クロロ=ルシルフル

登録日:2011/11/11 Fri 22:13:50
更新日:2024/04/18 Thu 20:23:56NEW!
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あらためて問われると答え難いものだな 動機の言語化か……余り好きじゃないしな

しかし案外…いや やはりというべきか

自分を掴むカギはそこにあるか……


クロロ=ルシルフルとはHUNTER×HUNTERの登場人物。
CV:永野善一(旧アニメ版)/宮野真守(新アニメ版)


●目次

■概要

伝説の盗賊団「幻影旅団」の団長。
「額の十字の刺青」「耳につけたイヤリング」「オールバック」「黒コート」が特徴的。
しかし外出時や変装時には髪を下ろしてスーツを着る事もあり、この場合はかなり若返って見える。
身長以外のモデルはL`Arc-an-cielのhydeとのこと*1


■人物

個性の強い団員を束ねるだけの「冷静な判断力」「洞察力」「カリスマ性」を誇る。
戦闘能力は高く、念能力も強力であるばかりか、ゾルディック家の2人を同時に相手する体術にも事欠かない。
ハンター協会会長・ネテロが大枚はたいて協力を要請するほどの実力者である、ゾルディック家の先代当主ゼノに(サシでやったらどっちが勝つ?)「十中八九ワシじゃろ お主が本気でワシを殺ろうと思えば別じゃがな*2」と言わしめた。

マチ曰く「本好き」らしく、普段から何かしらの本を読み耽っている。

ネオンに近付く為好青年の演技をしていた事もあったとは言え、原作ではキャラや喋り方があまり安定していない。
掴み所が無いという以前に、どうやら自分自身を掴み切れてないようで、自分を哲学的に分析しようとサイコパス染みた自問自答に耽ることも。

団長として話すときは団員にも威圧的だが、これは彼が他メンバーからの推薦で旅団結成時に団長に選ばれてからのリーダーとしてのけじめをつけた姿であり、本来の性格は異なる。
そのため、初めて「団長」として振る舞った際にマチらは驚いていた。
素の性格は割合フランクかつ穏やかな物腰のようで、ゾルディック家との戦闘後に彼らの能力を盗めそうにないのを「しんど― ありゃ盗めねーわ」と残念がったり、「ウボォーさん」と独白で呼んだりシャルナークとの電話では気さくに受け答えしたりと仲間とはわりと砕けて接していて普通に笑顔も見せている。

ただし団員への思いやりは強いが、無関係の人間は平然と「利用」「虐殺」「能力開発の実験にする(生死や残虐行為も気にしない)」等、どこまでも冷酷な態度を貫く。
本人曰く「自分とは関係ない人間だから」。
また、「団員個人の命よりも旅団そのものの存続を優先する」という信条から仲間を見捨てる事もある。
なおその信条における「団員個人の命」は彼自身も例外ではなく、己の命を捨てる事には何の躊躇も無い。

詳細な経緯は不明だが、旅団の仲間と「旅団そのもの」への思い入れはかなり強いようで、自分との決闘後にシャルナークとコルトピを殺害し更には旅団自体を潰すことを目論むヒソカには強い怒りを見せた。
彼にとっての命であり最も大事なものは「幻影旅団」という組織な様子。


■念能力

特質系能力者。
戦闘スタイルは、後述の念能力で「自分に必要な能力を多く収集して、自分が確実に勝てる条件・タイミングが来るまで待つ」という念能力戦における正攻法な手段を好む。
殺人狂だが、ウボォーギンやヒソカ程の戦闘狂というわけではない模様。
ただし、自分の趣味嗜好を反映しているだけあって能力収集への熱意は凄まじく、状況によっては無謀な行動に出ている。

また、念能力以外に有名な殺人鬼が使用していたベンズナイフを絡めた体術も用いる。
そのスピードたるや一挙一足が常人には視認すらできず、ゾルディック家当主と先代頭首2対1でも劣勢ではあったが渡り合えたほど。
牽制手段とは言えこのベンズナイフには鯨を数秒で麻痺させるほどの神経毒が仕込まれていたが、普段から毒に対する修行を積んでいたシルバには通用しなかった。

能力者としては下記の2種類の能力を操る。

盗賊の極意(スキルハンター)


ただの殺し合い(ゲーム)だからこそ闘い方(スタイル)は大事だろう?

