七大魔王(デジモン)

登録日:2009/07/14(火) 23:23:12
更新日:2023/08/10 Thu 11:25:02
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七大魔王はデジタルモンスターに登場する組織、及び属するデジモンのこと。


【概要】

数あるウィルス種の中でも最強の魔王型デジモン達を総称してこう呼ぶ。
1体1体が他の魔王型デジモン達とは一線を画す力を誇り、全員が七つの大罪を1つずつ司っている。

あまりに強く、凶悪な力を秘めているため、ダークエリアに押し込まれた過去を持つデジモン達。
ダークエリアの最下層『コキュートス』を根城にしており、それぞれでテリトリーを所持している。
また、七大魔王に葬られたデジモンはデジタマとして転生することなく、魔王たちの血肉となるとも言われている。

各々がそれぞれ司る大罪を意味する紋章を持つ。
紋章はルーチェモン:サタンモードの姿やカード『大罪の門』のイラストなどで確認できる。
また、後述するオグドモンの足には、この紋章が浮いた剣が刺さっている。それらは七大魔王の能力を秘めた剣らしいが、七大魔王自体との直接的な関係性は現時点では不明。

ロイヤルナイツ並に人気のあるデジモン達で、デジモンアクセル「アルティメットゲノム」ではロイヤルナイツ対七大魔王が実現した。
カードやゲームでも最強の存在として描かれることが多い。

数少ないロイヤルナイツと対抗できるデジモン達だが、前述の通りあくまでも「魔王型デジモンの中でも特に強い七体」をそう呼んでいるに過ぎず、イグドラシルの元に「組織」として集うロイヤルナイツとはかなり異なる。
デジモンクロニクルエックスの公式解説によると
基本的に彼らが互いに干渉することはなく、利害の一致・不一致に関わらず協力関係や敵対関係になることもない
とのこと。

……のはずなのだが「強い魔王型の総称に過ぎない」といった設定が守られることは殆どなく、様々なゲームで毎回セットで登場しては主人公の行く手を阻んでくる。
「相互不干渉」に関してもあまり守られず、作品によってはがっつり手を組んでいたり、お互いに利用し合ったり、利用し合う過程で仲間割れを引き起こしたり、と干渉しまくっていることが殆ど。
というか、明確な目的をもって作られたはずの組織でありながら登場したら仲間割ればかりなロイヤルナイツより統制が取れている気がしないでもない…。
一応初期はこの設定を守っている様子はあり、アニメシリーズでは『セイバーズ』までは各作品に登場する魔王はそれぞれ一体ずつまでとなっている。


◆歴史

1998年連載開始『デジモンアドベンチャー Vテイマー01』でデーモンが登場。
なお、七大魔王の設定自体は、2002年のリリスモン登場時に初めて明かされる。
ちなみに、全員集合するまではベリアルヴァンデモンが七大魔王に属するのでは?と疑われていた時期もあった。

そして、最後に登場したベルフェモンは2004年が初登場、とその間たったの6年程度である。
人数が違うとはいえ、全員登場まで15年近くかかったネットワークの守護者どもは少し見習ってほしい。

なお、X抗体版に関しては、2005年発売のPS2ソフト『デジモンワールドX』でベルゼブモンXが登場した後は音沙汰がなかった。
だが、2019年発売の育成ギア『デジタルモンスターX2』で残りの六体のX抗体版がまとめて登場した。
余談だが、七大魔王のX抗体版は皆『セブンス・~』と付いた必殺技を新しく身に着けている共通点がある。


【七大魔王に所属するデジモン】

◆デーモン

司る大罪は【憤怒】
紋章内に配置された惑星記号は木星(♃)
名前の由来はそのまんま『デーモン(悪魔)』

全七大魔王中、最も一般に想像される『悪魔』に近い姿をしている。
また、最初に登場した七大魔王でもある。

初登場は漫画『デジモンアドベンチャー Vテイマー01』。
こちらでは最終的にアルカディモンを取り込み超究極体へと進化する。

アニメでは『デジモンアドベンチャー02』に登場。
こちらでは(作画コストの問題か)常時フードを被った姿を取っていた。
最終的には、インペリアルドラモンに暗黒の海に閉じ込められたが、終始、子供達を圧倒していた。

