沙慈・クロスロード

登録日:2010/12/09(木) 16:51:16
更新日:2023/12/28 Thu 16:21:06
所要時間:約 10 分で読めます





戦いで勝ち取る未来なんて…本当の未来じゃないよ!

僕達は分かり合う事で……未来を築くんだ!!


機動戦士ガンダム00』の登場人物。

CV:入野自由
性別:男
誕生日:3月10日
年齢:17歳(1st)→22歳(2nd)→24歳(劇場版)
身長:168㎝(1st)→178㎝(2nd以降)
体重:50㎏(1st)→60㎏(2nd以降)
血液型:A型
所属:ユニオン領・経済特区 日本(1st)→私設武装組織 ソレスタルビーイング(2nd)

搭乗機


本作のもう一人の主人公であり、同作に於ける「一般人」代表。
その立ち位置から我々の思いを代弁するキャラクターでもある。
高校在籍時に知り合った留学生のルイス・ハレヴィとは恋人同士の間柄。


【1stシーズン】

ユニオン領・経済特区 日本在住で、宇宙工学の専門学校に通う一般人。
姉の絹江・クロスロードと二人暮らしであり、父親は有名なジャーナリストであったが既に他界。
基本的にルイスと行動しており、彼女に振り回される平和な毎日を過ごしていた。

私設武装組織 ソレスタルビーイングによる武力介入が始まると同時にソレスタルビーイングに対して少なからず関心を抱いてはいたが、天柱での事故でガンダムキュリオスに助けられて以降、本格的に関心を持つようになる。

しかし特別彼等と関わる事はなく、姉やルイスの他、「変わった名前」の隣人、刹那・F・セイエイを花見に誘ったり家に招き入れたりとご近所付き合いもそこそこにやりつつ、
ルイスにせがまれて高級指輪を買う為に必死でピザ配達のバイトに励む等、健気な青年だった。


そう、この時点までは……。


第18話にて従兄弟の結婚披露宴に出席する為、スペインに一時的に帰郷していたルイスがガンダムスローネの襲撃によって負傷してしまったのだ。
ルイスの欲しがっていた指輪を持って病院に駆け付けるも、彼女が左手を失い、指輪を嵌める事が出来ないと知って愕然とする。
結局、ルイスに「夢を叶えて」と望みを託された後に一時の別れを告げられ、失意の内に帰国した。

ガンダムエースに掲載された漫画では、ルイスへの愛情や後ろ髪を惹かれる想いは強かったものの、
無力な自分がルイスの現状をどう受け止めて良いか全く見当がつかず、ルイスの前から一時的に離れる事が出来た事に心の何処かで安堵を感じていたのを自覚し、罪悪感を抱いてもいたという。
この罪悪感は、4年後になってより残酷な形で彼を強く苦しめることとなる。

ところが日本に帰ると、今度は姉・絹江の訃報を聞かされる羽目に。
絹江がソレスタルビーイングの取材をしていた事を知っていた沙慈は、姉がソレスタルビーイングに消されたと確信。*1
恋人を傷付け、唯一の肉親の命を奪ったソレスタルビーイングを憎悪した彼はその象徴たるガンダムに憎悪を向け、その撃墜を強く望むようになった。

4年後には無事宇宙技術者としてコロニーで働いていたが、ルイスとは音信不通になっており、働きながら宇宙で彼女を待つ日々を送っていた。
そんなある日の作業途中、見覚えのある緑の光を目撃。
沙慈は嘗て憎悪し、しかし完全に消え去った筈のその光を放っていた存在の名を呟いた。


あの光…。そう、あの光は……

ガンダム……?


【2ndシーズン】

宇宙技術者として働いていたものの、職場で同僚として働いていた反政府組織 カタロンの構成員、エディ・ミヤサカの強制連行に居合わせ、
そのあまりにも暴力的な連行を見てはいられず思わず庇ってしまい、自身もアロウズに囚われてしまう。

資源衛星にて懲罰の為の強制労働を強いられた上、カタロン構成員を誘き寄せる罠の一環としてのオートマトンによる虐殺にまで居合わせてしまうも、
間一髪の所を嘗ての隣人であった刹那に救出された。

しかし、刹那がソレスタルビーイングのガンダムマイスターであった事を知る事になり、
ソレスタルビーイングによって大切な人を傷付けられ、唯一の肉親を殺された憎悪が一気に湧き上がり、刹那に怒りをぶつけてしまう。


分かってるのか!?君達がやった事で、多くの人が死んだんだ!君達がそうしたんだ!

