ロシア連邦軍

登録日: 2012/10/28(日) 17:22:10
更新日:2024/02/22 Thu 19:16:50
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ロシア連邦軍はロシア連邦共和国が保有する軍事組織で旧東側諸国の盟主であったソビエト連邦軍の後継組織である。

画像は予算不足により用意できませんでした。


世界最大の国土に比して、少なすぎる軍備と予算によって半ば機能不全に陥った「軍拡競争に敗れた軍隊の象徴」のような存在になっている悲劇の存在である。


[貧乏な概要]
旧ソビエト軍の人員・装備・軍事ドクトリンをそのまま受け継ぐロシア連邦共和国が保有する軍事組織であり、国防省を頂点に陸・海・空・戦略ロケット・宇宙・空挺の6軍、加えて内務省国内軍・連邦保安庁国境警備隊など多数の準軍事組織で構成される。

かつて総兵力530万の兵力と5万両もの戦車軍団を備えアメリカ軍と並び世界最強の軍隊を誇った栄光も今は昔
予算不足や旧式兵器に犯罪と先進国の中で最多の内部問題を抱え、90年代に発生したチェチェン紛争では予算不足の正規軍がゲリラに惨敗を喫する大失態を世間に曝け出し、全世界から失笑を浴びることになった。


[貧乏な軍事組織]

[貧乏な陸軍]
かつてのソ連の力の象徴であり、現在のロシアの貧乏の象徴。

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兵力40万人。ソ連崩壊から25年が経つが、いまだに当時の兵器を使い続けなければならない程、貧乏している。
約2万両という世界最多の戦車数を保有しているが、その大半が保管(という野ざらし・不法投棄)状態で、実質的には2800両。
さらに冷戦後に開発された戦車はその1割にも満たない。

地上最強のソ連戦車軍団の象徴。…だったのだが現在では雑魚戦車の象徴となってしまった悲劇の戦車。
にもかかわらずほとんどアップグレードも十分な整備もされないまま酷使され続けている。



[貧乏な海軍]
現在のロシアの貧乏の象徴その2。元から海軍は大陸軍国であるソビエト赤軍の中でも冷遇された存在かつ、ソビエト時代に維持コストガン無視の原子力艦を大量建造した結果、3軍で最も悲劇的な立場に置かれている。

画像は予算不足により用意できませんでした。

人員16万人。
貧乏なため既存艦艇の補修すらままならず、また維持とコスパが最悪の原子力艦も多く、港に係留されたまま赤錆びだらけの巡洋艦や潜水艦が無数に並んだ姿は、世界中に「ロシア=貧乏」という考えを強く印象付けた。
少ない予算も核兵器を運用する戦略原潜やそれをサポートする攻撃原潜に優先的に回されるため、水上艦隊は悲惨。

  • アドミラル・クズネツォフ重航空巡洋艦
ソ連海軍最後にして、ロシア海軍最初の本格的航空母艦…だったのだが、就役して10年間は予算不足でろくな整備もされず港に係留され続け「このまま外洋に出れば間違いなく沈む」にまで荒れ果てていたという。
プーチンが首相に就任して以降は、好景気によって徐々に予算も増え、まあマシなレベルにまで改修が行われた。
航空隊司令官の言によれば、「確実に2020年までは使い続ける」つもりらしい。もういい…! もう休めっ…!
同型艦「ヴァリャーグ」は中国に身売りされた。

  • キーロフ級原子力重ミサイル巡洋艦
米空母を粉砕可能な超音速大型対艦ミサイルと艦隊を護る高い防空能力を備えた「ソ連海軍水上艦隊の理想が形となったような」ソ連海軍最強の水上艦。
その登場時に海軍関係者の中には「現代に蘇った巡洋戦艦」と称する程の巨大さと火力を持ちながら、レーダー投影面積は小型艦並と言う高いステルス性能も有するチート艦であった。
……が、巨大な上に維持の面倒な原子力艦、そのうえ自慢の火力もイージス艦登場で価値を無くし、キーロフ級はどいつもこいつも港に係留される運命となった。
現在は建造中にソ連崩壊を迎え、ロシア時代にエリツィン大統領の意地で就役させた4番艦「ピョートル・ヴェリキイ」が唯一稼働中。
3番艦も現在近代化改修を受けているが、1番艦と2番艦に至っては放置され続けた末に2020年代にやっと解体された。

