十天君(藤崎竜版封神演義)

登録日 :2012/03/28(水) 23:14:57
更新日 : 2017/05/06 Sat 12:39:47
所要時間 :約 7 分で読めます





十天君とは、藤崎竜版封神演義に登場する架空の集団。 崑崙山と双璧を成すもう一つの仙人界、金鰲島の最高幹部達であり、いわば金鰲島版崑崙十二仙とも言える。

妖怪達の住まう金鰲島出身なだけあり、全員が妖怪仙人(王天君除く)。

どうやら常に半妖体らしく、「完全な人間体を常に保てる=妖怪でも仙人と呼んでいい」と言う定義があるにも関わらず、終始怪物じみた姿であった(設定を考えれば多分人間体も存在する)。





■空間宝貝「十絶陣」

十天君を語る上で欠かせないもの。彼らは全員、異空間を作り出し、その空間そのものを宝貝として使うと言う能力を持つ(王天君だけは少し異質だったが)。

空間宝貝は性質、規模はそれぞれ様々だが、「持ち主に都合の良い」空間であり、この中でこそ十天君は万能となる事が出来る。

また、複数の空間を組み合わせた「多重空間」としても使用可。

ちなみに原作では、進路遮断・範囲制圧用のトラップ兵器に近く、異空間として解釈した漫画版とはニュアンスが異なる。

むしろ男塾とかに登場するマグマや針山満載のデンジャラスな闘技場っぽい雰囲気。






■構成員

◆王天君

金鰲十天君の首領格で隈取り化粧をしてピアスを大量につけた不健康そうな少年。

考え事をする時はマニキュアを塗った長い爪を噛むクセがある。
また錠剤のような食べ物を「おやつ」として食べていた。

狡猾かつ残忍な策略家であり、知略を用いてあの太公望すらも出し抜く恐ろしい人物。
妖怪仙人のリーダー的存在なのにもかかわらず、妖怪らしかぬ行動をとり、一般的な妖怪は短絡的で直接的なのに対し、王天君は力よりも頭脳を使い「人の心」という最も脆い部分を利用する。


以下ネタバレ


元々は崑崙山の道士「王奕」
崑崙山の教主である元始天尊の直弟子であり、本来なら太公望と同じ立場になるはずであったが、崑崙山と金鰲島の不可侵条約の証として、金鰲島の当主である通天教主の実の息子であった楊ゼンとトレードされた。
それによって楊ゼンは崑崙で王奕(王天君)は金鰲で生活することになる。

自分が妖怪だと言うことを隠し続けていた楊ゼンは、師以外の誰にも心を開くことが出来ないという代償の代わりに崑崙の人々に愛されて育った。
だが、金鰲に移った王奕は楊戩とは逆に下等な妖怪の犠牲にならないようにという理由から、成長するまでの間封印籠に幽閉されてしまう。
唯一彼が甘えられるのは妲己だけであり、王奕は彼女を母親代わりとして成長する。
籠の中で自分以外の全てを憎みながら成長した王奕は、王天君と名を変え金鰲十天君の一人に収まると、妲己と手を組み、彼女の誘惑の術を使いて金鰲の教主である通天教主を廃人にし、金鰲島の権力を掌握。
さらに聞仲を嗾けることで仙界大戦を勃発させ、崑崙山と金鰲島の双方の消滅を図った。

仙界大戦では金鰲十天君を率いて崑崙山の仙道たちを攻撃する一方。
侵入した楊戩が金鰲島のバリヤーを解除するのを見逃すなど、双方の戦力バランスを取りつつ、意図的に戦局を泥沼化させた。

最後は通天教主と楊戩を対面させ、親子で殺し合いをさせようとするも、通天教主の暴走による金鰲島の崩壊に巻き込まれ死亡。


どちらにせよキサマらはもうお終いなのさ・・・崑崙も聞仲もここで消えてなくなる事だろうよ

2匹の蛇が互いの尾を喰らい最後にはどちらも消え去るように!!!そして最後に笑うのはオレ達だ!!!

ハハ…ハ…ハハハハハハハハ!!!

