ブラックガイン/ブラックマイトガイン

登録日:2011/09/29 Thu 01:08:59
更新日:2023/12/09 Sat 17:17:03
所要時間:約 4 分で読めます





※推奨BGM:嵐の勇者(ヒーロー)


ホイ・コウ・ロウがマイトガインをコピーして作り上げた
悪のロボット・ブラックガイン

何から何までそっくりなガインとブラックガインは、まるで双子の兄弟のようだ。

しかしホイは、コントロール装置でブラックガインを操り始めた!

やめろ!お前とは戦いたくない!!


次回、勇者特急マイトガイン!


ブラックガイン


正義の力が嵐を呼ぶぜ!!





黒い翼に
殺意を乗せて
灯せ不幸の赤信号

悪者特急ブラックマイトガイン、
定刻破って只今到着!

到着!到着!



勇者特急マイトガインに登場するキャラクター。


●概要
第16話『ブラックガイン』にて初登場。
制作者はアジアマフィアのボスであり、本作の巨悪の一人であるホイ・コウ・ロウ
見た目はガイン(マイトガイン)そっくりでカラーリングは黒がメイン。
車掌の帽子をモチーフとしているマイトガイン頭部に比べ、ブラックマイトガインは閻魔大王のような形状で、両肩パーツもやや怒り肩となっている。
性能も互角だが言語系能力は若干劣っていたりする。

なお、上記の名乗り口上はブラックガイン本人ではなく、合体後のブラックマイトガインを操縦しているホイ・コウ・ロウとその部下チンジャ・ルースの2人による台詞である。

武装もガインおよびマイトガインを模している。
ブラックガイン時には光線銃ガインショットだけでなく、オリジナルのガインが使わなかった脚部ビーム砲・ガインバスターも使用している。
ブラックマイトガイン時にはマイティバルカンとシグナルビーム、そしてブラック動輪剣を使用。さらに、両腰部のビーム砲・マイティキャノンも駆使して勇者特急隊を追い詰めた。
必殺技もマイトガインと同じ縦一文字斬り。



●劇中の活躍

相変わらずヌーベル・トキオシティを暴れるホイのロボットを止めるため、今回も旋風寺舞人と勇者特急隊のガインが出動する。
だがホイの真の目的はガインの超AIのデータで、マイトガインとの戦闘中に小型ロボ・コックローチアイをマイトガインの中に侵入させ、データを盗むのに成功する。


これがマイトガインの人工知能の秘密だ!

やりましたね、ホイ・コウ・ロウ様。これさえあれば…!


目的を果たしたホイはコックローチアイをガインに気付かされずにチンジャの手で爆破させ、早速ブラックガインの制作に取り掛かる。
そして雷鳴轟く夜にブラックガインは完成し、後はガインからコピーした超AIごと起動させるだけだった。


で、できた…!

天下無敵史上最強国士無双!
ブラックガイン誕生ーーー!!

遂に我々の時代が来るのですね?ホイ・コウ・ロウ様!

その通り!もはやマイトガインなど恐るるに足らず!

さぁ叫べ、ブラックガイン。誕生の産声を上げるのだ!
獅子よりも強く叫ぶが良い!!


そう言って起動スイッチを押すホイだが、ブラックガインはピクリとも動かない。
一向に起動する気配がない中、ホイは天に向かって祈りを捧げる。


ああ神よ、この私めにお力を!たった一度の奇跡をお与えあれ!!

神様仏様、雷様!!


その時ホイの祈りが通じたのか、雷がアジトへ落ちてゆく。
雷はアジトを破壊しながらケーブル越しにブラックガインへと注がれていき、遂にはブラックガインの目に光が灯った。


ら、来臨……!

ブラックガイン!!


しゃ、喋った…!?まさしく奇跡!!

ヌフフフ…ワ~ハハハハハ!!

ブラックガイン!お前の力でマイトガインを、ギッタギタのグッチョグチョにしてやれ~!!


名乗りを上げるブラックガイン。
かくして、願いが叶ったホイはブラックガインを使いマイトガイン打倒に燃えるのだった。


後日、列車事故の救助活動をしていた舞人とガインの前にブラックガインが現れる。
救助活動で手が離せないガインはピンチに陥る。


いいザマだなガイン。動くに動けまい。
やれブラックガイン!お前の力を見せてやれ!


しかしブラックガインは戦おうとせず、ガインと共に列車の救助を行う。


橋が下がっているぞ。一緒に持ち上げるんだ、ガイン。

お、おう…

えぇ!?

違うだろ!?お前は悪の戦士だ!さっさとガインを片付けろ!!

