北條透

登録日:2011/08/21 Sun 03:03:35
更新日:2024/03/08 Fri 11:36:05
所要時間:約 6 分で読めます




「今度こそ思い知るでしょう……私という人間の素晴らしさを」



◆北條透(演:山崎潤)

「北條透(ほうじょうとおる)」は『仮面ライダーアギト』の主要登場人物の一人。
警視庁捜査一課(他)に属する有能な刑事で、詳しい経歴は全く以て明かされていないが、かなりのエリート刑事であるらしい。
井上敏樹脚本、白倉伸一郎プロデュース作品に登場する事の多い、「一流を気取り、且つ己の欲望にも忠実なキャラクター」であり、物語上での活躍、優遇ぶりが大きい。



【人物】
年齢設定は25歳。
警視庁捜査一課のエリート刑事で、階級は警部補。
年齢と階級から鑑みてキャリアか準キャリア組とも思われるが、劇中、及び設定でも明確な表記はされていない。
しかし、劇中では基本的に現場に拘っている事や、個人の手柄を優先させる行動からノンキャリア組の可能性も高い(現在の階級は実績により与えられた)。
また、公務員にもかかわらずに、一流を好み高級レストランで食事を繰り返す姿や、警察幹部との半端無い人脈から、彼が警察か他の官公庁辺りの家柄の出身との可能性も高いが、矢張り明確な事実は示されていない。

性格を一言で表すなら“自分の絶対の価値を信じるナルシスト”……で、当初は功名心に走る余りに他人を蹴落とす行動をも厭わない、策謀を巡らし、自らの意向を無理やりにでも通す……等、まあまあ誉められた行動が殆ど無かった。
ただし、彼の行動の根底には常に「市民を守る」という意識があり根っからの悪人ではない。

特に対アンノウン犯罪と、それに対抗し得る存在であるG3ユニットの存在を、手っ取り早く自らの有能さを証明する為の手段と見定め、並々ならぬこだわりも見せていた(後述)。
しかし、G3-XとVー1システムのコンペが自らの事実上の敗北に終わって以降は憑き物が落ちた様にアンノウンやアギトが出現する世界を見つめ、誰よりも早く海難事故では無い「あかつき号事件」のもう一つの側面に気付いている。

物語の序盤ではG3システムを装着していながらも僅かのピンチで逃亡したり*1、正体が解らぬままにギルスに発砲を命じた挙句に逆襲されたり、涼を殺されたと思い込んだ榊亜紀の超能力で殺されかけたりと、自業自得とは云え、ヒドい目に遭う事も多かった。

しかし、終盤ではライバルである氷川の力を認め激励し、誰よりも早く彼の視力の異常に気づきながらも昔の様に告げ口したりせずに黙って彼のサポートに回ったり、アギトの正体が翔一だと知った後に真魚の超能力にも理解を示し、正しい知識で捜査協力を依頼する等、かなり優秀かつ男前な人物として描かれている。



【関連人物】



【G3ユニット】

自らが選ばれなかったG3システムの正装着員で「あかつき号事件」の英雄。
……そうした事情もあってか、当初は事あるごとに噛みつき、あわよくば蹴落とそうとする等、本当に関係が悪かった。*2
物語が進むにつれ北條は彼の力を認めていき、氷川もまた北條の正義感や考えを知り、関係は段々改善されていった。
終盤では何の力も持たないただの人間である事に悩む氷川を激励したり、一時的に視力を失った際にもサポートに回る等、関係は良好なものになったようだ。

最大の宿敵。
G3ユニットを率いる女傑にして、G3システムを生み出した天才。
自らを正装着員に選ばなかった張本人でもあり、コンプレックスも刺激されるのか、互いに感情的になる等、最後まで仲が悪いままだった。
……ただし、互いに似た部分を持っていると感じているのか(近親憎悪か)、物語の最後には警視庁を離れた彼女を表敬訪問、相変わらずのやり取りで激励している。

  • 尾室隆弘
……居たっけ?
というのは冗談だが、主体性が無さ過ぎる為か、良いように利用していた。


【警視庁】

  • 河野浩司
捜査一課の先輩。
北條とは違い庶民派で、北條自身は河野の趣味に馴染もうとしていなかったが、人間としては尊敬している。
河野も北條の野心的に有り過ぎる部分も含めて可愛がっており、事情を知らないながらも、G3ユニットの面々が北條の所為でピンチに陥っている場面でも彼を庇っている。

  • 司龍二
警察庁のエリートで、嘗ての北條の恩人にして警官の矜持を叩き込んだ大恩人。
しかし、自らの暗い衝動に突き動かされた挙げ句に自らの「正義」に背き「罪」を犯し、G3ユニットに全ての責任をなすりつけようとする。
G3ユニットの乗っ取りを画策していた北條を事実上の共犯に巻き込み、事実を隠蔽しようとするが、事実を知った北條は苦悩しつつも司自身に教えられた「正義」の下に彼を断罪する。

  • 警視庁幹部
……バカばっか。
物語の都合上とは云え、余りに目先しか見ない発言、行動しかしない為に良くツッコミが入る(劇中の登場人物からも)。


  • 白河尚純
最終盤で突然出現した警察官僚。
ラスボスチックなのだが、如何せん登場するのが遅かった。
「アギト」の危険性を訴える北條のレポートに便乗し「アギト」の排除を命じて、北條の最終的な評判を落とした張本人。
元は闇将軍な中の人的に、迂遠な侵略活動だったのでは……との意見があるとか無いとか。



【その他】

アギトの正体。
天才(天然)型の為か、理性的であろうとする北條とは相性が悪い。
とはいえ完璧な状態のG3-Xを制御できた唯一の人間である彼の能力はかなり評価していたようで、彼に対しては始めから真摯な対応をしている。
後にアギト捕獲作戦で彼の正体を知るが翔一の人柄を知っていたためか特に何かをすることも無くそのまま解放している。

ギルスの正体。
知らぬとは云え、あんまりな真似(「アギト捕獲作戦」ェ……)をした為かTVSPでお礼参りを受ける。

彼女に襲われ、ガードレールで巻かれた北條さんは手巻き寿司にトラウマを持つ事に……。





【余談】
2年後は大学生でムカデの上級オルフェノク
向こうの物語ではヘタレっぷりに磨きを掛けられており、最終回では愛して止まない大先生と共演している。








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最終更新:2024年03月08日 11:36

*1 「とおるは G3ユニットを ぬぎすてて、 にげて しまったぞ。」

*2 滅多に他人の悪口を言わない氷川も嫌な人だと認識する程。ただし、北條の能力自体は当初より評価しており、G3-Xの装着員に翔一が挙げられた際には北條ならまだわかると発言している。