両性愛

登録日:2012/01/31(火) 23:02:11
更新日:2024/01/30 Tue 19:31:05
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両性愛とは、異性、同性を問わずに恋愛、性愛対象とする性的指向の事。英語ではバイセクシャル。


その歴史は古く、ギリシャ神話ゼウスは妻であるヘラの目を盗んでは地上の美少女、美少年にイタズラをしていたと言う記述があり、
アレクサンダー大王の愛妾も三人は男性だった。
更に古代ローマの皇帝ネロは三番目に結婚した相手は男性であり、新婚初夜には処女役として後ろから犯されご満悦だったと言う。


日本でも、古くは平安時代から男女を問わず性愛対象としていた人物は多い。
平安から戦国までは男色が上流階級のステータスとなっており、貴族や戦国大名は嗜みとして行っていた節もある。*1
著名な戦国大名を例に出せば、織田信長と森蘭丸の関係は有名だし、武田信玄は小姓へあてた浮気の言い訳を書いた手紙が残っている。
また、藤原頼長の日記『台記』には、筆者である頼長が誰とどういう風に男色したのかも細かく記されており、その中には「下の立場にいる人物が“ネコ”になるのが基本」などの当時のマナーも記されている。*2


むしろ、日本に限らず、昔は両性愛が男性にとってはステータスであったと言う風潮があったようである。
一方で、女性が両性に性欲を感じる事は忌避されていたらしく、女性の両性愛についての文献は乏しい。
かのマリー・アントワネットもネガキャンの際にポリニャック夫人やランバル公妃などの取り巻きと ちちくりあっている風刺画やビラがまかれている。

さすがにラノベ等の作品で両性愛者のキャラクターや描写が存在するものは少ないが、倫理規定が緩かった80年代後半に書かれた『魔獣戦士ルナ・ヴァルガー』では、
何と「趣味で少女を抱き、仕事で男に抱かれる」バイセクシャル遊女が登場。
そのため同作品では濡れ場シーンがかなり多かった。


■現代の両性愛

現代社会においてどれ程の人々が両性愛指向を持っているかは明確でない。

カミングアウトしないのがほとんどであるのは勿論、
「少し興味はある程度」「同性には恋愛感情は抱いてもセックスはしたくない」など両性愛をなんとなく自覚している人でもその線引きは非常に曖昧であり、
「どこからどこまでが両性愛か」と言う議論が未だに絶えないからだ。

また、異性愛、同性愛(無性愛、非性愛)などが本能に基づく生まれついての指向である場合なのが多いのに対し、
両性愛者は「元々同性愛者だったけど、世間体的に異性とも付き合ってそちらにも目覚めた」、
「元々異性愛者だったけど、同性愛にも興味があってやってみたら目覚めた」など後天的な覚醒も多い。

だが、世の中にある様々なセックスを多く体験出来る「資質」と「心」があるのはある意味で人生を楽しむ幅が広い人とも言え、
この点では幸運と言えるかもしれない。

だが、それと同時に同性へ本気で恋愛感情を抱いてしまった時の苦悩も、やはり大きいようだ。
恋愛もセックスも相手がいなければ成立しない。自分に「資質」と「心」があっても相手にもそれがなければけして結ばれはしない。
行きずりの関係ならばまだいいだろうが本気で恋愛感情を抱く人だっているのだ。
そして、デリケートな問題なのでなかなか周囲にも相談出来ないと言う悩みもある。

だが、幸いにして現代はインターネットの普及により遠方にいる「理解してくれる人」を探せるようになった。

本気で真面目に考え込んで悩んでいる方は是非とも両性愛者、同性愛者のコミュニティを探してみよう。


一方で、「異性愛者」「同性愛者」「なんとなく興味ある人」全てを性愛対象と出来るのを良い事に不特定多数の人間とセックスしてしまう人もいるが、
当然危ない行為である。性病についてのリスクをよく理解し、出来ればその悪癖は無くそう。


■全性愛

「両性」にすら据らわれない更に広い性愛。英語ではパンセクシャル。
「両方の性を愛する性愛者」である両性愛者に対し、「全ての性を愛する性愛者」である。
一見する同じものだがハッキリと別ものらしい。



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最終更新:2024年01月30日 19:31

*1 平民出身で男色に馴染みがなく遠ざけていた豊臣秀吉に、心配した部下が美少年を手配したという逸話もある

*2 もっとも、当の本人は立場が下の源義賢に強引に“ネコ”にされた時に『味わい深かった(意訳)』と記していたりする