百年戦争(装甲騎兵ボトムズ)

登録日 :2011/09/06 (火) 20:24:22
更新日 : 2016/09/23 Fri 23:22:26
所要時間 :約 6 分で読めます





※推奨BGM:鉄のララバイ


予告


百年にも及ぶ戦争が終結する。


最後の戦い、謎の惑星モナドに投入される戦力、一億二千万。


毎秒費やされる戦費、四十五億。


四日続けばメルキアの国家予算が吹っ飛ぶ。


だが、得られるものからすれば、蚊の涙。


ささやかなりと、野心が嘯く。


次回、 『戦略動議』


百年戦争でメルキアが犯した最大の誤り…


それは



ヤツを敵に回したことだ!!










装甲騎兵ボトムズの世界において展開されていた宇宙戦争で正式には第三次銀河大戦と呼称される。ボトムズを語る上では避けられない重大事項であり世界観の根幹を成していると言っても過言ではない。



◆開戦までの背景

遥か昔、高度な文明を持ち栄えた惑星クエントから追放された異能者達は再びクエントへと帰還すべく様々な技術を持ち込み、現地惑星の文明レベルを恒星間航行が可能な迄に引き上げた。
その中で惑星間の交流や抗争が起こる様になりやがて多くの惑星を纏め上げる惑星連合国家が誕生した。それがバララント同盟(以下バララント)である。バララントは大バラン主義という思想を持った現実でいうソ連に近い国家であり、やがてバララントに反感を持った惑星がバララントに対抗する為ギルガメス連合(以下ギルガメス)を結成するに至った。
その経緯から両者の仲が良い訳が無く、百年戦争以前にも過去に二度銀河大戦が勃発している。


◆開戦・大戦初期~ミサイルと艦隊戦の時代~

アストラギウス暦7113年、遂に第三次銀河大戦が勃発する。ボトムズ第1話冒頭のキリコ・キュービィーのモノローグで語られているようにその原因は定かではないが先に述べた経緯から開戦は必然であったと言える。
この頃は恒星間航行が可能なミサイルが実用化されており、戦争初期は主にこのミサイルで敵の惑星を吹っ飛ばしたり宇宙艦隊で殴り合うのが主流であった。
その為当初はギルガメスに比べ国家規模や航宙技術で勝るバララントが優勢であり、ギルガメスは主星を二度バララントに消滅させられる事になった。
だがバララントも7171年にレクスティア星域で行われた両軍合わせて十数万隻に及ぶ史上最大の艦隊戦に敗れ有力な将兵を多数喪失し、主星陥落に匹敵する大損害を被った。これにより大戦は一時膠着状態に陥る。


◆膠着期~反省とATの開発~

大戦初期におけるミサイルの応酬は両陣営に多大な損害を与え、資源惑星や可住惑星の減少を招き問題視されていた。
特に勢力範囲でバララントに劣るギルガメスには死活問題であり、後に三代目主星となる惑星メルキアにより有人惑星や資源惑星の奪取を目的とした兵器…マシントルーパー(MT)、及びそれを発展させたアーマードトルーパー(AT)の開発が進められる事になる。


◆MT及びATの投入~ギルガメスの反攻~

7183年に開発され実戦投入されたMTは大きな戦果を挙げ、7195年にはATが実戦投入されATを用いた精鋭部隊も設立された。特に7198年にはATの代名詞スコープドッグが投入されている。
これによりギルガメスは劣勢から盛り返し一転して攻勢に立った。だが同時にこれは本来鎮静化する筈だった戦争が再び激化し、より長期化するという事であった。


◆バララントのAT投入~泥沼化する戦況~

元々陸戦兵器の技術に関してはギルガメス側に遅れを取っていたバララントはATという新兵器の前に一転して劣勢に立たされる事になる。
バララントも手を拱いていただけでは無くギルガメスのATを研究し、遂に7209年にスコープドッグに対抗し得る機体としてフロッガー(ギルガメス側呼称ファッティー)を完成させた。本機は質こそギルガメスのATには劣るものの、その分を数で補う事で対抗しギルガメスの進攻を食い止める事に大きく貢献した。
こうして両陣営にATが投入された事で戦況は拮抗し、より激化・泥沼化する事になった。


◆大戦末期~破壊と殺戮の時代~

ATは安価かつ操縦が容易な兵器であった事から両陣営により大量生産され、各地の戦場に投入された。
この頃の激戦地としてはオロム、ミヨイテ、パルミスなどが知られいずれも敵味方共に人命を湯水の如く大量に消費する凄惨な地上戦が展開された。
特に惑星サンサは三度に渡り激戦が繰り広げられ、当初は緑豊かだった星が徐々に砂漠化していき、悪名高いレッドショルダー主体で行われた第三次サンサ攻略戦後には環境が徹底的に破壊し尽くされ地表では酸素ボンベ無しで生きていけない死の惑星と化した。
皮肉にもATはミサイルや艦隊戦とその被害の反省から生まれたにも関わらずそれらを上回る混乱と破壊と殺戮を戦場にもたらす結果となった。
加えて新型AT開発競争の激化などから両陣営は急速に消耗していき、また誰も彼もが疲れ果て両陣営共に厭戦気分が漂うようになった。


◆終戦~休戦条約締結と戦後~

そして7213年7月9日に惑星アンティテーツにおいてギルガメス、バララント両陣営が休戦条約を締結。100年という長きに渡る戦争に漸く終止符が打たれた。 その爪痕は深くギルガメスの主星メルキアは人口の約75%が死に絶え、国土は焼かれ酸の雨が降り注ぐ地域が存在するなど各惑星に甚大な被害が残された。
同時に人心の荒廃も進んでおり、難民や退役軍人が街に溢れ返りバトリングの流行や犯罪率の激増など治安の悪化を招いた。


◆そして開戦へ

だがギルガメス、バララント両陣営首脳部は休戦をあくまで一時的な充電期間としてしか見ておらず、パーフェクトソルジャー(PS)などの新兵器の開発を急いだ。
そして休戦条約から僅か2年後にギルガメスがバララントへ宣戦布告。第四次銀河大戦が開戦したのだった。


◆余談

史実の百年戦争は休戦や和睦を断続的に挟んでいたのに対しこちらは膠着状態こそあれど文字通り百年間ぶっ続けで戦争していた。ちなみに後の第五次銀河大戦は二百年戦争と呼ばれやはり二百年間ぶっ続けで戦争していた

対比として挙げると初代ガンダムでは脱出装置などもしっかりついていながらわずか一年でお互いの戦力は疲弊して戦争の継続は困難になっている。

実際は戦争のスケールが違うのだが、戦争とはそれほど金やら資源やらが掛かるのである。

のなかみのる氏がTV放送時とほぼ同時期にコミックボンボンに連載していたコミカライズでは『十年戦争』とされていた。
スポンサーのタカラ側の一部資料も10年とされていた事から企画当初は戦争の期間は10年として設定されていたのではないかという説がある。
ボトムズの根幹に関わる設定ではあるが本編における直接的な描写は少ない。戦時中を描いた作品も意外と少なく、映像作品では『野望のルーツ』と『ペールゼン・ファイルズ』のみ。その為設定はムックや同人誌による後付けが多い。






※推奨BGM:炎のさだめ

予告

消去の為の登録、修正の為の追記。

歴史の果てから連綿と続く、この愚かな行為。

ある者は悩み、ある者は傷つき、ある者は自らに絶望する。

だが営みは絶える事無く続き、また誰かが呟く……

「たまには、項目を立て逃げするのも悪くない」。


次回、『編集』



冥殿も、ピリオドを打たない。



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