グッドスタッフ/Good Stuff(TCG)

登録日:2012/07/09(月) 15:37:02
更新日:2017/11/14 Tue 20:52:07
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グッドスタッフ(Good Stuff)とは、TCG用語の1つ。

単体で非常に優秀なカードばかりで構築されたデッキのこと。
またはそのようなカードそのもののことを指す


【概要】

グッドスタッフはTCG用語の中でも有名である。
多くのTCG用語の例に漏れず、「Magic: the Gathering」界隈で使用された用語が由来。

一般にカードの強さはローリスク・ローリターンか、ハイリスク・ハイリターンなものとして設計されるが、
エキスパンションの目玉となるようなレアカードには少ない対価で強力なものが収録されることも多い。
当然ながら強力なものが多く、プレイヤーからの憧れの的であり、値段も上がりやすい傾向にある。
多少重くてもそれ1枚で戦場を制圧したり、コスト以上の仕事をしてくれるカードも含まれる。
ただし重いということはそれだけで使いづらいことに直結しやすいので、軽いに越したことはない。

また、基礎的な効果を兼ね備えたカードにもシンプルで強力なカードは多く、
特に黎明期のカードにはバランス崩壊レベルのカードも見受けられる。

そして、そのようなカード群でデッキを組むというのは今も昔もよく見られる。
各カードのシナジー(相互作用)などは特に気にせず、
とにかくカードパワーが高いカード、汎用性の高いカードをかき集めてデッキを組めば、
強いデッキができるだろうという理論に従っている。
もちろん、カード同士のシナジーがあればなお良い。

利点としては、カード単体の強さで戦うため特定のカードに依存しないこと。
複雑なコンボを利用しないため、毎回安定して戦いやすい。
半端な強さのデッキならば普通にカードを出しているだけで圧倒できることもある。

コンボデッキにありがちな、特定のカードが引けなくて動き出せないといった事故も起きにくい。
1枚でも機能するカードを多く投入するので、手札破壊を喰らっても次に引いたカードで逆転できる場合もある。

欠点としては大きな弱点が無い分、尖ったデッキに対応できなかったりといったこと。
当然のことながら強いカード・デッキは対策されていることが多く、思ったより活躍できない場合もある。

また、特定のコンボを利用しないということは爆発的なアドバンテージを得る方法が無いということであり、
一度でも相手の展開を許してしまうと、容易には挽回・逆転できないという欠点にも繋がっている。
そのため、強カード群で構成されていながら、意外と綱渡りのような戦い方になることも多い。

また理論上はそうでも「強いカードを片端から詰め込んで手当たり次第叩きつければ勝てる」というほど実際は甘くない事が多い。
初心者でも「勝つ」ことは出来るかもしれないが、「勝ち続ける」には構築・プレイング両方の技量が試されるデッキであるといえる。
ただし、デッキ全体のカードパワーが高いので安定して戦えることから、敢えて初心者にこそ使わせるべきという意見もある。
特定のコンボを使わないことから一気に巻き返すことが難しく、繊細な戦い方が要求されるが、
逆にいえばプレイングの練習にもなり、勝負で勝つ楽しさを覚えさせるためには最適という声もある。

その他、デュエマMagic the Gatheringのようなエネルギーの概念があるゲームの場合、
コストが高いカードが多めに投入されるために、序盤でそれらを引きすぎてしまうという事故は容易に発生しうる。

とはいえ、デッキビルディングやプレイングまで試行錯誤が求められるデッキタイプには間違いない。
パーツは時代によって移り変わるものの、概念自体は普遍的なので長く使えるデッキでもある。

さらに、強いカードばかりを集めて構築するため、必然的に構築費用が高くなり札束化しやすい。
カードにもよるが、初心者が手を出すには初期費用が高く、時にはヘビーユーザーですらデッキパーツの価格に絶望したりする。
強力なカードは再録の機会に恵まれる事も多い為、最新の型に拘らなければ安く構築できる場合もある。

【Magic: the Gatheringにおいて】

グッドスタッフは元々はMTGから生まれた用語であり、多くの有名なデッキがある。
強力なカードは色ごとに配分されており、また多色のカードにパワーカードが多いため、殆どが多色デッキになり、そのマナ基盤を支えるために優秀な多色地形が必要になり…と余計にお金が掛かり札束化の一途を辿る。またMTGにおいてカードパワーが高いことと扱いやすいことは必ずしもイコールではなく、マナ・コストの高いカードを詰め込んでも当然デッキは回らないし、多色化によるタイトなマナ配分により土地事故も起こりやすい。
そのデッキパワーを完全に生かすにはデッキの構成からプレイング、メタゲームなどを考慮する必要がある。見た目とは裏腹に奥の深いデッキであるといえよう。

