主人公機強化

登録日:2012/06/05 Tue 11:33:08
更新日:2024/04/12 Fri 11:00:54
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(冥ω殿)「ぐわあああ!」

「ハハハ!そこまでのようだなカンリニンガーZ!」

「行け!タテニーゲ!グチゴーモリ!奴に止めを刺せ!」

「貴様さえ死ねば、ここは愚痴籠りと立て逃げ犯の楽園となるのだ!」


(冥ω殿)「こ、ここまでか…」

キィィィィン…。

「な、何だ!? あの戦闘機は…!?」

ノリ゚ー[゚]リ|「冥殿ちゃん!お待たせ!」

(冥ω殿)「む…!やっと完成したか!ジェット・アニィー・ウォーター!」

リトイリ゚ヮ゚ル「いくよ!合体だ!」

(冥ω殿)「ユルユルアナールクロース!」

ガキーン!

「な…。カンリニンガーZが空を飛んでいる!?バカな!」



主人公機の強化とは、ロボットアニメにおける概念である。
物語の進展に伴い、次々と現れる強敵に対して、それに対抗すべく行われる。
または、激戦の果てに大破した機体の修復の際に施された強化。


■概要

有名足らしめたのは「マジンガーZ」だが、元祖は「鉄人28号」。
だが、試行錯誤しつつパワーアップを重ねると言う構図を確立したのはやはり「マジンガーZ」であり、
その後のロボットアニメの主人公機達は、物語進展に伴い新たな機能や武装を追加されていくと言う流れが出来上がった。
また、強化合体用の支援機が追加投入される事もある。

主人公機乗り換えでなく、こちらで自機をパワーアップするロボットアニメも割りと多いぞ。



■主なパワーアップ例(順不同)


◆鉄人28号

有名な背部ロケットだが、実は物語開始時にはついておらず、鉄人を奪った(ちなみに結構奪われる)ニコポンスキー率いるS国が開発し、取り付けたもの。
「パワーアップして飛行能力を得る」と言うのはここから来ている。


マジンガーZ

マジンガーZも物語開始当初は飛行能力を持たず、空飛ぶ機械獣に苦戦を強いられる事がままあった。
そこで、弓教授が開発した飛行用パーツ、「ジェットスクランダー」を装着する事により、この弱点を克服した。
…と、近年はこの一言で片付けられるが、実はスクランダー登場以前にもいくつか飛行能力をつけようと試みられ、
それらが失敗していると言う過程が存在し、それが物語にリアリティを持たせていた。
ちなみに、マジンガーZは破損した際の修理時についでにパワーアップされる事が多い。
(冷凍ビーム、アイアンカッター、サザンクロスナイフ、大車輪ロケットパンチ等)


ブロッカー軍団IV マシーンブラスター

第11話にて、モグール帝国が送り出した地獄要塞ヘルグライドのシュトルムドランク装置によって、カイブッダーが強化された。
ブロッカー陣形をも跳ね除けるこれに対抗するため、由利博士は第12話にて四体のマシーンブラスターを改造。胴体内のエレパス増幅装置に強化が施されている。
その理論はマシーンブラスター隊隊長・石田厳介の父・駿介が遺した科学式「メソッドXO-1」に基づくものでもある。
マシーンブラスター隊の四人が被るヘルメットも若干変化、バイザー部が追加された。


ガンダム

機動戦士ガンダム」より。
ニュータイプに覚醒しつつあるアムロガンダムの反応速度がついていけなくなりつつあり、
関節部にマグネットコーティングが施されたが、それでも付け焼き刃であったようで、
強化後も全く見た目に変化がないことと、「ニュータイプ研究が進んだジオン側に対し、連邦側はこの程度のパワーアップしかできない」と言う構図が、それまでに無いリアリティを生んだ。

ガンダムシリーズでは、「フルアーマー化」等で追加装甲・武装が施される機体もある。
ΖΖガンダムユニコーンガンダム等。


◆ガイキング

「大空魔竜ガイキング」より。
ダリウス帝国によって傷ついたガイキングに新たな武装を追加したのだが、これは色々な意味で視聴者を驚かせた。
「フェイスオープン」の掛け声とともに王道的なフェイスが割れ、超兵器ヘッドが出現。その様は牙をむき出しにしたおぞましいもの
口から火を吐き、額からミサイルを連射し、暗黒ホラー軍団の暗黒怪獣を蹂躙しつくす様はまるで怪獣である。
漫画版では、これを生み出したサコン本人ですら「死の機械」と化すことを恐れたほど。
後に、この超兵器ヘッドはリメイク版である「ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU」にてラスボスの次大帝プロイストの駆るドボルザークの頭部になっていた。悪役過ぎる


