勇者特急マイトガイン

登録日 :2010/08/17(火) 13:42:05
更新日 : 2017/04/12 Wed 23:48:46
所要時間 :約 7 分で読めます




銀の翼に
希望(のぞみ)を乗せて
灯せ平和の 青信号

勇者特急マイトガイン、定刻通りにただいま到着!




『勇者特急マイトガイン』は1993年~94年に放送された、90年代を代表するロボットアニメ勇者シリーズ』の第4作目である。
前作の『伝説の勇者ダ・ガーン』までが谷田部監督の作品で、本作から『勇者警察ジェイデッカー』、『黄金勇者ゴルドラン』の3作は高松監督の作品である。

現在でも勇者シリーズ屈指の人気を誇る。
それはこの作品が単なる勧善懲悪もののカッコ良さだけでなく、 メタアニメ としての面白さを併せ持っている点が大きく、本作を語る上では欠かせない。 子どもは分からないけどね!

なお、登場人物のほとんどが、日活の名俳優や女優さんから名前を採っている。 子どもは分からないけどね!

97年には、ラジオドラマで後日談が放送され(全4話)、翌年にはCDにまとめられて発売された。
本編以上の禁じ手を使ってしまったが。



【ストーリー】

旋風寺舞人は父の遺志を継ぎ、私財で造り上げた勇者特急隊や仲間たちと共にヌーベルトキオシティーを巨悪から守るのだ!


【舞台背景】

現在よりすこし未来、全ての化石燃料が枯渇した世界であり、そのため鉄道が発展している。という少々無理やりなストーリー付けがなされている。
そして昭和125年である。



【主な登場人物】

旋風寺舞人(声:檜山修之
主人公。嵐を呼ぶ旋風児。若くして旋風寺コンツェルンを継いだ。年は15歳。8月24日(29話)で16歳になった。
勇者特急隊として平和を守っていることは、街の住民には知られていない。(サリーを除く)
大学レベルの問題も数十秒で解く天才かつ完璧超人で、とにかくキザだが嫌味にならない。しかし歳相応に純情な面も。
ほぼ全ての回で、その回限りの私服が登場するシリーズ一のオシャレさん。
名前は小林旭の主演映画「銀座旋風児」シリーズ、および彼自身のあだ名「マイトガイ」から。

主なセリフ
  • マイトガイン合体後の敵のセリフに対して「そう!その通り!」
  • 必殺技の前口上で「(敵の悪行の説明)このマイトガイン(or勇者特急隊)が許しはしない!」
  • 「こうなったら、グレートマイトガインに合体だ!」


吉永サリー(声:矢島晶子
ヒロイン。入院して働けない父の代わりにアルバイトで家計を助ける薄幸の美少女。14歳。
よく騒動に巻き込まれ(そしてバイト先が物理的に潰れ)る不幸体質だが、その度舞人との距離は近付いていく。
ほぼ毎回バイトが変わるため、勇者シリーズ一の貧乏ヒロインでありながらシリーズ一の衣装持ちヒロイン。
最終決戦では、彼女の持つある力が舞人を助けることになる。詳しくは個別項目参照。
名前は吉永小百合から。

主なセリフ
  • 「舞人さん!」(嬉しそうに)
  • 「舞人さん…。」(しみじみと)
  • 「舞人さぁん!」(泣きそうな声で)


◆浜田満彦(声:菊池正美)
舞人の親友で漫画家志望。そうは見えないが、ちょっと肥満。
ボンバーズやマイトカイザーのデザインを行ってくれた。メカニックにも関わっている。
ブレイブサーガではやたらモテる。
名前は浜田光夫から。


雷張ジョー(声:緑川光
通称「エースのジョー」。
その名の通りライバルキャラ。子供の頃の経験から正義を信じることが出来ず、正義の味方たる舞人を目の敵にする。
パイロットとしての腕は舞人と同等かそれ以上。
だが、服は戦闘服以外持っておらず、ネズミを食べ歩くぐらい貧乏と舞人とは対照的。
名前は宍戸錠から。「エースのジョー」も宍戸錠の愛称そのものである。

父親はエグゼブに殺された宍戸博士であるため、本当の姓は宍戸。
雷張は偽名もしくは母方の姓と思われる。



【敵勢力】

ヌーベルトキオに潜む悪役はウォルフガング、ホイ・コウ・ロウ、カトリーヌ・ビトン、ショーグン・ミフネの四大勢力に分類される。
いずれも強烈な個性の持ち主で、繰り出すロボットには彼らの個性が色濃く反映されている。
ただし終盤ではショーグン・ミフネの勢力が資金難で自滅、エグゼブの勢力がウォルフガングとホイ・コウ・ロウの勢力を吸収し、力関係は大きく変化していった。
カトリーヌ・ビトンは勢力を維持し続けたが、私利私欲に走る性格なので、最終決戦で世界が荒廃していたときは目立って活動しなかった。