  • タイフーン級(アクーラ級)戦略原子力潜水艦
ソ連時代末期に6隻が就役し、現在に至るまで世界最大級の潜水艦。下手な戦艦よりも重い水中排水量48,000tを誇る巨大原潜。
ICBMに匹敵する性能を持つR-39大型SLBM20基を主兵装とし、6門の魚雷発射管からは対艦・対潜魚雷や巡航ミサイル等も発射可能で、艦内には乗員保養用のプールも備える。
この画期的大型艦の出現に西側が驚嘆・動揺したのは言うまでもない。
……が、当然のごとくこんなデカい艦を6隻も保有するなど貧乏なロシアにはどだい無理な話で、SLBMの部品工場がウクライナにあったため運用にも支障が出て来たため90年代頃から退役や解体が始まった。
現在は1番艦「ドミトリー・ドンスコイ」以外の全艦が除籍済み。
なお「世界最大の潜水艦」ということもあり、フィクションでは人気の艦でもある。

[貧乏な空軍]
作戦機約1940機を有する、貧乏のあおりを最も受けた軍隊。

画像は予算不足により用意できませんでした。

人員16万人。

F-15に匹敵する戦闘機を多数保有するが、新規製造された機体はほとんどない。さらに、パイロットの年間飛行時間も50時間程度*1でかなり弱体化している。

  • Su-27
ソ連空軍のF-15と言われた程の高性能戦闘機。だが、やはり貧乏のせいで十分な整備や補給が受けられず飛行不能になった機体が数多くあったらしい。
その高性能に目をつけた中国には食糧と交換という「ただ同然」で買い叩かれたという。


貧乏な予算

アメリカ並みの軍備をアメリカの10分の1以下の予算で維持しているロシア連邦軍は創設以来慢性的な予算不足に悩まされ続けている。

年間予算は350億ドル(4兆円)と、自衛隊よりも少ない*2

その少ない予算でただでさえ膨大な維持コストのかかる核兵器とその運用プラットフォーム(超音速戦略爆撃機・大型戦略原潜・弾道弾etc)を大量保有するわけだから、その皺寄せは人員や通常部隊に押し寄せるわけである。

軍隊で一番の高給取りのはずの将軍ですら月給500ドル、兵士に至っては月給3ドルであり、テントやバラックで生活している将軍もいる程であるという。


[貧乏が理由の問題点]

上記の通りロシア軍はひじょ~に貧乏である。
何しろ軍隊で一番偉い将軍がその日の食事にも困るくらいなのだから。

そのため、軍内ではマフィアや武器商人の暗躍で、武器の横流し、麻薬中毒やアルコール中毒の蔓延、陰湿ないじめによって規律が崩壊。将軍から一兵卒に至るまで密売などの犯罪に手を染めているという。

特に武器の横流しは深刻な問題で、90年代には総数は50万規模の軍隊を完全武装させる事ができるほど兵器が紛失し、「空母以外なら何でも手に入る」と言われるほど貧乏であったらしい。マッコイ爺さんの稼ぎに化けたな










「こうしてロシア軍は戦わずして朽ち果て、消滅し、世界の覇者はアメリカ合衆国になったのです。追記・修正をお願いします。」
By アメリカ合衆国大統領
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…そう、ロシア軍でさえそう思っていた。

2000年

あの男がロシアに登場するまでは。


























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「諸君、私が指導者になったからには、ロシア軍は再びかつての栄光を取り戻す事になるだろう」


しかし、逆境の中から奇跡の復活を果たすのがロシアの伝統である。

2000年にロシア連邦大統領に就任したウラジーミル・プーチンはオイルマネーや外国資本の導入によって軍事費を毎年増加させ、軍の改革を推し進めた。

その結果、2008年には「ロシア軍など恐れるに値せず」と喧嘩を売ったグルジアを叩きのめすなど、「ロシア軍健在」を内外にアピールした。

ただ、それでも予算不足は相変わらずでアメリカ軍の20分の1で100万人近い、軍隊の維持運営をしており、予算不足に悩まされているのが実情である。

それが如実に表れたのは2022年に勃発したウクライナ侵攻。
当初は圧倒的兵力差でロシア優位のまま早期に決着がつくと思われたが、兵士の練度不足・士気の低さ・不十分な補給・守られていない軍規などの実態が浮き彫りになった。