胴から下を失い、瀕死の状態で臓物を引きずり這い寄りながら最後の台詞を吐く様は衝撃的であった。

















こうして封神されたはずの王天君だったが、死亡してからあまり間を開けずに再登場。
王天君の最後があまりにも衝撃的だったため、再登場に驚いた人も決して少なくないはず。

二人目の王天君は武成王・黄飛虎を誘拐し、親友である黄飛虎と聞仲を紅水陣の中で戦わせた。
その結果、紅水陣の酸で黄飛虎が死亡。
その死を嘲笑したがそれに怒った聞仲が王天君を攻撃し二人目の王天君は死亡した。

三人目の王天君は殷周革命最後の決戦である「牧野の戦い」の終結直後に登場。
「こいつがここで死んじゃあ歴史がかわっちまうんでな。どうしても殺してぇんなら朝歌までご足労願うぜ」という謎の言葉を残し紂王を連れ姿を消す。
その後、黄飛虎の息子である黄天化と紂王の決闘をお膳立てする。
この決闘よって天化は死亡、紂王の首も周の王である武王に飛ばされ、殷の時代から周の時代へと歴史が移行していく。

この様に作中何度も死亡するも、その度に謎の復活を遂げており、不可解な行動も多く謎も多い人物だった。
その正体は… 詳細は太公望にて。


  • 紅水陣

王天君の空間宝貝。他の十天君とは異質で、通常の空間に枠組を作るように展開する。

自身の強い酸性を帯びた血液で霧を作り出した後に赤い雨を降らせ、相手を死に至らしめる。

この雨の酸性はかなり強力で、十二仙の総攻撃ですら無傷だった霊獣・黒麒麟の外格すら蝕み死に至らせた。

「中から出る事は出来るが外から入る事は出来ない」と言う、一見不可解な性質を持つが、彼独特の美意識か何かだったのか…。

中には王天君の幻影が出てくるが本人ではなく、彼曰くの「この空間自身が俺」との事。

自分の手をナイフで切り赤い霧を吹き出す描写があったが、ただの幻影による演出だったのか。


  • ダニ(正式名不明)

仙道に寄生する生物宝貝。寄生した相手に常に宝貝を使うのと同じくらいのダメージを与え続ける。
ダニだけあって寄生を防ぐのはかなり難しい。

地味なようだがかなり効くらしく、十二仙を初めとした崑崙の仙人達の多くをダウンさせた。
効かなかったのは韋護(敏感肌でのため、つくのが「キショイ」から速攻で叩き潰せた)、竜吉公主(霧露乾坤網により、水のヴェールに守られていたため)など極僅かであり、
崑崙側の戦力を確実に削ぎ落していた、恐るべき兵器である。

他にも四角い窓のようなものを出して、自分や他者を瞬時に移動させる能力を持つ。



◆張天君

小さな体躯を長い腕で支えた仙人。超然とした態度で意外に礼儀正しい。

浸入してきた楊ゼンの相手を任される辺り、仙界大戦序章の登場ながら、上位クラスの実力者。

それまで誰も気づかなった楊ゼンの正体にピンとくる辺り、かなり勘も鋭かったようだ。


  • 紅砂陣

永遠とも呼べる程に広大な砂漠の空間。

相手との距離を自在に操ったり、砂で出来た巨人に襲わせたりもするが、真の恐ろしさは、「使用者以外を風化させ砂にしてしまう事」。

原作では唯一殺傷力を持たない生け捕り用の符陣だったりする。

「永遠の砂漠」と称していたものの用量には限りがあり、そこを利用され破れる事となった。

だが、その後の楊ゼンがこれまでに無く疲労していた辺り、恐らく十絶陣中最も広大な空間であったのだろう。



◆孫天君

人形のような姿をした妖怪。オモチャをコレクションしていると言ったが簡単に自爆させる辺り、ただの建前だったようだ。

仙界大戦では太公望ら3人をオモチャにするが、実はすでに太公望にはめられており、彼の指示を受けていた玉鼎真人により封神される。


  • 化血陣

オモチャで溢れた子供部屋のような空間。孫天君の操るオモチャとなにかしらのゲームをし、負けたらオモチャになってしまう。

そして実は、すべてのゲームは孫天君に都合の良いものばかりであり、相手は決して勝てない仕組みだった。

ちなみに原作の化血陣は、眩い光に包まれた空間で、その光に当たると血で爛れて死ぬと言う、全く違う空間だった。



◆袁天君

ロマンチストで汚らわしい赤い毛玉。ですぞ!