  • 5CG
  • ジャンク
  • ドラン
  • フィンキュラ
  • ジャンド ...など


【遊戯王OCGにおいて】

かつての環境では、【グッドスタッフ】を大多数が利用していたことから、
この系統のデッキは「標準」という意味の【スタンダード】などと呼ばれていた。

第1期から第5期後半まではグッドスタッフがメタゲームの主役であり、
カオススタン】【サイカリバー】【サイカリエアゴーズ】などが活躍した。
カテゴリデッキや種族統一デッキも存在はしていたものの、モンスターの展開手段が限られていたために、
強さや安定性の面から【スタンダード】に及ばないという状況だった。

その戦法は至って単純であり、サーチ、除去、ハンデスを繰り返しながら殴り続けるというもの。
異次元の女戦士》で相手の上級モンスターを道連れにしたり、《激流葬》で相手のモンスターをなるべく多く巻き込むなど、
1:1交換以上のアドバンテージを得るためのプレイングが重視された。

古参のプレイヤーにはお馴染みのカードも多く、それだけ【グッドスタッフ(スタンダード)】の使用率が高かったことを示している。
長らく決定力の不足が問題視されていたが、第3期カオスモンスターが登場するとその問題も一気に解消されていく。
それらが規制されると、《サイバー・ドラゴン》《冥府の使者ゴーズ》《E・HERO エアーマン》などを取り込み形を変えつつも環境に存続していた。

1期~5期までの環境の特徴として、カードの1:1交換が非常に重要視されていた点が挙げられる。
遊戯王OCGはシステム上、カードのコストがほぼ存在せず、手札の枚数が戦力の差に直結しやすい。
また、単なる手札交換ではなく「手札の枚数を増やせる」カードが《強欲な壺》や《貪欲な壺》など、
非常に限定されていたこともあって、ハンドアドバンテージを稼ぎづらいゲームだった。
そういう意味でも、出すだけで後続を連れてこられる《E・HERO エアーマン》は破格のスペックであった。

加えて、当時は特殊召喚の手段が少なかったために、1ショットキルで仕留められるような場面は少なかった。
そのため、1:1交換を繰り返して少しずつ堅実にアドバンテージを取っていくという戦い方が主流だった。

しかし「ライトロード」や「剣闘獣」が登場した第5期後半から特定のテーマ*1で統一されたデッキが活躍するようになり、
シンクロ召喚が導入された第6期からはその流れが決定的になった。
モンスターの展開手段が劇的に強化されると、1:1交換を主体にするグッドスタッフは急速な退潮を余儀なくされた。

ご存じのとおり、現在では同じ属性や種族、共通する名称などで揃えることで大きな効果を発揮するカードデザイン(テーマ)が主流になっている。
ただ汎用カードを詰め込んだだけの【グッドスタッフ】や【スタンダード】は、かつてほどの実績を残せていないのが現状。
テーマやコンボに依存しないデッキというコンセプトは【メタビート】い引き継がれる傾向あり、【メタビート】が事実上の【グッドスタッフ】として認識されてる。

また、遊戯王Wikiのグッドスタッフの記事では、特定のテーマに属するが汎用性の高いカード(所謂出張パーツ)を中心に組まれたデッキの事を「新たな形のグッドスタッフ」と評している。
環境で活躍したデッキとしては【ハンドAF蟲惑魔(HAT)】や【壊獣十二獣】等が有名。

ちなみに、カテゴリ「ジャンク」が登場したので、この系統のデッキは【ジャンク】と呼ばれる事は滅多にない。

有名なカード
モンスター:《クリッター》《黒き森のウィッチ》《[人造人間-サイコ・ショッカー]]》
異次元の女戦士》《魔導戦士 ブレイカー》《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》《混沌帝龍 -終焉の使者-
《カオス・ソーサラー》《サイバー・ドラゴン》《冥府の使者ゴーズ》《E・HERO エアーマン》など。

魔法:《強欲な壺》《天使の施し》《死者蘇生》《サンダー・ボルト
《いたずら好きな双子悪魔》《強引な番兵》《押収》《強奪》《心変わり》《サイクロン》《ハーピィの羽根帚》《大嵐》など。
ぶっちゃけそれだけで魔法のスペースが埋まるほど当時の魔法は強力なものが多かった。

罠:《王宮の勅命》《神の宣告》《激流葬》《聖なるバリア -ミラーフォース-》《奈落の落とし穴》《破壊輪》《次元幽閉》《魔法の筒》《リビングデッドの呼び声》《和睦の使者》など。
いずれも強力なカードであるが、罠の枚数は少なめにされる事が多かった。

有名なデッキ
  • 【スタンダード】
  • 【カオススタン】
  • 【次元斬】
  • 【サイカリバー】
  • 【ノーカオス】
  • 【メタビート】
…など


