修羅の門

登録日 :2010/10/06(水) 19:09:49
更新日 : 2017/08/01 Tue 22:03:40
所要時間 :約 27 分で読めます






これが格闘コミックの頂点だ!

世界最強を目指す陸奥九十九の伝説が始まる!!



○概要

修羅の門とは、1987年から1996年まで月刊少年マガジンにて連載されていた漫画。

外伝として、歴代の陸奥圓明流の継承者がそれぞれの時代の格闘家・剣客と戦う「修羅の刻」も不定期で連載している。

2010年10月から、続編である「修羅の門 第弐門」が同誌にて連載され2015年7月に完結。

小学館から出ている「現代漫画博物館」にも収録されている。


○内容

架空の古武術「陸奥圓明流」の継承者、陸奥九十九が様々な格闘技が存在する現代において、「最強」であることを証明し、そして圓明流を自分の代で終わらせることを目指すというもの。

ぱっと聞くと「厨二格闘漫画」と思われるだろうが、活人拳に対するアンチテーゼとして主人公が殺人拳を扱う、現代において「最強」を目指している等、かなり生真面目な格闘漫画である。

ちなみに、本当はもっと長く続ける予定であったのだが、上記のテーマを理解してくれない読者からの反響があったため、
作者が著しく描く気力を削がれてしまい、長らく休載していた…という事情がある。
「修羅の門 第弐門」が開始されたのは、連載終了から実に14年が経過してからである。


○登場人物


◆陸奥九十九(むつ つくも)

主人公。1000年間不敗を誇る古武術「陸奥圓明流」を操る少年。
身長170cm・体重66kgと格闘家にしては小柄だが、軽トラの後輪を持ち上げる、プロサッカー選手のシュートを弾く等、凄まじい筋力と敏捷性を誇る。

掴みどころの無い性格だが、戦うことに対して非常にシビアな考えを持っている。
そもそも彼が表舞台に出て闘う理由は「陸奥圓明流を、俺の代で終わらせるため」。そして一族の悲願であり誇りである「不敗」を証明するためである。
また、強い相手ほどその全力を出させた上で戦うという、ある意味損な闘い方をする。そんな姿勢を周りの評として 「世界一の大馬鹿」
ツンデレ限定フラグ建築士の気がある(と言っても作品の性質上、数えるほどだが)

◆龍造寺舞子(りゅうぞうじ まいこ)

ヒロイン。神武館の館長の孫娘。もちろん自身も空手を学んでおり、女子部に限れば屈指の実力者。
最初は九十九に対してツンデレだった。しかし、彼が最強を目指すのを見守る覚悟をしてからは、 デレというよりもはや母親
美少女であり、料理が上手。また傷ついた九十九への手当ても手慣れたもので、流石は空手一家の娘である。
基本的には優しく常識もあるため、門下生には「お嬢さん」と呼ばれ慕われている。

◆毅場秀明(きば ひであき)

『修羅の門』における九十九の最初の対戦相手。
冒頭で噂されていた狂犬のような道場破りで、神武館に道場破りに現れる。
不意打ちや反則を躊躇わない戦いで館長代理の大原を倒すが、たまたま居合わせた九十九に敗北。
その後は物語からフェードアウトしたものの、『修羅の門 第弐門』でまさかの再登場。
覆面を被った謎の武術家【唵】として『兵(つわもの)』のリングに立つ。

正式な弟子ではないが不破現から不破圓明流を教わっており、不破圓明流の技を使うことが出来る。 *1
その為、修羅の門の作中世界はもとより、現実世界でもファンの間でその正体について様々な考察が成された。

前作の『修羅の門』では、最初の対戦相手ではあるものの、あくまでも九十九の強さを引き立てるためのかませ犬ポジションだったため *2
『修羅の門第弐門』の6話にて【唵】の正体が明かされた時は、読者の多くは九十九同様「……誰?」状態だった *3

だが、本人の努力のお陰か、或いは不破現が意外と師として優秀なのか、三年の間に見違えるほど力を上げており、 *4 前回は瞬殺された九十九と激闘を繰り広げる。
最終的に敗れ去ったものの、その努力と実力は九十九からも称賛された。

試合後は満足したのか、憑き物が落ちたような穏やかな顔で病院に入院中の不破現に挨拶した後、親のやっている町道場を継ぐため故郷へと帰って行った。

◆竜造寺徹心(りゅうぞうじ てっしん)

神武館空手の総帥で舞子の祖父。
「武神」の異名を持つ伝説の空手家。
モデルは大山倍達。
若い頃に九十九の祖父である陸奥信玄に敗れ、その闘いをきっかけに寸止めではなく実際に打ち合うフルコンタクト空手を提唱。
神武館空手を立ち上げ、「邪道」「ケンカ空手」とそしられながらも現在まで隆盛させた。
だが本人はあくまで一介の武人としての気概と、技量を持ち続けている。
また、伝説のプロレスラーであるフランク・クラウザーともガチの死闘を繰り広げ、勝利している。

かなり何でもアリなルールの大規模大会となる『全日本異種格闘技選手権』を主催し、自らも選手として闘う。
準決勝で不破北斗と対戦、相手が圓明流の遣い手であることを知らなかった不利もあり、圧倒されてしまう。
最後に自身の全てを賭け、「相手の攻撃より僅かに早く、全霊の右正拳を打ちこむ」ことを試みたが…。