ライブロボ

スーパー戦隊シリーズ第12作「超獣戦隊ライブマン」より。
当初はレッドファルコン/天宮勇介らライブマン初期メンバー3名が開発したライブロボで戦っていたが、
武装頭脳軍ボルトが「ギガ計画」により製造した巨大ロボ・ギガボルトに敗北後、ブラックバイソン/矢野鉄也とグリーンサイ/相川純一が乗る2号ロボ・ライブボクサーが参戦。
ライブロボとライブボクサーが合体することでスーパーライブロボとなり、ギガボルトを粉砕した。
今作のヒットを受けて以降、1号ロボと2号ロボの所謂「スーパー合体」はシリーズの定番のひとつとなっている。


ジンライ

トランスフォーマー 超神マスターフォース」より。2回パワーアップを果たしている。
1回目はトンネルから発見されたコンテナと合体する事でスーパージンライになり、
2回目は「ボンバー計画」によって開発された支援マシン・ゴッドボンバーと合体する事でゴッドジンライになった。
なお、トランスフォーマーでは基本的にロボット自体が意志を持っていてパイロットが不要なので、殆どの作品では「主人公機」と言うよりは「主人公」そのものだが、
ゴッドマスターであるジンライは、人間がトランステクターと合体してロボットになるので「主人公機」と呼んでも問題ないと言える。

ちなみにジンライは最終回で自我に目覚めて地球人のジンライと分離。
後番組「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマーV」にて瀕死の重傷を負うが「ビクトリー計画」によりビクトリーレオへ転生。
スターセイバーと合体しビクトリーセイバーとなる。


勇者シリーズ

新型機の登場、そして一号機とのグレート合体により強化される。新型機はコアだけ移った主役機の別形態か、主役機と共闘する自律型兄弟機の2パターンがある。
ただしマイトガインのみ1号機をAI操作、2号機を操縦で共闘する。
このような新型機との合体と言う物は他にもさまざまであり、
ダンクーガ、エルドランシリーズダブルオーライザー等も該当する。

勇者王ガオガイガー」ではウルテクエンジン搭載やステルスガオーⅡ装備(宇宙用)などの大きな強化の他にも
未完成状態といっていい第1話から随時バージョンアップを繰り返しており、
最終話時点では見た目と中枢部以外は別物と言えるほど変化しているという。
ここら辺はスーパーロボットの元祖であるマジンガーZを彷彿とさせるものがある。


ゲッターロボ號

そんなマジンガーZのリメイクアニメになるはずだったアニメ版「ゲッターロボ號」もこの要素が前面に取り入れられている。
当初は武装も変形合体機能もない、青一色のプロトゲッターの状態でメタルビーストと戦っていたが、第3話から地道な強化改造が始まる。
ロケットパンチであるナックルボンバーや探査ロケットを改造したハンディミサイルキャノンの実装、青・赤・緑のトリコロールカラーのリペイント、飛行ブースターの搭載を経て、1クールの終わり目でようやく三機合体三変化のゲッターとなる。
中盤ではサポートメカのGアームライザーと強化合体しスーパーゲッター號となり、磁鋼剣ソードトマホークの使用が可能となった。
完全変形する合体バンクも相まって、あまりにもゲッターらしからぬ強化改造パターンといえる。


グレンラガン

天元突破グレンラガンより。
元々、他の機械を取り込む能力を持ったラガンによって、強引に合体して誕生した機体であったが、
その能力の応用で、敵の飛行メカを取り込むことで、中盤から飛行可能になった。
さらに終盤では、巨大戦艦等をどんどん吸収・改造を繰り返し、
アーク→超銀河→天元突破(螺巌編では、挙句の果てに『超』天元突破)と凄い勢いでパワーアップしていった。


シールドライガー

アニメ版ZOIDSより。
小型ゾイドの一種、オーガノイドとの合体により通常のゾイドを超える戦闘力を得る。操縦の補助効果もあり初期の操縦に不慣れなバンを助けた。
レイヴンとの戦いで石化(死亡)してしまったが、ジークとフィーネがゾイドコアに融合し、ブレードライガーへ改修(進化)した。
キットのブレードライガーのフレームはシールドライガーのものを流用している。


エヴァンゲリオン初号機

新世紀エヴァンゲリオンより。
アンビリカルケーブルによる電力供給が必要だったエヴァンゲリオンだが、
中盤、なんと敵である第14使徒を捕食する事により使徒が持つS2機関を獲得、コードレス化に成功した。
流石は異色作エヴァンゲリオン。主人公機強化もマトモじゃなかった。

ただし異色作だけあって、パワーアップをお披露目する戦闘シーンは無い
スパロボ図鑑でも「S2機関を獲得し活動限界が無くなった…ハズである。」とぼかされている。
なにせこの時点で残った敵は「最後のシ者」だけだったから…ってそういう問題でもなかったのかもしれないが。
一応S2機関の力を発揮した「F型装備」の設定があり、パチンコやスパロボなどで大活躍している。