何を言うか!私は正義の戦士だ!


とホイの命令を一蹴し、列車を無事救助する。
ホイはガインの強さだけでなく正義の心までコピーしてしまうミスを犯したのだ。

こうしてブラックガインはホイを裏切り、勇者特急隊の一員となった。
弟分のような存在が入隊し喜ぶガインと舞人たち。
ブラックという愛称で呼ばれ共に訓練をしたり、早口言葉が言えず悔しがったりと穏やかな時間を過ごした。
しかし、吉永サリーだけは前日にマイトガインが自分自身に斬られるという悪夢を見ていたため、一抹の不安を感じていた。


そんな中、ホイが制作した戦闘機がヌーベル・トキオシティを襲う。
舞人とガイン、そしてブラックガインも出撃するが、戦闘機はマスクの形に変形しブラックガインの顔に張り付いた。


今度こそ、今度こそ本当のブラックガインの誕生ネ!


このマスクは張り付いたロボのAIを狂わす機能が備わっており、ブラックガインはホイにコントロールを奪われ勇者特急隊の敵となってしまった。


ガイン…貴様を倒す……!!


敵となったブラックガインは舞人とガインを襲う。
彼に「目を覚ませ」と促すガインだったがこのままやられる訳にも行かずマイトガインに合体する。


ならばこっちも。チンジャ、行くぞ!

了解!

合体!ブラックマイト…ガイン!!

ポ~!


直後にホイが乗るブラックパイルダー、チンジャが乗るブラックマイトウイングとブラックロコモライザーが現れ、ブラックガインはブラックマイトガインに合体する。
ちなみに合体シーンの一部や合体後のポーズはどこかで見た事がある演出が含まれている。


やめろブラック!
私とお前は1つ。お前と戦う事はできない…!!

フッ、貴様と一緒にするな!


先程まで味方だったブラックマイトガインに対して攻撃を躊躇うマイトガインは大苦戦を強いられる。
そんなマイトガインに対し、「断っておくが、無抵抗だからと言って容赦はしないぞ?」と攻撃を仕掛けるブラックマイトガイン。
頭部を掴むとコックピットの舞人ごと握り潰そうとし、遂にはブラック動輪剣で斬りかかる。


死ね、マイトガイン…!!

ヌフフフ…いよいよマイトガインの最期だ!

ムフフフ……!


だが戦いの最中、ダイバーズやホーンボンバーの援護で危機を脱出。
ガードダイバー、ホーンボンバーを一蹴されてもマイトガインは説得を続けるが、なおも斬りかかるブラックマイトガインの姿に意を決し、動輪剣で応戦する。
ブラックマイトガインは一気にトドメを刺すべく、胸部ライトの発光で目が眩んでいるうちに縦一文字斬りを放つ。


死ねェェェェェェェェェェッ!!

危ないッ!


飛び上がった所をガードダイバーのダイバーデトネイターで落とされ、その隙にマイトガインが動輪剣のエネルギーをチャージ。
そして必殺技の縦一文字斬りでブラックマイトガインを戦闘不能状態にした。

その後ブラックガインを操っていたマスクが外れ、今度はマイトガインを洗脳しようとするが、正義の心を取り戻したブラックマイトガインがそれに気付く。
分離してブラックガインに戻った直後、最後の力でマスクを掴んだまま空高く飛んでいく。


何を考えている!?よせ!!


マイトガインの制止も虚しく、そのままマスクもろとも自爆してしまったのだ。


ブラックーーーーー!!!


ブラックガイン!!


ホイ達がブラックパイルダーで撤退する中、ショックのあまり動輪剣を手放すマイトガイン。
そこに頭部だけが残ったブラックガインが落ちてきた。


ブラック……

マイトガイン…私とお前は一つ、お前の中で私は生きる……


機能停止寸前のブラックガインはマイトガインの手の中でこう語りかける。


特許許可する東京都特許許可局……これでいいのか…?
特許許可する東京都特許許可局……特許許可する東京都…きょ…許可……


マイトガインの手の中で苦手だった早口言葉を言いながら彼はその機能を停止した……


ブラック……

許さないホイ・コウ・ロウ!
オレは…お前を絶対許さないぞ……!!


