サイレン(FSS)

登録日:2011/10/12 Wed 03:21:16
更新日:2024/03/03 Sun 15:00:13
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■サイレン■

「サイレン」は永野護の漫画作品『ファイブスター物語』に登場して来るMH(モーターヘッド)。
物語の舞台となるジョーカー太陽星団最強の軍事国家である「フィルモア帝国」の主力(旗騎)MHであり、その兵器としての完成度、信頼性から星団歴初頭の誕生から2000年を経た現在でも「星団最強」を謳われているMHシリーズであり、ハスハのA・トール、クバルカンのザ・バングと合わせて「星団3大MH」と呼ばれる一流MHの代名詞ともなっている。

基本的に堅牢な装甲と、それに見合わぬ高い機動性を持つ事で知られる重MHであり、軍事国家らしく主に大戦争での集団戦を想定した調整を施されている(シュトゥルム・ウント・ドラングの思想)。

また、用途に応じて通常型である本国仕様のA型の他、様々なバリエーションも存在するが、用途別に機体構造を別にするA.K.D.のミラージュ・マシンとは違い、サイレンの場合は皇帝騎であるV・サイレンも含めて、全てが同一規格の「ライオン・フレーム」から作られている。



【バリエーション】

以下に、現在までに判明しているサイレンのバリエーションを記す。
上記の様に基本設計は星団歴初頭の天才科学者ブラウニー・ライドの残した「ライオン・フレーム」に由来し、以降もブラウニーの血に連なる名だたるMHマイトが時代に併せた調整、改良を繰り返して来たのみに留まっている。
……つまりは、それ程に誕生直後から完成度の高かった機体であり、それが「星団最強」を謳われる要因でもあるのだろう。
基本出力は1兆3千億馬力以上。
主に開発者として名前を挙げられるマイト(製作者)はブラウニー・ライド、ゼビア・コーター、バルミドラン・シャープス、ルミラン・クロスビン、マール・クルップ等で、このサイレンで培われた技術はコーラスのエンゲージバッシュ・ザ・ブラックナイトといった後代の傑作MHにも影響を与えている(無論、それらの新技術は逆にバックロードもされる)。
バリエーションや装甲毎に全高、自重は違うので、それらは下記を参照されたし。



■A型(B、C、D型)
全高:19.0m
自重:155t

本国使用騎で、普通「サイレン」と云えばこの機体を指す。
「血の宮廷騎士団」と呼ばれるフィルモア帝国の精鋭騎士団「ノイエシルチス」の操る重MHであり、あらゆる戦場に出向いて行く(※MHは宇宙空間、水中でも問題無く運用可能)。
「魔導大戦」の開幕と共にメヨーヨのアシュラテンプルとぶつかったのはこの機体で、同じく重MHであるアシュラに対抗するべく肩部から光学式の「ガード・スパイク」を展開する姿が印象的であった(以前は実体式を使用していたらしい)。

A型は本土防衛用、王宮直属のノーマルカラー。
B型は黒グループ仕様。
C型は赤グループ仕様。
D型は青グループ仕様であり、それぞれにグループ色に応じた縁取りが加わるのみで纏めてA型と呼ばれる様だ。


■E型(アルカナ・サイレン)
全高:17.0m
自重:189t

皇帝警護騎士「アルカナ・ナイト」の使用する超重MHで、サイレンのバリエーションの中でも最も堅牢な装甲とパワーを持たされている。
天照もL.E.D.ミラージュに採用した積層装甲と板バネ式の補助筋肉を持っており、単体での防御力、攻撃力も通常のサイレンを大きく上回るが、本来の役割は集団戦に於ける鉄壁の防御と、強力なカウンターを利用した皇帝騎の警護である(本編でブルーノが見せていた通り)。
完全兵器に近い完成度を誇る強力な機体ではあるが、装甲の換装、調整には莫大な費用と労力が必要になる為か、アルカナ・ナイトの使用するトランプの種類(大アルカナ)に準えた4騎のみしか存在しない。
すごくごっつい外観だが、音から判別できる形式はA型サイレンと同じだというのが立ち合ったファティマの見解。A型にあれほどのガワを後付けしているのであれば、相当重く、扱いが難しくなっていそうだ。

■使用者

◆ビオレート・トライトン王子(ダイヤ)
◇ファティマ・霧姫

◆イアン・ケーニヒ博士(スペード)
◇ファティマ・オキストロ(おっきー)

