奇面組シリーズ

登録日:2010/01/19 Tue 03:07:14
更新日:2024/02/19 Mon 23:35:02
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奇面組シリーズ一覧
  • 『3年奇面組』(1980年~1982年)JC全6巻/文庫版全4巻
  • 『ハイスクール!奇面組』(1982年~1987年)JC全20巻/文庫版全13巻
※『週刊少年ジャンプ』掲載
  • 『帰ってきたハイスクール!奇面組』(2000年)ムック本、JCD全1巻
※『POPEYE増刊』掲載
  • 『フラッシュ!奇面組』(2001年~2005年)
※『月刊少年ガンガン』掲載

  • TVアニメ『ハイスクール!奇面組』(1985年~1987年)
※フジテレビ系列 毎週土曜19:30~20:00
  • アニメ映画『ハイスクール!奇面組』(1986年)

  • 『舞台 ハイスクール!奇面組』(2017年~)


新沢基栄による漫画作品。
現在まで記憶に残る数々の名作を生んだ、80年代『ジャンプ』を代表する人気作品の一つで、累計発行部数は1000万部を越える。
掲載紙やアニメ化の影響もあってか、80年代を代表するギャグ漫画として名前が挙げられる機会も多い。
尚、上記のシリーズタイトルの内『3年奇面組』から『ハイスクール!奇面組』までは一部に齟齬があるものの地続きの物語である。
また、00年代のリバイバルブームに乗って時間が空いてから発表された『帰って来た!』もタイトル通り『ハイスクール!』と同一の時間軸の世界観で発表された、謂わば追加エピソードとも呼べる作品であった。(ただし、続く『フラッシュ!』と同様に描かれている時代が現代になっているエピソードもある。)

しかし、上記のシリーズ中では『フラッシュ!』のみは、久々の連載作品にして『3年』~『ハイスクール!』までの世界観を再構成したリメイク作品となる。
その為、基本的な設定こそ旧連載シリーズから引き継いでいるものの、年代設定が改められていたり、一部の人物関係や展開が異なる等の差異が生じている。


【概要】

作者のデビュー作であり、作品人気からタイトルが変えられつつ『ジャンプ』誌上にて足掛け7年も連載が継続された。
現在でいえば、微妙に非日常系に分類出来る作品であり、学園物としての基本を押さえたドタバタギャグコメディといった所。
連載開始当初の『3年奇面組』では中学時代を、作品人気を決定付けると共にシリーズでも最も有名な『ハイスクール!奇面組』では高校時代が描かれている。
因みに、ファンからは現実離れした展開が続出してカオスな『3年奇面組』はギャグ漫画だが、練られたストーリーに沿って騒動が起きる『ハイスクール!奇面組』はコメディであるという意見もあり、これには作者も概ね同意している。

特に、連載終盤にかけては作家としての腕前が磨かれたのか世界観のリアリティーが増していき、零を除く奇面組メンバーも殆ど2頭身化しなくなる等、笑いの質も変わっていった。
また、これも当時から珍しくなくなってきた作風ではあるものの、作者がサブカル方面の知識に明るいこともあってか、作中に多数のアニメや特撮、映画なんかのパロディが数多く盛り込まれたりもしている。

作者の拘りからか、所謂サザエさん時空が採用されておらず、連載の進行と共にキャラクター達の学年も進み年齢を重ねていた。
……しかし、作品人気から連載が幾度か継続される中で、特に高校3年も終わるとなった頃には、当時の世相もあるが、本作のメインキャラクター達の殆どは大学までは行かないだろう、との判断から編集部の用意したタイムマシンで過去に戻り、拾っていなかったエピソードを描くというメタ的な展開を挟みつつ、最終的には三度も高校3年をやり直すという形で連載が継続された。
また、この中で過去に戻るという前提とは食い違いが生じかねないが多数の新キャラクターが登場している。結果的にこの延長期間が最も長くなったので仕方がない。

尚、連載終了の理由は作品人気に陰りが出たから……ではなく、あくまでも作者が漫画内でも度々“持病”として挙げていた腰痛を主とする体調の悪化が原因であった。
作品の知名度と根強い人気により、01年より『月刊少年ガンガン』でリメイク作となる『フラッシュ!奇面組』が連載開始されたものの、此方も腰痛の悪化に伴い03年より連載が中断されている。
尚、漫画家としては非常に優れた素養を持つと思われる作者がキャリア的には寡作となったのは、腰痛の悪化もあるが、余りにも『奇面組』に入れ込み過ぎて「もう、これ以上、インパクトのある漫画は描けないかもしれない」「自分のライフワークと思うようになった」と、語っていることも関係あるのかもしれない。
それだけに作中のキャラへの思い入れも強いらしく、09年に描いた学習マンガ『モテる・モテないの秘密』内に『奇面組』でカップルとして豪や千絵の他にも幾人かを登場させた理由を15年のインタビューにて語っている。

この他の特徴としては、作品の構成上の理由からか作者の凝り性故にか固有の名前と顔を持つキャラクターが非常に多いのも特徴。
基本的にレギュラーと呼べるのが奇面組メンバーとヒロイン2人だけと言える位の中で、クラスの担任や奇面組と対抗する名物集団や主たる学校関係者あたりはともかく、下手をすると、それらのキャラクター達の詳細な家族構成までが設定されると共にデザインが描き起こされたりしている。
これについては、スケッチブックにキャラのデザインを起こすと際に、同時に描いているキャラの設定が思い浮かんできたから、ということもあったらしい。

アニメ化決定の際にはスタッフから依頼されたのがきっかけとはいえ、必要となる程度が解らなかった為に改めて詳細な設定を書き起こすと共に、主要キャラクターの詳細な全身図や表情パターンを忙しい連載の合間をぬって描いて渡して呆れられ驚かれている。*1

因みに、長らく“夢オチ”として批判的に語られることが多かった『ハイスクール!』の最終回であるが、作者の意図としては上記のタイムトラベルネタへの皮肉的な解答を込めた内容であり、物語が唯の空想(夢オチ)とも正夢(未来視、若しくはタイムリープ?)のどちらとも取れるようにしたかったとのこと。
尤も、現在ならともかく、当時はそうしたオチや世界観構造を用いた作品は珍しく、結果的に作者の意図が全く伝わらないままに読者に“夢オチ”として切って捨てられると共に誤解されてしまったままになったというのが、作者自身によるラストシーンの解説である。
このことに不満を持ち続けていた作者であったが、以前の描き方だと解りにくいのは確かなので、不本意ながら後に発売された復刻版のラストカットにて、奇面組全員分のトンカツを口に咥えて廊下を駆けてくる零の影が描き加えられたという訳である。
これによって、修正後は奇面組の実在を強く感じさせる描写になっていると言える。


【アニメ】

フジテレビ系列で85年から87年まで(全86話)が放映されたTVアニメも物語自体は中学校から開始されたが、タイトルは最初から『ハイスクール!奇面組』として放映された。
フジでの放映ということもあってか、当時の人気アイドルグループである“おニャン子クラブ”の出演する『夕焼けニャンニャン』とのタイアップ体制が敷かれ、OPとEDを同グループ内から誕生したユニット“うしろゆびさされ組(髙井麻巳子、岩井由紀子)”と“うしろ髪ひかれ隊(工藤静香、生稲晃子、斉藤満喜子)”が担当した。*2