詳しくは該当項目で。


◆ベルゼブモン

司る大罪は【暴食】
紋章内に配置された惑星記号は金星(♀)
名前の由来は『ベルゼブブ
蝿の王と呼ばれる悪魔だが、設定やデザインに昆虫的な要素は無い。
(どちらかと言うとキリスト教に吸収され蠅の王となる前、嵐の王としてのバアルの方がイメージとしては近いか)

赤く染まった三つ眼を持った人型の魔王。
ハエとは違い群れることを嫌う孤高のデジモンでひたすらに強さを追い求める。

バイク「ベヒーモス」と愛銃「ベレンヘーナ」を装備。

アニメ『デジモンテイマーズ』で初登場したデジモンで、インプモンの究極体として登場。
一時は主人公たちの敵に回ってしまうが、自身の行いへの後悔、かつてのパートナーとの和解を経てブラストモードへ進化し、味方として戦った。
以降の作品でもこの展開の名残か、魔王でありながら完全な悪役として登場する事はほとんど無く、基本的にベルゼブモンが登場する=最終的には頼れる味方キャラとして活躍する、という形となっている。

詳しくは該当項目で。


◆ルーチェモン:フォールダウンモード

司る大罪は【傲慢】
紋章内に配置された惑星記号は太陽(☉)
モチーフは『ルシフェル

対となった白い翼と黒い翼を計12枚持つ最高位天使型から堕天した魔王型デジモン。
デジタルワールドにおける天使の階級は翼の数によって決まるがルーチェモンはその中での最高位に属する。

進化前はワクチン種の天使型ルーチェモン(成長期)。
七大魔王唯一の完全体だが、戦闘力は七大魔王中最強であり、神の領域に達すると言われている。

アニメ『デジモンフロンティア』で初登場し、ラスボスを務める。
配下にしていたロイヤルナイツ2体を食うなど化け物ぶりを遺憾なく発揮。

詳しくは該当項目で。


◆リリスモン

司る大罪は【色欲】
紋章内に配置された惑星記号は月(☾)
名前の由来は『リリス

七大魔王唯一の女性型デジモン。
元々はオファニモンと同種族の上級天使だったが、闇に堕ちてこのような姿になってしまった。
妖艶な雰囲気を出していて、様々な悪魔デジモンをしもべにしている。

初登場は育成ギア『デジモンペンデュラムプログレス2.0 -ハルマゲドンアーミー-』
その後、アニメ『デジモンクロスウォーズ』に敵の幹部としてアニメ初登場を果たす。

詳しくは該当項目で。


◆リヴァイアモン

司る大罪は【嫉妬】
紋章内に配置された惑星記号は水星(☿)
名前の由来は『リヴァイアサン

超巨大なワニのような姿をした魔王型デジモン。
デジタルワールドを飲み込むほどの顎を持つといわれ、容量も竜帝エグザモンに次いで大きいため、従来のデジタル機器では確認不可能。

初登場はバルバモンと同じく『デジタルモンスターカードゲーム ブースター22~覚醒・禁断の闇進化~』。
その後、アニメ『デジモンクロスウォーズ』にてデジメモリの一つとしてアニメ初登場。
その際には魔王であるにも関わらず、伝説の勇者扱いされ、事実、主人公たちの味方としてその姿を現した。
ベルゼブモン程登場=味方フラグとなるキャラではないものの、メディア登場する際は邪悪な存在というよりは温厚な存在として扱われる事が多く、実の所悪役としての出番自体は少なめ。

詳しくは該当項目で。


◆バルバモン

司る大罪は【強欲】
紋章内に配置された惑星記号は土星(♄)
名前の由来は『バルバトス

巨大な鉤鼻と長い白髪、そして腰元まで伸びる白髭が特徴的な老人のような姿をした魔王デジモン。
手に持った杖やファンタジーでよく見る黒魔術師のローブめいた衣装も合わせ、
全体的に「年老いた男性の(悪い)魔法使い」のステレオタイプのような見た目になっている。