一部の部隊は無人化した民家から金目の物品を持ち出して祖国に送るわ、民間人は難癖付けて射殺するわで、侵攻時に『ナチス残党が居る』とかロシア側は難癖付けていたが、ものの見事なブーメランと化している。
ミサイルの質も悪いようで、大抵は敵兵なんぞ居ない明後日の方向に着弾したり民家や病院に当たったりというお粗末さ。
戦車はそれなりの性能だが、ウクライナが市民にも対戦車ミサイルを配った結果、あちこちでヘリ共々ゲリラ的に壊されまくっている。

長引く侵攻で数少ない精鋭部隊が機能しなくなったのと、経済制裁で最新機器を搭載した兵器を作れなくなった結果、旧ソ連時代からの骨董品と、新たに募集+刑務所に収監されていた連中すら兵士として徴用して戦わざるを得ない膠着状況に追い込まれている。

ロシア兵捕虜のインタビューによると『演習』と伝えられて連れてこられた+従わないと処刑するケースもあるとか。
そりゃ士気も持たんわけだ。


[それでも予算不足な軍事組織]


★[それでも予算不足な陸軍]
現在は各国軍同様のC4IによるRMAを推し進めているが相変わらずの予算不足のためその進展具合は先進国では最も遅い。
また、次期主力戦車T-95の開発が中止され今後も既存の戦車が主力になる予定である。

  • チェンタウロ戦闘偵察車
試験運用を行っているイタリアの装輪戦闘車。かつての枢軸国の兵器をロシアが導入しようとするとは、時代の移り変わりを感じる。


★[それでも予算不足な海軍]
ようやくまとまった予算が下りたため、赤錆だらけの航空母艦や潜水艦をドック入りさせ、修理に成功。近年では頻繁とまでは言えないまでも艦隊行動が目撃されている。

  • ミストラル級強襲揚陸艦
フランスの強襲揚陸艦。西側諸国の艦艇をロシアが導入したことは冷戦が過去のものであることを内外に強く印象付けた。
……が、2014年のウクライナ動乱を受けてフランスは売却を拒絶。契約は破棄され全額返金のうえ、エジプトに。

  • ロシア将来航空母艦
ソ連崩壊以来、長らくまともに新艦艇を建造出来ていなかったロシア海軍だが、2000年代後半にようやく新型空母の建造計画と機動部隊の構想が浮上。2024年までの1番艦建造開始を目指して設計が進められていたが、2022年初頭にウクライナとの戦争が勃発。大祖国戦争勃発に伴い建造中止となったソビエツキー・ソユーズ級戦艦の二の舞になりかねない。


★[それでも予算不足な空軍]
予算増額によって飛行時間が上昇。日本に対する偵察飛行も再開され、2011年にはソ連崩壊後最多を記録。ただし、相変わらず予算不足で新型機の導入はうまく進んでいない。

  • Su-35
かつての名機、Su-27フランカーをアップデート。タンデム複座の多目的型Su-30、軍用機としては珍しい並列複座コクピットを持つ攻撃機型Su-34など、輸出されて外貨を稼ぐ派生型も多い。
極東方面にも配備されており、空自のイーグルとご挨拶()する事も多々ある。

  • PAK FA→Su-57
ロシアが開発中の最新鋭第5世代戦闘機。
完成すればアメリカのF-22に匹敵する性能を持つと噂されるが、やはり予算不足でまっとうな配備ができるのか………?


[それでも予算不足な兵器]


その最大の特徴は「モンキーモデル」と呼ばれる自軍よりも性能を落とした兵器を輸出していた旧ソ連とは違い、「自軍の軍隊が装備する兵器よりも輸出する兵器の方が高性能」であること。

それでも旧ソ連の設計思想を踏襲するロシア連邦軍の兵器は、非常に堅実・堅牢な設計である。








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ロシア連邦保安庁「もちろん「善意で」やってくれるだろうね?親愛なるwiki籠りの諸君」


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最終更新:2024年02月22日 19:16

*1 アメリカ空軍は年間250時間

*2 ちなみにアメリカ軍の年間予算は6600億ドル(約70兆円