また、このアニメ版では当時の一線級で、現在は大御所となった声優が多数キャスティングされており、そっちの方面でも話題に挙がる。


【主要な登場キャラクター】

※多過ぎるためこれでも抜粋

【奇面組】

「個性の追及」をモットーとする名物集団で“10組”が割り当てられている。
リーダーの一堂零、及びサブリーダーの令越豪に率いられた、本シリーズの主役となる“変態”集団。*3
奇面組の通り名からも解るように、一目で普通では無いと解るはみ出し者達により結成された集団で、他の名物集団とは違い、各々に得意とする分野も異なるという超個性派集団である。
『3年』時代には、主役の宿命か対抗戦等では零のみが代表として矢面に立たされるということが多かったが、続く『ハイスクール!』からはクラブ挑戦シリーズとして奇面組全員で試合に出るといったパターンも増えた。
因みに、異常に勉強が出来ないことから高校受験を連続で失敗(最終的に零、豪、潔は3度。仁、大は2度留年。)して中学3年生を繰り返しているのが『3年奇面組』という珍妙なタイトルの理由であるが、こんな無理がある設定になったのはデザイン段階で零達をいきなり唯ちゃん達の同級生として扱うのは無理だと作者が感じたから…というメタな理由からである。
ギャグ漫画なので登場人物がディフォルメ化(2頭身化)したりといった描写は普通に見られるのだが、奇面組の場合はギャグ補正ではなく肉体の変形的にデフォで2頭身化していると思われる描写がされている。*4
特にリーダーの零は筋肉大移動に代表される、超能力めいた特殊能力を持つ別格的な変態である。
グループとしての必殺技は『奇面フラッシュ』(自分達の奇面をリアルな描画で光らせる等して見た相手の心身に多大なダメージを負わせる必殺技。直接的な戦闘力では敵わない腕組やヤクザのひまわりちゅうりっぷも倒せる。)だったが、後には使われなくなった。

『3年』のラストでは、やっと念願叶って5人揃って低偏差値の「一先高校」への補欠での合格が決定したが、入学直前に事情から進学校の「応生高校」と合併して「一応高校」となることが決定したために、別れることになると思っていた唯や千絵と再びクラスメートになることとなり、卒業までを共に過ごすことになった。


■一堂零

CV:千葉繁
変態の中の変態たる奇面組のリーダー。本作の主人公。
名前は「一同、礼」のもじり。
通称は“まゆなしの零”で、その名の様に眉毛が無い(少なくとも見える形では確認できない)。
主な一人称は「わたし」で、語尾を「なのだ」で締めることが多いという、バカ丁寧な口調が特徴。
多少くだけた場合でもバカ殿のような喋り方となり、普通の意味での乱暴語にはならない。
年長ながら他のクラスメートは勿論、メンバーからも少しも尊敬されていないものの、面倒事や競技関係なんかでは何だかんだでクラスの代表を任されることも少なくないあたりは、流石は主人公。(押し付けられてるだけとも言う。)
元々の運動神経も悪くない上に、数々の変態パワーも持つために闘争本能にこそ欠けるものの、いざというときには実際に頼りになる男である。
そうした活躍もあってか、バカにされつつも何だかんだで頼りにはされており、後には活躍(やらかし)が近隣にも知れ渡ったのか、上の学年に進んでからは新入生からも一応高のマスコット(珍獣)的存在として捉えられるまでになっていた。

前述のように数々の特殊能力や主人公補正を持つためか、競技物では何だかんだで勝利を収めることも少なくなく、他の名物集団のリーダーである塊や妖、邪子からもライバルとして一目を置かれると共に、何だかんだで似た者同士として確固たる友情を築いてもいる。

勉強は全く出来ないのだが口調からも解るように理知的な面もあり、まともな意味でのハンサムでも無いものの、それなりに凛々しい顔立ちをしている。*5
実際、遺伝的には父母の悪い所を引き継いだ顔なのだが、父母のいい所を引き継いだ妹の霧も「一応かっこいい」と評しており、唯も零の顔が凛々しいと思っており、アニメでは熱弁までしている。

2頭身になる頻度が一際多く、6頭身への戻りかたを忘れたこともある。
他にも珍妙な扮装だか変身をしては、周囲を混乱に陥れることも日常茶飯事。
そのため、他の奇面組メンバーにすら人間扱いされていないような場面も。
怪獣好きで、宝物は今は売ってない怪獣大百科。
外伝的な「やっつけ隊」シリーズでは一堂隊員としてワラトルマンに変身している。
尚、登場初期の悪人面をしていた時の顔が似ていたのと名前から『北斗の拳』の南斗水鳥拳のレイは零がモデルだと真しやかに囁かれていたが、原哲夫は否定している。
ちなみにレイの中の人は大である。

最終回間近では世にも紛らわしい日記を書いているが、この内容は一堂零というキャラクターの集大成と言える。
実は河川唯に出会ったときから一目惚れしていたと最終回で開かされており、
それまではどちらかと言えば唯の方が意識しているのかと思われていたが、豪を初めとしたメンバー曰く「バレバレ」だったとのことで、これには唯の気持ちは知っていた千絵も驚くとともに呆れていた。

実家は「おもちゃの一堂」
家族構成は父(啄石)と妹(霧)の三人家族。
母(直利)は既に他界している。それぞれ一堂から続けて呼んでみよう。
琢石は外見こそ渋めのナイスミドルだが、中々にフリーダムな性格をしており、自ら騒動の引き金となることもある程。
『ハイスクール!』からは、妹の霧も中学校に進学すると共に思春期に突入しており、登場するエピソードが増加した。
『ハイスクール!』から登場した飼い犬で不良犬のラッシーは数々の主役エピソードも作られ、零のことは飼い主としてはバカにしているがコンビ的な活躍も見せる。
母方の祖父に善院清烈がおり、零の琢石と霧には似ない一堂家では例外的な鋭い目付きは、母親、及びルーツとなる善院家からの遺伝である。

■冷越豪

CV:玄田哲章
奇面組のサブリーダー。喧嘩っぱやいプロレス好き。
奇面組が何だかんだで格闘技なんかに対応出来るのは、メンバーを日常的に巻き込んでは興じている豪のプロレスごっこの賜物かもしれない。
因みに、グループを引っ張ることも少なくない豪が自分でリーダーをやらないのは、性格的に矢面に立つのを嫌がって零に面倒事を押し付けてるだけとも思われ、賞金が掛かっている大会に出場させた時などにはセコンドにつき、暴力によって無理矢理に零を動かすこともある。
名前は「レッツゴー」のもじり。
通称は“まなこの豪”で、その名の様に異常なギョロ目。その他にも角刈りのような髪型に太眉、異様に体毛が濃かったりと男臭い見た目をしており、デザインが出来た時には作者自ら「こいつは危険人物だ!」と振り返っている。
因みに、後に登場した実父や、顔が判明した叔父から、このインパクトのある顔付きは冷越家の遺伝の賜物である模様。
一人称は「俺 」。
プロレス好きな上に、実際に肉体的にも頑健であり、激しいツッコミとして時には教師相手にも豪快なプロレス技を見舞うことがある。
足の裏に油っこい剛毛が生えており、水面を歩くことができる。実は剃っているだけで掌にも生えており、それを利用して正にアメンボのように水面移動が可能。
既に酒豪としても目覚めており、中学の修学旅行で寝られなかった時には、寝酒として持ち込んでいた一升瓶を一気飲みで空けている。その後、寝ていた零を無理矢理に起こして付き合わせようとしたが一気飲みどころか一瞬で飲み干したことに怯えて寝ることにした。
腕っ節は通常時の零を圧倒し、喧嘩でも腕組とすら渡り合える程なのだが、性格的に姑息で卑怯を信条とするためか全力で戦うというようなことは先ずなく、実態がどうあれ危険だと思ったり分が悪いと見た場合には直ぐに逃げたり零に押し付けることが殆どである。
実際、ピンチの時には何だかんだで勇気を出して立ち向かう零に対して、口先だけでヘタれな所もある。
とはいえ、クラブ挑戦シリーズの柔道やプロレス編では逃げ場が無かったこともあってか、反則交じりなれど最後まで戦って勝利している。