ウォルフガング(声:佐藤正治)
世界一強いロボットを造ると豪語する博士。飛龍と轟龍などを造った。
イッヒ、リーベ、ディッヒ(Ich liebe Dich=ドイツ語でI love you)という3人の部下に慕われる、悪役だが実は結構良い人。
一時期お金がなくなったときに旋風寺コンツェルンで働き、熟練した腕もあって同年代の大阪工場長の興味を惹き、やがては知己を得るに至る。
設計にケチを付けられても変更をよしとしないプライドの高さを持つ。
狼王ロボのように気高いロボットを設計するまさに「玩具の狼」。
終盤では自らの誇りを賭け、ブラックノワールに対して孤独な戦いを挑みつつ、
自らの開発したブラックノワールに対抗出来る新発明の完成品と設計図を大阪工場長に託した。
やられてばっかりのイメージが強かったが、飛龍と轟龍を生み出した腕前は伊達でなく、
舞人もブラックノワール対策のマシンを見たときは感心していた。


ホイ・コウ・ロウ(声:島香裕)
アジアマフィアのボス。彼の配下は中国風のロボットが多い。
料理人からスタートしてやがてはアジアを牛耳る存在にまでのし上がってきたらしいが、
終盤ではパープルに権力のみならず財産まで全て奪われ、屋台ラーメン屋と言う初期同然の状態まで落ちぶれてしまう。
ちなみにOPでマイトガインと闘っているのは彼らのロボットである。
名前は回鍋肉から。
組織のNo.2はチンジャ・ルース。ラーメン屋になったホイにも付き合ってくれる忠臣。青椒肉絲。
落ちぶれた後はしばらくぐれていたが、チンジャの忠臣ぶりに心を打たれ、再起を誓う。


カトリーヌ・ビトン(声:叶木翔子→渕崎ゆり子)
自称永遠の29歳で女窃盗団のボス。
彼女の配下のロボットはカボチャとかペンギンなど、動植物型が多い。
納豆が大嫌い。
名前はカトリーヌ・ドヌーブとルイ・ヴィトンから。
オードリーという男装の麗人を部下に持つ。いかなる時も表情を崩さない忠実なしもべ。オードリー・ヘプバーン。

ショーグン・ミフネ(声:梁田清之
日本の伝統文化かぶれで、現政権を転覆させ日本を古き良き江戸時代に戻そうと企むアメリカ人。
「男は黙ってぇー○○!」が定番のセリフ。
表向きは大江戸ランドの経営者。従業員もテロ組織の構成員。
彼の配下ロボットは日本被れまんまのロボットばかり。
彼はイマイチ部下に恵まれない。
大江戸ランドが破綻して金欠になり、再建のための埋蔵金探しの最中に不慮の事故により警察に捕まってしまうが、のちに脱走する。
名前は三船敏郎から。


内藤ルンナ(声:本多知恵子→桑谷夏子)
ショーグン・ミフネ配下の般若丸に仕える太ももが素敵なくノ一・胡蝶。内藤ルンナは偽名のようだ。
彼女が登場する回だけタイトルバックの絵と音楽が違う。
名前は内藤洋子と、彼女のヒット曲「白馬のルンナ」から。


パープル(声:鈴木勝美)
ホイ・コウ・ロウの配下だったが、組織を乗っ取り頭角を現す。
表の職業はロック歌手で、後期のEDも彼が唄っているという設定でシングルカットされた。



エグゼブ(声:菅原正志)
中盤より登場。表向きはTR(トレジャー・ロボテック)社の総帥、ケン・エノモト。
今までのコミカルな悪役達とは毛色の違う黒さ全開の悪役。
轟龍の頭のドリルは趣味ではないから外せとウォルフガングに命じるが……
彼の最期の言葉はマイトガインで一番記憶に残る。
名前は榎本健一から。


ブラックノワール(声:水原リン)
父の遺言にあった真の「世界を狙う巨悪」にして全ての元凶。見た目は科学忍者隊ガッチャマンの総裁X。
魔のオーラによりロボットとパイロットを洗礼・洗脳、幾ら破壊されても再生復活を可能にする。
その正体は……



【登場するメカニック】

ガイン/マイトガイン
今作の主役ロボ。上記項目参照。
マイトカイザー、マイトガンナーも同上。



◆ライオボンバー
新幹線やまびこから変形する「やまびこボンバー」が、浜田君のアイデアをプラスして、ライオンにも変形出来るようになったロボ。

◆ダイノボンバー
特急ひたち、恐竜、ロボの3(ry
旧名は「ひたちボンバー」

◆バードボンバー
特急成田エキスプレス、鳥、ロボの(ry
旧名は「なりたボンバー」
改名してもらえて良かったね、ボンバーズ…

◆トライボンバー
ライオ、ダイノ、バードが合体したロボ。中盤、マイトガインのためにジョーの飛龍に破壊されるが…

◆ホーンボンバー
ボンバーズのプロトタイプを改造したロボ。新幹線ひかりとトリケラトプスに変形可能。

◆バトルボンバー
4体となったボンバーズが新たに合体した姿。胸がライオンになったほか、飛行能力と新必殺技の「バトルランチャー」を得た。
少々荒っぽい性格。なお、ボンバーズはそれぞれ連結してアニマル特急に変形合体可能。先頭部分はやっぱりライオン。



