デジモンアドベンチャー02

登録日:2010/04/22 Thu 22:59:37
更新日:2024/04/15 Mon 16:27:19
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冒険ゲート

『デジモンアドベンチャー02』は2000年に放送されたアニメ作品。

デジモンアドベンチャー』の続編であり、デジモンアニメシリーズの二作目でもある。

作品的にはピリピリしたサバイバル要素を含んだ冒険ものから一転、デジタルワールドの平和を守るためにテイマー達が出動するヒロイックなものとなった。
前作の選ばれし子供はタケルとヒカリ以外、軒並みOB・OGとなって、新たな主人公として大輔、京、伊織の3人が加入し、それぞれ新パートナーが生まれている。

基本的に通常進化がメインだった前作と違い、ダークタワーというデジヴァイスによる進化を阻害する施設に対抗するため、
新たにデジメンタルを使用したアーマー進化が登場。後半には二体のデジモンが合体するジョグレス進化が登場した。
一応合体はオメガモンでもやっていたがTV版ではほとんど初で、後にオメガモンが普通の合体とされたのに対し、
本作のジョグレス進化は特別な進化として新たに定義されている。
なお、後に通常進化も復活しており、非常に多彩な進化バンクを楽しむことができるのが特徴。
前作が人気作だったのに対し、こちらは賛否両論。
主に緊張感がなくなったこと(デジタルワールドにピクニックに行く回がある)、前の選ばれし子供達のその後についてそれまでの描写と合わない結果になる、
などなど、前作を見ていた人間目線でいろいろと納得のいかない部分が多かったりしたため、この点で強く批判されたり、
冒険要素がないのにアドベンチャーとはいかにという声もあった。まあ前作の同期にはゲームタイトルと真逆のことをして根強い人気は確保したアニメとかあるけど
とはいえ、最終的なメンバー構成やバカレッ…もとい「リーダーじゃないけど熱い切り込み隊長」な大輔のキャラクター性は同じく東映のスーパー戦隊シリーズを彷彿ともさせる。

もちろん前作より好んでる人も、どちらも好きな人がいる。
評価点としてはやはり先に上げた多彩な進化パターンであろう。単純な「強さ」だけで選ばれない進化は、戦闘に新たな彩りを加えている。アクィラモン登場後ホルスモンがお役御免になったとかはあるけど
進化バンクもそれぞれ凝っており、人気によって前作よりも予算的な都合が付いたのだろうと思われる部分もある。
特にパイルドラモンへのジョグレス進化はシリーズを通しても印象深いと語る人が多く、進化直後のデスペラードブラスターの乱射は今でもイントロの激しいドラムを合わせてネットミームとして残っている。
ddddddddd
何かとネタにされる一乗寺賢の前半の悪行なども「人間が敵に回る」という点で新たな謎として当時の視聴者を楽しませた。

とまあ、批判点にも評価点にも決して無理があるわけではないし、この手のことに限らず語るときは注意。
ただ若干前作より少し下がったものの、余裕で商業的に100億円を超えており、劇場に至ってはシリーズ最高興収を記録(二作目の30億)。
その当たり、当時のデジモンの人気を表している。





【あらすじ】

太一たちの冒険から3年後。

デジタルワールドは〈デジモンカイザー〉と名乗る人間により再び危機に頻していた。

その危機に際し、新たな“選ばれし子供達”が選ばれる。

本宮大輔、井ノ上京、火田伊織――そして先代の高石タケル、八神ヒカリは、新たなデジヴァイス〈D-3〉を手に、デジモンカイザーに立ち向かう。




【新たな選ばれし子供達

再び訪れたデジタルワールドの危機により新たに選ばれた子供たち。
新デジヴァイス〈D-3〉を持つ。

本宮大輔
CV:木内レイコ
小学5年生
サッカー部に所属する少年。基本的に元気一杯で頭が弱いタイプ。
太一の後輩であり「太一先輩」と呼んで慕っている他、太一の妹ヒカリに片想いしている。
かなりアピールしているが、ヒカリは振り向く気配なし。
D-3の色は青。
高校卒業後は調理の専門学校へ進学し、将来の夢であるラーメン屋目指して修行中。身長もぐんと伸びた。
25年後はラーメン屋として世界中で活躍し、子供が1人いる。