【デュエル・マスターズにおいて】

ボルメテウスコントロール(ボルコン)や五色フェアリー・ミラクルなどで多く見られる。
デュエマはカテゴリの概念が希薄なため、昔から強力なカードで固めたコントロールデッキが一定の活躍を収めてきた。

重いカードを多く扱うため、マナブーストの自然がほぼ必須であり、後は各文明の強力なカードを好きなように選んでいく。
様々な種類のカードを状況によって使い分けていくため、フィニッシャーはピン挿しや2枚挿しが主体となる。

複数の文明を混ぜるならば色事故防止のために多色カードを多めに入れるといい。


なお、闘魂編期には白青黒赤ライブラリアウトのような自然の入らないグッドスタッフも存在しており、
後にボルメテウスコントロールの原型となった。


エピソード1以降では、カードパワーの底上げが顕著となり「永遠のリュウセイ・カイザー」のような、
これまでのコスト論を上回るスペックのものが多数登場した。
またこの時期には、ゴエモンキーを搭載した猿Nエクスを皮切りに、10マナ以上のマナブーストを行って戦う「ビッグマナ」と呼ばれるタイプが成立した。

エピソード2からは「鬼丸「覇」」や各種ゼニスなど、出すだけでゲームセット級の10マナ以上のカードが多数出現している。
特に、形を変えて環境に残り続ける「カイザー「刃鬼」」(刃牙じゃないよ)は有名。

プレミアム殿堂入りしてしまったが、E1期のエンペラー・キリコもグッドスタッフといえよう。

フィニッシャーに関してはより取り見取りの乱立状態であり、マナブーストさえ行ってやれば割とすぐに出せる。
「二角の超人」「プロメテウス」「無敵剣 カツキングMAX」のようなマナゾーンを活用する手段を用意しておくとなおよい。


しかし「ガイギンガ」「デッドゾーン」「ドギラゴン剣」の出現で2014年から環境はさらなる高速化の一途をたどっており、
正直ブーストが間に合いづらいのも事実。環境で戦えるかはプレイヤーの腕にかかっていると言える。


有名なカードは
  • 龍仙ロマネスク
  • 不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー
  • サイバー・N・ワールド
  • 永遠のリュウセイ・カイザー
  • ボルバルザーク・エクス
  • 偽りの王 ヴィルヘルム
  • 無敵剣 カツキングMAX
  • 龍素記号Sr スペルサイクリカ
など。

もちろん上記以外にも存在し、それ一枚で環境を荒らし続ける物もある。


【バトルスピリッツにおいて】


このTCGにおいて色の概念は「場のシンボルの色だけ手札のカードのコストが軽くなる」というもの。
つまりコストの軽減を考えずにそのまま支払うのであればどの色のカードでも採用できる。
そのため、強力なフィニッシャーであれば色を無視してでも入れる価値があるものもいる。
全く青の絡まないデッキから突如飛び出してくる巨人猟兵オライオンなどがこういったカードの例。
しかしながらこのようなカードを駆使するタイプはどちらかといえばコアが溜まるまで粘るための遅延型のデッキになりやすく、グッドスタッフの概念からは遠いデッキとなる。

コストの支払いが重いなら緑の効果でコアを増やしてしまえばいい、というタイプも存在する。
このようなデッキは【緑○○】(○○の部分には緑以外の色のフィニッシャーカード)と呼ばれるが、これらは緑デッキの一部として扱われることが多い。
フィニッシャーとなる1、2種以外はほぼ緑のカードで固めるような構築となるためやはりグッドスタッフとは呼びにくい構築となるためである。

バトルスピリッツにおいてグッドスタッフを象徴するのは覇王編時代の【バースト】を駆使するデッキだろう。
バーストにより条件を満たせばコストを支払わず召喚が可能なため、色に関係なく強力なバースト持ちスピリットを入れればそれだけでデッキになった。
また、この時期には烈の覇王セイリュービが3枚投入できていたのも大きい。
支払ったコアは全てリュービが全て戻してしまうため、軽減の有無があまり重要でなかった。
それどころかリュービの召喚にはトラッシュ(使用済み)のコアが5個必要なため中途半端に軽減するとリュービが出せないなんてことも。
「デッキ構築はヤマトとリュービを3枚入れるところから。」
と言われた一種の暗黒期である。

バースト対策が普及し、リュービが禁止カードになった現在ではかつてのようなバーストに頼ったグッドスタッフは時代遅れのものとなっている。
系統やキーワード能力をサポートする効果が強力になったため、それらでまとめたデッキの方が強いというのが現状。

現在、最もグッドスタッフに近いといえるものは【赤緑連鎖】だろう。
コアの増える緑、手札の増える赤でアドバンテージをひたすら稼いでフィニッシャーはコストが高く強力なカードならある程度は自由というデッキとなっている。

デッキの例
など。


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