舞人がホイへの怒りを爆発させる中、マイトガインは物言わぬ存在となった兄弟をただ抱きしめるのだった……





だが、超AIは無事だったのか、最終回にてガインや勇者特急隊と共に
新品同様のボディを与えられ修復されている姿が映し出される。
これからブラックガインは正式に勇者特急隊としてヌーベル・トキオシティの平和を守り続けるだろう……



●構成マシン


ブラックガイン

上記の通り、ガインを模した黒いコアロボ。微妙に頭部の形状がガインと異なっている。
本編中で正義の戦士として活動したのはこの姿のみ。
ブラックマイトガインへの合体時には左腕を担当するが、合体バンクはマイトガインのものを反転させているためか、合体時のみ右腕に合体しているが、公式的には左腕である。

ブラックマイトウイング

黒いマイトウイングの同型機……と見えて、新幹線の先端がサメの顔のようになっており、独特の形状をしている。
本編ではチンジャが操縦。後述のゲーム版でブラックマイトガインが仲間になった後は無人運用。
ブラックマイトガインの右腕になるが、上述のように合体バンクでのみ左腕に合体している。
右肩に鋭い牙のような模様があるのがカッコいい。

ブラックロコモライザー

ご存知、機関車のバケモノ。先端のエンブレムが「Y」の字になっている本物と違い、「中」の字に似ている。
ブラックマイトガインの本体になるが、それ以外は特に目立つ部分は無い。
なお、後述のブラックパイルダーで操縦するシステムのため、本物のマイトガインと違い口元のマスクの下に操縦席は設置されていない。

ブラックパイルダー

本家マイトガインには無い4体目の合体メカであり、ブラックマイトガインのコックピットも兼ねる小型のホバー飛行機。
合体後はブラックマイトウイングのチンジャもこちらの後部座席に移動する。
どこかで見た事ある形状で、どこかで見た事ある合体をする色々ヤバいヤツ。
コイツを合体させる都合上、ブラックマイトガインの頭部は少し大きめになっている。
『スーパーロボット大戦V』において、ブラックマイトガインの首のケーブルを切られると操縦系統がフリーズし、強制的に合体解除される弱点が明らかになった。(舞人曰く「グレートマジンガーと同じシステム」らしい)
ゲーム作品で仲間になった後はコイツは合体していないが、頭部の形状はそのままとなっている。



●ゲーム出演時にて

悪のボディに正義を宿した姿やその生き様の影響で、本作の数多いゲストキャラの中でも高い人気を誇る。
ぶっちゃけてしまうといかにもスパロボ救済対象になりそうなキャラであると長年言われており、
1998年発売の勇者シリーズ限定のスパロボ『新世代ロボット戦記ブレイブサーガ』シリーズや2017年発売の『スーパーロボット大戦V』などのゲームでは隠しキャラとして登場し生存フラグが立てられている。

●ブレイブサーガシリーズ

『新世代ロボット戦記ブレイブサーガ』ではマイトガインルートを選択し、25~27話の間で発生するサブシナリオ「ブラックガイン」で初登場。
「ガインVSブラック」でブラックマイトガインを破壊しないようにシナリオクリアすることで仲間になる。
名乗り口上は流石にそのままではアレなため、仲間になったブラックマイトガインにはオリジナルの名乗りが追加された。


黒い力を
正義に変えて
灯せ悪への赤信号

勇者特急ブラックマイトガイン、
声援受けて只今見参!


さすがに顔グラフィックは赤目のままだったのが惜しい。

『ブレイブサーガ』をクリアしたメモリーカードを続編『ブレイブサーガ2』にデータコンバートすることでブラックマイトガインが再登場。
マイトガインとブラックマイトガインを隣接させることで、合体攻撃『十文字斬り』が発動する。
ブラックマイトガインが横一文字に斬りつけた後、マイトガインの縦一文字斬りが決まる。


新世紀勇者大戦

『新世紀勇者大戦』でも条件を満たすと加入。ただ縦一文字斬りがただの大ジャンプ斬りと解釈されたのか、大ジャンプして行う通常攻撃扱いで、必殺技がなく中盤以降は息切れしてしまう。
6話「ブラックガイン」でブラックガインが初登場し、なんとそのままスポット参戦、続く7話「悪者特急ブラックマイトガイン」で、原作同様ブラックマイトガインが敵として登場する。
そこで救出に成功すれば、その場でスポット参戦。なお救出するのはオリキャラの那由他沙織であり、マイトガインキャラは一切関わらない*1
更に続く分岐8話「胡蝶の夢」にて正式に加入する。ブラックが加入しないと胡蝶の夢に進めないため、ルンナ加入のための必須キャラとなっている。
なおもう一つの分岐8話「完成!ビルドタイガー」に進むための条件は、ブラックを破壊する事のため地味にジェイデッカーファンに辛い仕様となっている。


『スーパーロボット大戦』シリーズ



黒い翼に
希望(のぞみ)を乗せて
灯せ平和の青信号

勇者特急ブラックマイトガイン、定刻通りにただいま到着!


