小説家になろう

登録日 :2011/06/05(日) 06:07:30
更新日 : 2017/08/29 Tue 10:30:23
所要時間 :約 11 分で読めます




「あぁ、○○な小説ないかなー。そうだ、自分で書くか。携帯小説とか最近よく聞くし。でもどこに投稿すればいいんだろー」


↑なーんて、考えた事ありませんか。


そんな人達に、手軽に投稿でき、かなりの人が来て、出来次第では文庫化できる素晴らしいサイト、「小説家になろう!」をご紹介します。




★概要



小説家になろうとは自作の小説を投稿するサイトである。
姉妹サイトとして18禁小説を投稿する「ノクターンノベルズ」(男性向け)、「ムーンライトノベルズ」(腐向け)が存在する。
2016年に、官能を主目的としない大人向けの作品…というよくわからない区分の作品を対象とした「ミッドナイトノベルズ」が新設された。

昔は二次創作作品も投稿されていたが、現在は権利元の許可がある一部作品の二次創作のみが許されている。

また検索タグがつけられるので、その時求めているジャンルや個人の嗜好なども割と簡単に検索できる。

ツンデレヤンデレなどの有名所や、異世界ハーレム、主人公最強などのシチュエーション・設定。
また作品の文字数や読了時間まで細かく検索が可能であり、どう探したらいいか判らない。ということはあまりないだろう。
なんか作者がヤケに馴れ合い臭いのはご愛嬌。
大人ならそのぐらい流せ。
逆に 読者が来る感想欄は殺伐しており、 つまらない展開になったら容赦なく罵られたり、
「このキャラは殺さないんですか」みたいな物騒な感想が来るのはしょっちゅうである。


サイト名どおり、投稿した作者の中でプロ入りした者も多い。
電撃文庫でデビューした『魔法科高校の劣等生』の佐島勤氏等が有名な例であろう。
ちなみに、ここで投稿した作品を持っていけるものもある(当然ながら二次創作は不可)。
最初から一定の人気が見込めること・新規イラストや加筆訂正といった「追加要素」で既存ファンも呼べることなどから、
最近では書籍化を巡って出版社が上位作品の争奪戦を繰り広げている状況になりつつあり、
もはや現在では書籍化に参入していないラノベ系出版社はないくらいのバブル状態になっている。
一般文芸にも飛び火しており、ついには 本屋大賞ノミネート を成し遂げる作品まで出た。


最近では『トラックに轢かれたかと思えばそれは神様の手違いで、特別にイケメンに転生(または異世界にトリップ)してもらったぜ! もちろん俺が最強だ!
で、この女の子はなんで顔が赤いんだ?』というテンプレが流行っている。
ギルドに入ったり学園に入ったりするのはもはやお約束。
他にも某作品に影響されてか、『VRMMO(簡単に言うと全身体感型のオンラインゲーム)をしたら閉じ込められた!
死んだら現実の俺も死ぬ!』というテンプレも流行りだした。
この場合よくあるのが主人公はほかの(廃人含む)プレイヤーが気付かなかった技に気付くとか、
何故か主人公にはレア職業やレアアイテム、レア装備があったりする。
主人公は学生とか会社員とかおかまいなしで元からランキング上位だったり。
中には「VRMMOで遊んでたら、ゲームによく似た異世界に引きずり込まれた」という折衷案もある。

要するに、主人公による『俺最強!』ものが流行っている。
というかランキングに入っているのは殆どそれしかないといっても良い。
ランキングの上位を占めるのが大体このテの作品である辺り、テンプレだが読者の心をつかむのだろう。
逆にそういった小説は、出所に関係なく「なろう系」「最低系」とカテゴライズされる。
(実例としては、投稿サイトArcadiaの幼女戦記ゲートなどの
 「ウェブ小説全般」もひとまとめに「なろう作品」として呼称・誤解されるケースが多い)

また、最強ものが流行りすぎた結果
逆に『主人公最強なんてバカじゃねーの!現代人が異世界で活躍できるわけねーだろ!これが真の文学だ!』みたいな作品もテンプレとして流行っている。

なお、ある統計によると 実際は『俺最強!』やら『異世界!』『VRMMO!』以外の作品の方がはるかに多い のだが、
ポイントが流行のものに集中しているのでほとんどランキングに上がってこないようだ。
商業の需要を無視して自由に書けるはずのウェブ投稿サイトだが、やはり需要のない作品は読む人が少ないのが現実らしい。

作品の投稿には携帯・パソコン両方に対応している。

盗作は最もやってはいけない行為です! バレないわけがないので絶対にやめましょう!