井ノ上京
CV:夏樹リオ
小学6年生
メガネがトレードマークの少女。テンション高めでノリの軽いお調子者。
パソコン部部長であり、光子郎の後輩。「ビンゴ!」が口癖。
D-3の色は赤。
ディアボロモン事件にて太一たちに応援メールを送っている。
高校卒業後は工科系の大学へ進学しつつ、スペインへ短期留学もしている。スタイルの良い美人になった。
25年後は賢と結婚して子供が3人いる。


火田伊織
CV:浦和めぐみ
小学3年生
祖父から剣道を習っている少年。冷静沈着で歳の割りに感情の起伏が少なく、自分にも他者にも厳しい。
パートナーデジモンと中の人が同じ。
D-3の色は黄。
高校進学後、3年生の頃には早々に大学推薦を得て法律事務所でアルバイト中。剣道は今も続けている。
25年後は弁護士になり、子供が1人いる。


高石タケル
CV:山本泰輔
小学5年生
3年前の選ばれし子供の一人だが、「パートナーがデジメンタルに対応した」という事情もあり再び選ばれデジヴァイスもD-3に変化した。
前作は最年少で子供っぽかったが、前作の様々な経験もあってか今ではすっかり大人びている。
前作からの続投キャラで唯一声優が変わっている。まぁ前作の声で小5は無理だろうが、少し寂しい。
ヒカリと仲が良いため大輔からライバル視されるが、本人にヒカリに対する恋愛感情があるかは不明。
夏の劇場版ではヒカリとのツーショット写真を大輔に送って「大輔くん怒り狂うだろうな」と大輔をからかったりしている。
ちなみにバスケ部。
D-3の色は緑。
高校卒業後、文学部に進学し児童文学サークルに入部。友達が多いようだ。
25年後は小説家になり、子供が1人いる。


八神ヒカリ
CV:荒木香恵
タケル同様、再び選ばれD-3を手に入れる。性格はややお茶目になっており、前作より大人びている。
むしろ前作は風邪の病み上がりからの参加だったのもあるので、こちらの方が素なのかもしれない。
大輔から猛烈アピールを受けるが気づいているのかいないのか総スルー。
タケルとは逆にやや兄に依存気味。
小学生にもかかわらず服装がエロい。彼女の腋に魅せられたファン多数。
D-3の色はピンク。
高校卒業後、短大へ進学し幼児教育を学んでいる。保育施設でのアルバイトもしておりテイルモンは園児にもみくちゃに…
25年後は保母さんになり、子供が1人いる。



【旧選ばれし子供達】


八神太一
CV:藤田淑子
中学2年生
ヒカリの兄。すっかり頼れる先輩。1話でトレードマークだったゴーグルを大輔に託した。
25年後は外交官となり、子供が1人いる。


石田ヤマト
CV:風間勇刀
中学2年生
タケルの兄。『TEEN-AGE WOLVES』というバンドで組んでボーカルとベースを担当している。
大輔の姉・ジュンに惚れられたが、残念ながら彼女持ち。
25年後は宇宙飛行士となり、子供が2人いる(空が妻)。


武之内空
CV:水谷優子
中学2年生
母親の影響でテニス部に入っている。
前作(というかウォーゲーム)で立っていた太一フラグをへし折り…に見えるが、
母性の強い空なら、精神的に弱いヤマトを選ぶのはアリなのかもしれない。
(実は太一とフラグが立っていたように見えたのは全て「脚本の連絡ミス」である。
元から監督などの公式としてはこちらのフラグを立てていたのみが正しい。詳細は彼女の記事を参照。)
だが太一との信頼関係などは変わっていない。
25年後は和風ファッションデザイナーとなる。


泉光子郎
CV:天神有海
中学1年生
中学でもパソコン部に所属している。新旧含めて選ばれし子供達の指揮官的存在になっている。
25年後は研究者となり、子供が1人いる。


