ファティマ・パルスェット

登録日:2011/10/04 (火) 15:32:27
更新日:2024/03/05 Tue 17:26:10
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「マスター……最後まで……私の名前をちゃんと呼んでくれなかった」



◇パルスェット

ファティマ・パルスェットは永野護の漫画作品『ファイブスター物語』の登場ファティマ。
……ファティマを巡る物語の負の側面を象徴するキャラクターであり、劇中の登場キャラクター、ヒロインの中でも1、2を争う不幸な存在であるとも言える。
初登場は「トラフィックス1」の一編「シルバーナイト」で、ダグラス・カイエンと奇妙な友情を結ぶ事になるウースー国の雇われ騎士ミハエル・レスターのパートナーとしてであった。

正式な名前はパルスェットなのだが、マスターであるレスターからは省略されてパルセットと呼ばれており、それをいちいち訂正するのがお約束。

……そして、このやり取りは後に過酷な運命を歩む事になる彼女にとって「幸せだった頃」を象徴する思い出として刻まれる事になる(読者にも)。



【基本データ】

◇パルスェット
※制作:ファクトリー(工場製)
B1-B2-B1-B1-B1:VS1・S型
■S型
●品格:VS1(良質)
●戦闘能力:B1
●MH制御能力:B2
●演算性能:B1
●肉体耐久値:B1
●精神安定性:B1

4大ファティマ・マイトの1人であるモラード・カーバイトが手掛けてこそ居るものの、彼女自身は「銘入り」では無く工場製のファティマである。
しかし、作者も語る様に、工場製のファティマでも十分な個性と高い能力を持つファティマが誕生すると云う事実はある様で、モラードの管理下に置かれた工場から生まれた彼女は平均して高く、安定した性能と個性を持つファティマとして「銘入り」に劣らぬ評価を得ている様だ。

……実際、トンデモスペックの超級ファティマ(※「バランシェ・ファティマ」)に比べればパワーゲージは低く見えるのだが、他のマイトの手掛けた「銘入り」と比べれば全く見劣りしないレベルにあり、速くても故障の多いスーパーカーに対して、頑丈な国産車にも例えられている。



【数奇な運命】

初登場は上記の様に「シルバーナイト」にて。
ウモス国の「青銅騎士団」を思う所あって飛び出た主のレスターと共に星団を放浪。
レスターがウースー国の辺境地域の警護に雇われていた頃に、ダグラス・カイエンがスパイとして潜入して来る事になる。

……経緯はやや説明が難しいのだが、最終的にはカイエンを捕らえる手柄と抵抗ゲリラの掃討を狙ったウースー国の将軍、メイユ・スカの汚いやり口にレスターが反発。
陰ながらゲリラの逃走を助けると共に、カイエンがスカを倒すのにも協力する事になる。
その後、ゲリラ掃討の失敗をスカに押し付けられ、国を追われる事となる。そして、彼の最期は予想だにしないものだった。
同時期にメヨーヨ朝廷が先行型アシュラ・テンプルを用いて行っていた戦闘実験としての「手合い」……つまりは十数人の騎士の命を奪って来た「壊し屋」事件の標的として選ばれてしまったのだ。

この戦いで新開発の重MHアシュラ・テンプルのドラゴン・トゥースの前にレスターは敗北……更には命までも奪われてしまう。

……そして、1人残されたパルスェットに、ここから過酷な運命が襲いかかる事になる。
メヨーヨに雇われていた女忍者巴の導きにより現場に現れた町の荒くれ者によって、彼女は輪姦されてしまうのだ。
※何故こんな事になるのかは「ファティマ・ファティス」の項目を参照。

……無論『FSS』には直接的な性描写は登場こそしてこないものの、この展開に衝撃を受けた読者諸氏は多い……。
そして、ここでパルスェットは一旦、物語から生死不明のまま退場してしまうのである。

※……一応、それから3年後には悪名高き「ザンダ・シティ」の人形(ファティマ)専門の売春宿にて姿を確認出来るが……。



【ヨーンとの出会い】

パルスェットが次に再登場を果たすのは「シバレース」の一編「黒き死の女神」
愛しのバーシャを連れ去ったデコースを探す少年騎士ヨーン・バインツェルが助けた、今にも男達に乱暴されそうになっていた、ボロボロの姿のはぐれファティマこそがパルスェットだったのだ……。
因みに、この時の時間設定は3001年。
何と「トラフィックス1」を描いた2989年から12年も彼女は男達の慰み物にされては捨てられる年月を過ごして来た事になるのだ。

……ヒデェ

……尤も、そんな過酷な状況の中にあっても可憐さも純情さも失わないファティマの哀れな美しさこそが描かれた場面……ではあるのだが。

この時に、パルスェットはヨーンを「マスター」と認識するのだがトラウマを抱えるヨーンはこれを拒否。
結局、この時点では変な女二人組(アイシャ&キュキイ)に 保護されるに止まる。


……結局、パルスェットがヨーンのパートナーとなれるのは更に29年が経過した「魔導大戦」開始後の3030年……。
この時のやり取りは2人の事情を知る人ならばこみ上げて来る物のある方も居る事だろう。

……この2人は生涯のパートナーとして3100年代のミラージュ騎士団による「星団侵攻」にも参加している。



【マスター】

◆ミハエル・レスター
元青銅騎士団の騎士でMH青騎士を駆っていた。
凡庸な見た目乍らかなりの腕利きで、嘗めきっていたカイエンに手傷を負わせ、アウクソーを殺害している。
本来は忍者が使うバル=バラを操るあたり、普通とは違う価値観の持ち主らしく、それが超一流の宮廷騎士団である青銅騎士団の騎士の地位をあっさりと捨てた要因かもしれない。
自らの死の間際にパルスェットを逃がすのを優先させたりと、最期までイケメンだった渋いオジサン……合掌。

◆ヨーン・バインツェル
後のミラージュ騎士で、現在は宿敵デコースを求める途上の身。
平民の出でありながら非凡な才能を「黒きファティマ」に見出され、彼女により鍛え上げられるも、同時に彼女自身に絶望を味わわされる事となる。
彼と黒き死の女神の物語の結末は、現在大好評連載中断中である……。



【搭乗MH】

■プルート(デボンシャ)
レスターとパルスェットが駆っていた中古のMHで「プルート」は独自に付けられた名前か。
デボンシャ型は安価乍ら安定した性能を発揮するMHシリーズで、あのデコースが矢張り中古のデボンシャ型を用いてフィルモアのサイレンを破っている。

L.E.D.ミラージュ
右翼大隊No.20ヨーン・バインツェル機は14号機とされている。




篭もり「さて……こんなもんかな、後は……ええと君、なんて言ったっけ?」

パ「私……パルスェットです。マスターの望み通りに項目を修正します」

篭もり「わかったパルセット……足りない部分を追記修正してくれ!!……わわわ、どうして泣くの!?」

パ「いえ……すいません……マスター……私……また“マスター”と言える日が来ました……それで……」

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最終更新:2024年03月05日 17:26