どすこい。(小説)

登録日:2011/07/01(金) 03:30:42
更新日:2023/09/06 Wed 22:18:40
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地響きがする……と思って戴きたい。





はじめに。
本項目にて紹介する作品は……。



※池宮彰一郎先生の作品ではありません。

※馬鹿タイトルを作者が笑って許していただいた事に感謝を述べていますので、瀬名秀明氏の作品とは関係がありません。

※作者が馬鹿タイトルを大目に見ていただいた事に謹んでお礼を申し上げているので、森博嗣氏の作品でもありません。

※鈴木光司先生の傑作とは関係ない事を作者が既に謝っているので当然関係ありません。関係ありませんが、一応謝っておきます。……ごめんなさい。

※小野不由美先生の大傑作とは何ひとつ関係ない事を作者が小野不由美先生及び小野不由美ファンの皆様におかれまして何卒寛大なお心を以てご容赦戴く事を伏して願い上げ奉りますとか言ってるのでやっぱり関係ありません。

※宮部みゆき先生の作品とは無関係な事を作者が見逃してくれるように訴えているのでやっぱり違います。

※竹本健治先生の作品と無関係とは申しませんがね。……と作者はぼやかしていますが、無関係……だと思われます……多分。



◎どすこい。◎

『どすこい。』は京極夏彦の小説作品。
00年にハードカバー版『どすこい(仮)』として集英社から発表された後に、02年に新書版『どすこい(安)』が、04年に文庫版『どすこい。』が刊行されている、肉盛りちゃんこデブ祭りの肉小説である。

姑獲鳥の夏』での登場以来……猟奇耽異、残酷かつ精緻で美しい構成のミステリーやホラーに分類される作品を発表して来た作者がもう一つの持ち味であるギャグやコメディの才能を万遍なく張り詰めた肉の様に発揮して描いたパロディ小説である……。

……いや、パロディと呼べるのは最初だけで、以降はタイトルだけ借りてメタ展開を続けるのが基本なんだから、そんな風に噛み切り易い高いお肉の様に言い切ってしまうと違う気がするのだけども。
……でも、作品によっては文体を真似ているから、伝説の業師と云われた角力に匹敵する技術を持っていると言えるかもしれない。
……でも頭捻りのネタを全編通して使うのかと思えば違うし、パロディってよりは作者の独創性が勝っている気もするし……。

……ああ、もう面倒臭い!
とにかく名作のタイトルを拝借した登場人物がデブに置き換えられた七篇の短篇小説が収録されている訳です。

……前述の様にそのパターンにピッタリとハマらない作品もある訳なのだけれども。
蒸し返す(※夏場の肉厚の人には耳が痛い表現でしょうが)様で悪いけれども、所謂メタ(=ボリックでは無くフィクション)発言やメタ(=フィクション(虚構)である)展開が売りの作品でもあり、全編に渡り登場して来る美人女性編集者にもモデルが存在し、本作の刊行を後押しした「小説すばる」の名前も手を変え品を変え、幾つも登場して来るのが特徴でもある。
唯一共通するのは書き出しの一文だけ……ああ、駄目だ……これすら共通していない……じゃあ何が共通して一冊に纏められた小説なのか判らないじゃないか。

……完全に文章量を稼いでいるのが見え見えなので、良い加減にやめようかと思う。
……やめれたのなら、最初からやめとくべきだったと思うけども……。



これは、それだけの解説なのである。
だから……怒らないでいただきたい。



【七つの物語】



◆四十七人の力士
著:新京極夏彦

※元録十五年十二月十四日……本所一つ目……後の松坂町。元高家筆頭吉良上野介の屋敷に討ち入りしたのは赤穂浪士では無く、四十七人の力士の群れだった……と云うだけの話。
「忠臣蔵」の物語に新たな視点を持ち込んだ池宮彰一郎の傑作(受け売り)『四十七人の刺客』が元ネタ。
著者の新京極夏彦は次作『パラサイト・デブ』の作中人物。


◆パラサイト・デブ
著:南極夏彦

※ゲームにもなった第一回日本ホラー小説大賞受賞作の傑作SFホラー『パラサイト・イヴ』のタイトルを大胆にも拝借して描かれた、奇想天外なデブ小説。
古代から蘇った、パンパンに肥え太ったミトコンドリアが今、暴走する!!