勝敗なんかよりはるかにな


相手の念能力を盗み、盗んだ能力を具現化した本に閉じ込めることで自身の能力として使用できる。
いかにも盗賊団の頭らしい作中屈指の強力な念能力。
具現化された本は表紙に手形がプリントされた図鑑のようなデザイン。

キメラアントの中に、「他人の能力を条件付きでレンタル出来る」という強力な能力が登場したが、
あちらの場合「相手に恩を売って、借りが出来たと相手が認める」という比較的容易な条件で、使用中に動きを阻害することもないが、その代わり1時間しか敵の能力を使用できない。
こちらは、レンタルではなく盗み取るものなので、一度盗みさえすれば相手の能力を半永久的に使用不能にし、更に使用制限時間もなしという特有のメリットも存在する。

しかし盗むための条件、使用するための条件は下記のようにかなり厳しい。
戦闘中に条件を満たして相手の念を盗むことはほぼ不可能。
また、念能力(発)を条件を満たしたものだけ奪うのか、発以外は使えるのか、発以外も使えなくなるのかなどは不明だが、
下記制約から条件を満たした発のみを奪うものだと推測される。


余談だが、後述するが仲間であるシャルナークとコルトピの能力を借りている場面があるため、念能力の返却は恐らく自由に出来る。


「盗賊の極意」の各種制約


1.盗むために以下の条件を満たさねばならない。
a.相手の能力を実際に目で見るか、能力名を知る
b.相手に能力に関する質問をし、相手がそれに答える
c.本の表紙にある手形と相手の手の平を合わせる
d.a~cを1時間以内に行う(順番は前後しても良い)
通常の念能力者はめったに自分の能力をさらさず話すこともないため、盗むためには誘導や拷問による自白などが必要となる。
この条件はさながら、標的を調べ、忍び寄り、欺き、掠め取る盗みの行程そのものである。

2.盗んだ能力を使う際はその能力のページを開き、右手に持っていなければならない。
その為1度に発動できる能力は1つのみ。解除(ページを閉じる)してしまうと念によって生成した効果は解除される。
能力発動中は常に右手が塞がることになり、両手(あるいは右手)を使う念能力は事実上使えないことになる。
現在この制約は『栞のテーマ』を得たことでフォロー可能となった。
『栞のテーマ』追加による制約が不明なので、普段から『栞のテーマ』を使っているのかなどは不明。

3.盗んだ能力は、対象の能力者が死んだ時点で本から削除され、使えなくなる。
有用な能力の場合は元の持ち主を下手に殺せず、自分の能力が他者に漏れる危険が増すことになる。

ただし奪った能力が「によってより力が強まる念能力」だった場合は例外で、例え能力者が死亡しても本の中に記録されたままとなる。
更に「死によってより力が強まる念能力」の場合、本を閉じると発動は出来ないことには変わりないが、本を閉じても発動した能力の維持はされる。
(この特性はクロロ自身も最近まで把握していなかった模様)

オロソ兄妹の能力のように、一度発動すると発動者にすら任意解除が不可能な念能力も一部存在するが、このような能力を発動後に本を閉じるとどうなるのかは不明。「死によって強まる念」のように解除不可能な可能性も高いが、任意解除ができるならば本家よりも使い勝手が良くなる可能性もあるかもしれない。


作中で判明している盗んだ能力一覧

  • 室内遊魚(インドアフィッシュ)
風の差し込まない密室でしか生きられない肉食魚を具現化する。
この魚に喰われても痛みも無く血も出ない為、魚が消滅するまではどれだけ全身を喰い尽くされても絶対に死ぬことができないという悪趣味な能力。


  • 瞬間移動能力
名称は不明。ノブナガを瞬間移動させ、旅団の決裂を防いだ。


  • 不思議で便利な大風呂敷(ファンファンクロス)
作中で隠獣の一人「梟」から盗んだ、包んだ対象を縮小する風呂敷を具現化する能力。
運搬や捕獲に使用する。


  • 天使の自動筆記(ラブリーゴーストライター)
作中でネオン=ノストラードから盗んだ能力。詩の形式の自動書記で未来予知を行う。
この詩は旅団の行動に大きな影響を与える事になった。
暗黒大陸編の時点で「いつの間にか使えなくなっていた」とのこと。
「団長の本ってデスノートみたいですね?」


