ナイトメアポリス

登録日:2009/12/25 (金) 00:01:14
更新日:2023/12/25 Mon 10:27:00
所要時間:約 5 分で読めます






あの時 捕まえ損ねたイレギュラーハンターが
これほどの能力を 持っていたとは……
いでよ、ヴァジュリーラ!マンダレーラ!

概要

ナイトメアポリスとは『ロックマンX3』に登場する組織である。ヴァジュリーラFFとマンダレーラBBの二体により構成される。
名前はそれぞれ仏教(厳密には密教)用語から取られている。だからなのか、二体ともどこか和風なデザイン。
海外版では元ネタが伝わりにくいからか、ヴァジュリーラが『Bit』マンダレーラが『Byte』というやや味気ない名前に変更されている。

それぞれ世界中の優れたレプリロイドを参考に、ドッペルタウンの警備レプリロイドとしてドップラーが開発した。
ドップラーの命令によりエックスを捕獲するため、各地に送り込まれる。

ゲームではボスを2体以上倒すと動き出し、ステージの中間にあるボス部屋にランダムで現れ戦うことになる。
しかも、前作のカウンターハンターと違い、ほぼ強制的に戦闘するハメになるため非常にたちが悪い。
どちらも(特にヴァジュリーラは)人によっては8大ボスよりも手強いぐらいのため、初見殺しになることうけあいだったり。

部屋に入った時、出現するかどうかは運次第なため、8ステージ回ってもヴァジュリーラとしか遭遇しないなどといった可能性もあり得る。
とは言え多くのプレイヤーは3~4ステージ目でヴァジュリーラ、6~7ステージ目でマンダレーラ出現という展開が多いようなので、全く会わずじまいという事はまず考えにくいが。
またボスを弱点順に辿る場合、バッファリオ→シーフォース→マサイダー…というルートか、マサイダー→ナマズロス→シュリンプァー…というルートなら、最短3ステージ目でも出現したナイトメアポリスと戦う時点でそれぞれの弱点武器を確保しておける。
ステージにフットパーツが置いてあるバッファリオ、アイテム回収に便利な武器を持つマサイダー共に序盤攻略に最適なステージであり、セオリー通り攻略するなら意識せずとも弱点武器は使えるはずである。



ヴァジュリーラFF

パワー:9400rp
スピード:18000rp

黄色いボディに銅鐸型の盾、額には勾玉、飛鳥文化の人みたいな髪型という奇抜な外見のレプリロイド。
手に持ったビームブレード(上記の銅鐸型の盾だという説もあり。だが後述の漫画版では光剣だった)を構えての突進、こちらを追跡するエネルギー弾、
敵を捕縛するリングなど多彩な武器とスピードを活かした戦法でエックスを苦しめる強敵。さらにHPが減ると発狂モードに入り弾やリングが2発ずつになる。

ドップラーから「なるべく生け捕りでな」と捕縛命令が出てるくせに「はかせのめいれいだ きえてもらう」とか殺る気満々でかかってくる困った奴。話聞いとんのか。
ゆくえふめいになっていたマックだって最初から「悪いがおまえを捕獲する」とエックスを生け捕りで済ませているというのに、困ったちゃんである。
でも忠実な部下(笑)なんだそうな。

弱点武器はフロストシールドとトライアードサンダー。
ただし、どちらも当てるタイミングに癖があるため、バスターの方が戦いやすい場合もある。
トライアードサンダーならば壁蹴りしつつ待って突進してきた所に当て、フロストシールドならば剣で弾かれないよう、突進してくるヴァジュリーラの下半身を掠めるように「置いておく」使い方、もしくは単純に接近戦で当てていく使い方になる。

弱点武器で倒すと、「このレプリロイドの特殊能力は……まさか…あの……」と意味深な台詞を言い残す。武器可変システムの事を指しているなら、ロックマンを知っていたのだろうか?
名前の由来は金剛杵(こんごうしょ)の梵名ヴァジュラ。

