デジモンクロスウォーズ(漫画版)

登録日:2011/01/09(日) 04:36:05
更新日:2023/03/27 Mon 16:28:52
所要時間:約 7 分で読めます




デジモンクロスウォーズ』のアニメ放送に先駆けてVジャンプ2010年8月号(6月21日発売)から2012年5月号(3月21日発売)(2011年1月号は休載)まで連載されていた作品。全4巻。全22話*1
作者は『切法師』や『ミウ&リシェ』の中島諭宇樹。

●目次

【概要】

前作『エレメントハンター』が良コミカライズ作品の評価を得たようにこちらも設定の活かし方や構成が上手いと評価される良作。
その功績もあってか、後に『ドラゴンクエスト 蒼天のソウラ』を手掛けることになる。

終盤はツイッターでデジモンの産みの親、渡辺けんじ氏から

デジモン次回ネーム読んだ。もう涙無しには読めん…
中島諭宇樹!ありがとう!!これからもがんばって!!
でも、こんな作家離したくないよ。オレは!!!
と激励の言葉を頂いた。

作者は連載を受け持つまで全くのデジモン初心者で、急遽デジモンの歴史を色々勉強したとのことだが、それが嘘だと思うほどデジモンの様々な設定を巧みに使いこなしていると好評。

あらすじやメインの登場人物等はアニメ版と大体同じだが、ストーリーの展開は全然違う。
また、アニメ版にはないデジクロスやデジモンも沢山登場する。

連載終了から8年後の2020年10月2日にはデジモンウェブのデジモン図鑑にてアニメ版に登場したデジモンと同様に本作で初登場した多くのデジモンの世代・属性が明かされていき、更に9年後の2021年には多くのデジモンの詳細設定が明かされていった。


【登場キャラ一覧】


クロスハート

工藤タイキ
基本的にアニメと変わらないが、上手い具合にキャラができているためアニメより良い主人公になっているとの声も。
「ほっとけない」が口癖になった理由経緯がアニメ版とは大きく異なる。

◆陽ノ本アカリ
アニメと同じくタイキの嫁。というか奥さん。お前らもう結婚してしまえ。
リリモンやサンフラウモンに可愛いがられ、ネネにはからかわれる。
必殺技はアカリ・ストライク。

◆全自動 ツムリデン次郎剣ゼンジロウ
チビックソードで江東区一の小手を駆使してキリハのデジクロスを封じたりと、アニメと同じく一戦力っぽい。
ネネの妹コトネの保護者的存在として奮闘。
タイキとキリハとネネがアニメ版第2期の服装と同じ服装に変わったのと同時に、漫画版ではアカリとゼンジロウが新コスチュームになり続投。

シャウトモン
やっぱり熱いソウルのデジモン。平和になったデジタルワールドの天辺から魂のロックを響かせて世界中をドハッピーに盛り上げるデジモンキングを目指す。
アニメ版には無いデジクロスであるシャウトモンSH(スターホイール)*2も登場した。

◆バリスタモン
アニメ版では披露されていないまさかのマッシュモンとのデジクロス、バリスタモンMC(マッシュコテージ)が登場。自身も結構快適な様子。
また、ドルルモンやスパロウモンとのデジクロスであるバリスタモンSR(シクステッドランチャー)*3も披露した。
終盤はゼンジロウと薄緑色のクロスローダーの力を受けアトラーバリスタモンに進化した。

◆ドルルモン
アニメと同じくイケメンなデジモン。スノーゾーンでのキュートモンやタイキとのやり取りは必見。
終盤はアカリと薄桃色のクロスローダーの力を受けイエーガードルルモン*4に進化した。

◆キュートモン
マスコット系。ドルルモンが一度離れた際は、ドルルモンのマーキングを頼りに追いかけた。nice cute。

◆リリモン&サンフラウモン
アニメとは違い最初からタイキ達に同行。リリモン可愛いし作者GJ。
サンフラウモンはキリハ戦で尻尾が燃えた。

◆スターモン&ピックモンズ
アニメとほぼ同…かと思いきや、終盤はジョグレス進化してシューティングスターモンになった。

◆ジジモン&ドンドコモン
アニメとほぼ同じ。

◆マッシュモン
アニメ版ではチビカメモンがクロスハートに加入した一方、漫画版ではグリンゾーンのマッシュモンの里から二体が同行。戦ったりデジクロスしたりとまさかの活躍。
クロスハートの皆に毎日大量のキノコ料理を提供する。