  • 番いの破壊者(サンアンドムーン)
故郷の流星街の長老から手に入れたという念能力。
左手で「太陽(プラス)」の刻印を押し、右手で「(マイナス)」の刻印を押すことで発動。刻まれた2つの刻印が触れ合った瞬間爆発する。
流星街にまつわるトラブルの、「流星街の死者が爆発した」という事件はこの能力によるもの。
刻印自体は一瞬で押せるが、爆発の威力は刻印を押す際に手を触れていた時間に比例する。威力を最大にするためには対象者に3~5秒程触れ続ける必要がある。
最大威力になると、爆弾化した対象の傍に居る人間さえも粉々に吹き飛ばせる。

現在では死者の念と化しており、一度刻印を刻まれてしまうと、本を閉じようが消そうが爆発するまで刻印が消える事は無い。
この特性は、「念能力で生成した物体に刻印した場合、生成した能力の方を能力解除しても物体が消えなくなる」という副次的な作用をもたらした。
刻印だけなら片手(左手)で可能であり、両手を使うギャラリーフェイクと併用した。

冨樫はネーミングを「ムーンアンドサン」と最後まで迷ったが、最終的に「サンアンドム~ン!」と叫んでみて感じがよかったのでこちらにした。ポケモンとは関係ない


  • 携帯する他人の運命(ブラックボイス)
仲間であるシャルナークが使用する操作系念能力。
使用している携帯とアンテナが使用条件に含まれているので、これもシャルから借りていた。
「一度に操れるのは2人まで」という能力の欠点をクロロにバラされてしまった。


  • 人間の証明(オーダースタンプ)
念で出来た印鑑を具現化し、印鑑を押した"人形”を自由に操作できる操作系念能力。陰影は漢字の「人」
生物や死体は操れないが、人間のコピーは操作可能。
『携帯する他人の運命』と比べ、操作可能な数は多い代償に余り複雑な命令は与えられないという違いがある。

人間をコピーした人形を操る場合、命令の受け付け方は人形によって個性(バラつき)が生じるのがネック。
特に「〇〇を『殺せ』」と命令すると 原型の人間の性格を強く反映し、非効率的な殺り方に拘ったり、最悪の場合命令無視(フリーズ)してしまう欠点がある。しかし、『壊せ』と命じた場合は何故か人形は一律に標的の首を身体から外そうと襲い掛かる。
この辺りはクロロ曰く「持ち主の心の闇」によるものらしい。
操られた人形の首を断つことで人形は機能停止しスタンプも消える。逆にいえば、スタンプが消えない限り、クロロの能力の片方はオーダースタンプで確定ということである。
操れる最大数は不明だが、一度に200体近い人形を操作する事が可能なのは確定している。


  • 神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)
団員であるコルトピが使用する具現化系念能力。
主に人間の人形(コピー)を作りだし、上記の『人間の証明』と組み合わせて使用している。
栞を使わずページを閉じてしまうと消えてしまうが、サンアンドムーンで刻印することで消えないようにしている。


  • 転校生(コンバートハンズ)
発動と同時にクロロの左右の掌にそれぞれ白黒反転した矢印のマークが描かれる。
手で他者に触れることで以下のような効果が発生する。
右手で触れる:触れた相手がクロロの姿に変化する
左手で触れる:クロロが触れた相手の姿に変化する。
両手で触れる:一瞬にして互いの姿が入れ替わる。
外見だけを変化させる能力なので人格が変化することはない。見分けるには本物のクロロの掌に矢印(マーク)が残るので、それを見ることで識別可能。


栞のテーマ(ダブルフェイス)