大会後は弟子の海堂と共に山に篭り、海堂に自らの空手の全てを叩き込んだ。

『修羅の門 第弐門』では、大病を患い入院生活を送っていた。
医者からは余命2年と宣告されていたが、最終的に3年以上生き続け、凛子に付き添われながら九十九と海堂の再戦に立会い、闘いの決着を見届けると同時に息を引き取った。

◆竜造寺凛子(りゅうぞうじ りんこ)

徹心の実の娘にして、舞子の母。糸目が特徴的。
もちろん彼女も神武館空手を学んでおり、男子でも数少ない「徹心直伝の弟子」の一人。
そのため格闘技に関する観察眼や相手の力量を見抜く目は恐ろしく肥えており、下手な解説者顔負け…どころか、後述の飛田高明ですら初見では分らなかった凶器を見抜いたこともある。
空手の実力も女子では抜きんでており、舞子を相手にして「防具をつけない組み手」を常に行えるほど *5
これはつまり「舞子の攻撃を食らわずに見切れる、防げる」という、格段の実力差を持っている証なのだ *6


若いころは舞子に負けず劣らず可憐な美少女であったらしい。
作中では少なくても、彼女を巡って宍戸巌と徳光将という二人の男を虜にしている。
格闘家の男を身近に置いているためか、舞子とは違うベクトルで理解を示す、なかなかに怖い肝っ玉母ちゃん。
なお、徹心不在の神武館館長代理を務めているのは彼女である。

◆龍造寺 巌(りゅうぞうじ いわお)

凛子の夫で舞子の父。
徹心の一番弟子で若い頃は"神武館の鬼"と呼ばれていた。
師匠の徹心の一人娘である凛子と結婚して竜造寺家に婿入り。(旧姓宍戸)
現在は神武館空手のニュ-ヨ-ク支部長を務めている。
アリオス戦を控えた九十九のスパーリングパートナーを買って出たが、自分の中で眠っていた鬼が目覚めてしまい、九十九と練習ではなく真剣勝負を挑む。
九十九の左拳と肋骨をへし折るも虎砲の前に敗れる。
尚、神武館ブラジル支部長の徳光将とは空手家としてだけではなく、恋愛でも凛子を巡ってライバル関係だった。

◆海堂 晃(かいどう あきら)

神武館四天王の一人で神武館主催の空手大会の優勝者。
「舞い」とまで例えられる芸術的な体捌きと、左右の蹴りを瞬時に叩きこむためガード不可能な「双龍脚」を得意とする。
世界一クリーンな空手と称されながら、その気になればダーティーなこともできると徹心は評していた。
九十九との果し合いで、無空波を受けて敗れる。
ダメージが深く異種格闘技大会には出場しなかったが、大会後に師匠である龍造寺徹心と共に九十九との再戦に備えて山篭りを行う。

「修羅の門 第弐門」では九十九との再戦を賭けて片山 右京と闘い勝利。
「第弐門」のラスボスとして九十九との再戦を果たす。

◆陣雷浩一(じんらい こういち)

神武館四天王の一人で神武館主催の空手大会の準優勝者。
「修羅の門」屈指の萌えキャラで、同時に作中最初に九十九に本気を出させた実力者でもある。
得意技はローキックで、ただ立てただけのバットをへし折ることができるほど鋭い。
ラフファイトも辞さない激しいファイトスタイルから「ハリケーンソルジャー」「ローキックの鬼」の異名を持つ。
九十九との対戦で虎砲により敗北。
第三部アメリカ編以降はもっぱらテレビを通じて解説役に回っているが、格闘技の知識は意外なほど豊富で幅広い。

「修羅の門 第弐門」では海堂不在の全国大会で見事優勝を果たした模様。
アメリカの格闘団体TSFと「兵」とで繰り広げられるトーナメント戦「THE APEX」に選手として参戦するも、TSFの秘密兵器ジム・ライアンに敗れた。 かませ犬とか言うな!

◆増畑大志(ますはた だいし)

神武館四天王の一人。大会成績は三位。
札幌支部所属で「北の重戦車」と呼ばれている。
恵まれた体格とパワーを生かした攻撃を得意とする。
もっとも九十九には全く通用せず、最後はただの右ストレートで敗れた。 同じ重戦車でもイグナシオとはえらい違いだ

◆泉敏彦(いずみ としひこ)

神武館四天王の一人。大会成績は四位。
怪我のため同大会では四位だったが、実力は三位の増畑よりも高い。
広島支部所属で身の軽さから「鳥人泉」と呼ばれている。
その身の軽さを生かした空中戦と蹴り技を得意としており「飛燕連脚」「紫電三連脚」などの技を持つ。
ただし、パワーはあまりない。
九十九の四連脚で敗れた。

◆木村

神武館本部の指導員。大会成績は五位。
神武館の人間の中では最初に九十九と闘うが、居合わせた道場生と共に倒され、弧月から十字固め連携で敗れる。
その後は九十九のファンと化し本編のレギュラーメンバーとなる。
因みに神武館のメンバーの中でこのキャラのみ名前が無いのは、元はあったが作者が忘れてしまったとの事。

