トダカ(ガンダムSEED DESTINY)

登録日:2012/02/07 (火) 13:30:00
更新日:2024/02/18 Sun 19:09:21
所要時間:約 4 分で読めます






既に無い命と思うのなら、想いを同じくする者を集めて、アークエンジェルへ行け!

それがいつかきっと道を開く!



トダカとは、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の登場人物。
CV:一条和矢

概要

オーブ軍に所属する空母、タケミカズチの艦長。
一佐という階級に似合わぬ人情家であり、ブレイク・ザ・ワールドの被害を最小限に食い止めようと努力していた。

人情家である上にオーブの理念に従っているため、劇中で総司令官となったユウナ・ロマ・セイランに対しては諸々の問題行動から軍人でありながら露骨に不快感を表していた。
しかし命令にはなるべく従っている。

動向

ユニウスセブンを破壊し地球を滅亡から救い、カガリ・ユラ・アスハを本国に送り届けたミネルバには恩義を感じていた。

しかしオーブはセイラン家による支配と腐敗が進行していた。これが全ての悲劇の始まりである。

ユウナ・ロマ・セイランにより騙し討ちのような形でミネルバは地球軍とオーブ軍に挟み撃ちにされる。
地球軍とオーブ軍の正式な同盟条約締結前であり、ミネルバ艦長タリア・グラディスも苦い顔をしていた。
この恩知らず極まりない行為にカガリがユウナ・ロマ・セイランを非難するも、逆に「国は貴女のオモチャではない!いい加減感情でものを言うのは止めなさい!」と一喝される。さらに不味いことに、司令部にはカガリに味方するものは誰もいなかった。


国際常識的にも、国内外の法的にもアウトなのはユウナの方なのに、ユウナの根回しと印象操作で「実権もないお飾りの姫のカガリが感情論でものを言っているだけ」ということになってしまったのである。


悲しいことに、劇中この決定の不味さを明確に理解していたのは現場のトダカ一佐だけであった。

「以前国を焼いた軍に味方し、懸命に地球を救ってくれた艦を撃て…か…。こういうの、恩知らずっていうんじゃないかと思うんだがね、俺は」

「警告開始!砲はミネルバの艦首前方に向けろ!絶対に当てるなよ!」

と、交戦する際には攻撃が命中しない様、気を付けていた。

前述しているがユウナ・ロマ・セイランのやり方には快く思ってはいないらしく、カガリを拉致したアークエンジェル一派に向けて敬礼した事もあった。
後に自分達の指揮官になるユウナには、当初こそ「これも国を守る為」と割り切って従うも、最後は結局対立する事になった。

前大戦で一尉の頃、オーブ戦で両親を亡くしたシン・アスカを保護し、オーブ残留を拒む彼にプラント移住の便宜を図った過去がある。
しかし、運命の悪戯か再会した時には、二人は敵同士だった。
クレタ沖の決戦で、「オーブは最期まで連合と共に戦った」という形にしつつも、戦闘停止を呼び掛けるカガリに応える為、
ユウナの指示も無視して、アマギ達乗組員全員にアークエンジェルに行く様に命令した後はタケミカヅチに一人残り、自身は責任を取る為にもタケミカヅチで特攻した。
そこへ、ソードインパルスガンダムを駆るシンの手に掛かり、炎の中へ消えて逝った…。

あろう事か、戦場で互いに知らぬまま相まみえる事になり、嘗て保護した相手によって命を散らしたのである。
当時はそれが原因で、「恩知らず」とシンが叩かれる事も少なくなかった。
しかし、実際にはシンはトダカが乗っているとは露知らず、特攻してくる敵戦艦を破壊しただけであり、
この展開ではシンに良いイメージが付かない事も致し方ない事だが、「恩知らず」等の批判は的外れと言える。

そもそも、オーブのために命懸けでユニウスセブンを破壊してくれたミネルバに、騙し討ちという形で「恩知らず」な行為をしたのはユウナ・ロマ・セイランであり、それを止められなかったカガリ・ユラ・アスハにも責任はあり、「必要以上にミネルバの恨みを買う」危険性を誰も指摘しなかったオーブ司令部の問題である。

オーブ軍のミネルバに対する「恩知らず」な行為が、シン・アスカのオーブへの失望と恨みを増大され、シン・アスカの「恩人」のトダカ一佐が命を散らす悲劇に繋がったのである。

本編ではシンがこの事を知る事は無かったが、もしもシンがトダカのの顛末を知ったら、一体どんな反応を示すのだろうか?
戦後の事を考えたら、「恩人に手を掛けた」という事実と後悔の念に苛まれてしまう可能性は高いだろう…。
とにかく、トダカの「軍人らしくない」人柄は、良くも悪くも後のシンに大きな影響を与える事になったと言える人物である。


