PTSD(心的外傷後ストレス障害)

登録日 :2011/03/13(日) 05:53:23
更新日 : 2016/08/20 Sat 13:24:31
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心的外傷後(しんてきがいしょうご)ストレス障害(しょうがい)とは、
一般的にPTSD(Post-traumatic stress disorder)で知られる(以下心的外傷後ストレス障害をPTSDとする)、
危うく死ぬまたは重症を負うような出来事の後に起こる、心に加えられた衝撃的な傷が元となる。また、様々なストレス障害を引き起こす疾患のことである。
心の傷は、心的外傷またはトラウマ(本来は単に「外傷」の意だが、日本では心的外傷として使用される)
簡単にいうと

人が信じられない 状態


◆原因と要因
PTSDは、地震、洪水、火事のような災害、事故、戦争といった人災や、テロ、監禁、虐待、強姦、体罰などの犯罪など、多様な原因によって生じうるものである。

類似にASD(急性ストレス障害)がある。
以下の症状が一ヶ月以上続く場合はPTSD、一ヶ月未満ならASDに分類される。


  • 精神的不安定による不安、不眠などの過覚醒症状

  • トラウマの原因になった障害、関連する事物に対しての回避傾向

  • 事故や事件、または犯罪の目撃体験等の一部や、全体に関わる追体験(フラッシュバック)

  • また、患者が強いストレスの要因(原因に関する事)を体験するとパニックを起こす場合がある。

よくある要因)

  • 戦地から帰国した兵士が大きな音を聞く

  • 内緒話(他人の雑談)や人の目を過度に気にする

  • (帰還兵と若干被るが)激戦区からの生還

  • 子供(少年兵を殺してしまった、または子供が犠牲になった)

  • 異性

  • 言葉や名前

  • 特定の場所(暗闇や閉鎖空間など)


◆症状
患者は回復のため、機能の一部を麻痺させることで一時的に現状に適応させようとする。
そのため、事件前後の記憶を想起することを回避・忘却する傾向、幸福感の喪失、感情鈍麻、物事に対する興味・関心の減退、建設的な未来像の喪失、身体性障害、
身体運動性障害などが見られる。
特に被虐待児には感情の麻痺などの症状が多く見られる。


◆精神
精神の一部が麻痺したままでいると、精神統合性の問題から身体的、心理的に異常信号が発せられる。
そのため、不安や頭痛・不眠・悪夢などの症状を引き起こす場合がある。
とくに子供の場合は客観的な知識がないため、映像や感覚が取り込まれ、はっきり原因の分からない腹痛、頭痛、吐き気、悪夢が繰り返される。


◆症状の診断
  • 恐怖や無力感
自分や他人の身体の保全に迫る危険や事件をその人が体験、目撃をし、その人の反応が強い恐怖、無力感または戦慄に関わるものである。

  • 心的外傷関連の刺激の回避や麻痺
心的外傷体験の想起不能や、感情の萎縮、希望や関心がなくなる、外傷に関わる人物特徴を避ける等。

  • 反復的かつ侵入的、苦痛である想起
悪夢(子供の場合はっきりしない混乱が多い)やフラッシュバック、外傷を象徴するきっかけによる強い苦痛。

  • 過度の覚醒
外傷体験以前になかった睡眠障害、怒りの爆発や混乱、集中困難、過度の警戒心や(アラーム音や震動に対する)驚愕反応。

  • 性格や人格の変化
以前はよく笑う、感情表現が豊かだった人が全く笑わなくなり、感情表現も乏しくなった、またはその逆。
(兵士に多いが)本人も気付かぬうちにお漏らしをしていたが、それを気にしない。何日も風呂に入らなくても気にしない。
自分や他人の体臭にうるさくなった。
急いで食べるようになった。


◆急性と慢性の診断
症状が1か月以上持続し、社会的、精神的機能障害を起こしている状態を指す。症状が3か月未満ならば急性、3か月以上ならば慢性と診断する。
大半のケースはストレス因子になる重大なショックを受けてから6か月以内に発症するが、6か月以上遅れて発症する「遅延型」も存在する。


◆患者の記憶
現在から過去にさかのぼる「出来事」に対する記憶が、診断に重要であると同時に必要不可欠。
だが

  • 重大な「出来事」の記憶

  • それほど重大でなかったが事後的に記憶が再構成される(記憶の改変)

  • もともとなかった「出来事」が、あたかもあったかのように出来事の記憶となる(記憶の混乱)


このような3つの分類ができる点に留意する必要があろう。

特に3つ目は家族や恋人・恩師・親しい人が自分が関わった事故で亡くなると起こりやすい(原因がその人になくても)。


◆嗜癖行動との関連
PTSDを持つ人は、しばしばアルコール依存症や薬物中毒といった嗜癖行動を抱えるが、
それらの状態は異常事態に対する心理的外傷の反応、もしくは無自覚なまま施していた自己治療的な試みであると考えられている。
しかし、嗜癖行動を放置するわけにはいかないので、治療前に大概、まずその嗜癖行動を止めることから始まる。


◆治療法
PTSDに関する根拠・証拠(エビデンス)は集約されつつあるが、
BMJ Clinical Evidenceによると、現在効果があるとされているのは薬物療法ではフルオキセチンとパロキセチンである。
精神療法においては認知行動療法であり、内容としてはEMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing;眼球運動による脱感作および再処理法)と
長期持続暴露(簡単にいうと長期に渡る告白)がそれにあたる。

ストレス要因を速やかに除去するための環境調整も必要。
米軍の報告では、帰還する兵士に部隊ごと冷却期間を与えることで症状が鎮静化すると言われている。
筋肉の整理運動ではないが、精神の整理運動といったところである。

  • おそらく効果がないとされているもの
薬物療法においてはVenlafaxine。
精神療法においてはデブリーフィングと指示的カウンセリングである。他の治療法の効果は 不明 である。

ちなみにフロイトはこの症状から、死の欲動を提唱した。



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