「修羅の門 第弐門」では本部を離れ、亀岡支部長を務めている。
自分と同じく一度九十九に敗れたにも関わらず再挑戦した毅場秀明に対しては思う所があったらしく試合後、毅場を称賛していた。
また「THE APEX」では陣雷のセコンドに就いていた。

◆不破北斗(ふわ ほくと)

第二部・全日本異種格闘技選手権編のラスボス。
陸奥の分家である不破の現当主。
顔の左側の額から顎にかけて、伯父である不破現につけられた傷がある。
九十九と同じ圓明流の使い手で、人を殺した経験こそなかったものの強さ・冷酷さは本物であり、
「殺人の経験さえ積めば、(圓明流過去の歴史の中でも)誰よりも圓明流らしい」と陸奥信玄に評されたほど。
天性の才能ゆえに圓明流習得の困難を実感できなかったらしく、 圓明流をメジャーにして門人を集めてビジネスとして成立させる夢を持っており、その手始めとして全日本異種格闘技選手権に出場した。
大会中は周りから注目されていなかったが、準決勝で神武館空手の総帥であり、この大会の主催者でもある竜造寺徹心を破り決勝に進出。
今大会のダークホースとなる。
トーナメント決勝では、九十九と死闘を演じ、不破圓明流オリジナルの必殺技「神威」をヒットさせ、一時は九十九を死の間際にまで追い込むが、死の淵から蘇った九十九に圓明流の奥義「四門 朱雀」を出され死亡した。

その遺体を見た毅場秀明は「第弐門」にて不破圓明流を習得して再登場した。
また「第弐門」にて、実は九十九とは結構近い親戚だったことが判明する。

◆片山 右京(かたやま うきょう)

実戦空手を謳う「鬼道館」所属の空手家。全日本鬼道杯大会優勝者。美貌と華麗なファイトスタイルから女性のファンが特に多く、「氷の貴公子」と呼ばれる。
鬼道館は実戦空手を謳うだけあって投げ技もOKなルールなのだが *7 、右京はこれを全否定している。
曰く「男同士が押し合いへし合いして、何が楽しいのです。勝負とは一瞬の中にこそ美学があるのですよ」とのこと。この発言からも分かるように、キザな面も持っている。
元々は空手など全くやっていなかったが、その状態ですら天性の素質と、狂気にも似た相手への酷薄さを持っていた。
たまたま因縁をつけたチンピラ二人 *8 を相手に一人は一発の蹴りで軽くノックアウトし、もう一人は ナイフを奪ってガチで殺しかけた過去がある。
鬼道館の館長が慌てて止めに入らなければ今頃は人殺しであっただろう。

その技の見切りは先述の海堂をして「自分より上」とはっきり言わしめるほど。
また、九十九に触発されて未完成だった必殺技「菩薩掌」を完成させており、その人体に対する破壊力は最早やりすぎの域。
(鬼道館館長曰く「手加減して打っても一生パンチドランカー」「右京が本気で人を打てば頭蓋が割れる」)
全日本異種格闘技選手権では準決勝で九十九と激闘を繰り広げ、最後は笑みを浮かべながらスローモーションの如く相手の攻撃を避け、コマ送りのように速く攻撃する「菩薩」の領域に達するも、
「修羅」のままその動きに追いつき追い越した九十九に敗れる。

「修羅の門 第弐門」でも登場。九十九への挑戦への締めとして、権利を賭け海堂と闘うも敗れた。

◆飛田高明(ひだ たかあき)

真日本プロレス協会所属のプロレスラー。
モデルは元プロレスラーの前田日明。
「プロレスの神様」フランク・クラウザ-の弟子。
日本プロレス界最強の男で"新格闘王"の異名を持つ。
見世物ではない格闘技としてのプロレスを提唱し、試合中に対戦相手に怪我をさせ謹慎処分を受けていた。
だが、プロレスの地上最強の証明の為に会社の反対を押し切って全日本異種格闘技選手権に出場。 *9
全日本異種格闘技選手権では準々決勝で九十九と対戦。
圧倒的なパワーとフランク・クラウザー直伝のサブミッションで九十九を追い詰めるも、九十九に龍破をくらい、敗退。
大会後、自分の理想とするプロレスをするため新格闘団体RWF(リアルレスリングフェデレーション)を旗揚げする。
以後は格闘家と団体の経営者という二束の草鞋を履きつつ、第四部ヴァーリトゥード編では解説者を務める。

「修羅の門 第弐門」では初代「兵」王者として活躍していたが、「皇帝」ミカエル・ビーゴルストとの対戦で膝を痛め現役を引退。
「兵」のアドバイザー兼解説者を務めつつ、総合格闘技の普及や宮本翔馬など後進の育成に力を注いでいたが、九十九と再戦するためにカムバック。
アメリカの格闘団体TSFと「兵」とで繰り広げられるトーナメント戦「THE APEX」に選手として参戦した。
「THE APEX」では一回戦でTSF前チャンピオンのニコライ・ペドロフを破るも、続く二回戦で姜子牙に膝を完全に破壊されEXラウンドに入る前に試合を棄権。
これを最後に完全に現役を退いた。

◆羽山悟(はやま さとる)