乱暴者で口が悪いが純情な面も見られ、深夜ラジオに“白馬の王子”を名乗り熱心に葉書を出していたり。

また、千絵との微妙な関係は連載中でも零と唯よりもネタに使われる機会が多く、実は『奇面組』のラブコメ担当でもある。
また、見た目やイメージに反して意外にも口も巧く、千絵や増代をイジる時に的確な毒を吐いてキレさせる場面がしばしば見られる。
その一方で不器用な性格的に嘘を吐くのは下手らしく、誤魔化そうとした際にはつい本当のことを話してしまい殴られることも多い。

酒店「酒の令越」を営む叔父夫婦の家に居候している。
実の父母は小学校の頃から失踪中で、オマケに豪が知らない間に離婚してしまっている。
叔父夫婦には迷惑をかけないようにと言ってる割には売り物の酒に手を付けていたり、3度の落第の上に小遣い無しとはいえ、その都度修学旅行に参加していたりもするが。
叔父夫婦には子供が居なかったらしく、自分でも「正式に叔父さん夫婦の養子になって酒屋を継ぐ」と語っていたが、エピローグでは高校の卒業後に結婚、若しくは同棲する仲となった千絵も「酒の冷越」に住んでいるため、実際に叔父夫婦の養子になったのだと思われる。
そうした事情もあってか、メインキャラの中では例外的に家族の明確な姿が描かれていなかったのだが『ハイスクール!』終盤にて、失踪していた実の父*6が登場。
豪からすればギャンブル狂いのどうしようもない親父で笑えない存在なのだが、登場回の面白さや豪にそっくりな見た目もあってか読者には妙な人気があったのか、その後の人気投票で上位にランクインしている。
『帰って来た』では、叔父夫婦(豪悟、虎江)も初登場しているが、実の母親のみは不明である。

■出瀬潔

CV:二又一成
スケベ。他にも言動や趣味がややジジくさく、周囲からは年寄り扱いされている。
宝物として、エッチグッズやアイドルのポスターと共に盆栽が部屋に並んでいる。
名前は「出席よし」からだが、先に決まっていた潔という名前からの逆算なので、零や豪に比べて苦しい。
通称は“むき歯の潔”で、その名のように巨大な出っ歯の為に、常に歯を剥いているように見える口元が特徴。
一人称は「俺」。
その他の顔の特徴は尖った頭と細目で、パーツの都合もあってか、表情のパターンが描き難いのか顔色の変化や汗等で表現されている。
作者曰く「奇面組で一番ブサイクだが、一番の常識人」とのことで、行動がアグレッシブな割には余り目立たないが、グループのブレーン的存在とも評される。
零、豪と共に3度の落第を経験している筈だが、高校時にはメンバーで唯一平均点ギリギリをクリアーしていた。
また、後の設定とは齟齬が出るが一人だけ遅刻常習犯の奇面組の中では遅刻を免れていたりといったことも。
前述のように自他共に認めるスケベであるので、保健体育は得意である。
休み時間には、メンバーに熱いスケベ講義を開いていたこともある程。
尚、作者の美学を反映したのか、スケベではあるが卑猥はいけないとのこと。
女子には日常的にスカート捲りを仕掛けるので女の敵として嫌われているが、本人は純情な所もある。
零や豪に比べて身体能力で秀でているとは言えないが、毎日のスカート捲りの成果か柔道対決等では予想外の動きの速さを発揮したことがある。
一方、展開上の都合からか先鋒を務めることが多く、善戦空しく敗北するという貧乏くじを引く割合も多かった。
メンバーの中でも仁とはコンビ的存在だが、元々は生真面目な潔に対して大らか過ぎる仁は真逆の性格で、仲が悪かったとは本人達の弁。

実家は銭湯「がんばりまっし湯」。
夢は番台に座ること。
連載の時点では煩悩全開の為に父親からは「まだ早い」として断られていたが、高校卒業後のエピローグでは夜学を卒業した後に家業を継ぎ、漸く番台に座らせて貰えるようになったとのことだが唯に「入りに来ない」と言っている通り、煩悩全開のままとのこと。
家族構成は父(千太郎)、母(質代)妹((きよい))の四人家族。
千太郎は潔と同じ顔をしているが、真面目で小市民的な性格。
ふくよかな体型の質代は怒らせると怖い面も。
そばかすが可愛い妹の清は当初は潔の教育もあってかスケベを勘違いし、兄を正義のスケベとして誇りに思っていたが、それを作文で発表して恥をかいてしまってからは世間一般のスケベの意味を知ると共に反動で潔癖な性格となる。
同じクラスの霧とは、それを機に変態の兄を持つもの同士として親友の間柄となったようで中学でも一緒に居るのが見られる。

■大間仁

CV:龍田直樹
のんびり屋で、異常な食欲の持ち主。
趣味は寝ること、食べることで、異常に運に恵まれた所もあったりと、コンビ的な存在で色々と損をしがちな性格の潔に対して、生きてるだけで得をする星の下に生まれている。
名前は「大魔人」からと思われる。
通称は“えびすの仁”で、細いタレ目に下膨れで間延びした福笑いにも見える弛みきった顔に福耳が特徴。
一人称は主に「僕」。
性格は至って温厚で基本的に争い事なども起こさないが、単に面倒くさがりで雑事には関与したくないと思っているだけと思われる様子も多々見られる。
授業中は居眠りの常習犯で、一日の大半を寝て過ごす等、マイペースで読めない性格。
余り物事に動じるということもないが、胆力があるのか鈍感なだけなのか。
唯一、執着を見せるのは食に関することであり、食事中のみはアグレッシブで、食関連の恨みのみは根深い。
腹が減りすぎると舌馬鹿になり、目にしたものは何でも口に入れようとするようになり、場合によっては見境なく襲いかかる。
柔道対決では、その特性を活かして飯抜き状態にして狂暴性を引き出したものの、動きは単純になるために、それが仇となり勝利は奪えなかった。
因みに、食べれれば何でもいい訳ではなく極端に不味い物も苦手と、味覚は普通というか寧ろ優れた方の模様。

尚、食事量は1食につきご飯10合と異常ながら、メンバーでは一番背が高いものの体重は零や豪と一緒と、意外にも設定数値上はスリムな体型である。
余りの食い意地を危惧した両親が、戒めとして最低限の夕食代のみを残して旅行に出掛けた時には自分では日の丸弁当しか作れなかったことから、同じく弁当が日の丸弁当だったことにショックを受けていた零を相棒に言葉巧みにクラスメートからおかずをせしめる等、予想外の行動力を見せたこともある。
本人の性格もあってか、仲間との付き合いこそいいもののグループでは目立つ機会が少なく一番地味と言われることもあるものの、意識的に動いた時にはちゃんと存在感が出るのも潔とは対照的。

アニメ版の主題歌を担当した髙井麻巳子からは「(奇面組で)一番好き」との評価を得ている。

実家は「大間ケーキ店」(アニメでは「パンとケーキの大間」)で、仁は客優先のクリスマスを除いてはケーキを食べさせて貰っているとのことなので売れ残り等は無いと思われる。
因みに、仁は練習試合前の女子バレー部に売れ残りを差し入れたことがあったが傷んでおり、代わりに奇面組が女装して出場することになったことも。
店の名誉を言えば、仁が自分も食べないようなケーキを差し入れたのが悪かったのである。
家族構成は父(九)、母(時代(じよ))で仁は一人息子。
尚、エピローグでの仁は高校卒業後「美味しいものをたくさん食べれる」として調理師専門学校に進み何とか卒業するも、つまみ食いばかりしていたのか何処に勤めても3日と持たないようで、唯からいっそのこと家業を継いだら?と言われてしまっている。