……君達の所為で、僕の…好きだった人は…傷ついて…。家族や親戚を殺されて……!

僕の…唯一の肉親だった姉さんも……ソレスタルビーイングに関わったばかりに…殺されてしまった……!

ルイスも……。姉さんも……!いなくなったんだ!!何とか言えよ!!―――言えよッ!!

……返せ…!返してくれ…!!二人をッ!!!返してくれよぉおおおおおッッッッッ!!!!!


その後、アロウズの水面下での悪行、スローネの真実を知り、刹那達がルイスの怪我の直接の原因でない事や、アロウズが決して良い軍隊ではない事を頭では理解しても、
やはりアロウズ結成の原因を作ったソレスタルビーイングを許す事はできずにいた。

プトレマイオス2が地球に降りた後、カタロン基地で保護される事になるも、
カタロンと関わる事も良しとせずに脱走を図り、その途中で連邦正規軍に捕まってしまう。
カタロンとは一切関係の無いただの一般人と見抜いたセルゲイ・スミルノフによって解放されるも、
彼の話を盗み聞きしていた連邦軍人がアロウズに通報していた事から、
自分が直接手を下した訳ではないとはいえ、結果的には世話になったカタロンの人々を殺めるという事態に発展してしまう。
今迄被害者だった彼は一転して加害者になってしまったのだ。

カタロン残党の避難の為、ソレスタルビーイングがアロウズの囮になって戦闘した際には自分が仕出かした事を少しでも償うべく、
イアン・ヴァスティの砲撃を手伝うが、その引き金を引こうとする度にこれまで自分が加害者に投げ付けてきた言葉が自らに突き刺さり、引き金を引けなかった。
覚悟していた筈なのに結局引けなかった事を後悔し涙するも、イアンに「良いさ、それで……」と優しく声をかけられ、これ以降は自身の在り方について改めて考えるようになる。

そして宇宙に上がるまで彼は贖罪の思いからイアンの手伝いをしていたが、アロウズの襲撃に遭い、急遽完成したばかりのオーライザーに搭乗。
以後、正式にオーライザーのパイロット…もとい、調整役として戦場に赴く事になる。この辺りから刹那とは戦友兼相棒のような関係になった。

幾度かトランザムライザーの力でルイスと邂逅を果たすが、彼女の思い違いや、彼女に想いを寄せるアンドレイ・スミルノフの横槍によって有耶無耶に。
ルイスとの溝が深まってしまうも、これで彼女が戦いを望んでいないとを確信。改めて彼女を救う決意を固めた。

リボンズ・アルマーク率いるイノベイター勢力との最終決戦ではルイスの乗るレグナントを退け*2、気絶していたルイスを救出するも突然覚醒した彼女に絞殺されかけてしまう。
が、思い出の指輪を見て彼女は錯乱し、意識不明の危険な状態に陥ってしまった。
しかし、刹那の行ったトランザムバーストの力と沙慈の呼びかけによってルイスは意識を取り戻し、遂に彼女との和解を果たしたのだった。

エピローグでは入院中の彼女の元を訪れ、平和と世界の行く末について語り合っていた。


劇場版

2ndシーズンでは何か坊ちゃんヘアーだったが、この時期になると垢抜けたイケメンと化している。

宇宙技術者に復職して仕事を続け、ルイスの退院も間近と一先ずは順風満帆と呼べる生活を送っていた彼であったが、
ELSの襲来を機に謎の発作を起こすようになったルイスを心配しており、とうとう直接ELSが襲ってきた窮地を刹那に救出される。
ELSが地球を目指してくる事を知った彼はルイスを脳量子波遮断施設に移して彼女に寄り添うつもりだったが、
「自分なりの“戦い”で地球とルイスを守りたい」という彼の本心を見抜いていた彼女に見送られ、軌道エレベーターで連邦軍の支援を行った。

彼が働いていたこの軌道エレベーターは、嘗て1stシーズン第5話でルイスと一緒に見学に赴いた場所である。
「学生の修学旅行気分で恋人と燥いでいた場所で自分なりに戦う為に奮闘する」というのは何とも感慨深いものがある。