太刀川ミミ
CV:前田愛
中学1年生
父親の仕事の関係でニューヨークに住んでいる。
頻繁に髪型や髪色が変わる。
25年後は料理研究家となり、子供が1人いる。


城戸丈
CV:菊池正美
中学3年生
受験を控えているため勉強に勤しんでいる。
そのため出番が少な目。
25年後は医者となり、子供が1人いる。



【デジモンカイザー】
本作序盤のボス。
サングラスをかけた少年で、デジモンを物のように扱い虐げている。ダークタワーやイービルリングを作った。
黒いD-3を持つ。
服装のセンスはぶっちゃけ恥ずかしい。

一乗寺賢
CV:朴路美
小学5年生
サッカーの天才と言われている少年。デジモンカイザーの正体。



【パートナーデジモン】

大輔たちのパートナーデジモン。
古代種であり、進化を阻害する〈ダークタワー〉に影響を受けない『アーマー進化』と呼ばれる特殊形態になれる。
パタモン、テイルモンも古代種のデータを持っていたため、それぞれアーマー進化を手に入れて前作から引き続き続投になった。
デジモンカイザーにもパートナーデジモンはいるが、アーマー進化はTV本編ではしない。
中盤からは通常進化も可能になった。
また、エネルギーの節約なのか幼年期Ⅱに退化して行動しているシーンも割と多い。

◆ブイモン
CV:野田順子
大輔のパートナーデジモン。
元気一杯で好奇心旺盛。額のVの字が特徴だが作画崩壊で消えた事がある。
声が物凄くかわいいことに定評がある。
チョコが好物。
幼年期Ⅰ:チコモン
幼年期Ⅱ:チビモン
成熟期:エクスブイモン


◆ホークモン
CV:遠近孝一
京のパートナーデジモン。京をさん付けで呼び敬語を使うなど紳士的な性格で、なんか渋い。だいたい京に振り回されているが、いざとなれば前に出ていくタイプでもある。
幼年期Ⅰ:プルルモン
幼年期Ⅱ:ポロモン
成熟期:アクィラモン


◆アルマジモン
CV:浦和めぐみ
伊織のパートナーデジモン。名古屋弁風にしゃべるのんびり屋
伊織と中の人が一緒。
幼年期Ⅰ:ツブモン
幼年期:ウパモン
成熟期:アンキロモン


ワームモン
CV:高橋直純
デジモンカイザーこと一乗寺賢のパートナーデジモン。賢を溺愛しており「賢ちゃん」と呼ぶが、その度に怒られている。
非常に大人しく優しい性格で賢の悪行に心を痛めており、虐げられるデジモンを助けたりもする。
後に進化するが、パタモンと同じく声が激変する。
幼年期Ⅰ:リーフモン
幼年期Ⅱ:ミノモン
成熟期:スティングモン



【アーマー進化】

太一たちが持っていた〈紋章〉に対応する8つの〈デジメンタル〉を使って行う太古の進化方法。
ダークタワーによって進化が阻害された状態でも行える擬似進化。

作中では「勇気、友情のデジメンタルはブイモン」など使用キャラが決まっていたが、
ゲーム等ではワームモンを含めて各々8つのデジメンタル全てで進化形態を持つ(相性はともかく、それが正しい)。

普段は〈D-ターミナル〉という携帯機器に入っている。
特殊なデジメンタルに〈優しさ〉〈奇跡〉〈運命〉が存在し、特に〈奇跡〉と〈運命〉は「黄金のデジメンタル」と呼ばれる。
何故かテイマーズ以降では02未登場のアーマー体は敵で登場する事が多い。

ドラマCD(未知へアーマー進化)では本編に登場しないアーマー体も登場した。ただしギャグ系の話なので燃えはない。
ワームモン→「真夏の夜の優しさ、プッチーモン!」
ホークモン→「ジェットな友情、リンクモン!」
テイルモン→「魅惑の知識、バタフラモン!」
アルマジモン→「嵐を呼ぶ愛情、プテラノモン!」
パタモン→「胸騒ぎの光、マンボモン!」
ブイモン→「地上最大の希望、サジタリモン!」


勇気のデジメンタル
ブイモン→フレイドラモン
燃え上がる勇気、フレイドラモン!

友情のデジメンタル
ブイモン→ライドラモン
轟く友情、ライドラモン!