紅蓮弐式

コードギアスより。2回大パワーアップを果たしている。
1度目は、戦闘中に中破した直後に駆けつけた援軍が届けてくれた強化パーツを空中で落下中に強引に換装、
2度目は、敵に鹵獲され魔改造を施されたところを奪還と、いずれもなかなか熱い展開。


カガクゴー

空想科学大戦3より。
上記の様々な作品における強化を「科学的に正しく」考察した結果、最初は硬いだけで中が空洞のハリボテだったカガクゴーは、
ピアノ線で釣るマリオネット→盆踊り自律歩行→巨大発電機のおまけ→空気電池&剣搭載→バネ式ロケットパンチ搭載→飛行能力獲得→超巨大人造人間化
と科学的に強化を果たしていった。特に最後の強化はマジンガーからエヴァに至るロボットアニメの歴史をなぞるような展開で非常に胸熱である。


AGEシステム

機動戦士ガンダムAGEより。
敵のデータをもとにガンダムの頭脳(AGEデバイス)が強化案をその場で提案し、自動で組み立てて戦場に発射するというダイナミック強化システム。
パワーアップが限界を迎えたら新しい機体が提案され、AGEデバイスはそちらに移される。
残念ながら販促と噛み合わずその真価は発揮されなかった。
またシステムを外した機体もその後「システム無しに合わせた強化改装」を施され元々のパイロットが使用しており、最終決戦では親子3代3機の主人公機ガンダムが戦場に登場している。


ガンダム・バルバトス

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズより。
バルバトスはかつて戦争で使われた後放棄され武器もないボロボロの状態で発見されたもののため、最初こそ修理に近いものだったが話が進むにつれ装甲の強化・武装の追加等様々な強化措置が施されていく、応急措置との合わせパターン。


◆レッドバロン

スーパーロボット レッドバロンより。レッドバロンはアニメ版も存在するが、ここでは特撮版を紹介する。
序盤で新装備アームミサイルが追加された他、後半では宇宙鉄面党に対抗するために発案された7つの強化案により、
新装備ドリルアローと、宇宙も飛べる飛行用パーツ「スペースウィングス」の追加、装甲の特殊金属バロニウムをニューバロニウムに強化する等の強化がなされた。


ガンダム試作1号機

機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORYより。シーマ・ガラハウとの戦闘で大破したガンダム試作1号機がアナハイム社の工場で修復と宇宙用装備への仕様変更を受け、「フルバーニアン」として生まれ変わった。スクラップ同然の状態からわずか2日の突貫工事*1での改造だったものの、同時代でトップクラスの凄まじい機動性を手に入れた。
本来であればコアファイターの交換と多少のパーツ換装だけで地上用と宇宙用の装備切り替えが可能な設計であり、
宇宙用に改装しても外見の変化は少なかったとされる。


◆ガリアン

機甲界ガリアン』より。
当初は武装が蛇腹剣「ガリアンソード」しか無く、飛装型(ビッグファルコン)に変形すると武器が皆無になるという有様だったが、後にヒルムカの手により重装改造が施され、ガリアン重装改(アザルトガリアン)として生まれ変わった。
二連重装砲と飛装砲が追加され、変形についても新たに「飛装改(パンツァーファルコン)」「自走改(ストライクヴィーグル)」への分離機構を搭載するなど、火力・機動力両面に於いて大幅にパワーアップしている。


◆ドラグナー

機甲戦記ドラグナー』より。D1~D3の3種類の試作機。
物語中盤にて、この3機の機能を統合したうえコンピューターによる操作補助も充実している量産機「ドラグーン」が登場。ロボット物では珍しい「試作機よりも安定して強い量産機」である。
そのためお役御免になりかけたドラグナーであったが、開発者の手により新技術を限界まで投入しての強化改修が施され、D1カスタム・D2カスタムとなる。(D3? 中身は色々改修した様だけど外観はそのままなのでD3カスタムとは呼ばれてないよ?)
どうやら開発者は、平均的な性能でまとめられたドラグーンでは満足できなかった模様。



◆番外編

主人公機強化と似て非なるものとして、「主人公機応急修理」がある。
正規の部品が手に入らない等の事情により、あり合わせの部品で直してしまうというもので、強化どころか元の水準まで回復したのかも怪しい。
とはいえ「現地改造品」という武骨な魅力があることは否定できず、その手の機体にはファンも多い。
実例として、ガンダムEz-8ガンダムエクシアリペアクロスボーン・ガンダムX1パッチワークΖザクがある。



追記・修正は強化パーツと合体しながらお願いしますぅッ

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最終更新:2024年04月12日 11:00

*1 自慢の機体を旧型にボコボコにされたことがスタッフ達に火をつけた結果