また、田舎には父方の祖父(翁)も居るのだが、のんびり屋の仁を凌ぐマイペースぶりで異常に反応が鈍い。

■物星大

CV:塩沢兼人/岡野浩介(PSソフト『THEテーブルホッケー』)
オカマ。尤も、連載当初は少女趣味でオカマっぽいというだけの男であったが、アニメ化を機に完全なオカマ(というか精神は女の)キャラになっていった。
この為、アニメ化以前にはバレンタインデーで他のメンバーと共に貰う側に回ろうとしたこともしているのだが、アニメの方では日常的に女装や化粧をしている。
名前は両親の名前からも「物干し台」のもじりと思われるが、潔同様に設定段階では大という名前だけが先行していたとのことなので、やや苦しい。
通称は“おちょぼ口の大”
一人称は「僕」で、意外にも口調は少年的である。
首までの長さのおかっぱ頭、細くて繋がった眉毛、丸いが目尻がつり上がった目なども特徴的。
また、メンバーでは若干ながらも一番背が低く、かつ細身の体型であるために女装してもパッと見の違和感が無い。
このため、奇面組の一員ながら本気で惹かれる男が居たり、普通に女子と仲が良かったりといった場面も。
その色っぽさと得意の口づけの連発で番長を倒し、新番長になってしまったこともある。
作者曰く「いざとなれば一番頼りになる男」であり、実際に見た目で侮られるのを逆手に取り、色気や機転を働かせた戦法によってクラブ挑戦シリーズでも勝利することが多かった。
『3年』時にはキレるとヒステリックになって暴走するという危うい面もあるキャラだったが、後には懐が深いキャラになっていった。
尚、オカマ(女性)化が進んでからは母親からも完全に娘として扱われているような場面も見受けられる。
裁縫や料理が得意で、ポエムや少女漫画風のデッサンも得意と何気に家庭科スキルや美術方面の素養が高く、エピローグでは高校卒業後に千絵と同じデザイン専門学校に進学。
卒業後は完全に服装が女性化しており、今度は同僚となった千絵との接し方も女友達相手のそれとなっていた。
尚、男っぽい豪とは対比が際立つためか何気に絡む場面が多く描かれており、当初は真逆の性格からお互いに気持ち悪いと思っていたとのことだが、奇面組結成前には既に仲良くなっていたとは本人達の弁。
寝るときにはぬいぐるみを抱いていなければ寝られず、無意識に夜泣きをする。
低血圧で朝が苦手と女性的な悩みを抱えてもおり、これにはがさつな他のメンバーから文句が出たことも。

実家は本屋の「物星書房」で、大も店の手伝いでレジに入ることもある。
立ち読みスポットとして学校帰りの生徒達の憩いの場所となっている一方で、店内には迷惑な客を撃退するための仕掛けが施されている。
家族構成は母(日和)と父(座男)で、
大は一人息子(?)。
『ハイスクール!』以前は大にそっくりな母の日和のみが登場していたのだが、後の『帰って来た』にて、父の座男も健在で、オマケに大と同様にオカマ(女装趣味?)であることが判明した。
また、表に出て来なかった理由について、見た目にインパクトがありすぎて店番に立たせて貰えないという説明が付けられている。

なお、アニメ版の演者はのちに某アニメとあるキャラクターを演じているが、劇場版では何度かオカマキャラを演じていた。


【2人のメインヒロイン】


■河川唯

CV:高橋美紀
メインヒロインその1。また、物語の始まりと一応の結末が唯の視点であったことから、本作の真の主人公と評する声もある。
アニメ版ではビジュアル的な都合なのか意図的な演出なのか奇面組よりも唯が目立つようになっている。
名前の由来は「カワユイ」からで、その名の様にかなりの美少女。
河川維子という、アイドルをやっているそっくりな従姉妹が登場したこともある。
一方、ショートカットで幼さの残る外見だったりすることもあってか、容姿の中でもコンプレックスがある部分を嫉妬交じりに千絵にイジられることはあり、本人も自覚していると共に気にしている様子も窺える。
物語の開始時には『3年』時の舞台である一応中学には転校してきたばかりであり、そこで親友の千絵と共に奇面組に遭遇。
元々「個性」を尊重するという変な感性持ちだったので、正に「個性」を掲げる奇面組は唯の感性に合致する存在であり、危うい所を助けて貰ったこともあってか、以降は自分から距離を詰めてつるむようになる。
また、出会った当初の奇面組は3年生で一応は先輩だったのだが、概要でも述べた理由から奇面組は再度落第すると共に翌年からやっと同級生となったという経緯がある。
奇面組との関係が深すぎて、中学時代には優等生にもかかわらず奇面組や他の名物集団と同じく学校の問題児として扱われたことも。
割とノリがよく、生真面目ながら堅物ではなくボケとツッコミを両方こなす。
アニメでは性格が原作より余計に弾けており、零との恋愛的な側面も強化されていた。
成績優秀なうえ、見た目とは裏腹に意外なことに運動神経も抜群であり、入部したバレー部では新人ながら早い段階で期待をかけられていたり、邪子などの自分より運動が出来そうな強豪が欠席していたとは言え、マラソン大会では1位をとっている。
母親が病弱で家事も一手に引き受けているので、家庭科スキルをも高い。
ただし、そのせいでTVなんかを見る時間も無いので流行りの情報についていけず、幼い頃で芸能情報が止まっていたり妙に所帯染みているのをからかわれたことがある。
本人は零一筋のためか気づいていないが、恐らく主要キャラの殆どは一度は唯ちゃんに惚れたことがある程。
初期には前述のように「個性」が無い男子には興味が持てないという理由から言い寄ってきた男子を悉くフるという、後の唯ちゃんからは想像し難いこともしていたらしい。
また、初期には千絵を唐突にトイレに付き合わせようとする癖があり、エピローグで最初にループした時にも久々に発している。
天真爛漫で毒気が無い性格故にか、初めは敵対的な絡まれ方をした御女組とも直ぐに仲良しになっており、奇面組を甘やかしすぎていると千絵に忠告された時には、自分から弟子入りしたこともある。

父(板造)、母(理矢)、弟(一平)の四人家族で、板造は売れない画家で一家でちょっと貧乏な長屋暮らしをしている。
売れない画家では食っていけないので、父の板造は普段は美術学校あたりで講師をしているのだろうとは作者の弁。
見た目は渋いが、琢石に負けず劣らずのお茶目な親父さんである。
母の理矢は病弱で基本的に寝込んでいるために、前述のように家事も基本的に唯が引き受けている。
ジャンプ連載当時は長屋暮らしもかろうじて伝わるネタだったのだろうが、アニメでは普通の一軒家住まいに。
また、アニメでは理矢の存在に触れられていない。
『フラッシュ!』では、時代の変化からか漫画でも普通の家に住んでいる。
弟の一平は、初登場した『3年』では幼さの残る小学生男子であったが、続く『ハイスクール!』からは中学に進学して思春期に突入。
霧や清とは同級生で性格も落ち着き、クールな美少年に。
特に、姉絡みで知り合った霧とは相思相愛で2人で交換日記を交わす等、寧ろ姉達よりも進展した様子が見られる。
アニメ版では兄貴分として慕う奇面組に師事したこともあったが……。