穏やかな物腰で、自分以前の十天君の敗因が慢心にあると考え手を緩めず攻めた慎重かつ徹底した性格。

普賢の説得にも応じず、最期は核融合であぼん。


  • 寒氷陣

間雪と氷に包まれた空間で、極寒を利用した攻撃を繰り出す。原作では牙のような氷塊が上下から相手を挟み潰す符陣だった。

・・・氷でなくても刃物で良くね?とか言わない、マヒャドやブリザガみたいなもんだ。



◆董天君

巨大なセミのような姿の妖怪。虫と言われたら否定したが「ミーンミーン」と鳴いていたので多分原型はセミ。

黄一族を陣に招き入れるも、黄天化の火竜ヒョウによって己の陣の底に落とされ、あっさりミンチになった。


  • 風孔陣

常に強風が吹きすさんだ空間で、底には宝貝合金の網があり、触れたものを両断する。
原作でも暴風で敵をズタズタにするという陣だったが、十二仙ですら「定風珠」という宝貝(漫画版未登場)を他から借りてこないと対抗できないという極めて強力な威力であった。



◆趙天君

一見するとただのモノリス。総出演時間2コマでナタクにあっさりやられた。


  • 地裂陣

多分地割れや地震で攻撃する空間だったのだろう。ちなみに、原作では地面から立ち上る火柱で相手を吹っ飛ばす地雷原みたいな符陣だった。



◆柏天君

イギリスのストーンヘンジみたいな見た目の妖怪。秦天君と連携して戦う。

雲霄三姉妹の「究極黄河陣」に成す術なく敗れ、最期はマドンナにお菓子ごと喰われた。


  • 烈焔陣

炎を操る空間。下記天絶陣との多重空間を展開した。 



◆秦天君

向かい合わせの男女が手足が繋がった姿の妖怪。基本人格がどちらにあるかは不明。

秦天君共々、マドンナに喰われる。


  • 天絶陣

宇宙空間を思わせる空間で、隕石郡を降らしたり出来る。上記多重空間でもメインはこれだった模様。



◆姚天君

陰陽のマークのような顔をした妖怪。作中では最初に登場した十天君。

十天君の中でも抜きん出た実力者で、聞仲からも「それでこそ十天君だ」「私を本気にさせられる相手は久しぶり」と評されている。

仙界大戦では金光聖母とともに楊ゼン、韋護、ナタクと対戦。3人を追い詰めるが、楊ゼンが倒れたことで奮起した韋護により封神される。


  • 落魂陣

魂魄すら消滅させる「落魂の呪符」と物理ダメージを与える「破壊の呪符」を展開させた空間。実は魂魄を消滅させるというのはこれ以外にはスーパー宝貝の六魂幡と伏羲の使う誅仙陣しかない。

最終決戦では楊ゼンが使用して、魂魄体でダメージを与えられない女禍へダメージを与えることに成功した。 



◆金光聖母

十天君の紅一点。手首のみ独立して宙に浮き、手足の無いマント姿の女性。姚天君とともに十天君ではトップクラスの実力者。

ちなみに十天君がシルエットでのみ登場していた際、角の生えた細身の女性の影もあり、おそらくはこれが最初期の彼女のデザインだったと思われる。

仙界対戦では姚天君とともに楊ゼン、韋護、ナタクと対戦。3人を追い詰めるが、張天君へ変化した楊ゼンによる砂の壁により視界を遮られ、ナタクの接近を許し封神される。


  • 金光陣

光に満ちた廃墟のような空間。相手の影を実体化させ戦わせる。

影の戦闘力は本物の十分の一程度だが、影を攻撃したら本人もダメージを受けると言うハマり仕様。




追記、修正は、八卦の陣に気をつけながらお願いします

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