尚、部下達にアークエンジェルに行く様に勧めたのは、トダカが「オーブの理念」を方針とするオーブ(アマギの言葉を借りるならば、「真実のオーブ」)に忠誠を誓っているから。
方針が変わってしまったならばと、現在のオーブの指導者はセイラン家ならばセイランの意思が国の意思とミネルバに特攻したババとは対照的である。
ちなみにアークエンジェルはオーブ所属とは言えないが、国家元首のカガリが同乗していて意見も共にしていることは明らかだったため、一概に軍人として異常行動だとは言えない。

軍人の割に感情的で大局的な視点で状況を見れていない等と批判される事もあるが、
これはユウナが戦場をゲーム感覚で捉えて指揮していた事、
軍人としてちゃんと自分達オーブにばかり損害が来るのを嫌って意見したものの、ユウナがネオに煽てられたせいで自分達にばかり損害が来るやり方をする事になった、
勝利しても敗北しても両陣営の争いに巻き込まれて泥沼にはまっていく事が目に見えている戦いだった(少なくとも、祖国の為に命を燃やすという状況じゃない)、
現国家元首のカガリの意思になるべく従っている、
敬礼までしている事から、ユウナとカガリの政略結婚の事情、アークエンジェルの事も恐らく良く把握している…等々の理由がある。

明らかにミネルバを落とせそうなところで落とせなかったこともよく批判されているが、
ミネルバ一隻を沈めたところで戦略的優位に立つわけでもオーブが得をするわけでもなく、それどころかザフトの脅威度はあまり変わらないのにオーブへの敵意がより大きく増すのでむしろデメリットが大きい。
一応連合に恩を売るというメリットはあるのだが、自分たちは損害を出したくないネオが煽ってきた*1件やそれに関連してオーブ軍主体で攻撃したという経緯そのものも約定として明文化されていないなど、各種リスクに見合うリターンが見込めるかというとかなり怪しい。
そのため実際の真意は不明だが(ミネルバを攻撃したくない心情は確かだが、だからと言ってわざと手を抜いたかどうかは分からないので)、結果としてはこれも失策とは言い難い。

ユウナの一斉攻撃命令に反対した件だが、小説ではあえて一斉攻撃せず自然な形で戦線を誘導することで、連合を巻き込んでから全兵力投入する気だったと解説された。
小説版は大なり小なり違いがあるが、ここらは原作を補足したものと考えても良いだろう。
命令の範疇でなるべく自軍の損害を減らす戦い方をするつもりだったのだから、ユウナの一斉攻撃命令もおかしくはないのだがトダカからすればそれを台無しにされる命令である。

部下からの信頼もかなり厚く、副官のアマギは最後を共にしようとした他、
総司令官のユウナと士官達に退艦命令を出した際には、命令通りに士官達も(どの道トダカに全責任を押し付ける気だったユウナを雑に扱いながら)退艦し、
前述の通りアマギと共に大半がカガリとアークエンジェルに合流した。


つまり、軍人らしからぬところが強い事は確かだが、指揮官として恥ずべき行動は実のところ殆ど無い。
ババとはスタンスが異なるだけの話であり、どちらもおかしくない。
国家や軍の指揮系統的に見ると統一しておかなければマズいのだが、これも元々は政治・外交・国防上の問題により混乱が続いている事が原因であり、単純にトダカ達が無能だとは言えない。





余談

  • 本来トダカはチョイ役で一条和矢氏も一話限りの出演だったが、シンの過去を描く際に再び呼ばれる様になったという。


スパロボZ
タケミカヅチが出ない為、ベン・ウッダーのガルダ級艦長として登場。
ベンとは互いに認め合っており、最期は一緒にユウナと反発して特攻した。

スパロボL
名前だけの登場。 オーブと地球連合軍が同盟を組んでからもオーブに残り、オーブ奪還後はカガリからキサカと共にオーブを任されている。
その為、シンに討たれる展開も無し。 もしかしたら戦後、ステラと結ばれたシンと再会出来たのかもしれない。
良かったねトダカさん!



追記・修正は真実のオーブに忠誠を誓ってからお願いします。

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最終更新:2024年02月18日 19:09

*1 余談だがこう見るとネオがとんでもない悪人に見えるが、指揮官として自軍の損害をなるべく減らすことは当然の判断であり、連合という組織の大きさを考えれば実際に言っても問題になりづらいので言うだけ言ってみることはおかしくないだろう