なお、作品投稿に際して定められている規約を故意に破った場合、運営からアカウント削除などの制裁が成される場合もある。
実際に起きたケースとしては、出版社から書籍化までされたとある作品が、全年齢対象としての掲載だったにもかかわらず
明らかにR-18相当の濡れ場・性的描写を度々挟んでおり、数度の警告に対しても著者が態度を改める様子を見せなかったため、
運営の判断で作品もろともアカウントが消されるに至った事例が発生している。



★利点と問題点



☆利点
1. 退屈な時間の暇つぶしに最適。

2. 食傷気味でも、割と新鮮。



☆問題点
大きく分けて2つあるのだが……。


1. 作者の技量の差が大きい。
作者によっては、プロに匹敵するクオリティの作品もあるのだがその逆も然り。
ほぼ誰でも投稿できる仕様なので、仕方のないこと。気に入らなければ他を当たりましょう。

また、昔は「マイナーすぎるジャンルがカバーされていない」という問題もあったが、
近年では作品が多様化したため、質と探す手間さえ問わなければいろんな作品を見れるようになった。
もっともそれらの作品も作者の技量の差が大きいのは変わらないため、母数が少ないとヒット数も下がるのは同じだが…

しかし、思いのほかお目当ての系統に同志が多く、更に運良く高レベルな作品を見つけることができたとしても……。

2. 作者が……(最重要)
「この作品はかなりの出来でゴザルな、フヒヒ。投稿されていたヤツは全部読んだし、最新の話はいつ読めるでゴザルかなブフー」


最終投稿日
199×年△月▽日(何年も前の日付)


(・ω・)……。

これが俗にいう 「エタる」 である。
ある意味これが最大の問題点である。
やはり仕方がないというところなのだが、妙に自分と波長が合う作品だとなかなか落ち込む。

また、一話完結形式ならともかくストーリー重視の連載作品だとヤキモキが止まらない。
完結済みか否か。最終更新日はいつかを先に調べておくと幾らかダメージ軽減できる。
まあ、こういった問題点はここに限った話では無く投稿サイトでは当たり前ではあるが……。

ただ、エタるだけで済めば過去作品を読み返すことはできるのでまだマシなのである。
突然 作品を消して失踪する者も少なくはない のだから。
(作者がサイトを退会すれば投稿作品は すべて消滅する 。しかもわざわざ引退宣言をするものはそういないので、本当に突然消える)
戻ってくる例は本当にごく稀なので、読み返したいほど気に入った作品はこれまた姉妹サイトである「タテ書き小説ネット」などを使って保存しておくことを推奨する。

以上の点があるが、最初からそういうものだ、と割り切れば面白い作品はいくらでもある。

というか、大抵はアマチュアなのでそれはしょうがない事なのだ。

★昔、二次創作が許可されていた時代によくついていたタグ(現在小説家になろうでは二次創作は禁止されています)



◆リリカルなのは

ご存知ビッグタイトルの一つ。実は原作名が統一されてない。とりあえずリリカルなのはとでもうっとけ。
大抵はハーレムかきゃっきゃっうふふする作品だが、稀にシリアスな作品も、ギャグの場合カオスになったりする。
その洗練された設定のみ流用される場合も。


◆15禁

直接的な描写がないエロ、あるいはグロ描写を含む作品につけられるタグ。
大抵はエロを指す……のだが、ほとんどは予定~、だのだったらなぁ~という意味合いが強く、積極的な15禁作品はあまり見かけない。
完全な18禁はノクターンに行こう。

◆オリ主

読みは「おりぬし」ではなく「おりしゅ」。どうでもいいが。
文字通り本来の作品には存在しない、自分だけの主人公。別名、自己投影。
一番多く存在するタグ。その多さは「二次創作じゃなくてオリ主創作にしたら?(笑)」と陰口をたたかれる要因になることも。

こいつをしっかりと作るかで作品の大体の評価が決まる。
一番多いのは恋愛フラグを建てまくる最強美形(笑)オリ主!

