押絵と旅する男(小説)

登録日 :2011/11/17(木) 07:35:53
更新日 : 2015/07/15 Wed 16:46:46
所要時間 :約 4 分で読めます




「いけません。いけません。それは さかさ ですよ。 さかさ に覗いてはいけません。いけません」





押絵(おしえ)と旅する男■

探偵小説家・江戸川乱歩が昭和4年に発表した幻想小説。
乱歩の記した、怪奇、幻想系の小説作品としては最高の評価を受けている。



【物語】

これは「私」が魚津に蜃気楼を見に行った帰り道に、上野行きの夜行列車の中で出逢った、ある奇妙な男との邂逅によって垣間見た、もう一つの世界の物語……。

古風な、黒い背広服に身を包んだその男は、色褪せた「押絵」を窓に立て掛け、中の男女に 外の風景を見せてやって いた……。

そして、男が「私」に語った「押絵」の中に居る、彼の兄さんに纏わる、奇妙な物語とは?



【登場人物】

物語の語り部。
劇中では、かろうじて東京の出身であると云う事が判るのみ。
江戸川乱歩自身とも思われるが、明言はされておらず、読者自身であるともされる。
魚津に蜃気楼を見に行った帰りに、この奇妙な物語を垣間見るが、実は「魚津に蜃気楼を見に行った」事、自体が既に現実では無い可能性が示唆されている。


「私」が夜行列車の中で出逢った奇妙な男。
大風呂敷に包んだ、八百屋お七を描いた「押絵」と旅をしており、絵の中の洋装の老紳士を「兄さん」と呼んでいる。
古めかしい黒い背広に身を包んだ長身の痩せぎすの人物で、四十の紳士にも、六十過ぎの老人にも見える。
その姿は、髪の色の黒いのを除けば「押絵」の中の老紳士と瓜二つ。


■男の兄
「男」の話を信じるならば、明治二十八年に異国の遠眼鏡の魔力により、この世から消失したとされる。






【解説】

乱歩の好む、レンズへの憧憬と、そこから導き出された夢想(※代表作は云うまでもなく『鏡地獄』)、
震災により崩れ去った浅草の十二階を象徴として描かれる、見世物興業の見せてくれたであろう、在りし日の異界の姿が渾然一体となって紡がれる、
一級の幻想掌編である。
乱歩の他の代表作に比べて、残酷描写や異常性欲と云った要素が抑えられている事も人気の秘密であろうと思われる。

乱歩独自の絡みつく様な文体も冴え渡り、読者の目の前には、本作を彩る様々な場面が鮮やかに現出させられる事であろう。
……驚くべき事に、冒頭の蜃気楼を描写した件は、実際には蜃気楼を見る事が出来なかった乱歩が想像で描いたとの事で、
乱歩の本来の文章の持ち味、表現力の高さが窺えるものとなっている。








「お前、私達(Wiki篭もり)の探していた娘さんはこの中(二次元)にいるよ」





追記修正お願いします。







??「うつしよは夢、よるの夢こそまこと」

??「……ヲタクの妄想……か」













……まあ、真面目な話をするとマジで上記の通りであるし、日本が世界に誇る幻想小説、怪奇小説の傑作の一つであるのは間違い無いと思われる。

……しかし、身も蓋も無い言い方をすれば、
この物語は現実には生きられないオタク気味の美青年が(しかも、支那人街で大枚叩いて遠眼鏡を買わされてる辺り、押しにも弱い)、二次元の世界に入り込み、
その中の女の子と本懐( キャッキャウフフ )を遂げると云う物語なのである。

……80年も前に、こんな作品を描いているのが乱歩の凄さであろう。






追記修正は、不思議な遠眼鏡を手に入れ、自分も理想のアニメやゲームの中に入り込み、
あなたって本当に最低の屑だわ」とか「一緒に侵略しなイカ?」etc……とか言われたい変態紳士の皆さんのみ、入り込みたい作品を挙げながらお願いします。











ただし、
劇中のニーサンが
絵の中の美少女に受け入れられたのは、
ニーサンが美青年であったから……
と云う可能性を忘れてはいけない。

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