日本シュ-トボクシング連盟ライガ-ジム所属。
モデルは格闘家の佐山聡。
次代のシュートボクシングの星。
実力では既にシュートボクシングの創始者兼スター選手である師匠のライガー剛よりも強いと噂されている。
全日本異種格闘技選手権出場し、第二回戦で九十九と対戦。
大恩あるライガー剛率いるシュートボクシングの発展のために負けられない戦いに、グローブを外して挑む。
実は羽山はパンチを最も得意としており、デビュー戦は右フック一発で、対戦相手を再起不能にしてしまったほどだったのだ。
「言い訳のできない全力を出し」九十九と闘うも、最終的には雷をくらい、敗退。
九十九をして「羽山悟は獅子だからだ」「だから雷を使った」と言わしめるなど、手強い敵として敬意を表された。
大会後、ハワイで力試しにボクシングを試みるが、アリオス・キルレインに惨敗を喫する。
その試合を観戦していた九十九にアリオスとの対決を決意させた。
以降はフェードアウトしてしまい、物語には絡んでこない。

◆竹海直人(たけみ なおと)

オ-ルジャパンキックボクシング協会、大崎ジム所属。
ストイックな性格で"キックボクシング界の宮本武蔵"の異名を持つ。
また、元ムエタイチャンプの強豪相手に勝利し「ラジャダムナンの奇跡」を起こした男としても有名。
全力の境地に入るときは、普段とは打って変わって笑みを浮かべる。
全日本異種格闘技選手権に出場し、1回戦で九十九に敗退。
この大会を最後に引退し、トレーナーとして後進の指導に当たっている。
引退後もその実力は健在で、若手のホープを手加減したローキック1発で沈めてしまうほどなのだが、
「自分にはもう燃えるものがありません」「真剣勝負は(陸奥と)やりましたから」と、最後まで復帰することはなかった。

◆フランク・クラウザ-

「プロレスの神様」の異名を持つ伝説のプロレスラー。
モデルはやはり「プロレスの神様」の異名で知られるカール・ゴッチ。
飛田高明の師匠で、かつてアメリカのプロレス界で無敗を誇った男。
若い頃に神武館空手の創始者である竜造寺徹心と闘い敗北。
この敗北を切っ掛けに、見世物ではない格闘技としてのプロレスを目指すようになる。
プロレスのショー的な要素を排除し、強さを追い求め続けたため、プロモーターに敬遠されプロレス界でも異端視された。
その為チャンピオンに成ることは無かったが、その実力から現在でもプロレス界では一目置かれている模様。
「修羅の門」では全日本異種格闘技選手権に出場した飛田の応援のため日本に駆けつけ、リングサイドで弟子の試合を見守っていた。
第三部アメリカ編ではアリオス・キルレインと戦うためアメリカに渡った九十九を友人のボクシングトレーナーであるテディ・ビンセントと引き合わせる。
また試合ではテディと共に九十九のセコンドにつくなど、様々なバックアップを行った。

「修羅の門 第弐門」では「THE APEX」に出場する飛田の応援のためテディと共に来日。
飛田の引退試合を見届けた。

◆陸奥信玄(しんげん)

九十九の祖父。
和服と杖代わりの太刀、閉じた左目が特徴。
若いころに竜造寺徹心と戦い、勝利している。
左目を閉じているのは、九十九に抉られたため。
九十九の道着は彼の手製。

◆陸奥冬弥(とうや)

九十九の兄。
技は優れていたが、優しい性格のため陸奥を継げないと自覚していた。
どうやら父の血が濃すぎたらしい。
また母親に似て体もやや弱かったようだ。
陸奥の名を賭けて九十九と戦い、「岩颪」を食らって死去。
早くから九十九の素質を見抜いており、殺人の経験のために自身の命を差し出し、陸奥継承者とは別の意味で修羅の道を歩んだ。
彼の死は後々まで九十九に多大な影響を与えた。


◆アリオス・キルレイン

第三部アメリカ編のラスボス。
「ブラックライトニング」「ザ・マシーン」の異名を持つ天才ボクサー。
アメリカのボクシング界で伝説のトレーナーと呼ばれていたエザード・ロスの最後の弟子(ラスト・サン)
少年期は貧しい境遇にいたがエザードにボクシングの才能を見いだされ彼の養子になる。
エザードの死後、彼の夢を叶えるべく悪辣なプロモーターと組み、世界ヘヴィ級王座統一トーナメントに出場。
トーナメントの決勝戦で九十九と対戦するも敗北した。

「修羅の門 第弐門」ではボクシング世界ヘヴィ級チャンピオンになっている模様。

◆エザード・ロス

アリオス・キルレインのトレーナーで養父。
モデルはカス・ダマト。
第三部アメリカ編の時点で既に故人。
フロイド・アームストロング、ロッキー・マントル、ホセ・カルネラの3人の偉大なチャンピオンを世に送り出し、アメリカのボクシング界で伝説のトレーナーと呼ばれていた。
ホセ・カルネラの引退後は一時ボクシング界から離れるも、アリオスと出会い彼を史上最強のチャンピオンに育てるべく自分の養子にし、ボクシングの英才教育を施す。
だが、体調の悪化からアリオスがチャンピオンになった姿を見ることなく、病没。

◆ホセ・カルネラ

エザ-ド・ロスの弟子で彼が育てた3人の偉大なヘヴィ級チャンピオンの一人。
モデルはホセ・トーレス。
後述のマイケル・ア-ロンとの試合に敗れ現役を引退。
世界ヘヴィ級王座統一トーナメントの決勝ではアリオスのセコンドに付く。