◆オチムシャモン
ムシャモンの亜種。落ち武者として立派に処刑されて最期を遂げたい。
「ドMってレベルじゃねーぞ!」

その他、沢山のモブがクロスハートに加わっており、その内アニメ版で活躍したベルゼブモンもいる。

ブルーフレア

蒼沼キリハ
戦況を見極め、時には自分の命を賭け、奥の手は取っておく等、アニメとは別人で大物臭が漂っている。
勝つためには己の命をかけることもいとわず、自分を殺しかねないグレイモンのに対しても一切動じずに制しているなど器は大きい。
これは、父が一代で築き上げた遺産を巡って争う兄弟に嫌気がさし、父が遺した書物に会った兵法を学んだため。
実力市場のデジタルワールドは肌に合っていた様子。

タイキを口説く発言をしたり、生涯タイキをストーキングすることを宣言したりした。
前者は冗談だったが、グレイモン達も含め皆ドン引きしていた(一部赤面したり意味解ってないのもいたが)。

終盤、天野ネネとフラグを立てた。


グレイモン
ろくに喋らないアニメ版(後にたくさん喋る)とは打って変わってよく喋る。
敵を二度も取り逃がして悔し涙を流したり、再戦を約束してきたりと憎めないキャラ。

◆メイルバードラモン
グレイモンとデジクロスしてメタルグレイモンに、さらにアニメ版には無いオリジナル要素としてドルルモン、バリスタモンとデジクロスしてランページグレイモンになる。
移動用なのか、常に外に出ている。

◆サイバードラモン
意外とクレバーな奴。
アニメ版同様メタルグレイモンとデジクロスして強力な長距離砲になる。使い所がうまい。

◆バロモン
ちょくちょく出てくる。
ブルーフレアの参謀役?

その他、沢山のモブがブルーフレアに加わっており、その内アニメ版で活躍したデッカードラモンもいる。

《トワイライト》

天野ネネ
強い男の子が大好き。強い女の子も大好き。←重要
悪女を演じているが、本当は心優しく誇り高い。
妹のコトネを救うためにダークナイトモンと契約をしていた……が、裏切られる。
ダークナイトモンに鎖で繋がれたり、シェイドモンに剥かれ裸になったり、ブロッサモンに縛られたりと、いろんな意味で「哀れな姫君」。だが天使に進化した。

◆スパロウモン
ジェット機のような姿をした可愛いデジモン。その速さは相手が何をされたか気付かないくらい速く、戦闘力は高い。
終盤はラプタースパロウモンに進化した。

◆モニタモン
番外編が一番の活躍。三体のモニターで、「ネネ」「様」「命!」と表示したりしていた。

◆モニモン
ネネに抱かれている小さなデジモン。

◆ダークナイトモン
変態という名の貴族。
リリスモンから強豪として評価される来るべき闇時代の覇者。魔力を利用した術を使い、ダークネスローダーを得るため暗躍する。
外道っぷりがヤバい。
自我が崩壊しながら暴走を続けた末に、ミレニアモンと融合させられ惨めな最後を遂げた。…かと思いきや最終回では…!

◆ツワーモン
ネネの監視のために存在を伏せられていたデジモン。
ダメっ子にもなる模様。アニメ版とは違い出番は少なかった。

◆シェイドモン→ルミナモン
人の絶望によって羽化する魔界のデジモン。
ネネの影にとり憑いていたいやらしい奴で、裸体の彼女と強制デジクロスしていた。
最終的に、希望を取り戻したネネによってルミナモンに進化する。ちなみに渡辺けんじ氏がデザインした*5
タイキ曰く、絶望の心を糧にシェイドモンが行った羽化は一種の暗黒進化とでも言うべきもの、とのこと。スカルグレイモンやメギドラモンやシャイングレイモンルインモードを彷彿とさせる。