財宝に目がなく、一欠片の財宝のために他のデジモンを躊躇なく殺す残虐な性格。

設定や携帯機以外では漫画『デジモンネクスト』のボスとして初登場。
人間に虐げられるデジモンの救済を謳い、イクドラシルと合意の上に同化。
新たな存在「NEO」を生み出しデジタルワールドの革命を目指す。
が、革命という目的ばかりが先走り気味で、その後のビジョンは微妙である。
デジモンストーリー超クロスウォーズ、デジモンワールド Re:Digitize Decodeでも黒幕として登場している。

詳しくは該当項目で。

◆ベルフェモン:レイジモード

司る大罪は【怠惰】
紋章内に配置された惑星記号は火星(♂)
名前の由来は『ベルフェゴール

魔獣のような姿で暴れ狂う『レイジモード』と、巨大なぬいぐるみのような姿をした『スリープモード』の二つの姿を持つ魔王デジモン。
普段は鎖によって力を抑えてスリープモードに入っており、1000年に一度目覚める。
そして自らを縛る鎖を破壊し、レイジモードになる。

【怠惰】を司るためか、七大魔王の中では最後に発見された。

レイジモードの初登場は『デジタルモンスターカードゲーム ブースター24~七大魔王降臨~』。
また、同時期の大会参加賞カードでスリープモードが初登場した。
アニメ『デジモンセイバーズ』にてアニメ初登場。
第3クールのボスとして暴れた。

詳しくは該当項目で。


【関連種】

オグドモン

『超魔王』と呼ばれる謎に包まれたデジモン。
7本の脚にはそれぞれ七大魔王の能力を秘めた剣が突き刺さり、その上部には七つの大罪の紋章が浮かんでいる。
変なタコ
詳しくは当該項目で。


グランドラクモン

世代 究極体
タイプ 魔獣型
属性 ウィルス種
必殺技 アイオブザゴーゴン
見据えた相手の心を闇のとりこにしてしまう邪眼。
クリスタルレボリューション
あらゆる敵を瞬時に氷の結晶体へと変えてしまう技。
吸血鬼デジモンの王と呼ばれる魔獣型デジモン。
古くからダークエリアに城を構え、七大魔王ですら手出しできないほどの強さを持ち、自身を討伐しに来た天使型デジモンを魅了の効果がある声で次々と堕天させたという。
死なない体を持っていると伝承されており、デジタルワールドにダークエリアが生まれる経緯に関係しているとか、謎の進化「Death-X」の真相を知っていると言われているが、問いただそうとも彼の元までたどり着くこと自体が容易ではない。


ダークナイトモン(X抗体)

世代 究極体
タイプ 暗黒騎士型
属性 ウィルス種
必殺技 クルーエルトルネード
「ヴォルテックスピア」から放つ竜巻で相手の四肢を潰す技。
デッドリーブレイクロスト
ショルダーブレードとスピアを融合させた「サイクロンデスサイズ」を振るい、X字の斬撃で敵を割断する
得意技 アンデッドソルジャー
ダークナイトモンがX抗体を取り込んだ姿。
力量が上昇したことで究極体に昇華した。
悪の感情も更に増幅し、世界のみならず、七大魔王の座をも狙っているとされる。


【各媒体での七大魔王】

NDSソフト『デジモンストーリー』シリーズ

第1作ではテイマーキングとなり、15体以上究極体を仲間にしていると、彼らから挑戦状が届き、デストロイドベルトに存在する七大魔王を一体一体倒していく事になる。
この話はパラレルワールドとはいえ、アニメ版デジモンセイバーズとリンクしたストーリーになっており、時系列的にはシャイングレイモンバーストモードが登場した後の話であるらしい。
(トーマのベルフェモンが前よりも強くなっている、という旨の発言がある事から)
が、開発時期の都合上、トーマ達がDATSの制服を着ているなどの矛盾が起こっている。
尚、あの兄貴はというと、ストーリーの都合上ベルフェモンに敗北してしまっている。
(ちなみに、シャイングレイモンとミラージュガオガモンが登場するのは次回作からである。そら負けるわな…)