基本的に「(作者の考える)達観したクールな性格」のキャラが多く、熱血タイプは稀。
ダメな作者はクールと無礼をはき違えて、上から目線で暴力とSEKKYOUを振りかざすたちの悪いチンピラにしてしまいがちである。

◆アンチ

原作の主旨に反する行動を取る主人公、またはそれを主とする作品を指す言葉で、いわゆるネットスラングの『アンチ』とは違う。
原作に対する作者の感情が反映されやすく、最悪の場合は主人公が世界観をぶち壊すだけの異物と化す。
その場合、アンチではなくヘイトと呼ばれることも。

◆アンチ・ヘイト

アンチ展開の派生用語。
原作の特定の組織やキャラを貶める・虐げるなど、憎しみ(ヘイト)をぶつける要素が強いSSがこのように呼称される。
「断罪系」などと呼ばれるジャンルはアンチ・ヘイトの一種である。
ヘイトをぶつけるジャンルには「ざまあ系」という呼称もあるが、こちらは一次創作でも使われることがある。

なろうで二次創作が禁止されたことで滅んだかに思われたが、なろうそのものの流行をアンチ・ヘイトする「アンチテンプレ」として派生した。
後述の項目を参照。

◆作者は○○

「作者は馬鹿」、「作者はゆとり」など、作品に関係ないタグの中でもつけてはいけないタグ。自分で自分の首を絞める要因となるので止めましょう。


◆トラック・神様・転生

テンプレ三種の神器。いずれも『原作の知識を持った人物がその物語の中にいたらどうなるか』というアイデアを実現するために生み出された裏技。
エヴァやナデシコなどの二次創作で一時期流行った「逆行モノ」が、一次創作に適応して変形したものと考えてもいいだろう。

◇トラック→トラックにひかれて死んだと思ったら○○の世界に~

◇神様→神様の手違いで死んで、お詫びにチート能力もらって○○の世界に~

◇転生→朝起きたら○○の世界の、それも赤ん坊に~

というのが大体の展開。ここにいわゆる憑依やTSFが混じることもよくある。

……しかし、今では『設定を考えるのが面倒くさいから、とりあえずこいつら使えばよくね?www』という安易な考えから、
また、上述した知識や能力の要素のために主人公がメアリー・スーになりやすい傾向も見受けられる。

もっと極端な例になるとなろうテンプレのパロディネタとしてこれらを使う者もおり、
「トラックと見せかけてトラクターに轢かれる」「アホな神様によって転生先が変なことになる」「手違いで死んでトラック 転生する」など色々混ざっちゃったものも散見される。

別サイト「文学フリマ」とコラボした「文学フリマ短編小説賞」では、ジャンル不問の賞であるにもかかわらず
「異世界転移、異世界転生の要素無しの作品に限る」 という異例の通達が出されるに至った。

そもそも、なろう側もなろうイコール転生、チーレムというイメージから脱却を図っているフシがあり、
現在異世界転生モノはほぼ ジャンル隔離状態 におかれている。
だが今度は異世界転生・転移タグから外れられる 「同じ世界に転生して最強になる」という設定が流行るようになっており
いたちごっこの様相を呈している。

◆歴史の強制力

原作の展開や裏設定などを知り尽くしたキャラが原作の世界観で動き回った結果、原作の重要な場面での展開が変わる場合がよくあるが、
その場合は当然ながら先の展開も変わってしまうため、綺麗に風呂敷を畳むには、いっそう作者の技量が問われることになる。
矛盾や捏造が発生しても、自分なりの設定を考えるのもまた、二次創作です。
だが、「何らかの強制力」が働いて原作の大きな流れからは逸脱できないという設定に初めからされてしまっている作品も多い。

◆(設定のみ)

そのキャラは好きじゃないんだけど、その能力は欲しいな~、という能力“だけ”を目当てにした虫の良い発想の産物。別名、「他人の褌で相撲を取る」戦法。

()の前には

Fate(設定のみ)