◆ダスクモン
ダークナイトモンの腹心。
アニメ版では2011年3月8日放送の第30話(第1期最終話)で、タクティモンとオメガモンのやり取りから「この世界のデジモン達も(長い年月がかかるが)進化をする」ことが明らかになった一方で、その一ヵ月半後の4月21日発売の6月号(アニメ版は第2期第3話(通算第33話)放送後)掲載の第10話では、このデジモンから「一度ある姿に生まれついたデジモンがその性質を大きく変えることはない!! みなその分を守り限られた可能性の中で死んでいく…それがデジモンというものだっ!!!」という進化の概念の存在を全否定するセリフが出た。終盤では、この矛盾、およびこの世界の進化の概念の真実が鍵を握ることに…。

バグラ軍

バグラモン
バグラ軍皇帝陛下。
リリスモンへのお仕置きシーンでは、彼女の魂をゲコモンの中に入れた。
バグラモンの、東映アニメーション側ではなくバンダイ・WIZ側の種族設定文を隅々まで生かされた上でのキャラ付けをされている。そのためアニメ版とは設定が全く違う。
優し過ぎ、世界を憂うが故に、この戦争を起こした。

タクティモン
三元士。
その正体はアポカリモンを彷彿させる存在。一度誰かに敗れ死んだデジモンをデータのクズとして再利用していたアニメ版とは反対。
アニメ版では封印を解いても鞘から抜刀しなかった蛇鉄封神丸は、漫画版では抜刀し禍々しい姿になる。

リリスモン
三元士の紅一点(?)。
アニメではヒステリックな面が目立ったが、自身の魔法盾を破った田舎貴族を冷静に分析するなど大物感が増している。でもやっぱりヒステリック。

ブラストモン
三元士。やっぱり若本っぽい愛すべきバカ。
馬鹿だが、単純に強さだけで言えば三元士一。

◆マッハレオモン
アニメのマッドレオモンのポジション。誤植じゃないよ!
すぐに使い捨てにされた。

ネプトゥーンモン
出番が1コマ。
「だぁぁぁってあいつら軟らかくってすぐ壊れちゃうんだもん!!(≧ω≦)」
「つまんないから早めにきりあげてきちゃった!(≧ω≦)」

◆ウェディンモン
スイーツゾーンの女主人。
リバース・ウェディンモン、配下のショートモン含め作者の完全オリジナルデジモンであったが、ウェディンモンはショートモンを含め、2021年10月13日に詳細設定が判明された。

ロイヤルナイツ

アルフォースブイドラモン
ロイヤルナイツの一人。威厳のある話し方をしようと心がけるが、すぐに素に戻ってしまいがち。
Vテイマー01ゼロマルが大人になったら』というイメージでキャラ付けされたと明言されている。

デュナスモンロードナイトモンクレニアムモンドゥフトモン
アルフォースブイドラモンの呼び掛けで最終決戦の場に集結したロイヤルナイツのメンバー。
他のメンバーであるデュークモンスレイプモンは他のゾーンでバグラ軍の大部隊を討伐していると語られたが、マグナモンアルファモンエグザモンは消息が掴めなかった(ガンクゥモン、ジエスモンは連載時点ではまだ未登場だった)。
流石にオメガモンの消息は掴みようがないだろう。

◆スパーダモン、コロナモン、ルナモン
ロイヤルナイツに付き従う騎士見習いのデジモン達。アニメ版とは違い、最後まで残留した。この内の一体であるスパーダモンはアニメ版およびゲーム「デジモンストーリー超(スーパー)クロスウォーズ」ではシャウトモン達とデジクロスした。

オメガモン
行方不明。バグラモン曰く、「あの最強の戦士」。


その他


天野コトネ
昏睡状態から目覚めたネネの妹で、四人目のジェネラル。
詳しくは別項目。
性格は姉とは真逆で、かなりのお転婆でテンション高めな性格。そのあまりのギャップにタイキ達を驚愕させた。
幼いため舌足らずな所もあり、「デジクロス」を「デチクロス」と言ったりしてしまう。
ちなみにアニメ版の弟であるユウの行方が気になる方は単行本第2巻の表紙カバーを捲ってみるといいかもしれない。