◆マイケル・ア-ロン

WBCヘヴィ級世界チャンピオン。
「鉄人」「キング・オブ・キングス」の異名を持つ最強のボクサー。
戦歴35戦無敗、KO率97%。得意技はスマッシュ。
かつてホセ・カルネラにKO勝ちして20歳3ヶ月の最年少記録でチャンピオンベルトを奪取し、エザード・ロスを一時引退に追い込んだ男。
その実力は歴代の世界ヘヴィ級チャンピオンの中でも最強と言われており、世界ヘヴィ級王座統一トーナメントの下馬評でもアリオスを抑え優勝候補№1とされていた。
本編では世界ヘヴィ級統一ト-ナメントの出場選手に選ばれ、二回戦(準決勝)にて九十九と対戦するも、獅子吼により腕を折られ戦意を喪失。
そのまま立ち上がることなくKO負けした。
勝負では何が起こるか分からないと油断しない考えと、そのテクニックやパワーは王者と呼ぶに相応しいものではあったが、彼がリングに上がる目的は金銭のためであり、九十九やローマンのように純粋に戦うためではなく、あくまでも生活の手段としてリングに立っている。
その為九十九には「強いけど怖くはない」と評されており、修羅である九十九と戦うには何かが足りなかったのだろう。

◆ジャ-ジィ・ロ-マン

"ザ・ロードバック"の異名を持つベテランボクサー。通算53勝2敗、復帰後の戦績は20戦20勝20KO。
元はボクシングの世界チャンピオンだったが、交通事故で家族を失い、ボクシングから離れ樵として生活を送っていた。が、神の声を聞きリングに復帰。
復帰後は世界ヘヴィ級4位まで上り詰め、『世界ヘヴィ級王座統一トーナメント』の出場選手に選ばれる。
スピードは遅いが強い信仰心からくるタフネスと相手の攻撃を読み切る目で九十九を苦戦させる *10
世界ヘヴィ級統一トーナメントに出場者し、1回戦で九十九に敗退。
黒人層からの人気が高く、後にアメリカのマスコミが九十九がローマンをバカにしたという発言を捏造したことが一因になって暴動が起きるほどであった。

◆アナクレト・ムガビ

IWF世界ヘヴィ級10位。異名は"アフリカの星"。
世界ヘヴィ級王座統一トーナメントの二回戦(準決勝)でアリオスと対戦。
脅威のリーチと変則的なパンチで終始優位に立つが、アリオスのライトニングストレートによりKO負け。
試合後頚骨粉砕骨折により死亡が確認される。

◆リック・ガンフォード

世界ヘヴィ級王座統一トーナメント出場選手に選ばれたボクサーの一人。
ノーランカーながら10戦10KOという高い戦績を収めており「ホワイトホープ」と呼ばれている。
名門出身の白人で、知勇兼備のエリートだが、傲慢そのものな人種差別主義者 *11
父親がベトナム戦争に出征していてベトコンに殺されたことからアジア人に対し強い恨みを抱き、九十九のことも「不意打ちしかできないサル」とまで公言していた。
本来なら世界ヘヴィ級王座統一トーナメントの初戦においてローマンと戦うはずだったが、突如トーナメント出場が決まった九十九のため急遽特別予選の対戦相手となり、九十九に本気を出させることも出来ないまま浮嶽で顎を砕かれた。
事実上のKO負けであるが、諸事情からこの試合はノーコンテスト扱いになっている。

◆テディ・ビンセント

九十九のトレ-ナ-で「何も教えない男」という異名を持つ。かつては5人の世界チャンプを育てた。
モデルはエディ・タウンゼント。
エザード・ロスとは友人でありライバル関係だったが、ホセ・カルネラとの試合で教え子のボクサーが死亡してしまい、それを切っ掛けにトレーナーを引退しボクシング界から離れた。
だが、友人であるフランク・クラウザ-に九十九を紹介された事でトレーナーに復帰。
九十九のトレーナーを務める。
九十九も彼のやり方を気に入ったようで、「(彼と一緒に圓明流の稽古をしていると)たのしいよ…」と、珍しい心境を吐露していた。

「修羅の門 第弐門」ではケンシン・マエダとの戦いで重傷を負った九十九をアメリカの病院に入院させケガが治るまで面倒を見ていた模様。
その為九十九からは知り合いではなく恩人と思われており、彼の方も九十九を「ボーイ」や「マイ・サン」と呼んで気にかけている。
本編では「THE APEX」に出場する九十九の応援のためフランク・クラウザ-と共に来日。
九十九に整体術を施すなど陰ながら手助けを行った。

◆ボブ・キング

アメリカボクシング界の大物プロモーター。
モデルはドン・キング。
アメリカボクシング界の実力者だが、強引なやり口と悪辣さでボクシング関係者からの評判は悪く、エザ-ド・ロスからは毛嫌いされていた。
エザードの死後、アリオスと手を組み世界ヘヴィ級王座統一トーナメントを開催した。