後の作品『ロックマンゼロ2』ではミュートスレプリロイドの一体、フェニック・マグマニオンの召喚する幻影として登場する。


マンダレーラBB

パワー:18800rp
スピード:8200rp

赤いボディにチョンマゲをした、力士モチーフの巨漢のレプリロイド。態度も武人然としている。
背中には蹄鉄のようなパーツを背負っている。
外見通りパワーを活かした突進攻撃&グルグルパンチの他に、肩から射出される磁力発生器によりこちらを引き寄せたところをぶん殴るというわりと姑息…否、合理的な戦法を得意とする。

見た目通り火力が高く、一発食らっただけで体力がごっそり減る。
しかもデカいので若干躱しづらく、さらに一度捕まってしまうとそのまま逃れきれずにボコボコにされやすい。
磁力弾も仕様を知らないと一方的にやられる。

…と、まぁなんか強そうな書き方をしたがいわゆる初見殺し特化なタイプであり、
磁力弾と突進 しか 使わないというワンパターンすぎる戦法が足を引っ張りあまり強いという扱いはされない。
「巨体で突進メインのルーチンワーク」という、この時点で倒した8ボス戦で散々見てきた攻撃パターンのせいで、序盤で戦う相方より対処はしやすい。
ここまでに倒してきたであろう弱ボス筆頭のバッファリオやマサイダーですらまだトラップで逃げ道を塞いだり急ブレーキを掛けて工夫してくるのに、こいつの行動パターンはどれだけ体力を減らしても最後の最後まで磁力弾と突進の繰り返し。
ヴァジュリーラのような発狂モードもないため、避け方が分かってしまう=そのままノーダメージで完封という残念な結果になりやすい。

しかも磁力弾には触れてもダメージがない上、これまで散々突進メインのボスと戦わされたせいで「壁蹴りDJ*1あるいは壁蹴りエアダッシュして後ろから攻撃」「ダッシュ壁蹴りでの待機」がデフォになってるプレイヤーは磁力弾の仕様に最後まで気づかないまま初見ノーダメで突破してしまう事すらある。

弱点武器はトルネードファングとレイスプラッシャー。
特にトルネードファングはゴリゴリ削れるため、初見で試しに撃ったトルネードファングがぶっ刺さってそのままあっさり昇天…という事態になりやすいのも攻略のしやすさに拍車を掛ける。

とは言え火力の高さだけはホンモノなので油断してると足元を掬われる。

名前の由来は曼荼羅(まんだら)


ゴッドカルマシーン・O・イナリー

パワー:22900rp
スピード:7200rp

ヴァジュリーラとマンダレーラが合体した姿。
8ステージクリアまでに2体のうち片方でも弱点でとどめを刺さなかった場合、ドップラーステージ1で戦うことになる。
変形し腹這いになったマンダレーラの胴体にヴァジュリーラの上半身が生えたような外見をしている。

なお、片方だけ生き残っている場合は、生き残った方が変身する形で登場するが、どの場合でもO・イナリーの性能は変わらない。「敵は一緒にとらせてもらう」と言っており、倒された方の残骸か予備パーツでも組み込んだのだろうか?

ビームブレードからの衝撃波、自由に飛び回ることができる腕でのロケットパンチやつかみ上げによって戦う。
弱点武器はレイスプラッシャーだが、パラスティックボムのチャージならほとんど放置でも撃破できる。
因みに行動にはほぼヴァジュリーラのパーツしか使っていない

名前の由来は(ゴッド)(カルマ)機械(マシン)稲荷神(おいなり) …ごった煮もいいところである。
しかも双方の長所が合わさり強化されているはずなのだが、見た目的には双方の長所を潰しあうようにして弱体化しているようにしか思えない。


