされる事となる……。



【主な発明品】

バランシェ・ファティマ
No.1のクーンからNo.45のクローソーまでのバランシェが独自に作り上げたファティマをこう呼ぶ。
No.はつかないが独立以前に手掛けた「サロメ」らも同格と扱われる他、剣聖マキシは45体に連なる遺伝子情報を持つ。


■破烈の人形(S.S.I.クバルカン)
ファティマコントロールを担当。
星団の歴史を変える。


L.E.D.ミラージュ
星団最強の白い悪魔。
コントロールシステムの完成に協力する。


■ザ・ウィル
天照が後に星団を旅立つのに使用する次元デバイスを備えた巨大船。
エンジンシリアルから「K.O.G.」の一つに数える場合もある。





【余談】

若い時は劇中No.1の美形男子(公式)。
また、天照(ソープ)との関係は一種の恋愛関係にあったとされる。

ちゃあを主人公とした外伝(?)『プロムナード』には、45人の養子を引き取り見事に育て上げた「お館様」として名前のみ(※故人なので)が登場している。

劇中ではクールに見えて感情が深いお茶目(※敢えて死語)なオジサンとして登場しているがそれは晩年の姿で、若い時分にはクーンへの仕打ちにカイエンが本気で殺そうとしたエピソードからもうかがえる様に、真実に冷酷な人物であったらしい。








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最終更新:2024年02月27日 09:20