◆ジルコォ-・マッイイツォ

ネイティブアメリカンの部族、ネズ・パ-ス族の男。
ジルコォ-・マッイイツォという名は、代々ネズ・パ-ス族の族長が受け継ぐ名で、本名はジェームズ。
ナイフ術の使い手で、百年以上前に祖先を救ってくれた「ムツ」との約束を果たしに九十九の前に現れる。
世界ヘヴィ級王座統一トーナメント後も九十九に付いてくる。
最初は邪険にしていた九十九も、余りのしつこさに最後には折れ同行を許す。

◆ニルチッイ

ネズ・パース族の長老。
本作の外伝である「修羅の刻」第三部・アメリカ西部編のヒロインでもあり「修羅の刻」4巻では彼女の少女時代が描かれている。
陸奥雷と交わした「生きろ」という約束を130歳になった現在でも守っており、かつてネズ・パース族を救った「ムツ・アズマ」の伝説を人々に伝えている。
世界ヘヴィ級王座統一トーナメント後、彼女に会いに来た九十九に看取られながら死亡。
死後ようやく陸奥雷と再会できた模様。

◆エドワ-ド・ヒュ-ズ

アメリカ経済を影で支配する大富豪。
彼の孫を助けた縁により、九十九は世界ヘヴィ級統一ト-ナメントに出場できることになる。

◆フロ-レンス・ヒュ-ズ

エドワ-ド・ヒュ-ズの孫。
誘拐されそうになった所を九十九に助けられホットドッグをおごってもらう。
心臓を患っており、その為甘やかされて育ったせいか我侭で生意気な性格。
彼女を助けた縁で九十九は世界ヘヴィ級統一ト-ナメントに出場できることになる。
屈折した形で九十九に惚れており、第三部における舞子の恋敵。
だが、「修羅の花嫁になれる」と母親に評された舞子には及ばなかった。

◆レオン・グラシエーロ

第四部 ヴァーリトゥード編のラスボス。
グラシエーロ家の長男で、前田光世の技の流れを汲むグラシエーロ柔術最強の男。
かつてブラジルの異種格闘技戦では無敗の王者だったが、試合中に相手を殺してしまい、引退。
本人は「相手が強かったから情け容赦なくなってしまった」と弁明していたが、実は心中に「悪魔(ディアーボ)」を持ち、
本当の理由は「本気で人を殺すための技を掛けたかった」というもの。彼もまた修羅を持つ。
貧民街で神父をしながら子どもに柔術を教えていたが、陸奥九十九との出会いで闘志を目覚めさせる。
ヴァーリトゥード大会の決勝で九十九と対戦。
激闘を繰り広げるも「四門 玄武」によって敗れ、その後治療の甲斐なく死亡した。
彼の死は当時の読者には相当ショックだったらしく、作者に対して読者からの非難が殺到したため、作者が著しく描く気力を削がれてしまい、以後「修羅の門」は長らく休載することになる。

◆ラモン・グラシエーロ

グラシエーロ家の次男。レオンの弟。
モデルはホイス・グレイシー。
グラシエーロ柔術の使い手でグラシエーロ柔術の無差別級チャンピオン。
兄のレオンが引退して以降はグラシエーロ柔術のエースとして活躍しており、飛田が主催する格闘団体RWFのアメリカ大会に出場。
RWFの有力選手・ハーディングを破って優勝し、格闘界にその名を知らしめた。
寝技のテクニックと相手の10手先まで読む力で詰将棋のような理詰めの試合展開を得意とする。
ヴァーリ・トゥード大会では準々決勝で神武館のイグナシオ・ダ・シルバと対戦。
イグナシオの圧倒的なパワーの前に自分の技が一切通用しない事に恐怖し、心が折れ敗北した。
その試合を見た後述のビクトルからは「グラシエーロ柔術が優秀すぎたために、恐怖を知らな過ぎた」と評され、柔術家として見限られてしまった。

◆ビクトル・グラシエーロ

レオンとラモンの祖父でグラシエーロ柔術の創始者。
モデルはエリオ・グレイシー。
コンデ・コマこと前田光世の弟子で、若い頃に前田光世から直々に柔術を学び、グラシエーロ柔術を作り上げた。
老人となった現在もグラシエーロ家の大御所として、レオンとラモンの父である息子のミゲールと共に、グラシエーロ柔術とヴァーリ・トゥード大会を取り仕切っている。
自らの柔術について、「コマから柔術は習ったが、その業・理想は正確には受け継いでいない」と語っている。
ただ、自分の孫を殺害した九十九にレオンと最後まで全力で戦ってくれた事に礼を言い。
「陸奥と戦うことなく百歳まで生きるより、戦って死んだ方が幸せだったと信じている」と述べるなどその精神は十分修羅の側に立っている。