著者の南極夏彦(通称簾れ禿げ)は実は次作『すべてがデブになる』の作中人物。
……だが、それ以降も他作品(『ぬらりひょんの褌』等)に登場したりしているので違うかもしれない。


◆すべてがデブになる
著:N極改め月極夏彦

※地下から地響きがする……。
「開口部のある密室」から脱出するべく足掻く男達の生き意地によって……!
第一回メフィスト賞受賞作でもある人気作家・森博嗣の傑作ミステリー『すべてがFになる』のパロディ。
馬鹿らしい様で元ネタを知っているとニヤリとしてしまう要素もチラホラの収録作品中、最長編の物語。
……長いってだけだけど。

著者のN極改め月極夏彦は次作『土俵(リング)・でぶせん』の作中人物。


◆土俵(リング)・でぶせん
著:京塚昌彦

※日本中に「貞子」ブームを巻き起こした鈴木光司の傑作ホラーと、その続編……のパロディと呼べなくも無いパロディ。

地響きがする……と思って戴きたい。

……の書き出しで始まるある「呪われた小説」を巡る祖父、孫世代に渡る因縁(?)を描いている……と言えなくも無い気がする。
次回作は『LOOP(マワシ)』……の予定。
…………だけど。

著者の京塚昌彦は次作『脂鬼』の作中人物。


◆脂鬼
著:京極夏場所

腹は……脂肪で包囲されている。

※スティーブン・キングの『呪われた町』へのオマージュを込めて当代随一の語り部が日本と云う風土を舞台にリアルな考察を以て味付け……漫画化もされた傑作ホラー『屍鬼』のパロディ。
……元ネタを知っているとかなり笑える。

著者の京極夏場所は次作『理油(意味不明)』の作中人物である。


◆理油(意味不明)
著:京極夏彦

私の名で下らない小説を描いたのは……一体誰だ?

※作者の盟友・宮部みゆきによる異色ミステリー『理由』のパロディで、様々な登場人物による証言で物語が構成されるのも一緒。
……後半で崩れるけど。

著者の京極夏彦は昭和三十八年北海道生まれ。
九十四年に『姑獲鳥の夏』でデビュー。
魍魎の匣』で第四十九回推理作家協会長編賞受賞。
嗤う伊右衛門』で第二十五回泉鏡花文学賞、『覘き小平次』で第十六回山本周五朗賞、『後巷説百物語』で第百三十回直木賞受賞……。

実はヤングアダルトノベル『すずめの夏』で一昨年にデビューを果たしたばかりの二十三歳の小娘作家。
次作『ウロボロスの基礎代謝』の作中人物である。


◆ウロボロスの基礎代謝
著:両国踏四股

地響きがする……と思って戴く必要はない。

※竹本健治による虚々実々のミステロイド小説第二弾『ウロボロスの基礎論』のパロディで、現実(?)を絡めたメタフィクション全開、内輪ネタ全開……と思われる作品。
奇想天外な肉盛りデブ小説……これにて完結、千秋楽!!


……続巻が29(ニク)巻まで出る事はありません(※編集C嬢語る)。






【余談】

関連イラストを担当した漫画家・しりあがり寿による『すべてがデブになる』の作中漫画『おすもうくん』は、『どすこい(仮)』『どすこい(安)』で、それぞれに内容が違っているが、最終となる文庫版『どすこい。』では全編が特別掲載されている。

また、親本『どすこい(仮)』から『どすこい。』までの間に時事的なネタは律義に更新されている。

尚、巫山戯た作者名は読者からの公募により集められた物である。

ちなみにハードカバー版の帯には竹本健治による
『純正音律』では覚悟してね(泣)
というコメントが寄せられていたのだが、なんと……。
本当に『ウロボロスの純正音律』内で『姑獲鳥の夏』と全く同じトリックを採用し、それを使って(作中の)京極夏彦を殺害、見事に意趣返しを果たしてしまっている。
……だが、一連の事情を知らないミステリマニアからは「何故このトリックを用いたのか理解に苦しむ」と言われてしまっている……。












追記、修正は肉盛りのちゃんこ体型になってからと云うか、元からなってる人がやってくれると嬉しい様な気がしないでもありません。
項目の紹介がふざけた文面に見える様な気がしないでもありませんが、なれない文章を書いてる僕の努力を褒めるにしても怒られる筋合いは無いような気がするので謝ったりはしません。
それでは皆さん抱き締めて追記の果てまで。







椎塚「お、おのれ片岡ァ!」

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最終更新:2023年09月06日 22:18