■宇留千絵

CV:松井菜桜子
メインヒロインその2。
唯の親友で、物語の開始時点では唯と出会って間もない筈なのに既に無二の友情を築いており、以降も僅かな例外を除いては常に行動を共にしていた相方的存在。
因みに、当初は唯の方がエキセントリックな性格付けをされて、千絵の方がストッパー役であった筈なのだが、連載が進む内に唯が大人しめの性格になっていった代わりに、千絵が活発でたくましい性格になっていった。
非常に口も達者で、よく喋る。
名前の由来は「うるせぇ」からと思われるので、その辺は運命と言うべきかなんというか。
中学時代は少しウェーブのかかったセミロングヘアーであったが、高校入学を機に髪型がポニーテールに変更された。
尚、結んだ髪が後ろ正面からだとタコに見えたからなのか、髪型が変更されてから割と早い段階にてポニーテールの中にタコの顔が描かれるようになっており、千絵ちゃんの心情に応じて表情が変わる。
単行本の人物紹介でも、ポニーテールではなくタコ頭と評されている。
ツッコミがキツく、例え唯であろうが漫画内に出てきた作者であろうが容赦ない。
得意のツッコミは「早変わり5人◯◯」で、様々な競技の扮装に着替えつつ奇面組全員に流れるように投げや蹴り、突きを決める。
また、身内には激しいツッコミを辞さず辛辣な態度を取るものの、知らない相手の前では猫をかぶっていたり、相手が強面だと途端にヘタれるなど豪と似た要素もある。

唯に比べると成績は普通だが、高校受験では共に進学校の「応生高校」に合格していた。
運動神経にも優れているようなのだが、食べ過ぎで体調管理に失敗して代打に唯が立てられたり、本番では活躍出来ないということが度々ある。
また、唯とは対照的に家庭科スキルは最悪であり、本人は気付いていないが料理の腕前は殺人級である。

唯より一回り程は体格が上なのだが、プロポーションその他では負けており、性格も合わせて「タレ目」「寸胴」「貧乳」「ガニマタ」等と揶揄されてはキレることが多い。*7
上記の様にタレ目と貧乳は本人も気にしているのだが、実は本人が知らない所では唯と人気を二分する位にモテていたりはする。
しかし、唯に比べて変なヤツに好意を寄せられやすい傾向があるため、唯とは別の意味で奇面組以外の仲のいい男子は出来なかった。
一方、付き合いが深まる中で豪とは自然に夫婦漫才のような関係となっていき、本人は必死で否定しようとしていたが早い内から好意を自覚しているかのような場面も登場している。
エピローグでは、高校卒業後はデザイナーを目指して大と同じデザイン専門学校に入学。
卒業後は念願叶ってデザイナーになると共に豪と結婚、若しくは同棲するようになっており、一緒に「酒の冷越」に住んでいた。

実家は花屋の「フラワーショップうる」。
家族構成は父(才蔵)と母(冴)で千絵は一人娘である。
また、血統書付きのスピッツで飼い犬のビューティーが居り、ラッシーの想い犬としてラッシー関連のエピソードに登場してくることがある。

……実は『3年』時代に兄(聖也)が登場したことがあるのだが、素行不良で唯に軽くちょっかいを出すような軟派なキャラで掘り下げも出来なかったことから以降は登場の機会が無くなっており、00年のインタビューにて、作者直々に『3年』のみのキャラクターとして公式に居なくなったことにして欲しいと明言されている。

また、従兄弟として叔父の阿久野鉄人と、その息子の正太郎が登場した時がある。
パロディ元は『鉄人28号』で、名前の由来はそれぞれに「悪の鉄人」「悪の正太郎」で、正太郎はその名の通り表面上はいい子だが、裏ではとんでもない悪ガキで奇面組が騒動に巻き込まれた。
鉄人は正に鉄人な人間離れしたオッサンで、寒中我慢大会にて零と対決し、寒さ自体は平気だったものの間接が凍り付いて動けなくなり敗北した。


【ライバル名物集団】


【色男組】

その名の様に、自分の美しさに絶対の自信を持つ5人により結成された名物集団で“3組”を割り当てられている。
奇面に対して美形、外面重視だが内面を磨かず一皮剥けば没個性と、色々な意味で奇面組とは真逆の集団で、読切も含めれば初の敵対したグループとなった。
モテ集団を自認するが故に、それに靡かない唯と千絵を強引に誘おうとするも奇面組に阻止される。
一方、このことで唯や千絵に初めて自分達から興味を惹かれることとなり、以降も関わりも持つことになる。
因みに、対抗戦等にも出場しているものの本当に見てくれ以外に取り柄が無いため、勝とうとした時には親衛隊と称する取り巻きの女子による妨害工作や判官贔屓を引き出そうとするといった汚い手を使う。
一方、自分の力のみで戦った場合には多少の見せ場こそ生むにせよ基本的に活躍もしないが、モテるために血の滲むような努力をしたので例外的にスケートだけは揃って得意である。
最初の受験では「江々格高」への進学を目指すも周囲の女子を利用したカンニングがバレて失敗。
翌年は奇面組同様に「一先高校」に合格→合併した「一応高校」に進学した。

■切出翔

CV:難波圭一
美人顔の色男組リーダー。
名前の由来は「綺麗でしょう?」
非常に軽薄な性格で、女子との付き合い方も数をこなすような八方美人的なものだが=つまりは、深い仲にまではならないということなので意外にもというか、殆ど恨まれない。
勉強と運動は基本的に出来ない。
チヤホヤされることが好きで自意識過剰ではあるが、ちゃんと最低限チヤホヤされるための出来る限りの努力はしており、水泳大会等では限界まで頑張って女子の所に飛び込み、同情をかっさらう等のモテるためのテクニックを生み出している。
実家は美容室で、母と姉が登場したことがある。
実は、持って生まれた女顔にコンプレックスがあったのだが、それに開き直ったことが現在の性格を生むきっかけとなったらしい。
モテるために自動車免許の取得に挑んだ時には、性別を偽って教官を色仕掛けで落として無理矢理に取得しており、その為に運転技術は滅茶苦茶で、それを知った色男組メンバーは逃げ出し、その後で無理矢理に同乗した奇面組とナンパした女の子を恐怖のドン底に突き落とした。
高校卒業後は芸能界入りしてアイドルになったらしいのだが、あまり売れていないと評されている。

■節戸決

CV:喜多川拓郎/田中亮一
名前の由来は「セット決める」

■頼金鳥男

CV:金丸淳一
名前の由来は「たのきんトリオ」

■姿飾

CV:?/速水奨
名前の由来は「姿を飾る」

■矛利高志

CV:中原茂
名前の由来は「誇り高し」


【番組】

その名の様に喧嘩に自信のある5人により結成された、番格として一目置かれている名物集団で“4組”を割り当てられている。
とはいえ、実際には正式に番長を襲名している訳ではなく、自他共に認める不良ではあるが喧嘩以外には悪事を働かない武闘派集団。
ニヒルな精神に乗っ取り、校内のあらゆる権力に反発するのをモットーとしており、遅刻早退も当たり前。
自分達の強さに誇りを持つが故に、それを脅かすものにはプライドを懸けて立ち向かうこともある。 また、その性格故に対抗戦等の勝負事では、意外にもやる気を出して全力で挑んでいる。
中学時代には奇面組のことを侮っていた様子も見られたものの、対抗戦等での直接対決を経て、何だかんだで痛い目に遭わされたりもした為か、高校に入ったあたりからは普通に良好な関係となっている。
素行の悪さから、名物集団の中でも奇面組と並び留年数が多く、全員が3浪と平均年齢では奇面組より上である。
劇中の高校受験では2浪時に全員で「番創高」を受けるも試験官に対する暴力沙汰で不合格。
翌年の3浪目で漸く「一先高校」に合格→合併した「一応高校」に進学している。