……前振りはここまでにして本題に入ろう


漫画版では

ドップラーの命により各地を飛び回り、破壊活動やレプリロイドのイレギュラー化のために暗躍していた。
「一度でも「力」を求めた者は…必ず「力」の魔力に屈服するのだ」とホーネックをそそのかしたのもヴァジュリーラ本人である。

また、その体は自立回路を搭載したウィルスチップ『ワーム』で構成されている。

作中ではイレギュラーハンター支部を襲撃。
エックス不在の中、ゼロ、ホーネック、バッファリオ、マサイダー、タイガードの必死の攻撃を物ともしない圧倒的な強さを見せつける。

思えばこのあたりからすでに後々壊れ始める兆候があったのかもしれない…。
しかし、復活したエックスの底力を目の当たりにし、一時撤退を余儀なくされた。


さらにその後、エックスとゼロに挑戦状を叩きつけ、二人をおびき寄せる。
この時、ゼロの攻撃を受けて破損した箇所のワームがウネウネと蠢いているマンダレーラの姿はかなりトラウマものである。

ドップラーによってさらに強化されたボディはエックスとゼロの合体攻撃ですら傷一つ付けられず、二人はボロボロに痛めつけられた上で捕獲されてしまう。
時に12月24日午後6時、クリスマスイブの事であった。

そして12月25日、キリスト生誕を祝うはずの地球は絶望に包まれていた。
人類の希望エックスとゼロの公開処刑が行われようとしていたのだ。

マンダレーラは処刑場外の防衛を担当し、ヴァジュリーラは処刑台の見張りを兼ねて
エックスと同じ強度のレプリロイドを処刑台のドリルで粉砕する悪趣味なデモンストレーションの実況中継を ノリノリで行っていた

しかし、処刑台に磔にされた二人の前に我らがエックスの嫁ことマーティが救出のため単身乗り込んできた。

が、すかさずマーティを捕まえセクハラを開始するヴァジュリーラ。

「どこへ行くんだいお嬢さん?」

と、もがくマーティをネチネチいたぶり始める。
鬼畜である。
さらには

「私は 今はじめてレプリロイドであることに感謝しているさ
そう…メカニロイドとは違い 感情をもって造られたことにな
でなければ、絶望のドン底であがいている愚か者を見て 悦に入ることもできんからなぁ〜」

ド外道である。
そしてついに二人の処刑が執行されようとした瞬間



はひ ぁクリメ し//// ,,//ー、
っ ゃ│リぃぇ //// _r''´  :;:;:;l ̄/ ̄`ー、  _
は││っぃぇ (/// /  ;:;:;:;:∠∠_,     Y´  `ヽ
ぁ.││スぃぇ //// >_. ニ-´/⌒ヽ ヽヽ、 /´ ̄ ̄`ヽ}
│はスマぃ∫ |/  ヘ <_;:Y。y;:;ヽ゚_ソ;:;ゝゝ  i _-ー―-、}
│っ ぅ ぁ ∫ |/ / ', / ン´ `>┐r'/    ゝ-ー- ノ
│は !! ぁ   N /  ',/ /⌒ 7  ヒl | |    │l l│
っっ       \ /   .ハ |   |   _Y    r´ ̄ ̄`ヽ
―――――`⌒/    ハイ|    |  //     i ´ ̄ ̄ ̄`i
/////  /     ハ小    |、//     iー――-、ノ
///// ./_r-,-―'ハノ`丶┐Yレ_,-ー´ >-――←、
//// / ̄     -´ ̄ ̄ ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ヽ


