決めろ!キラメキシュート

登録日:2012/04/08 Sun 09:13:23
更新日:2024/02/18 Sun 13:52:32
所要時間:約 5 分で読めるんダッシュ!




月刊チェホンマン」に連載されていたサッカー漫画。作者は夢野カケラ全6話
廃部寸前のサッカー部が全国制覇を目指すという、設定だけは王道なスポーツ漫画。

しかし、作者が『ソードマスターヤマト』の夢野カケラという時点で中身はお察し。
画力の低さによる描き分けの下手さ*1、生かせていない数々の余計な設定などが原因で読者からの評価は最低・最悪。
常に雑誌の最後尾をキープしていた事から、読者アンケートの中身も相当悲惨なものだった事がうかがえる。

最終回前の5話はなんとわずか3ページしかなかった。

それで夢野もやっと危機感を覚えたのか、真面目な元不良を急に悪堕ちさせる、可愛くないマネージャーを露骨に可愛くする、喋るネズミのパートナーを急に出す、サッカー漫画なのに殺人事件が起きて幽霊も出る、しまいには能力バトルをはじめようとするなど、露骨な路線変更を試みる。

が、結局そんなものは焼け石に水であり、翌月打ち切りが決定。
1ページで伏線や事件を全て消化する超展開で終了した。
この最終回だけは夢野の真骨頂として評価されている。

なお、『月刊チェホンマン』にはかつて『月刊チェヨンス』で夢野と同時期に連載し、同時に打ち切られたマンガ描男先生の「すっぱいうめぼし君」も掲載されていた。
こちらも相変わらずシュールすぎる内容だったため、またしても同時に打ち切りとなったが、毎回3ページだったのが最終回は4ページに増えていた。

ネット上でも本作の評価は非常に悪く、特に最終回手前の路線変更に関して夢野は「つめ込みすぎ男」とまで非難された。

■登場人物

  • 修斗
主人公なんダッシュ! 
初期は語尾に「ダッシュ」などという個性にもならないダサすぎる口調だったが、読者からの不評を受けたのか最終回手前で唐突に語尾を付けるのをやめた。
おまけに『芝生を意のままに操る「グリーンエンペラー」の能力者』という設定が唐突に追加された。
最終回で殺人事件を解決、マネージャーと付き合いゴールを決めた。

元不良。修斗とツートップを組む相棒。通称「カミソリの剛」。
しかし、元不良のくせに特に問題も起こさず真面目にサッカーをやっている。
テコ入れによって最終回手前で急にグレ、サッカーをやるやらないで修斗と争うが、最終回で和解した。

  • その他のメンバー
修斗や剛以外のメンバー。
8人全員顔つきがそっくりで判別ができない。

  • マネージャー
この漫画唯一の女性キャラ。
ヒロインになるかもしれない立場なのに夢野は何を考えたのか、語尾に「ダス」などとつける不細工な田舎娘として描いていた*2
流石にマズいと思ったのかテコ入れのために「メガネを外せば美人」「猫耳」「アホ毛」という特徴を急に入れられた。でも絵柄のせいで全然萌えない
最終回で修斗と交際する事に。

  • チュウ作
路線変更で急に登場した修斗の相棒のネズミ。お調子者でおしゃべり。
結局何のために出てきたのかわからない。

  • 主審
試合直前に何者かに殺害され、「F」のダイイングメッセージを残す。

  • 副審FUKUSHIN)
主審殺しの犯人。動機は主審が彼女を寝取ったため
なぜ試合会場で堂々と殺したのかはわからない。

殺人事件中に出てきた女性の幽霊。
何かしらの怨念があると思われたが、何の怨みも未練もなかったので最終回で唐突に成仏した。
こちらも結局何のために出てきたのかわからない。


修斗の追記・修正ノンストップ!

