一人殺るに当たり使用する能力数新記録だ

誇りに思っていいよ

クラピカの念能力除念後、ヒソカとの決闘にて披露した、クロロ自身の開発した「盗賊の極意」サポート用の新たな念能力。
念で出来た栞を「盗賊の極意」に挟むことで、挟んだページに記録されている念能力を「盗賊の極意」を閉じた状態でも維持・使用できる。
これによって、両手を空けておくことが必要な能力を使用可能になった。
更に、栞を挟んだページの能力と開いたページの能力を併用することも可能。
ただし栞の枚数は1枚しかない。

この能力により『盗賊の極意』最大の欠点である「片手が使えなくなる」というデメリットを解消しただけでなく、
格闘戦での戦闘力の大幅な向上と『盗賊の極意』を用いた戦闘の応用性や戦略が格段に増した。

ヒソカ戦では、『神の左手悪魔の右手』で生産した人形に『番いの破壊者』を使って能力解除しても人形が残るようにして合間にひたすら量産しつつ、
『人間の証明』で操作し、合間に『転校生』で自分に姿を偽装した一般人を『携帯する他人の運命』で操って襲撃する、
といった使い方で3つ以上の能力を併用する戦いを見せている。


その代償として盗賊の極意に「厄介な制約」も増えたらしいのだが、その内容は不明である。
上記の内容もあくまでクロロがヒソカに説明したもののため、全て真実なのか、「説明」が制約なのか、どこまでが嘘なのかも不明。


■作中での活躍

ヨークシン編

オークションに出品される品物を全部盗むべく、団員を率いてヨークシンを襲撃。
しかし途中で旅団に復讐を誓う「鎖野郎」ことクラピカに狙われ、旅団一の特攻隊長ウボォーギンを失うことに。
宝は全部盗み終わるが、クラピカとの決着を付けることになる。

紆余曲折を経て、クラピカに「念能力を使えない」「団員とコンタクトを取れない」という2つの条件を課せられる。

グリードアイランド

その後、団員達は除念師を探してグリードアイランドに入った。

無事除念師は見つかりクラピカの念から解放された模様。その後ヒソカとは闘わず逃亡した。
彼にまつわる伏線は多数残されている為今後の再登場は大いに期待されている。
……が、蟻編終了後の現在も出る兆しは無い……


ビヨンド=ネテロ登場編

そして暗黒大陸篇に突入した2016年4月における連載再開により漸く出番が到来。

除念にも成功していたようで、新たな能力開発と共に盗んだ念能力の数も増大。
天空闘技場にて、クロロとのタイマンの殺し合いを待望していたヒソカ=モロウをついに排除すべく戦いを行うことになった。

「100%勝つ」ための万全の準備を整えたクロロは、彼の得意とする接近戦の間合いに入らないようにしつつ、
大勢の観客をためらいなく巻き込みながら、ヒソカの予想の数を遥かに上回る200体以上のヒソカに襲いかかる爆弾人形を駆使して、遂に彼の殺害に成功。

その後はカキン王族のお宝を奪うべく、旅団員と共に、暗黒大陸に向かうカキン帝国のB・W号に密航する計画を立てていた。

カキン帝国王位継承戦編

だが、ヒソカは死後の念を利用した「賭け」によって蘇生し、コルトピとシャルナークを惨殺。
クロロ自身はB・W号への潜入に成功するも、仲間の死を知り、「今にも誰か殺しそう」な顔で座り込むしかできなかった。

理由は不明だが、ヒソカもB・W号に乗っていると分かっているらしく、カキン帝国のお宝を奪う計画はとりあえず凍結し、幻影旅団の総力をあげ、カキンマフィアら相手に譲歩・協力してでも「ヒソカ一人を仕留める」ためにそれぞれ動いている。


■余談

  • 旧アニメ版のドラマCD
キャラ崩壊している。というか旅団の殆どの人がキャラ崩壊している。
  • 「No.201◆再会」の扉絵でボボボーボ・ボーボボ(133話)を読んでいた。
  • 暗黒大陸編でシズクに、「団長の本って、デスノートみたいですね」と言われる。(所謂、中の人ネタ。)



ウボォーさん、聞こえますか?

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最終更新:2024年04月18日 20:23
添付ファイル

*1 ちなみにhyde自身もアリーナ公演でクロロのコスプレを披露している

*2 この時クロロは2対1で戦いながらも念能力を盗もうとしながら戦っており本気では無かった