みたいに作品名がつく。
類似品に(技のみ)、(キャラのみ)、(魔法のみ)など。

ちゃんと盛り上げる算段があって行ったのか、オリジナルのキャラや技を考えるのが面倒臭かっただけなのか、
何も考えずに既存の作品の好きな要素を切り貼りしただけなのか。
この行為を行った理由も作者の技量が反映されやすく、作品全体の出来を左右する要素の一つになっている。

流行りなのかは知らないが、無限の剣製テイルズオブシリーズの術技、仮面ライダー(主に平成ライダー)への変身能力などがよく使われる。
オリジナルの使い手の人間性が反映された技を安易に借用すると叩かれる元である。

◆NAISEI

知力チートとも。
「現代の記憶を持ったまま、中世レベルの技術しかないファンタジー世界へ転生」など、主人公が現代の知識で改革を成し遂げるという作品。
ただし作者よりも頭の良いキャラは書けないという鉄則があるため、使われる「知識」の大半は薄っぺらいもので、
時代背景を考慮してもなお違和感があるレベルの愚民が都合良くいう事を聞いてくれるという代物になる場合が多い。

★感想

このサイトでは感想を書き込む際に良い点、悪い点、一言、と感想を三つのカテゴリに分ける事が出来る。
ただし、作品によっては作者と同じ様にログインをする必要がある。
その為、わざわざ感想を書き込む為だけにログインの手順を踏もうとする熱心な人以外は二の足を踏み易く、BBSが過度の馴れ合いに陥り易い。

その結果、作品によっては賞賛以外の感想が無い事も多々ある。
たとえば「あそこは鬱すぎる、もっとこうしろ」という内容への口出しなど。 作者によってはそれを鵜呑みにしてストーリーを変えてしまう場合もある。
しかも、感想は作者が自由に消せる為、作者の中にはほんの少し批判されただけで大人気なく感想を消す者もいる。
また、感想その物を書き込めなくする事も可能。
まれに最初からそう設定している作者もいる。


★参考

◆▼●なろうで受けているもの●▼◆

【ジャンル】
  • ファンタジーないし恋愛
ただし恋愛でもファンタジー要素はほぼ必須。
このジャンル以外では、ランキング上位はまず確実に不可能です。

【設定/世界観】
  • 世界観で受けるのは、いわゆる中世風ファンタジー世界でほぼ一択
現代ファンタジーはあまり好まれません。
  • 中世風ファンタジー世界を題材に、MMORPG、転生or転移、最初からファンタジー、はお好みで
  • いわゆる「ゲーム的な」ものが好まれやすいです
LVやステータス、魔法やスキルが存在し、職業:冒険者や、冒険者ギルドが存在するのがセオリー。

【設定/主人公】
  • 主人公の性格を突飛にするのはいただけません
過剰な性格は嫌われます。クールキャラが無難な線です。
  • チート能力を最低一つ用意しましょう
現代世界出身の主人公の場合は、チートを得る前は不遇だった設定をつけるとなお良いでしょう。
孤児、苛められっこ、引きこもり、ニート、フリーター、ブラック企業勤務、など。
  • 読者の共感を得るためには、ある程度はオタク知識に通じている方がよいでしょう

【展開】
  • なろうの読者の大半はストレスを嫌います。 これを大前提として認識しましょう
下手をすると感想欄が大荒れし、メンタルの弱い方は最悪の場合更新停止に追い込まれます。
  • 主人公は基本ageで。俺TUEEEも鉄板です
  • 敵キャラは基本sageで。好敵手な紳士キャラのように、 強さも性格も主人公を超えるキャラはいただけません
  • 主人公敗北の展開は絶対に避けてください。 敗北まではいかない逆境程度の軽いものでも、避けたほうが無難です
展開上どうしても必要な場合は、主人公が逆転する展開までを一気に投稿して読者を安心させましょう。
  • 主人公の周囲の男女関係には気をつけましょう
恋愛やハーレムをテーマにしていなくても、最も読者が己の願望を投影する箇所であり、デリケートな部分です。
例え主人公に明確な好意を寄せていないキャラでも、読者もそう思ってくれるとは限りません。
特に、主人公に近い位置にいるキャラを主人公以外の人物とカップリングさせるのは止めましょう。フリーでいいじゃない。