ちなみに、DSで展開されたシリーズ内で7体全部登場したのは初代が最初で最後。
デーモンとベルゼブモンは初代、リリスモンとルーチェモンFMは第2作「サンバースト/ムーンライト」、バルバモンは第3作「ロストエボリューション」、XW版リリスモンと成長期のルーチェモンは第4作「超クロスウォーズ」でプレイアブル化するも、
ベルフェモン、リヴァイアモン、デーモン(超究極体)の三体だけは初代の敵専用キャラクターという扱いに終わっている。
彼らがプレイアブル化されるのはハードが一新されたサイバースルゥースからとなる。

デジモンストーリーの歴史において、広レンジに跨るNPC専用デジモン(例:スピノモンやガイオウモン)は、
後のシリーズでプレイヤーが使えるレベルにデチューンされて実装される傾向にあった為に、この扱いに嘆いたファンは多かったに違いない(実はグランドロコモンも同じ境遇である)。

特にリヴァイアモンはクロスウォーズでそれなりに出番があっただけに第4作に登場を期待する声もあったが、登場すらしなかった。
そのうえ、8番目の超魔王であるオグドモンに至ってはサービスカウンターでアイテムを渡して出番が終了するだけのキャラクターに終わっている…
とこの時代は七大魔王にとっては格差が激しい冬の時代だったのである。


ゲーム『デジモンワールド Re:Digitize Decode

Decode版で追加された裏シナリオ『策謀の七大魔王編』にて登場。
デジタルワールドの支配を目論見行動を起こしたバルバモンと、彼の策謀を気に入らず行動を起こす魔王達や、バルバモンに対抗する為に主人公が力を借りに行く魔王等が続々登場する。
本作でも全ての七大魔王が登場するが、デジモンストーリーとは異なり本作では魔王同士の「不干渉、不可侵」は守られており、そこを破る行動を起こしたバルバモンに他の魔王は反感を抱いているか、あるいは特に関心を示していない。
魔王全てが登場しながら、全員が別々の思惑で行動しているというのは設定的には正しいはずだが何気に貴重でもある。


ゲーム『デジモンストーリー サイバースルゥース

無料DLCにて、とんでもない設定が登場した。
それは、「全ての平行世界に存在する七大魔王は本来の力を等分された封印状態である」というもの。

どれほどの平行世界が存在するのか、「全ての平行世界」というのがどこまで該当するのかは不明だが、
すでに登場している各作品だけで甘く見積もっても全力の1割、下手をすれば万分の一も発揮していないことになる。
さらに、どこかの世界で七大魔王が滅ぼされると、別の世界の七大魔王の力が増す。

勝てるか、こんなもの。

しかも、その等分化の封印は誰が行ったというものではなく事象の摂理によるもので、
うっかり七大魔王を全滅させようものなら滅ぼした奴が摂理を乱したものとして罰を負うという嫌がらせの塊。

イベントでは別世界で七大魔王を滅ぼした罰でパートナーが消滅させられた某少女の贖罪として、力を増した主人公の世界の七大魔王を滅ぼすことになる。
特殊パターン満載の奴らを何とか全滅させると、今度は主人公が罰を受ける羽目に。
どうしろって言うんだ。一応、この罪は何やかんやで許された模様。

なお、この世界の七大魔王はストーリーには一切絡んでこない。

そう、彼らは誰も何の悪事も働いていないのだ。

むしろ適当なマイナー電脳空間に引きこもっていたのに、見つけ出されては殺されるという不憫な役回りとなっている。

ちなみにほぼストーリーと無縁なおかげで、ストーリー進行に一切関与することなく育成可能。
トコモンからいきなりルーチェモンとか作るといい(育成難度最大だが)。

平行世界丸ごと巻き込むこの設定が、今後生かされるかは不明。
一応、「ベルフェモンSMとか、放置せずにロイヤルナイツ他正義のデジモン総出でボコっちまえよ」とかの意見に対する返答としては有効に機能する。



追記・修正は大罪にのまれた方に任せます。

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最終更新:2023年08月10日 11:25