松田啓人
デジモンテイマーズ』の主人公。第10話でデュークモンのシルエットと共に人間とデジモンの融合の伝説としてシルエットのみの登場。本人は単行本第3巻のカバー折り返しでギルモンと共に描かれ、作者の中島と共にお茶を飲んでいた。

ミレニアモン
キメラモンとムゲンドラモンの素材のデジモンを全員強制デジクロスさせて再現された、古代デシタルワールドを支配したという千年魔物。
貴族と合体し最終形態になった。

◆ズィードミレニアモン
ホメオスタシスの予言の「赤黒の双頭竜」の正体。デジタルワールドと人間界を滅ぼすべく作られた、終末の千年魔獣。

◆ムーン=ミレニアモン
ズィードミレニアモンの体内に存在する、シェイドモンが変化した姿。全裸のネネの局部隠し要因になり囚われの身にしている。

ウィザーモン
デジタルワールドの研究者。
人間界で騒ぎにならないようシャウトモンたちを擬人化させた。

◆テイルモン
ウィザーモンの護衛役。
過去に人間界に迷い込み人間の子供と一緒に旅をした経験があるという。
デジアド無印の個体と同一個体である。

◆佐野タツヤ
タイキの友達。脚の怪我で車椅子に乗っている。漫画版のタイキが「ほっとけない」が口癖になった理由は、彼が大きく関係している。
二人のシーンはタイキの本質に迫る名シーン。さらに、この世界から進化が失われた謎に繋がるシーンでもある。

大門大
デジモンセイバーズ』の主人公。第20話でイグドラシルに立ち向かった者として、説明シーンにシャイングレイモンと共にシルエットのみの登場。本人は単行本第4巻のカバー折り返しで『デジモンフロンティア』の主人公である神原拓也と共に描かれ、作者の中島を抱いていた(服装は『セイバーズ』後半およびアニメ版『クロスウォーズ』第3期での客演時のもの)。

◆ホメオスタシス
この世界の神。本来は小説版『デジモンアドベンチャー』で選ばれし子ども達を導いた神。
ゼヴォリューションやセイバーズで大量虐殺をしていた神、イグドラシルの失敗の教訓を踏まえて建造された、という設定になった。

◆イグドラシル
この世界のかつての神。人間界をデジタルワールドに対する脅威として滅ぼそうとして、急遽破棄された。


【余談】

単行本には書き下ろしおまけ漫画「ばぐら家の横顔」が収録されている。配役が中々にひどい(いい意味で)。アニメ版第2期の敵であるデスジェネラル(ドルビックモンネオヴァンデモンザミエールモン、スプラッシュモン、オレーグモングラビモンアポロモンの七人。その内オレーグモンは最初の復活後に改心、アポロモンは闇の人格であるウィスパード*6(漫画版では未登場)と分離し倒す)はここでしか登場しない。

第21話(最終回)「クロス・ソングス!!全ての夢を追う少年たちへ!!」は感動そのもの。


なおVジャンプHPにて、単行本に入りきらなかったエピソードが公開されている(読むには単行本4巻を買ってパスワードを入力する必要がある)。
DIGIMON XROSWARS BONUS TRUCK
………のだが、VジャンプHP公開開始から数年経っていつの間にかHPが消滅し現在は閲覧不可能。また見れる何かしらの手段を用意してくれないものか…。







追記・修正はデジモンシリーズをこよなく愛する人達にお願いします。

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最終更新:2023年03月27日 16:28

*1 本編全21話、WEB掲載1話(特别編全2話を含むと全24話)。

*2 ホイールは「Wheel」だが、Hと表記されている。

*3 ランチャーは「Launcher」だが、Rと表記されている。

*4 『Vジャンプ』掲載時の第17話では「イエーガー」と表記されていたが、続く第18話では「イェーガー」と表記された。単行本では「イエーガー」で統一されている。デジモンウェブのデジモン図鑑では「イェーガー」と表記されている。

*5 2021年9月24日に追加されたデジモンウェブのデジモン図鑑ではルミナモン(ネネVer.)と表記されている。

*6 名前の由来は、英語で囁き声を意味する「Whispered(ウィスパード)」から。