■似蛭田妖

CV:大塚芳忠
喧嘩最強を自負する番組リーダー。
名前の由来は「ニヒルだよ」。
番組のモットーを色濃く体現しており、一応は学生服を来ている他のメンバーと違い、革ジャンにTシャツにジーパン姿と、校則を完全無視したスタイルを貫いている。
余りの強さから自分ではその地位を求めていないにもかかわらず自然に番長として認識されていることもあるが、妖は権力には興味が無く、基本的に番組メンバー以上の仲間も求めようとしない。
修学旅行では夜遊び等もしているが、あくまでも面白そうなものを求めて夜の町に繰り出していただけである。
また、クラス対抗戦等を通じてぶつかることの多かった塊や零(奇面組)のことはライバルとして認識すると共に一目置いている節が見られ、場合によっては、彼等とはすんなりと連携している。
同じく武闘派である御女組リーダーである邪子からは一方的に絡まれていたが「女と喧嘩できるかよ」という理由から避けていた。
しかし、唯と千絵を守るために喧嘩になりかけた時には隙を突かれてズボンを下ろされると共に冬場なので下に股引きを履いていた事実を知られるとともに恥をかかされている。
読者からは、その邪子とお似合いと見られていたが、その後の絡みは少なくそういう方面に話は進まなかった。
寧ろ、豪と千絵の肩を押したこともあったりとトコトンまでいいヤツである。
喧嘩の腕前は自分で言うだけはあり、ボクシング部員もまとめてノせる程であるが、芦田野路男や世界市強といった規格外の強さを持つ相手には敵わなかったこともある。
また、ナンシー・トルネアータには臨海学校にて腕相撲で敗北している。
この他、中学時代にはヤクザのひまわりちゅうりっぷに単独では敗北していたものの、高校では夏祭りで悪さをしていた彼等をあっさりと倒している。
高校卒業後は、プロボクサーを目指してジム通いを始めた模様。
後の『帰って来た』では、他の番組メンバーとは小学校の頃からの知り合いであったことが判明。
また、かつて「応生高校」の番長だった頃の事代作吾と遭遇し、その強さに憧れていたという意外な過去が追加されている。
ニヒルな魅力とツンデレ気味なキャラクター性から読者からも人気が高く、連載後半の人気投票では出番が激減していた他の古株のキャラクター達も順位を落としていた中で、妖だけは好成績を収めていたことを本人も不思議がっていた。

■中須藤臣也

CV:戸谷公次
名前の由来は「泣かすど、おみゃあ」

■米利堅作

CV:堀川亮
名前の由来は「メリケンサック」

■城亥乱人

CV:佐藤正治
名前の由来は「場外乱闘」

■田打肥

CV:塩屋浩三
彼のみ田打という名字が先に決まっていた所からキャラが生まれたので、名前がもじりになっていない。


【腕組】

名前の由来は「腕組み」で、勉強は出来ないものの運動神経に秀でた5人により結成された名物集団で“9組”が割り当てられている。
スポーツ万能で華があるために色男組に次いで女子から人気があったり、運動神経の高さから戦闘能力も番組に次いで強い位と、総合的なスペックが高い。
特に中学時代にはクラス対抗戦がある度に塊が漫画の主役を懸けた勝負を迫っていたこともあり、奇面組(というか零の)最大のライバルという立ち位置であった。
対抗戦では、基本的に決勝戦で奇面組とぶつかることが多かったが、最終的には零の常識外れの変態パワーに敗れることが多く、バスケットでは意地で勝利を掴むも頭を激しく打った影響で暫くバカになってしまい、念願の主役の座は有耶無耶になってしまった。
最初の高校受験では「駆津校」への進学を目指していたものの、上記のバスケット大会の直後だったために頭がバカになっていた塊が逃げ出してしまい、それを他のメンバーが捕まえようとしている内に試験が終わってしまい失敗に終わる。
翌年の受験では「一先高校」に合格→合併により「一応高校」に進学した。

■雲童塊

CV:堀内賢雄
熱血で、運動神経抜群で、主役になりたがりの腕組リーダー。
名前の由来は「運動会」。
中学時代には、クラス対抗戦等があると直ぐに漫画の主人公の座を懸けることを持ち出してはメタメタな勝負を挑んでいた。
また、主役になったら『3年腕組』ではなく『3年塊くん』にしようとする等、傲慢で調子のいい発言も。
余りの運動神経の良さから、特定の運動部には所属していないものの、掛け持ちで助っ人をやっている。
高校に入ってからは主役云々は余り言い出さなくなったものの、相変わらず対抗戦等では活躍することが多かった一方で、妖と同様にかませになることも増えてしまった。
連載後半では、その妖とは集団という括りを越えてコンビ的に扱われるようにもなった。
唯と同様に、やや貧乏で長屋暮らしをしており、自宅ではやたらと重い家具や食器に囲まれて過ごしている。(モデルが『巨人の星』の星飛雄馬なので、そのパロディと思われる。)
双子の姉に女子バレー部キャプテンの雲童命がいるが、前述の様に塊が一度落第したので、一学年の差が出ており先に卒業した。
命も塊同様に割と自分に酔いやすい性格であり、姉弟の会話はさぞかし熱血だろうとは作者の弁。
高校卒業後は他のメンバーが体育大に進む中、塊はプロ野球の入団テストを受けるためにトレーニングしていた。

■亜切須腱

CV:伊沢弘/広中雅史
名前の由来は「アキレス腱」。
双子の姉に陸上に打ち込んでいる亜切須美衣奈がいる。

■印田灰進

CV:大塚芳忠
名前の由来は「インターハイ進む」。

■今條豊

CV:塩屋浩三/田中亮一
名前の由来は「根性豊か」。

筋力(すじちから)

CV:堀川亮/塩屋浩三/竹村拓
名前の由来は「筋力」。


【御女組】

早退常習犯のスケ番集団で“7組”を割り当てられている。
名前の由来は「お恵み」だろうか?
不良っぽさでは番組以上で、数々の問題行動や他校の不良、ヤクザとのトラブルも数知れず。
その為か、同じ不良の番組と遅刻常習犯なので顔を合わせる機会が無かった奇面組以外の名物集団にも恐れられていた。
一応、制服は着ているのだが、ロングスカートにスカーフは巻かずに首にかけるだけ等、スケ番ファッションにアレンジしている。
当事の世相もあってかディスコ通いにハマっており、誰もいない音楽室で珍しいレコードをかけては踊るのを楽しみにしていたが、偶然にも奇面組と遭遇。
その流れで存在を知った唯と千絵に絡もうとしたものの、番組や奇面組の介入で何だかんだで有耶無耶となる。
その後は、零や唯達とも普通に話す仲となっていき、それに伴い他の名物集団との関係も緩和していった。
作中の高校受験では当初、お嬢様校の『可愛子振高』を受験するも、試験会場で堂々とグループ学習を行いながら問題を解いていたのを見咎められ、暴力(?)沙汰を起こして不合格に。
翌年に「一先高校」に合格→合併した「一応高校」に進学した。