彼が壊れた瞬間である。


だが悲しいかな。


ヴァジュリーラ…
レプリロイドに生まれたことを喜んでいたな…
けどな すぐにそれを後悔させてやるよ
レプリロイドゆえに感じる恐れでな

エックスの最期を見せつけようとマーティを破壊しなかったために、寸前でエックスへのパワーアップデータの受け渡しが成功していたのだ。

この後ナイトメアポリスの二人はパワーアップしたエックスによってスクラップ寸前にされた挙げ句、ドップラーによって捨て駒同然に扱われた上でO・イナリーへと変化させられてしまう。
マンダレーラは瀕死のヴァジュリーラを助けてくれるようドップラーに懇願していたり自我が失われる事に恐怖したり、意外に仲間思いで人間臭いヤツだったようだ。
ゲーム同様発狂したのはヴァジュリーラだけだった。

が、それも虚しくたった数コマの後にチャージバスター一撃で消し飛ばされてしまうのだった。
合掌。



このセリフは、漫画界におけるクリスマスを代表する迷台詞として今なお語り草になっており、作者の岩本佳浩先生も毎年クリスマスには書き下ろしのイラストを自身のHPに掲載してネタにしている。
作者としてはアイリスやマーティを描くよりヴァジュリーラを描く方が楽しいらしい。
復刊でのコメントで岩本先生は「あの頃の自分は何かにとり憑かれていたのでしょうか」と振り返っている。

そんな恒例行事も2013年を最後に終了することがHPで明らかとなった。
今までありがとう、僕らのヴァジュリーラ!


…と思ったら2014年も結局登場したよ!ダメよぉーダメダメ!のあの人を突き破って


そしてそれから数年間、作者やファンがSNS上で軽く話題にする以外に新規のネタは出てこなくなった。
……そう思われてたが……

2020年
ソーシャルゲーム『ロックマンX DiVE』において、12月末のアップデートで追加される新規プレイアブルキャラにおいて、クリスマスコスチュームのレヴィアタンと並び…

なんと、ヴァジュリーラFFの名前が連ねられていた!!
しかも、公式からのキャラ紹介で「クリスマスが大好きなレプリロイド』との煽り付き。
厳密にはクリスマスが大好きというよりもクリスマスに嬉しいことがあってハイになってたという方が正しいのは内緒

DiVEではネオアルカディア四天王など本編でNPCだったキャラがプレイアブル化しているが、本編で1作しか出ていない上に改心要素も無く、VAVAのような掘り下げようも無い終始悪役に徹したボスがプレイアブル化したのは前代未聞である。
カーネルとかダイナモとか先にプレイアブル化すべきヤツいるだろとかは思っても言っちゃダメ

このあまりの事態に、SNS上のロックマンユーザーは大いに盛り上がり、公式アカウントのリプ欄はヴァジュリーラの例のコマの画像リプで溢れ返り、Twitterのトレンドのトップにヴァジュリーラが躍り出るという異常事態となった。

それに加え、全身を赤く塗装して白と緑のワンポイントも加えたクリスマス仕様のヴァジュリーラ…通称「セントヴァジュリーラMC」(MCはメリークリスマスの略)まで登場するという、公式の悪ノリ破格の扱いを受けた。
なお、キャラ紹介でも「この姿はやりすぎだと?」と本人が言ってることから公式も悪ノリの自覚はある模様。(ただし直後に「何を言われようが構わない」と開き直っている)

なお、ヴァジュリーラはプレイアブル化より前にも第四の壁を越えてプレイヤーに語りかけて来るなど、良くも悪くもネタキャラとして本作では愛されていた。
この際の台詞は終始クリスマス時のハイテンションで一人称も「オレ様」となっており、X3本編や漫画版の初登場時に見られた知的でクールな面は皆無だったりする。
ちなみにマンダレーラはプレイアブル化はしていないが、ボスとしては登場している他、バレンタイン仕様の「マンダレーラVD」なるキャラも登場している。





この項目を追記・修正せよ。なるべく、手入力でな。

はっ、偉大なるドップラー博士のために!!

画像出典:ロックマンX3
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最終更新:2023年12月25日 10:27

*1 ダッシュジャンプ。フットパーツを持っていなくても使用可能で、突進した後のボスの後ろを簡単に取れる。