◆ファイアダイバー
消防車から変形するロボ。

◆ポリスダイバー
パトカーから変形するロボ。

◆ジェットダイバー
ジェット機から変形するロボ。

◆ドリルダイバー
ドリルタンクから変形するロボ。

◆ガードダイバー
ダイバーズ4体が合体した姿。胸部はフランスの特急TGVである。
彼らの仕事は救助活動なので、武装は救助装備を利用したものがほとんど。また、ダイバーズも変形合体して特急TGV風のレスキュー特急になれる。
基本影が薄いが、最期の言葉はマイトガインで二番目に記憶に残る。



【他勢力】

ブラックガイン/ブラックマイトガイン
ホイ・コウ・ロウがガインの超AIをコピーして造った悪のパチモンロボ。胸の意匠は「中」。そしてパイルダーオ……ん?誰か来たようだ。
しかし、コピーが完璧過ぎたため『正義』に目覚めガイン達の味方となる。が……
なんか最近も似たようなロボいたね。

◆飛龍
ジョーがウォルフガングからもらい、『ソニック』から強引に改名したロボ。
本来、ウォルフガング自身の『メガソニック8823』のプロトタイプで当て馬だったが、逆にそれを倒しライフルを強奪、トライボンバーとマイトガインを倒した。
マイトウイング以外では初の超伝導ジェット機に変形し、コクピットは隼号というスポーツカーになる。
デザインはトランスフォーマーZのソニックボンバーの流用。

◆轟龍
マイトカイザーに破壊された飛龍の後継機。コクピット兼自動車は大鷲号。
カイザーのドリルに敗れたせいか、ジェット機形態の機首にもドリルが取り付けられている。
ウォルフガングが設計した際はロボット形態の頭にもドリルが付いていたが、エグゼブに 趣味ではない と反対されたため外された。
その一方で、ジェット機形態のドリル自体は外されなかった。
ちなみにジョーは飛龍・轟龍ともにハンドルとシフトで操縦する。さすがはエースのジョー!
しかしウォーカーマシンでも、ましてやサイバトロンの司令官でもない、ないったらない!
デザインはトランスフォーマーZのダイアトラスの流用。




さて、このアニメはメタ要素(制作の裏側ネタ)が多い。
轟龍のドリルを例に上げると、タカラは玩具を売る為に、轟龍に子どもウケするドリルを付けるようスタッフに無理に頼んだ。

スタッフは本当のところドリルを付けたくなかったがスポンサーには逆らえず、
劇中そのドリルで絶命するエグゼブにかの迷言「だから、ドリルは取れと言ったのだ……」という皮肉を託すこととなったのである。

なんて言われてきたが、2013年の監督のツイッターでは
「ダイアトラスの説明書の、変形後の頭のドリルは取れと書かれていたのをセリフとして入れただけで、特に伏線でも何でもないその場の思いつき」とのこと。

ちなみにシロッコの最期のシーンのオマージュである。


新ロボの登場のさせ方も、今までの勇者シリーズではエネルギー生命体が乗り物に取り憑いたりして増えていったのに対し、
本作は超AI搭載の100%人間制作ロボということを逆手に取り、青戸の工場で 舞人も知らないうちにロボットが完成していた という、
青戸がタカラの所在地だと知っていれば、玩具開発とアニメ制作の関係が伺える設定になっている。

また、ストーリー後半の敵組織は トレジャー ・ロボテック社(タカラのもじり)だったり、
最終戦で敵がマイトガインを「オモチャ」呼ばわりし、「このオモチャもお払い箱だ」という、後番組に取って代わられることを暗喩したような台詞を口にするなど、大人の事情を知る人ならば察せるネタが各所に見受けられる。

邪推されそうな(実際されてる)ネガティブな例も挙げたが、そういった玩具宣伝アニメ制作のしがらみにも卑屈にならず、
逆に利用して楽しんで「メタ・玩具宣伝アニメ」を制作した点が、他の勇者シリーズにない魅力を生み出しているのは間違いない。










最終回、舞人とガインは自分たちの世界が三次元人が創りだした物語の世界であること、つまり自分たちは二次元人であることを知る。

この世界は作り物であるというブラックノワール(を通した高松監督)の宣言、そして完全無欠のハッピーエンドでありながら視聴者に大きな衝撃を与えたラストシーンは未だ語り草である。



【余談】

救急戦隊ゴーゴーファイブ』1話のファイブライナーのシーンはこの作品のオマージュである。いや、パロディ?元ネタ?

長らくスーパーロボット大戦シリーズへの参戦が熱望されていたが、この度2017年発売の『スーパーロボット大戦V』への参戦が決定した。




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