■天野邪子

CV:井上瑤
黒髪ロングで長身でスタイルも抜群という作中でも屈指の美女だが、番組も警戒する程のスケ番でもある御女組リーダー。
名前は「天の邪鬼」からで、その名のようにひねくれた態度や、真顔で真夏に「あ~寒い」等の発言をして周囲をズッコケさせることもある。
学生であるにもかかわらず常にタバコを咥えており、何と小学生以前からの愛煙家だというトンでも事実が『帰って来た』で付けられた。
本来は頭がいいにもかかわらず白紙答案を出すようなこともしていたが、増代の熱血指導(と巻き込まれた零)により毒気が抜かれた後は普通に答案を出すようになり成績が向上している。(邪子の場合は真面目にやっていなかっというだけの話だが。)
高校に上がった頃には一応は同級生ながら、唯達の姉貴分といったポジションに落ち着いた。
また、数少ない無理を言える男友達として零を頼る機会が何気に多く、拾った猫を預かってもらうためにわざわざ自宅までやって来たり、彼氏の振りを頼んだこともある。
本来は体力面も優れているのだが、御女組としての体裁もあるのか、基本的にクラブ活動や競技等の目立つ場所には出て来ない。
しかし、臨海学校では驚異的な体力を誇るナンシー・トルネアータとちょっとした小競り合いを経て女子プロレス対決に発展すると共に互角の勝負を繰り広げており、以降も張り合う場面が見られる。
高校卒業を間近にした時期に、学校にいきなり普通の格好をして現れるようになると共に、将来のためにメンバーを公正させようとしたことがあり、そこからの流れで実は良家の子女らしいことも判明した。
後に、その設定を受けて『帰って来た』では、家ではスケ番であることがバレないようにしているというエピソードが描かれたものの、流石に中学の時点で2浪してしまっていたり、邪子の性格からすると無理があるんじゃないか?との声が出たのか、作者も「後付けだった」と認めると共に、反省したかのような回答をしている。
連載後半で喧嘩の仲裁に入られたのをきっかけに作吾に惚れてしまい、唯や千絵に頼み込んで告白の準備をしたものの上手くいかず、最後は自分らしく気持ちをぶつけるために相手の得意とする柔道で勝負を挑んだものの、不意打ちに近い上に作吾の方が全く勝負を出来る状況で無かったためにあっさりと投げてしまい一気に恋が冷めてしまうという勿体無い(?)こともあった。
そのエピソードから鑑みると、実は不器用だったり、なかなかの早とちりでもある模様。

■左真紀

CV:江森浩子
名前の由来は「左巻き」。

■三段腹幾重

CV:上村典子
名前の由来は「三段腹」と重なるからの発想か、当事は人気アイドルだった榊原郁恵から連想されて幾重が名前とされた。

■本場出須子

CV:摩味(松井摩味)
名前の由来は「本場のディスコ」。
珍妙なレコードは基本的に彼女が持ち込んでいたものらしい。

■大場加代

CV:横尾まり
名前の由来は「大馬鹿よ」。


【教師】


■伊狩増代

CV:勝生真沙子
一応中時代の奇面組(10組)の担任教師。初登場時は24歳。
名前の由来は「怒りますよ」。
美人なのだが異性にモテると思われる要素が少なく、豪にイジられることもある。
当初はまだまともな性格だったのだが、連載が進む内に投げやりだったり傍若無人な態度を見せるようにもなった。
とはいえ、奇面組や邪子には恩師として慕われてもいる。
実は、学生時代は近隣にも名を知られたスケ番だった。
奇面組にも割と容赦のない制裁を加えることがあり、怒りが頂点に達するとイカリコングに変身する。
独身時代のアパートは「大戦荘」。
折角、舞台が高校に移るのに合わせて「一応高校」の教師になったのだが、担任は外れたので出番が激減してしまった。
しかし、その代わりに性格のフリーダムさが加速していき、連載終盤では反対に奇面組や唯、千絵達が振り回されるようになっていた。
因みに、高校では御女組(7組)の担任。
『3年』の頃より同僚の石砂拓真とは何となくいい感じで『ハイスクール!』にて結婚したが、完全なカカア天下を築く。


■若人蘭

CV:柴田由美子
一応高校時代の奇面組(10組)の担任教師。
新任で増代の後輩。
名前の由来は「わかっとらん」。
世間知らずのお嬢様で、幼い頃からの婆や(要田ヨネ)付きの家に住んでおり、教師であるにもかかわらず場違いな格好をして初登校してきた程で、キャンプでも普通に電気や水道が使えるものと思い込んでいた。
それにもかかわらず奇面組という劇物の担任に就いてしまったものの、反対に鍛えられると共に逞しくなり、連載後半では常識も身に付いた。
マイペースで、あまり深く物事を考えないタイプ。
当初は性格が優しすぎて、生徒一人一人の性格と照らし合わせた結果、テストの点を実際の解答より良く付ける等してしまったりしていた。
アニメでは伊狩先生の特訓(?)により奇面組を一喝できるようになった。(通称わかとギドラ)
作吾から思いを寄せられているのだが、気付いているのかどうかは不明。
ただし、作吾が人命救助で怪我をして入院し、奇面組のせいで「奇特」を「危篤」と勘違いした時には涙ながらに病院に駆け付けて死んだ(寝ていた)作吾にすがり付いているので、蘭側から見ても全くの脈なしでは無いと思われる。
実は中学時代に小学生の零、鈍と出会っており、2人の兄貴分であった一日一善(カズさん)の憧れの人だった。(更に『帰ってきた』では小学生時代に零と出会っていたことに。)
その頃から零の扱いに長けており、後の奇面組との相性の良さは天性のものだったということが判明した。

■事代作吾

CV:田中秀幸
非常に暑苦しく、感性が古い劇画調の顔付きの体育教師。
上げ底のロンドンブーツで誤魔化しているが、実はとてつもない短足。
名前の由来は「時代錯誤」。
初登場時は蘭よりも年長なれど教育実習生として「一応高校」にやって来た。
初登場時より何が気に入られ(?)たのか、奇面組には舐められっ放しであり、体罰も辞さないとしてビンタをかませば倍返しで反撃してきた豪にやられ、挙げ句には零に催眠術をかけられて野犬の群れが生徒に見える暗示をかけられたりもした。
後に拓真と入れ代わる形で正式に「一応高校」に赴任し、奇面組(10組)の副担任になる。
正式に赴任してきてからは、常識人化して役割が落ち着いていた蘭以上に奇面組や唯、千絵と関わるようになり、対抗戦関連では解説やコーチ役を務めたり、自身の主役エピソードも多く作られる等、主役級の活躍が増えた。
柔道の有段者で何気に強く、挑戦シリーズの柔道編では顧問として奇面組を支えた。
地方出身のせいか生活が苦しいらしく、ボロアパート「名肉荘」で“男寡婦に蛆が涌く”を地で行く生活をしており、賞金絡みの大会があると必ずといっていい程に出場していた。(奇面組が毎日のように昼食をたかりに行くのも原因。)
もう一人の体育教師で、正反対のタイプで爽やかな日条左半次をライバル視して張り合うこともあるが、最終的には無理矢理に巻き込まれた奇面組や唯達を怒らせたり、結果的に作吾一人が損をする結果になったこともあったりと録な結果にならない。
『帰って来た』では、蘭をデートに誘うべく思いきって新車(トヨタ ヴィッツ)を購入するも奇面組に破壊される。

前述のように「応生高校」時代は番長として君臨しており、その頃に倒した悪田組が今も学校の地下に潜伏していると知った時には驚いていた。
また、世界市強とは同級生である。(余談だが、後付けなので仕方がない所ではあるのだが、同じ「応生高校」出身ということで増代とは同学年、蘭は一年後輩ということになるので、たとえ別のクラスであっても、高校時代にはかなり目立っていたであろう作吾や強を蘭や増代が全く知らなかったというのは少し不自然なことになってしまっている。)