◆ブルーノ・カンツィアン(ハート)
◇ファティマ・パラーシャ

◆ニオ・ハスラー侍従長(クラブ)
◇ファティマ・ストーイ


■F型(G、H)
全高:17.8m
自重:135t

「ノイエシルチス3銃士」とも呼ばれる各グループのリーダーが使用するリーダー騎で、本編で最初に登場したラルゴ・ケンタウリの使用していた機体がこれであった。
第2話で若きコーラス3世が目撃した時は、3騎全部がこのF型の装甲をまとっていた。偽装であろうか?
F、G、Hの識別は各グループのカラーによるもので、A型の例と同じく纏めてF型と呼ばれるのが慣例である。
「最強サイレン」とも呼ばれるフィルモア帝国ノイエ・シルチス各隊の旗騎MHであり、通常のA型よりも軽装で、高性能且つピーキーな調整が施されている様だ。
前述の通り、サイレンの設計思想とは異なるのだが、腕の立つ人間が敢えて目立つ機体に乗り込む事で内外に自らの存在を誇示すると共に、仲間を鼓舞すると云う意味が込められている様である。

■使用者(各時代の3銃士)

◆アビエン・ヒートサイ強天位騎士(黒)
◆ラルゴ・ケンタウリ(赤)
◆バーバリュース・V(黒)
◆シャンシー・ガラー天位騎士(黒)
◆ブラウマ・イク(赤)
◆ブルーノ・カンツィアン(青)
◆ペテルギウス・ズーワット(黒)


■R型
全高:16.5m
自重:141t

「魔導大戦」を前に復活した皇帝直属の白グループの使用する新型(F型と同一機構)。
重装甲では無く、軽装甲の遊撃部隊としての運用を想定された細身の機体である。
黒グループのリーダーから白グループのリーダーに配置替えとなったシャンシー・ガラーらが使用する。

■I、J、K型
輸出用。
基本的にはA型と変わらないが、特別な調整を施されていない状態。
合衆国が友好国に戦車や戦闘機を売る感覚か。モンキーモデル*1かもしれない。


■L型
基本設計である「ライオン・フレーム」の状態のサイレン。
「コーラス・ハグーダ戦」ではサイレンはこの状態で持ち出されてブーレイに換装された。


■M型(抹消済み)
本来はフィルモア王家の為にルミラン・クロスビンが調整を施していたサイレンの指揮駆逐用MHとなる筈であったが、帝国の戦術理論に合わない為に抹消された。
後にクロスビン自身がコーラスの「ベルリン」開発の傍らに改良を施し完成させており、現在は黒騎士の兄弟騎「グルーン・エルダグライン」として知られている。
フィルモア本国でもこの設計は残され、王専用騎「Vサイレン」2騎の元になった。


■N型(ネプチューン)
全高:18.3m
自重:121t

皇帝騎「V・サイレン」と呼ばれる機体の一つであり、ネプチューンは本来はレーダー王家に伝わる機体。
元々は先のフィルモア皇帝レーダー8世が搭乗していたが、ネプチューン自身が凶状持ちの少女クリスティン・Vを守る行動を見せた事から「魔導大戦」を前にハイランダー(皇帝代理騎士)の任に付いたクリスティンに譲渡された。
余分な装甲を廃し、機動性に特化させた駆逐用の「ネイキッドMH」であり、出力も通常のサイレンの1.3倍程にまで強化されている。
対MH戦のみに特化した非常にピーキーな機体であり、扱えるのはレーダー8世やクリスティンの様な強力な騎士のみであり、クリスが使用する様になってからは更に装甲が軽くなっている。

■使用者

◆ドル・パーマネント・レーダー8フィルモア皇帝(レーダー8世)
◇ファティマ・クラトーマ
※2人の搭乗していた時代にはクラトーマ・V・サイレンと呼ばれていた。

◆ハイランダークリスティン・V天位騎士
◇ファティマ・町


■O型(プロミネンス)
全高:18.5m
自重:135t

フィルモア王家に伝わるMHで、ネプチューンと併せて皇帝騎「V・サイレン」と呼ばれる。
女性型のネプチューンに対して、男性型の角張った外見を持つ。
先々代のフィルモア皇后である慧茄・ダイ・グ・フィルモアの搭乗騎として知られていたが、孫であるダイ・グ・フィルモア5(エラニュース)のフィルモア皇帝戴冠を前にパートナーであるチャンダナ毎、彼に譲渡された。
「魔導大戦」では行動不能に陥ったネプチューンを救うべく、皇帝自らが戦場に降り立ち窮地を救うと云うパフォーマンスにより内外から喝采を浴びている。
尚、同じ駆逐用MHながらネプチューンとは運用思想の違いからか外見が異なるが、共にMHグルーンから派生した兄弟騎であり中身は同一。

■使用者

◆剣聖慧茄・ダイ・グ・フィルモア
◆エラニュース・ダイ・グ・フィルモア5フィルモア皇帝
◇ファティマ・チャンダナ



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最終更新:2024年03月03日 15:00

*1 輸出用として、性能を落とし重要技術をボカした格下げ製品のこと。売りつける相手の工業レベルに合わせるという意味合いもある。現実の地球でも主力戦車T-72などがこれをやっていた。