燐隊長(ゴルゴ13)

登録日 :2010/08/01(日) 01:18:28
更新日 : 2016/09/11 Sun 15:45:54
所要時間 :約 5 分で読めます




極地法など登山家の恥だっ!!


燐隊長は『ゴルゴ13』第398話(単行本119巻)「白龍昇り立つ」に登場する人物。
デューク東郷と対決した好敵手たちの一人であり、ある意味(後述)一番有名なゴルゴキャラ。


【あらすじ】
中国政府の弾圧下に置かれるチベット自治区。
共産党は大きな影響力を持つチベット仏教の活仏(宗教指導者、「転生」によってその地位は引き継がれる)、
パンチェン・ラマことラモン少年を拘束。
政府の言うなりになる偽の活仏を擁立してチベット人民を洗脳しようと目論む。

ゴルゴはダライ・ラマの依頼により偽パンチェン・ラマの式典を狙撃で妨害、
式典の失敗を見た民衆が、仏が偽パンチェン・ラマを受け入れず怒っていると信じ込むように仕向けた。
その騒動の隙にチベット人たちはラモン少年を救出しヒマラヤ山脈へ逃走するが、その背後には共産党の刺客・中国山岳部隊が迫っていた…


【作中での活躍】
燐隊長はヒマラヤ山脈を活動の場とする中国山岳部隊の創設者にして隊長である。
党からラモン殺害の命を受けて出撃。チベット人グループを易々と全滅させてラモン少年にも銃を向けるが、不意の雪崩により取り逃がす。
その後少年と合流したゴルゴ13と世界最高峰・チョモランマを舞台に対決することとなった。
並みの人間は愚か、プロの登山家ですら少し判断を誤れば命がいくつあっても足りないチョモランマにおいて、
その豊富な登山経験と鍛え抜かれた肉体により、淀みない判断力を発揮し消耗をごく最小限に抑えていた。

燐隊長は多くの部下を失いながらもゴルゴを追撃、
銃撃で手傷を負わせたばかりか負傷と厳しい環境による消耗でM16すら使用不可能なまでに追い詰めた。
最後は消耗の激しい部下を全滅させないために下山させ、もしもの場合に備えてラモンをクレバスに隠し単身で行動していたゴルゴと「世界で最も高いゴミ捨て場」サウス・コルにて一対一で対決。
流石のゴルゴも消耗が激しく、正面からぶつかって勝てる相手と状況ではなかった。
しかしゴルゴが銃を使えないことに最後の最後で油断して罠に足を踏み入れてしまい、トラップを利用して酸素ボンベを破裂させて起こした雪崩に巻き込まれて消息を絶った。


【燐隊長の魅力】
全ての台詞が名言である。

「ふふふ、共産党は仏より上にあるのさ」

まずはこの台詞とともにチベット人を射殺。冷酷な軍人ぶりを見せるが

「極地法など登山家の恥だ!!」

燐隊長は軍人であると同時にプロの登山家としての誇りを持っていた。
20人以上のサポートを受けてたった2人が頂上に上り、大量のゴミで山を汚す極地法を批判する。

「酸素ボンベは雪洞に置いてきた……助かる術はない!」
「(許さんっ!!許さんぞっ!!)」

ゴルゴの罠にはまって重い高山病にかかった部下を自ら射殺する。
他の部下たちの手前、冷淡さを装っていたが、彼らに見られないように唇を噛みしめて怒りを燃やす。
部下たちもこの行為に驚きはしたものの、高山病で苦しみながら死ぬよりはと彼の措置に理解を示し反発しなかったあたりも隊長の統率力の高さを伺わせる。

「眠れぬ絶望の夜を過ごしたか……」
「登山家でもないお前がよくここまでやった!そのプロ根性はたいしたものだ!」
「最期は楽に死なせてやる!」

あのゴルゴですら衰弱を隠せない極限環境をものともしない「超人」燐隊長。
ゴルゴの素性を知る以前からその力量を一目で見抜き、ホームでの戦いながら慢心や油断とは無縁であった。


「白龍昇り立つ」はチベット弾圧という現在進行系の重いテーマを扱いながら超一流のプロ同士の純粋な戦いを描いて鮮やかな読後感を残す名作である。
119巻は同時収録の「間違われた男」「臆病者に死を」も評価の高い作品なので手にとって損はない。


【燐隊長の近況】
現在はもっぱら2ch各地にAAとなって出没。あちこちのスレに単独登頂を果たしている。
ゴルゴを読んだことがなくても燐隊長の顔は知っているという人も多いのではないだろうか。


第532話「震える修験者」では、彼の元部下だった「墨櫓順」という人物が登場した。
新兵の時に山岳部隊に所属し、上記の任務に同行していたという。
そんな彼も現在は中国の特殊部隊の隊長で、任務としてだけではなく、積年の恨みと 燐隊長の無念も晴らすべく ゴルゴを狙う。
燐隊長の事を「鬼人の様な方だった」と回想している。
ただし燐隊長とは違い自分の部下に対する扱いは悪く、「しょせん部下は使い捨ての駒、だ」と発言している。


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