本当はギャグマンガ日和の「打ち切り漫画家シリーズ」というネタの一つ。正式名称「決めろ!!キラメキシュート -涙の方向転換篇-

原作8巻に収録され、アニメ第3期に放送された
ソードマスターヤマト』の続編であり、雑誌移籍後またしても打ち切られそうな夢野が足掻くという内容。

前作は打ち切り漫画の伏線回収を主にしていたが、本作はテコ入れやネットの批評などもネタにされている。
「担当が自作自演で作者を擁護する」など、実際ありえそうなネタも取り入れている。
特にネット上で展開される、
「キラメキシュートつまらん はよ死ね
「キラメキシュート怖いくらい面白くない
「夢野カケラがんばってほしい 来世で
などの容赦ない罵倒は必見*3
それを淡々と伝える担当も担当だが……。

ちなみに担当は、「アイツもセンス無いなりにがんばってんだから温かい目で見ようよ」という、微妙な擁護を書き込んでいた。

テコ入れを提案したのも担当。だがその指示内容は、ホラー要素や推理要素などサッカー漫画と関係ないものまで混じっている。明らかに夢野をからかってるように見えるが…。
しかも夢野はそれらを鵜呑みにして3ページしかない作中に強引にねじ込んだ結果、サッカー漫画としては無理がある内容に仕上がってしまう。
読者からの凄まじい悪口を知らされて危機感を煽られていたので無理もないだろうが、当然こんなことで人気が回復する訳が無く打ち切りが決定。
広げるだけ広げた風呂敷を半強制的に畳んで終了した。
結局は自らの手で連載にとどめを刺したのである。

また、不人気の原因とされる諸々の事柄について担当から教えられても、
  • 登場人物の書き分けについて「同じような顔ばかりで違うところが髪の色くらいしかないので混乱するんですよ、嫌がらせですか?」と言われたら「僕は全然混乱しませんけど…」と言い返す。
  • 語尾の「ダッシュ!」を始めとした修斗の不人気要素に関しても「ウザくない」と最後まで言い張る。
  • 剛の不良設定が活かされていない理由を問われると「そこまで考えてなかった」とボヤき、ただかっこいいと思ったからつけたことを露呈させる。
など、夢野本人の「センスのなさ」のみならず「読者との感覚のズレ」が壊滅的なレベルである事を改めて示す結果となった*4

■余談

  • 結末で、夢野は次作「恋のトライアングル」をマンガ誌「月刊チェジウ」に持ち込む際にマンガ描男と遭遇したが、足を踏まれた挙句「死ねや」と呟かれるなど、彼から相当嫌われている事が判明する。
    これは夢野が前述の「うめぼし君」最終回の増ページに対して「そっちを減らせばいいでしょう!」暴言を吐いたのを担当にチクられたのが原因である*5

  • 一部の読者の間では、本作は『キャプテン翼』のパロディではないかと噂されている。キャラの見分けがつきにくいサッカー漫画という共通点があるので…。もちろん人気は雲泥の差だが。

  • 『ソードマスターヤマト』の時と比べると夢野の住居がかなりボロボロになっており、家具も減っている。ヤマトの失敗で金欠になったのだろうか。

  • アニメ版では、ネットの書き込みがニコニコ動画のように画面の右から左へ流れるなど、ネットらしさが強調されている。


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  • 「つまらんはよ死ね」「主人公、足が臭そう」「頑張ってほしい来世で」 ←実際の読者のコメント
  • まるで成長していない…
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最終更新:2024年02月18日 13:52

*1 主人公を含めた全部員は顔から髪型まで酷似。違うのは髪の色だけ。

*2 夢野本人も「可愛くない」と断言している。

*3 もっとも本当に不人気であれば、「誰からも見向きもされない」「賛否問わず一切の評判が得られない」のが実情であり、それを踏まえればある程度の知名度は得ていたと言える。

*4 そもそも作品は享受する読者あっての物種である。多少のズレは「作者の個性」と認識されるにしても、夢野の場合は「センスがない」という指摘に対して「センスないとは思わない」と自分で言ってのける始末なので、「個性」と呼ぶには無理がある。

*5 アニメ版では「うめぼし君」最終回の件に関しては省略されている。