結城英作

登録日:2016/09/01(木) 18:30:00
更新日:2023/11/12 Sun 10:33:32
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また、検死が必要ですかな




結城英作とは、『金田一少年の事件簿』シリーズの登場人物で、同作の準レギュラーキャラクター。


人物と活躍(?)

横浜市で開業医をしている男性医師。年齢は42歳。
黒縁眼鏡の奥底に常に妖しい笑みを浮かべており、また190cmをゆうに超える長身*1
主人公であるからは「結城先生」と呼ばれる。

初登場は『オペラ座館殺人事件』。
休暇を利用してオペラ座館を訪れており、「扱いに慣れた物の方が食が進む」といって手術用のメスと鉗子で食事をするという奇人変人ムーヴを見せ、一とと、「直後発生する事件の犯人」をドン引きさせた。
こんな変態医師が経営している病院なんて、絶対行きたくない……。
その後起こった殺人事件では医師らしく検死を担当している。

次に登場してその変人振りが最も炸裂したのは、『オペラ座館・新たなる殺人』。
前回の事件の後オペラ座館が気に入ったらしく、毎週末に訪れるようになったと語っている(もっとも、この時は一や美雪と同じく、招待状をもらって訪れているが)。
殺人事件が起こったホテルを気に入るとか、やっぱ変人だ。
前回同様、検死要員として活躍。しかし、その際おかしな点(死体の死後硬直があまりにも早く進んでいた)があることに解剖後に気づき、そのことを推理してもらおうと一の部屋に訪れた時、彼が美雪、及びゲストキャラである加奈井理央と会話しているのを見て「性的交渉のチャンスを奪うという無粋な真似をしちゃいけない」と思い、立ち聞きという悪趣味な真似をした。
しかもその後、2人が自室へと戻っていくのを見送る一の背後に忍び寄り、「悲鳴をあげるかびっくりするかを確かめたい」という理由で肩に手を置いて一をビックリさせたり(ちなみにこれは結城先生の想定どおりの結果だったらしい*2)、「さっきの女性2人のどっちが好みか」と一に訊ね、「女性は殺人事件が起こったときの恐怖感を性的興奮と錯覚することがある(結城が「性的交渉のチャンスを奪ってはいけない」と思ったのはこのため。ちなみにこの知識は、後に『殺戮のディープブルー』で思いがけず役立つこととなる)」などという話をしたりして、一をさんざんに振り回すのであった。いい年こいて……。
その後も最終日の朝には、それまでに3人も殺されているというショックのせいで周囲の人間は軒並み食欲が沸かない中、1人だけ旺盛な食欲を見せて朝食を平らげるのだった。

さらにその後は『タロット山荘殺人事件』でも再登場。
検死要員としての働きもさることながら、タロットカードの知識面でも一をサポートしてくれた。
他にも単行本おまけマンガ『さわやか!!結糸成クリニック』*3では滝下間太郎の人生相談に乗った時に「もしあなたがこれからの人生 悲観して自殺するつもりなら、御遺体はぜひ当方で解剖してさしあげましょう!!」などという(あくまでジョークだが)不謹慎な一面を見せていた。
この回を最後に登場しなくなり、2023年時点で再登場の機会は得られていない。

そのほか、「謎解きファイル」では偶然巻き込まれた殺人事件で鮮やかな推理を披露しており、探偵としての素質があることを伺わせる。

メディアミックスにおいて

ドラマやアニメでは奇怪な言動が問題視されたのか未登場
そのため、『オペラ座館・新たなる殺人』の劇場アニメ版では能条のホームドクター・佐伯涼子というオリジナルキャラクターが彼の代役を兼ねる形で登場し、『タロット山荘』のアニメ版では辻健二が暖炉の見張り役に、北条アンヌがタロットカードの解説要員に変更され(北条は原作でもタロットに詳しい人物である)、ドラマ版では医大生という設定が追加された滝下間太郎が検死要員に、タロット占いのアルバイトの経験があるという設定が追加された辻健二がタロットカードの解説要員となった。
もはやドラマではいなかったことにされていると言って差し支えない。


総括

『金田一』ワールドに登場する医者、もしくは医療関係者は、作者はそうした職業に何か恨みでもあるのかと思ってしまうほどどういうわけかろくでもない、のを通り越してもはや外道な連中が少なくない。*4
だが、結城先生は『悲恋湖伝説殺人事件』の甲田先生、『鬼火島殺人事件』の川崎先生、『女医の奇妙な企み』の大塚先生と同じく、本作においては数少ない良識派に入る医者であろう。
言動はともかく。


余談

  • 名字は日本ミステリ界の重鎮・結城昌治からか。ゲストキャラには、ミステリ作品や作家に由来するだろう連城・綾辻・火村といった苗字が使われている者たちもいるが、それらに比べれば結城姓はそこそこいるのでただの偶然とも考えられるが。

  • 『秘宝島殺人事件』のゲストキャラである岩田も下の名前は「英作」という。

  • 連続殺人事件のさなかでも割と平然としているように見えるのは、医師ゆえ人のに良くも悪くも慣れているから……なのかもしれない。


追記・修正はメスと鉗子で食事をしてからお願いします。

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  • ※池内万作ではありません。彼は明智警視役です
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最終更新:2023年11月12日 10:33

*1 漫画版ではそのような長身には見えないが、ノベルス版で記載されている。

*2 これについて結城は「名探偵の孫である一は「肩に手を置くだけ」などという紳士的な行為を殺人犯がする訳がないと」瞬時に判断し、悲鳴を上げるのを一瞬で回避した、と解釈している。

*3 誤記と思われるが、結城の「城」が何故か糸偏になっている。

*4 例として、敬意を払うべき献体の尊厳を徹底的に踏みにじる言動を見せる医学生など。