◆イグナシオ・ダ・シルバ

神武館ブラジル支部所属の空手家で南米チャンピオン。"重戦車"の異名を持つ。
師匠である徳光の影響からか日本語が話せる。(標準語じゃなくて関西弁だけど)
明るく剽軽な性格で、漫才コンビのように師匠のボケに毎回ツッコミを入れている。が、師匠の徳光を心の底では深く尊敬している。 たぶん
元はサッカー選手だったが、当時は背が低く痩せた体格だった上に、所属チームも弱小だったことなどから、その才能を認められず、審判の贔屓判定で試合に敗北。
試合後、グラウンドの隅で悔しさに泣いていたところを徳光にスカウトされ空手に転向する。
陸奥と戦った相手の中で初めて彼を完全に上回るパワーを有していた人物。
その巨体と桁外れなバネから繰り出されるパワーは圧倒的で、初戦ではボクサーを正拳の一撃で沈め、準々決勝ではグラシエーロ柔術の使い手であるラモン・グラシエーロを力で圧倒した。
これだけだと単純なパワーファイターに思えるが、その正体は海堂晃や片山右京さえも上回る格闘センスを持つ天才空手家。
海堂晃の必殺技である双竜脚も使うことができ、圧倒的なパワーと師匠である徳光譲りの魔術を駆使し九十九を追い詰めた。
特筆すべきは強靭な足腰とバランス感覚で、九十九が本気で投げにいっても投げる事が出来なかったほど。
これは「空手は立ってやるもの、寝技は他の格闘技に任せればいい」という徳光の教えを忠実に守っているため。
九十九からどんな投げ技・関節技をかけられても倒れず、最後は立ったまま締め落とされた。

◆ジョニー・ハリス

ヴァーリー・トゥード大会に参加したベテランプロレスラー。破壊王(キング・オブ・デストロイ)という異名を持つ。
年齢も38歳と若干高く、身長がある訳でもないが、ボディビルダーも真っ青な筋肉の鎧からくる異常なタフネスと、完全に極まった寝技を強引にはね返す程の圧倒的パワーを持つ。
腕ひしぎ十字固めを行った体重100㎏のロブ・クーマンを意図も簡単に片腕で持ち上げ、アキレス腱固めをしたレオンを片足で持ち上げるなど単純な力では恐らく作中最強。
まだ新米レスラーだった頃にフランク・クラウザーと戦ったことがあり、クラウザーから「あれほどのパワーを持った選手は見たことがない」とまで評されている。
クラウザーとの試合では、パワーをテクニックで封じられ敗れるも、なおパワーを追求することを目指した。
プロレスラーであることに強い誇りを持っており、「弱い奴はプロレスラーじゃない。ただのショーマンだ」と放言し、自分こそが世界で唯一の本物のプロレスラーだと称している。
ただ反撃の際にやりすぎてしばしば相手レスラーを壊してしまうため、現在はプロレス業界からは干されている模様。
最初は相手に攻撃させ危機に陥ったところで一発逆転することが最も客に受けると考え、異種格闘技戦においても自分の信条とする相手の攻撃を一通り受けてからパワーボムやラリアットなどの大技で反撃するプロレス的な戦いを実践し、しかもそれでいて準決勝まで危なげなく勝ち上がってきた。
準決勝でレオン・グラシエーロと対戦、圧倒的なパワーでレオンを追い込むが、「悪魔」を目覚めさせたレオンの首折りによって重傷を負い、最後はマウントポジションからの殴打の連続を受け敗北した。
それでも苦し紛れに握りしめたレオンの腕にヒビを入れており、「ルッダ・リーブリ…いや、プロレスラーの、意地の跡です」と、己の誇りを認めさせていた。

◆ブラッド・ウェガリー

アメリカ国籍の元傭兵で、賞金目当てでヴァーリー・トゥード大会に参加。
抽選会の際、グラシエーロ家に有利なトーナメントの組合せに抗議し、試合ごとに抽選を行うというシステムを提案、グラシエーロ側に受け入れさせた。
格闘技術は高く、非常に鋭い危機察知能力を持っている一方、反則技はおろか暗器すら使用するなど、勝つためには手段を選ばない人物。
一回戦では既に失神した相手にとどめをさし、二回戦では対戦相手の目に指先を突っ込んで投げてギブアップを誘うなどの戦場仕込みのえげつないファイトスタイルが特徴。
準々決勝で九十九と対戦し、正々堂々試合をすると見せかけての暗器攻撃で九十九の右目の視力を奪うが、圓明流本来の戦い方に切り替えた九十九によって、傭兵の戦いを上回る陸奥のえげつなさを思い知らされ、左目を抉られ敗れ去った。
残忍で金にがめつい人物だが、どこか憎めない性格をしており、大会後10万ドルの報酬でコロンビアに向かう九十九の案内役を買って出る。
もっとも、続編の「修羅の門 第弐門」によるとコロンビアでケンシン・マエダに出会う直前に金を持ち逃げしたらしい。

◆南洋竜(なんようりゅう) / サレバ・ペニタニ

サモア系人種の元大相撲力士。最高位は十両。
得意技はぶちかましで、レスリングの経験もある。
将来の横綱候補と謳われながら日本の文化に馴染めず、「スモウはケンカだ」と放言し2ヵ月前に力士を廃業。
ヴァーリ・トゥード大会に参戦し、二回戦で九十九と対戦。
相撲対決で土をつけられて本気にさせられた後、斧鉞によって倒された。
名前は、小錦(六代)と武蔵丸のそれぞれの旧名から、四股名は南海龍から取られている。

◆リカルド・マジーニョ

地元ブラジル出身のカポエラ使い。
自称・最強のカポエラ使いで、地元ブラジル出身の選手としては、優勝候補の有名選手を除いて唯一大会に参加している。
一回戦で九十九と対戦し、空中戦の末「旋」の直撃を受けKOされた。