因みに、劇場版初期の設定ではイノベイターに変革する予定だった模様(「ルイスが沙慈へ語りかけたのに対して遠く離れた宇宙空間でそれを聞き、返事をする」というもの)。

しかし本編中、刹那と同じぐらいダブルオーライザーに搭乗していたにも拘らず、イノベイターに覚醒する事も無く、
ELSの脳量子波の影響も全く受けていない点を鑑みるに、彼自身はイノベイターの素質を持っていなかった可能性が高い。

もっとも、水島精二監督が言及したイノベイターの大元の定義は「過去の柵から自ら抜け出し、平和実現及び維持の為に踏み出せる意識の革新を遂げた人間」であり、
肉体の変革はGN粒子が齎す必然的変化に過ぎず、云わば本質的な意味でのイノベイターになり易いアドバンテージといったもの。

劇場版を見る限りでは、何れは彼も本質的な意味でイノベイターへと変革し、ルイスと共に生き続ける事が出来るだろう。


【"RE:vision"】

10周年記念イベント『ガンダム00 Festival 10 "RE:vision"』で披露された朗読劇では、劇場版におけるELSとの戦闘が終結したあと、ルイスと同棲を始めたことが明かされている。
ELSと同化したハイブリッドイノベイター向けの医療施設が高軌道ステーションに設置されたため、ELSの脳量子波の影響を受けたルイスもその施設のサポートを受けた方が良いとの判断から、軌道エレベーターの作業員として宇宙での復旧作業に携わりつつルイスとの生活を送っている。
ただし巻き込まれ体質は相変わらずのようで、アレルヤからの連絡で軌道エレベーターの作業員に反ELS・反イノベイターを掲げる過激派の一員が紛れ込んでいることを知らされ、無血での解決を望むアレルヤの要請を受け入れて軌道エレベーターの作業員リストをソレスタルビーイングに流している(「また何かあったら僕らに連絡して欲しい」というアレルヤの言葉に、「僕はソレスタルビーイングのエージェントですか…」と皮肉の言葉を口にしてはいるが。アレルヤ個人は一般人に戻った沙慈をこれ以上巻き込むことは望んでおらず、「苦楽を共にした仲間と思っている」とフォローした上で、「もう会ったり話したりしない(で済んだ)方がいいね」と伝えている)。


【台詞集】

「やられちゃえよ、ガンダム……!」

「あの光……そう、あの光の色は……ガンダム……?」

「そうじゃない……でも、誰だって不幸にはなりたくないさ……」

「あの子供達も、君達の犠牲者だ……君達が変えた世界の……」

「僕が……僕が話したせいで……そんな、そんなっ……嘘だぁぁぁっ!!」

「僕はただ戦いから離れたかっただけで…」

「人を殺せば君達と同じになる」

「君でも、笑うんだ……」

「やめろ―――!もうやめてくれ!
 …何も変わらない、仇を討っても誰も生き返ったりしない…悲しみが増えるだけだ。
 こんな事してたら皆おかしくなって、どこにもいけなくなる。前にすら進めずに…」

「僕達は分かり合う事で、未来を築くんだ!」

「ねぇ、この光は、何……?心が、溶けていきそうな……」
「刹那だよ…」
「刹那……?」
「そうだよ。彼の心の光……。未来を照らす光だ……」

「僕、出てなかったな…」


ゲームでの活躍】

ダブルオーライザーに搭乗し、声のみ出演。
出撃開始時に原作と同じように刹那との掛け合いや一部攻撃、勝利時等で台詞が存在する。

レグナント戦ではルイスと掛け合いがあるが、結構長い為、最後まで聞けない事も。

第2次スーパーロボット大戦Z』にて初登場。
『破界篇』ではエリア11にある私立アッシュフォード学園に通っている男子学生。
日本人(イレヴン)の血を引いているという事で遠巻きにされていたが、
それを気にせずに自分を好いてくれた留学生のルイスやその環境を憂いて自分を生徒会に入れてくれたミレイ、
自分を受け入れてくれた生徒会メンバーの存在もあり、自分の血は特に気にしておらず、屈折もしていない。
なお、本作もルイスへのプレゼントを買うためにやっていたバイトはピザ屋となっており、その関係でC.C.によくピザを届けていた。

中盤では原作同様、ルイスが大怪我を負い(本作においては沙慈もルイスが負傷する場に居合わせた)、やはりガンダムを憎む事になる。
しかし一方で刹那もまたルイスが負傷した際にその場に居合わせて負傷者の救助作業を行っており(つまり原作とは違い、刹那も早々にルイスの負傷を知っている)、
さらに一時エリア11の住居に戻った刹那が沙慈と再会したその場で絹江の訃報が届き、刹那も絹江がソレスタルビーイングに深入りしすぎたせいで殺された事を知るという原作とは大きく異なる展開にもなっている。
この沙慈の身に起きた一連の悲劇はすぐ側で見ていた刹那も終始動揺しており、刹那がチームトリニティに殴り込みをかける決定的な要因となった。