奇跡のデジメンタル
ブイモン→マグナモン
奇跡の輝き、マグナモン!

愛情のデジメンタル
ホークモン→ホルスモン
羽ばたく愛情、ホルスモン!

純真のデジメンタル
ホークモン→シュリモン
弾ける純真、シュリモ〜ン!

知識のデジメンタル
アルマジモン→ディグモン
鋼の叡知、ディグモーン!

誠実のデジメンタル
アルマジモン→サブマリモン
渦巻く誠実、サブマリモン!

希望のデジメンタル
パタモン→ペガスモン
天駆ける希望、ペガスモン!

のデジメンタル
テイルモン→ネフェルティモン
微笑みの光、ネフェルティモン!


【ジョグレス進化】

成熟期同士のデジモンを掛け合わせることで完全体へと進化する、新たな進化システム。中盤以降から登場した。
組み合わせは決まっており、選ばれし子供たちとパートナー同士が心を通わせたときに発現する。
シャッコウモンのビジュアルに驚いた視聴者は俺だけじゃない筈だ
終盤ではチンロンモンからデータを受け取ったことで、パイルドラモンが究極体へと進化できるようになった。
古参ファンには言うまでもなく、育成ゲームである『デジモンペンデュラム』から取り入れた要素である。

エクスブイモンスティングモン=パイルドラモン→インペリアルドラモン(ドラゴンモード)→インペリアルドラモン(ファイターモード)

アクィラモンテイルモン=シルフィーモン

アンキロモンエンジェモン=シャッコウモン


【D-3】

新たなデジヴァイス。

DIGITAL(デジタルの)
DETECT(検波する)
DISCOVER(発見する)

の略。
名付け親は光子郎…のアメリカの友人。

従来のデジヴァイスとは異なり、パソコンにかざすことでデジタルワールドへのゲートを開く事ができる。
これによりパソコンさえあれば好きな時にデジタルワールドに行けるようになった。
最初に出現したのは3つだったが、後にタケルとヒカリのデジヴァイスも変化している。

もともとオリジナルは一乗寺賢が持つものであり、大輔たちのD-3はそれを模したコピー品。


【ダークタワー】

デジモンカイザーが立てた黒い塔。暗黒デジヴァイスかアルケニモンが近くに存在するとデジモンの進化を阻害する効果を持つ。


【イービルリング】

デジモンカイザーが作ったデジモンを支配できる輪。
ただし、完全体以上になると抑えきれない。
が、後に完全体を制御できる【イービルスパイラル】を開発した。


【主題歌】

OP
『ターゲット〜赤い衝撃〜』

挿入歌
『brave heart』
『Break up!』
『Beat Hit!』
『sun goes down』
『僕らのデジタルワールド』

ED
『アシタハアタシノカゼガフク』
『いつもいつでも』


【余談】

いろいろと賛否両論である最終回の子供たちの成長した姿が描かれたことであるが、
「本来成長した姿は無印の最終回で描かれる予定であった」ことを忘れてはならない。

前作が予想以上の人気が出たため、急遽続編として制作されることになったのが本作であり、その関係でネタばらしが本作の最終回にもつれ込んだ形である。
なお、当初の予定では更なる続編も予定されていたらしい。終盤の世界を巡る展開はその名残で本作へ持ってきたのだとか。

2020年の映画『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』では、本編から数年後の02組が登場。
デジモン組は本編と同じ声だが、子供達の声優は変更されている。アルマジモンは中の人的にはむしろパートナー追加

2021年には、同年8月1日に『LAST EVOLUTION 絆』準拠の新作キャラクターソングシリーズ(ミニドラマ付き)の発売が決定。
同年には新作映画の制作が発表され、その翌年の2022年には題名が『デジモンアドベンチャー02 THE BEGINNING』に決まった。

ちなみに、後の続編含め「アドベンチャー」というタイトルに反してほぼ冒険要素が無かったりする。
そして、本作は特にそうなのだが前作と比べても大人になったからこそ終盤の展開・とあるキャラの気持ちが痛いほど理解できてしまうファンも結構多いのだとか。



今、追記・修正のゲートが開く――――


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最終更新:2024年04月15日 16:27