【その他】
  • 更新頻度は毎日が理想
更新頻度は早ければ早い方がいいです。
昔は「更新頻度が高ければ、多少内容がしょぼくても読者がつく」などと揶揄されましたが、それだと今ではせいぜい日間ランキングに入れる程度、
継続して読んでくれる読者をゲットするには 内容が面白いうえに更新頻度が高い ことが最低条件です。
有能なのは月刊漫画家より週刊漫画家、週刊よりも日刊です。

【上の条件を忠実に守った「最低系SS」の定義】
  • 主人公は初期設定段階で最強の戦闘力や特殊能力を持つ。あるいは作中の初期段階で力を与えられる。
  • 主人公の精神的傾向として自己陶酔や被害者的心情が強い場合が多い。または、逆境にも耐えられる強い精神力を持つとされることも。
  • 主人公に対する作者の自己投影が強く、また、周囲の登場人物の反応やストーリー展開も、主人公を承認するバイアスが強い。主人公を否認する登場人物や組織は展開上不利になり、あるいは破滅する。
  • 男性主人公に複数の女性が恋愛感情や思慕の念を抱く、あるいは同性のキャラクターから信頼関係を得やすいなど、ハーレム的傾向が強い。

もっとも、最近はこれらのテンプレに基本的に従いつつ、少し外したような作品の方が人気が出つつあり、それもまたテンプレになっている。

★アンチテンプレ

上述のように「テンプレに逆らう、テンプレを揶揄する、テンプレを外す」というのがテンプレになっている。

一番わかりやすいのはいわゆる「かませ勇者」や「踏み台転生者」と呼ばれるテンプレだろう。
彼らは異世界からの来訪者であり、最強の戦闘能力をギフトとして与えられ、被害者的心情や思い込みが強く、
社会的に認められていて、複数の女性にも慕われている…つまり 他作品の主人公みたいなキャラ であり、
かませ・踏み台という名の通りに主人公に打ち倒され、「テンプレがこんなふうになるなんて他の作品とは少し違う」と読者に思わせる役割である。

実際のウェブ小説での例としては、このすばのミツルギは「いかにもなろうのチート主人公っぽい奴を主人公が倒す」という典型的なアンチテンプレであり、
リゼロのラインハルトやユリウスは「なろうによくあるかませ勇者的な騎士かと思いきや、ちゃんと実力者だったり実はいい奴だった」というアンチ・アンチテンプレである。もはや意味が分からない。
(他にはリゼロには「粉塵爆発を起こそうとして失敗」という展開など、王道のアンチテンプレ展開も多い)
世界大戦風の世界が舞台という形でテンプレから比較的外れている幼女戦記ですら、メアリー・スー大尉(作中での通称 糞袋 )が登場し、伝統的なアンチテンプレを踏襲している。

とりあえずテンプレの展開や視点を逆にしたり穿って見てみる、というのも多い。
「転移先が中世ファンタジー風ではなく高度な文明だった」「与えられたのがチートではなく不遇な能力」「むしろチートなんてなかった」
「ニートではなく有能な人間が転生」「轢いたトラック運転手が主人公」「ストレス展開が続く」「転生者に虐げられる現地人が主人公」
「奴隷が美少女ではなくおっさん」「チート能力は悪しきパワー」「転生者は神の操り人形」などである。

現実の一部分だけをフィクションに恣意的に適用することも頻出する。
「ハーレムは女性関係がギスギスするし平等に愛さないといけないし子孫同士で争いが起きるししんどいだけ」
「中世は衛生観念や食事事情が汚いので、現代人は普通に暮らすだけで辛いはず」
「異世界人は転移者の肉体に付着しているであろう細菌に免疫がないのでパンデミックが起こる」
「中世にジャガイモはない」など。

「『なろうで見た~』を根拠にしたなろうテンプレ的な行動が失敗」というのもわかりやすいパターンである。
「聞きかじりのNAISEIで失敗」「どっかで見たような能力を安易に得たら使いこなせず失敗」
「ハーレムを作ろうとナンパしたら袖にされる」「奴隷を買ったら反逆された」など。
露悪的なものでは「自分を主人公だと思い込んで暴虐を尽くす狂人」のようなものも。