【クラスメート】


■真実一郎

CV:島田敏
中学3年(アニメでは高校1年生)の時にいきなりやって来た転校生。唯に告白するためだけに追って来たストーカーで、当初は奇面組にしつこく絡む等のうざい活躍を見せた。
名前の由来は「真実一路」。
ガリ勉タイプながら身体も鍛えており、豪をもあっさりと倒した程。
……が、高校に上がったあたりから徐々に出番が減っていき普通の生徒になっていった。
一時期の活躍に比べると後半は大人しいので、元の能力のままかどうかは不明。
何でも出来ると自負していたが、ライバルとして登場させられた二階堂には敗れてしまった。
唯のことは後々まで好きだったようだが、途中から珠美といい感じになり、二階堂ともコンビ、親友的な間柄となる。
また、奇面組のことはバカにしつつも普通に気心の知れた級友として付き合っている姿も見られる。
また、無理をして引っ越してきた関係からか一人暮らしで、生活のために新聞配達もしている。
『フラッシュ!』では明確にストーカー呼ばわりされたり、二階堂に執拗に嫌がらせをする等、陰険さが増したキャラになっている。

■二階胴面一

CV:竹村拓
高校からのクラスメイト。剣道部。
その名のように「二回胴を払い一回面を打つ」早業を得意とする。
鉄面皮で常に表情が変わらないが、実は一度笑いだすと相好が崩れる程の笑い上戸な為に、それを隠すためにポーカーフェイスを装っていただけの苦労人。
作者が真実のライバルとするべく登場させたキャラクターで、当初は同時に登場した珠美などと共にもっと活躍する筈だったのだろうが、彼も終盤にかけてちょっと目立つだけの生徒になっていき、終盤には普通の優等生として、敵対していた筈の真実ともコンビのような関係になった。
彼も唯のことが気になっていた一方で鉄面皮の秘密を知られた珠美に惹かれていたこともあったのだが、最終的には魔利とくっついたようである。
2人は、豪と千絵と同様に『モテる・モテないの秘密』にカップルとして登場している。

■織田魔利

CV:雨宮かずみ
高校からのクラスメイト。
名前の由来は「おだまりっ」。
高飛車、お金持ちのお嬢さまキャラで、高級品を身に付けたり、昼食に豪華料理を持ち込んだりと場違いなことばかりしていた。
当初は気位の高さとキャラ付けから千絵や奇面組と険悪になったりしたものの、学校生活を送る中で自然と打ち解けていった。
後半からは前述のように二階堂と急接近した他、唯、千絵、珠美と親友の間柄となり表情や態度が和らいでいき敬遠していた男子生徒からも(身勝手な)好評を得るまでに。
実は単行本のキャラ紹介にて「実はあんまりいいところの家ではない」ことが作者によって明かされており、終盤のエピソードにて実は病弱で働けない父親を助けるためにアルバイトで家計を支えつつ貧乏アパート住まいをしていたことが明らかに。
ゴージャスな出で立ちは、苦しい生活の中で自分の稼ぎの中から捻出したものだった。
うっかりと自分の誕生日が近いことを洩らしてしまったことで唯達(と奇面組)に祝ってもらうことになり、当初はアパートを親許から離れて借りてる等と誤魔化そうとしたものの、母親の助言もあり唯達には自分の本当の姿を見せても大丈夫だと信じ、両親と共に友人達を迎え入れるのだった。
尚、唯は会話の中で魔利の秘密を察していた他、奇面組は道に迷ってアパートに着けなかったので事なきを得たと思われる。


■物月珠美

CV:大城松美
高校からのクラスメイト。
名前の由来は「物好き趣味」。
その名のように珍しいものが好きで、興味を惹かれたものには何にでも食い付く。
その設定からも解るように、実は初期の唯のキャラクターのリメイクとも呼ぶべきキャラ付けで、実際に当初は唯と零を取り合うライバル関係とするつもり……であった。
しかし、作者曰く主に唯が毒気の無い性格になっていたこともあってかさっぱりと動かず、結果的に珠美も中盤以降は殆ど設定が生きないままにちょっと目立つだけの女子生徒になっていった。
その後は真実にチョコレートを渡したり、前述のように唯、千絵、魔利と仲良しになる等する中で性格まで普通になっていった。
『モテる・モテないの秘密』では真実とカップルどころか、夫婦として登場して子供まで連れている。


【その他のゲスト】


■春曲鈍

CV:古谷徹
零の幼馴染みで、小学校時代には転校するまではライバル兼親友として競いあったりコンビとして活躍していた仲。
名前の由来は「ハルマゲドン」。
零と同レベルの変態にして、零以上のバカ。
一人称は「おり」。
零が高校2年の時に一堂家の右隣の家に引っ越して再度一応町にやって来た。
何と4度も落第しており、零と同い年ながら初登場の時点で1年生である。
零とは宿命のライバルを自称するが、勝負の方法が変態(変身)しりとり合戦だったので、見ていたメンバーや唯達を呆れさせた。
零とは相性が良すぎて、鈍が出てくると本来は副主人公的立場の豪をも含めた他の奇面組メンバーが目立たなくなる為、意図的に出番を減らされたと思われる部分も。
にもかかわらず、終盤の人気投票では上位に入っているので、やはり存在感は強かった模様。
「か行」「さ行」が上手く言えず「きゃ、きゅ、きょ」「しゃ、しゅ、しょ」になる。
常に1人で遊んでいたのでサッカーの才能は天才的で、クラブ対抗シリーズのサッカー編では零との最強コンビで勝利を掴んだ。
零とは同レベルの変態である上に、なぜかテレパシーまで使える。
超能力者や宇宙人(生物)が絡むエピソードでは零以上の活躍を見せた。
人とのコミュニケーションが苦手で、極度の人見知りのためか野良猫のような反応を示したことも。

■音成久子

CV:坂本千夏
一堂家の左隣の音成家の長女で、何と零や鈍よりも年上という掟破りの成人女子高生。
元ネタは『ケンちゃんシリーズ』。
音成家は一堂家といがみ合い御近所トラブルを起こしているのだが、久子は普通に零や鈍とは仲良しでもあるため、連載後半ではトリオで活躍するエピソードも作られた。
何気に身体能力は高く、高校3年時には運動命の推薦により、いきなりバレー部のキャプテンとして推薦入部を果たしているのだが、実際に能力やリーダー適正が高く部員からも慕われており、唯、千絵、ナンシー、生井気奈子、意地川累による最強メンバーを従えて地区優勝まで果たしている。


【余談】

新沢基栄は漫画に対するこだわりが強く、前述のサザエさん時空がない他、下ネタや露骨なエロ描写がほとんどない。


今改めて見渡してみると主役級からサブキャラ、クレジットもされていないモブキャラに至るまで、とてつもない声優陣である。
同じキャストでリメイクしようとする事は塩沢氏を始め既に物故された方もいて既に叶わない話になり、新キャストにするにしても納得出来るだけの布陣にするのもまた大変である。


更に連載当時のギャグや時代背景など、現在とは余りにも激変した点も多く(大くんに至っては普通にLGBTキャラとして人気者になりそうである)、当時そのままにしても改変するにしても賛否両論が起こりそうである。


色んな意味でリメイクが難しい作品である事は間違いない。



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最終更新:2024年02月19日 23:35

*1 単行本のおまけページにて一部が掲載されている。

*2 おニャン子クラブ内から河川唯と宇留千絵に似ているとして結成されたのが“うしろゆびさされ組”しかし、同ユニットの解散に伴い、新たに“うしろ髪ひかれ隊”が結成されることになった。

*3 尚、本作で言うところの“変態”とは本来の性的な意味合いよりも、常識に縛られない、常識の埒外といった意味合いが強い。

*4 因みに、2頭身時の身長は50cm。

*5 アニメ化の際に渡された作者による設定資料集より。

*6 冷越風太郎。名前は連載当時は設定されておらず『帰って来た』にて判明。

*7 ただし、原作では身長160cm体重45kg推定3サイズ80-58-85とされておりツルペタでは無い。そのせいかアニメでは78-58-85と、ちょっとお山が削られている。