◆ヤン・グーリッド

オランダ出身のキックボクサー。
オランダのケンカ王の異名を持ち、ラフファイトが目立つが、その実力は高い。
二回戦でラモン・グラシエーロと対戦。
打撃を完全に封じられて寝技に持ち込まれ、ギブアップに見せかけたブラフも通じず完敗した。
なお、ラモン戦が単行本に掲載された際、本連載時にはなかった試合開始直後のタックルを巡る応酬が6ページ分加筆されている。

◆ペーター・ベルカンプ

オランダ出身の柔道家だが空手も習っているため打撃もこなせる。
モデルはビターゼ・タリエル。
優勝候補の1人だったが、準々決勝でレオンの練習台にさせられあっけなく敗北。
有名な格闘家で飛田をも唸らせた程の人物だったが、結局はレオンの実力を証明するためのかませ犬にされてしまう。

◆アニータ

サンパウロのスラム街であるファベーラに住む少女。
盗みをして生計を立てており、柔術を教えてくれたレオンを慕っていた。

◆徳光 将(とくみつ まさる)

神武館ブラジル支部長。
イグナシオ・ダ・シルバの師匠で竜造寺徹心の直弟子。
関西人らしく金にちょっと汚く、熱烈な阪神ファン。
若い頃は道場破りとの対戦役を命じられており、小太りで丸眼鏡をかけている外見から「ナニワの信楽焼」、その独特のテクニックから「魔術師」と呼ばれていた。
かつては凛子に想いを寄せていたらしく、神武館ニューヨーク支部長の龍造寺 巌とは、空手だけでなく恋愛でもライバルだった。
相手の力量を見抜く目は超一流で、勝てると確信できた戦いしかしない主義。
本人が言うには凛子の望みで巌と立ち合った時以外は負けたことがないらしい。
そんな彼が宍戸巌と戦ったのは「お嬢さん(凛子)をあきらめるためと、彼女が見たいと言ったから」と回想されている。

ちなみに『修羅の門異伝 ふでかげ』の主人公・小早川拳将は彼の甥(妹の息子)。

○あらすじ

第一部
九十九が祖父の真玄に言われ、実践空手の総本山である神武館へ喧嘩を吹っかけに行く所から始まる。
全国大会の上位者、陣雷浩一・海堂晃達と戦う。

第二部
神武館との戦いの後、九十九は様々な格闘技の道場破りを始める。
それに触発された神武館館長の竜造寺徹心が全日本異種格闘技選手権の開催を宣言。大会に参加した各界のエースと戦うことになる。
プロレスの飛田高明、シュートボクシングの羽山悟、空手道場の鬼道館から片山右京等が登場し、九十九と死闘を繰り広げた。

第三部
大会の後に姿を消した九十九はアメリカのプロボクサー、アリオス・キルレインと戦う為に人知れずアメリカに渡っていた。しかし、戦う為には日米間の摩擦等の様々な障害が待ち受けていた。
このアメリカ編では先に述べたように、当時存在した日米間の貿易摩擦に始まる日本人差別・倫理観の違い等も題材にしている。

第四部
前田光代の業を継ぐ者と戦う為に今度はブラジルへ渡った九十九。
そこで前田の技の流れを汲むグラシエーロ家の存在を知り、戦いを挑むためヴァーリトゥード(ポルトガル語で何でもありの意味)に参加する。

第弐門
前田光代の業を継ぐ者であるケンシン・マエダとの一戦の為に九十九がコロンビアの紛争地帯に向かってから約3年。
九十九は一切の消息を絶ち、周囲も安否すら確かめられないままに月日を過ごしていた。
新しい世代の格闘家達や大会が現れ、九十九の名を知る者も限られる様になっていた。
そんな中、日本で開催されていた総合格闘技大会「兵(つわもの)」に圓明流の技を使う覆面格闘家【唵】が登場、
九十九の再来ではないかとの噂が立つ。
舞子達は唵が九十九ではないと感じながらも確信を持てず、唵とプロレスラー宮本翔馬の試合観戦に向かう。
宮本の入場コールにもかかわらず、唵に似た覆面の選手が入場してくるが、
その正体は宮本ではなく、山田という正体不明の男性の暗躍により現れた九十九であった。


○余談

実在の格闘家をモチーフにしているキャラクターもいる。
アリオス・キルレイン:マイク・タイソン
グラシエーロ家:グレイシー一族(ただし、作者はグレイシー一族が格闘技界で話題になる前から、その存在を知っており、登場させるつもりだった)


○ゲーム化

メガドライブ、プレステでそれぞれゲーム化された。

メガドライブ版はアドベンチャーゲームとして発売され、原作が攻略本と呼ばれるほど原作に沿った内容となっている。
しかし、原作ファンからの評価はなかなか高い。

プレイステーション版は当時流行りの3D格闘ゲームとして発売された。
こちらはファミ通レビューで40点満点中12点と評価され、現在まで歴代最低記録タイの点数を出されたことで知られる。
なお、このレビューは一人10点所持の中で、レビュアーの一人である乱舞吉田が実質最低点数(基本3点以下はめったに付かない)となる2点を付けた。
その乱舞吉田の「超ヤバイ!!本当に完成品か?」を始めとして、有名商業誌の文章とは思えないワードが飛び交う内容となった。




アニヲタwiki3年の歴史の中で…消滅の二文字はないよ

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