今ではテンプレの一つである「主人公が人格と知識そのまま赤ん坊に生まれ変わり、幼少の頃から修行を続けることにより最終的に強力な力を手に入れる」という展開も
元々は「いきなり異世界に転移したところで神に与えられたチート能力を最初から使いこなせるわけがないし、社会的にも存在しなかった人間なので立場が不安定」という
通常のチート異世界転移に対するアンチテンプレ的思考から生まれたと考えられる。

これらのアンチテンプレは、「リアル」だとか「ハード」だとか「オリジナリティがある」と自称されることが多い。

他にどういった「アンチテンプレという名のテンプレ」があるかは、なろうテンプレをそのままひっくり返した展開があると考えればわかりやすい。
これらはテンプレと無関係ではなく、逆方向を行っているだけで、あくまでテンプレのレール上であるのが特徴である。
バリエーションは幅広く、 すぐ思いつくアンチテンプレ展開はなろうのどこかにほぼ既出 と考えても差し支えない。
(なろうをあまり読まない人が「なろうではこういうテンプレがウケてるみたいだけど、こういう(アンチ的作品)も面白いんじゃね?」などと提案し
 しかし意表を突いたはずのその発想は既出どころかアンチテンプレとしてとっくにテンプレ化していたのものだった…という光景はネットでよく見られる。それくらいなろう作家は節操がない)

結局のところ、こういったアンチテンプレもテンプレ的な俺TUEEEEからTUEEEEする先が変わっただけ
つまり「 テンプレやなろうそのものに対してTUEEEEする 」ものだと言える。
「愚かなテンプレ界隈に対して上から目線で考察し、無知ななろう住民を見下し、現代の理論や全く別世界の力を叩きつけ蹂躙・論破する」……
なろう主人公がやれやれと人間観察しながら異世界でチートや現代知識を振るい異世界人を教化する構図そのものである。

また、これらアンチテンプレも前述の二次創作時代のなろうの「オリ主」「アンチ(ヘイト)」ものの流れを汲むものと見ることもできるだろう。
アンチものでは特定の原作の中に入ったオリ主が原作キャラを説教したりするが
アンチテンプレがその特定の原作がテンプレという概念になっただけである。
『テンプレをアンチしているつもりがアンチもののテンプレになっていた』…何をされたのかわからなかった!

中には チートテンプレだったはずなのに物語の途中でいきなりストーリーの方向が変わってバッドエンド などという
ウェブ媒体以外では不可能に近いような実験的パターンも多くある。
とはいえ、さすがにここまで来ると読者を驚かせるための一発ネタに近くなるため
ご都合主義を避けすぎると物語が成立しないことと近い)
なんだかんだで「少し外した」くらいのものに人気が出るのは変わらないようだ。



★主ななろう出身作品(アニヲタwikiに項目がある作品)

分類は書籍版の出版社別。

アルファポリス

エンターブレイン

ホビージャパン

その他レーベル


★主ななろう非商業作品(アニヲタwikiに項目がある作品)

現在はなし。


2012年3月15日、「にじファン/NOSからの極めて重要な知らせ」により今後、

権利者側が二次創作展開を許可していない作品の投稿が禁止

となった。
途方もない数の作品が削除されることに……

後に、二次創作を発表できる場を求めた有志が「ハーメルン」を立ち上げ、
SSの書き手はハーメルンを含んだほかのサイトに移住することになった。
一方なろうはそれで衰退するかと思いきや、「なろう系」なるテンプレが成立して妙な進化を遂げていくことに…。


2016年9月からは書籍化したものを都合によりダイジェストにするルールが廃止され、再び多くの作品がなろうから消えていった。

後に「カクヨム」というサイトが生まれ、なろうのライバルになるのではないかと期待されていたが、
残念なことにクラスタでの慣れ合いの温床になっている。読者が少な過ぎて感想などもなろうに比べて格段に少ない。

投稿は計画的に。
追記・修正は完結さ

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