『再世篇』ではアッシュフォード学園を退学*3して宇宙技師として働いていたが、スザク&アロウズに黒の騎士団の関係者ないしはカタロンの構成員と疑われ、
オートマトンで基地諸共消されそうだった所を原作通り刹那に救われ、ZEXISに身を寄せる事になる。

刹那やテロ活動を行っていた元学友のカレンに怒りを見せる一幕もあったものの、
上記の通り前作にて刹那はルイスの負傷には関わっていないどころか巻き添えを喰らいかけていた事を知っているので原作ほど刹那を憎んではおらず、
ZEXISがアロウズ以外にもインベーダーや暗黒信者などの侵略者から人類を守る為に戦っている事や、
非戦闘員でも「自分に出来る事」を見つけて自分達なりの戦いをしている事を目の当たりにした為、原作より比較的早く刹那達を受け入れている。
その為、原作にあったカタロンの基地から脱走の場面が無く、結果としてカタロンが虐殺される事が無くなり、そう言った意味ではスパロボに参戦して救われたキャラの一人だろう。
刹那も刹那で「戦いは俺がやるから、お前は戦ってはならない」と対応が間逆なのもポイント。

余談だが、会話の表情パターンが少ない為、ちょっとびっくりする程度の事でも有り得ないレベルの驚愕顔を見せる。


「今…ママって…」


その為、この不意討ちに多くのプレイヤーの腹筋がトランザムした。


劇場版設定の『第3次Z』にも引き続き登場。
アッシュフォード学園に復学した後、『時獄篇』ではより専門的な事を学ぶべくアナハイム工業専門学校に転校した事が明かされる。
どこか浮いているバナージを何かと気に掛けていた。
『天獄篇』では大勢の民間人共々サイデリアルに拉致されかけたが、Z-BLUEの活躍により救出された。過去の経験から何とか平常心は保てていたらしい。

UX』では劇場版設定の為、出番は少なめ。ルイスと共に刹那の無事を祈る。
まぁ別の入野キャラの見せ場が多いから仕方ないとも言えるが。

しかし、『BX』では出番が増加。主人公・ヨウタの実家である骨董品店のバイトとして働いており、1話から当然のような顔をして登場する。
ヨウタや悠宇とは知り合いで、様々な経験をしてきた事もあって時には人生の先輩としてヨウタを導いていく。
そのおかげで原作未見のプレイヤーは沙慈をバンプレストオリジナルキャラだと勘違いしたとか…。

V』でも劇場版設定だが、こちらはUX以上に出番が少ない。
というかメインシナリオには殆ど出てこない……のだが、中盤にウリバタケに「バイトで雇った沙慈というやつのおかげでガインを修復できた」といわれ、例によってのクロスオーバーを果たしていることが判明した。
これには刹那も「何!?」とびっくり。

X』では00自体が参戦していないので当然出ない…のだが、
オリジナル男性主人公のイオリ・アイオライトが高河ゆん氏のデザインであり、外見が沙慈に似ている(しかも名前に「イオリア」を含む)ため、本人に関係のないところでネタにされている。



……編集するよ……!

……良項目を取り戻す為に、僕は…僕の追記・修正をする!

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最終更新:2023年12月28日 16:21

*1 実際はソレスタルビーイング、その中でも特にチームトリニティの関係者であったラグナ・ハーヴェイとそれに雇用されたアリー・アル・サーシェスに接触、踏み込みすぎたことでサーシェスに邪魔と判断され殺害された。チームトリニティを擁するアレハンドロ一派はソレスタルビーイング内でも裏切り者的立ち位置であるため「ソレスタルビーイングに消された」とは言い難い側面があるのだが、一般人である沙慈にはそれを知る由もない。

*2 この時作中で唯一の銃爪を引いている。ルイスの自機諸共ガガ特攻に巻き込もうという自爆攻撃を止めるため、オーライザー搭載のミサイルを発射しガガを迎撃した。

*3 シャルルが生徒会メンバーの記憶を書き換える前に学園を離れたのでナナリーに関する記憶が消されていない。