スーパーロボット大戦V』では緑目の状態のブラックマイトガインが使用できる。
名乗りの際に指差すランプ部が赤信号のまま*2なのと、『ブレイブサーガ』オリジナルの名乗り口上はカットされたのが気になるが、必殺のブラック動輪剣・縦一文字斬りを使う際に

「ブラック動輪剣!チャージ…アーップ!!」

というどこかで聞いた事のある台詞をどこかで聞いた事あるような声で叫んだり、
書きおろしカットインも満載だったりとやりたい放題となっている。
いいぞもっとやれ!

ちなみに、制御されたブラックの動きを止める際に自軍一同が「特許許可する東京都特許許可局」を言う、というクロスオーバーがある。
ジュドーやキラが淀みなく早口言葉を言うので、ある意味必見)
さらに、ボーナスシナリオ(DLC)「再起への誓い」において、ホイ・コウ・ロウ(とチンジャ)と再会し「罪を憎んで人を憎まず」と彼等を許す一幕も。


スーパーロボット大戦X』では条件無しの無条件で生存、仲間入りをするというまさかのデフォルトメンバーとなった。
本作では敵として初対面し、その後に正義と明らかになる辺りが他作品と異なっている。
なお、今回ついに勇者特急隊の最強合体技、ジョイントドラゴンファイヤーに参加。
ガードダイバーの変形したレスキュー特急の後方にブラックロコモライザーが連結するという形で合体している。(これによりブラックロコモライザーもブラックガインとブラックマイトウイングを収納可能なのが明らかになった)
そのため、本編では「五体連結」だったのが「六体連結」となっている。
カットインの顔のドアップではグレートマイトガインを差し置いてまさかのセンターという凄くオイシイ立ち位置となっている。



スーパーロボット大戦T』では、再び隠し要素に戻り、加入させないとジョイントドラゴンファイヤーも使えなくなってしまう。
条件を満たすと第11話後にシークレットシナリオが挿入されて、そこで加入する。たった1話の差であるが、マイトガイン組の中で一番参戦が早い
(ちなみにシークレットシナリオに行かないと加入どころか登場すらしない)。
修復された後、エルドラチームの下で勇者としての心得を学んだとし、彼等を師匠として仰いでいる。


●余談

この第16話の脚本を手掛けたのは、『鳥人戦隊ジェットマン』やのちの平成仮面ライダーシリーズでおなじみ、破天荒な作風で知られる井上敏樹氏。
井上が『マイトガイン』に参加したのは本話を含めて2話のみなのだが、そのもう1話は勇者シリーズ史上でも稀に見るカオスギャグ回として名高い第8話「納豆に手を出すな!」であり、あまりの作風の振れ幅は今なお語り草になっている。

2022年末に放送30周年およびリマスター版BDボックス発売を記念して実施されたエピソード人気投票では本話「ブラックガイン」が見事に1位を獲得。MXテレビでの再放送、YouTubeでの期間限定配信が行われた。ちなみに2位は前述の「納豆に手を出すな!」で、2話しかない井上脚本回がワンツーフィニッシュしている。

洗脳メカを道連れに自爆した後、ブラックガインの頭部が落下する場面は『太陽の使者 鉄人28号』の第49話「さらば!ブラックオックス」におけるブラックオックスの最期のオマージュ。

放映から20年近く経った今でもなお立体化されている。
スタジオハーフアイからの最小合体、スーパーロボット超合金……
勇者シリーズゲストキャラの中でも最大級の優遇を受けていると言えよう。

彼の人気の賜物か、それとも偶然かは不明だが、後年のタカラトミー(旧タカラ)産のロボットアニメ
『新幹線変形ロボ シンカリオン』およびその続編『新幹線変形ロボ シンカリオンZ』においても、ブラックガインと同じく黒いカラーリングのライバルロボの、ブラックシンカリオンとダークシンカリオンが登場している。
ゲストキャラだったブラックガインと異なり、彼らは当初はライバル的存在として敵対し、後に完全に仲間になりレギュラーキャラとなっている。
ただし、双方共に仲間になった後はカラーリングは変化してブラックカラーでは無くなっている。



「項目が未完成だぞ。一緒に追記・修正するんだ、ガイン」

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最終更新:2023年12月09日 17:17

*1 強いて言うならガードダイバーのハイドロキャノンが、救出可能な条件まで削るのに便利

*2 その代わり「悪を倒して平和が訪れた」という解釈なのか、縦一文字斬りのトドメ演出で青信号になる。