底力(スパロボ)

登録日:2011/09/02(金) 16:28:20
更新日:2023/08/02 Wed 20:07:18
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スーパーロボット大戦シリーズにおいて採用されている特殊技能及び精神コマンド


□精神コマンド

ファミコン第2次にのみ存在する精神コマンド。
自機のHPを完全回復するという、現在の「ド根性」と同じ効果。


□特殊技能

作品により発動時期や補正の具合は異なるが、大抵は「HP減少の割合に応じて回避率、装甲、クリティカルの確率が上昇する」というもの。
さらに技能レベルが高いと少ない損傷でも発動し瀕死状態での最大効果も高くなる。
追い込まれれば強くなる、ヒロイックな能力。
この特性上HP回復系能力との相性が悪い。
連続ターゲット補正による追い込みについては元々の装甲値によって相性が分かれる。

普通はスーパーロボット系のパイロットが覚えている技能だが、近年ではリアル系のパイロットも多く覚える。
大抵はニュータイプ等、上書きのできない先天技能の補正を受けられないキャラの救済の意味合いが強い。

この技能の特性を利用し、わざと自軍のHPを減らして強化するというテクニックがある。
これを利用するために早解きにおいてMAP兵器持ちは味方のHPを削るのに駆り出された。
しかし考えて欲しい。仲間をボロボロにするまで攻撃する味方、ボロボロになった方が避けて固くなる機体……
と、絵にすると実にシュールなのだが、そこはゲームシステムの都合という事で割り切っておこう。

そしてプレイヤーから機体を酷く傷物にされても難なく修理をこなすアストナージさんなどの整備士の面々は流石といったところである。

シリーズには「ガッツ」や「反骨心」など似たスキルはあるが、近年では採用されていない。

シリーズにおける効果の変化について

第4次の頃から存在する技能だが、SFC版ではバグで効果がない。おおう…。
この頃はHPが1/8以下になるとクリティカル率が+50%されるだけであり、序盤はともかく終盤は精神コマンド駆使した方が早い、という微妙なものだった。

αとα外伝ではHPが1/4以下になると発動し1/8以下になるとさらに強化されるという効果になった。
命中率、回避率、クリティカル率がそれぞれ+30%、装甲も残HPに応じて最大+50%くらいされるようになり、能動的に攻略に組み込む価値が増した。

現在のレベル性のものはスーパーロボット大戦64から。何かと特殊技能の設定ミスの多いゲームだが底力もその例に漏れず、最大で命中回避+90というとんでもない補正がかかる。

調整されて以降は命中・回避・装甲に最大4~5割程度の補正となった。
しかし計算式の都合上装甲値の増加が大した意味を持たなかったため、下手なスーパーロボットでは発動させても攻撃を避けられず(耐えられず)、あっさり撃墜されることも多かった。
一方、リアルロボットは命中・回避増の恩恵をフルに享受でき、援護防御を覚えさせて安全にHPを減らす戦術が現実的になる始末。
イメージとは完全に真逆のリアルロボット向け技能と化してしまい、デフォルトで所持するスーパーロボットについては「ほかの有用な技能に上書きしてもいいんじゃね?」と言われることもしばしばであった。

こうした状況が問題視されたか、『Z』や『AP』以降は装甲の補正値が従来の倍にまで上昇。
スーパーロボットも十分な恩恵を得られるようになったのだが……今度は別方向の問題が発生する。
そう、敵ボスの異常な強化である。
特にまずいのは十万単位のHPをもつラスボス格の敵が高レベルで所持している場合で、あと少しのHPが全然削れないという事態が頻発するようになった。
特に『AP』のドン・ザウサーの硬さは語り草で、精神コマンドの「自爆」を使った追い込みが推奨されたほど。
底力の活用を意識しないプレイヤーにとっては苦行でしかなく、「敵ボス専用嫌がらせ技能」と揶揄する声も聞かれた。
しかし近年は「敵ボスの底力のレベルを低めに抑える」という調整が定番となり、敵の方がより強化される技能というイメージは薄れつつある。

……と思ったか? 思いました

2021年に発売された『30』では装甲値上昇ではなく、被ダメージの割合カットに性質が変化。
これによりリアルロボットでもダメージ軽減の恩恵にあずかりやすくなったが、HPの高いボス敵はますます硬くなることとなった。

□代表的なパイロット


元祖スーパーロボットパイロット。
スパロボZではマジンガーZの装甲や本人の小隊長能力といった高い防御力に加えての底力により、正に難攻不落の鉄の城と化した。

  • 白鳥九十九
『AP』でのエースボーナスが「底力の強化率2倍」。
これにより元々硬いダイテツジンがさらに硬く避けて当てるようになる。
…が、実は一度習得させると周回プレイ時には敵対時にも発動させるようになる。
そのため下手に削ると泣きを見る羽目に。

第2次スパロボZ以降の底力の代名詞。負けるかもしれないが、死にはしない男が参戦したらこうなった。
リアル系パイロットなのにスーパー系を差し置いて底力Lv9の化け物パイロット。
クリティカル発生時のダメージが1.5倍になるスキル「精密攻撃」を所持しているため、武装をしっかり強化した上で底力を発動させると精神に頼らず平気で10000越えのダメージを叩き出す。
ダメ押しでHPが10%以下になると命中・回避+30、格闘・射撃・防御・技量+20される特殊技能「異能生存体」まで持っており、発動させたが最後、もう止められる者はいない。
でも単騎無双し過ぎた時のターゲット補正と必中だけは勘弁な!
彼にとって(無傷の時の)回避は本気の出しそこないとも。
まぁ、基本的には味方の支援(マップ兵器)が必須ではある。
ひさびさに登場した『T』では戦闘中に「不屈」を駆使して敵陣の真ん中で調整しながら戦う姿さえ見られた。

なお、キリコに限らずボトムズ系のパイロットは敵味方問わず高確率で底力を取得しており、中途半端に削ると危険なのはこちらも同じ。
モブのRS隊員、ギルガメス兵、バララント兵でも決して侮れない。

「生きろ」というギアスを再現した結果、やはりリアル系パイロットなのに底力Lv9を内包するスキル「ギアスの呪縛」を引っ提げてくる。
ギアスの呪縛はさらにダメージ1.1倍の効果もあるし、スザクは「見切り」スキルも持っているのでキリコほど圧倒的ではないが十分な強さを持っている。
欠点は気力130にならないと「ギアスの呪縛」が発動しないことだが、エースボーナスで制限が撤廃されるが、杉田智和には「気力なんて簡単に上げられるからいらない」と産廃扱いされた

30』では気力制限が120に引き下げられた上、散々産廃扱いされたからかエースボーナスも「出撃時の初期気力上昇」に変更され大分使いやすくなった。*1
しかも『30』ではなんと「ギアスの呪縛」の底力Lv9効果と通常の底力が重複する仕様の為、最大で底力Lv18という前代未聞の事態に。
これにより最大でダメージ99%カット、命中・回避率+90%、クリティカル率+144%という化け物じみた補正が加わる上、
「見切り」の上位スキルである「極」まで所持しているので命中・回避・クリティカル率が更に30%上がる(スザクのエースボーナスには「最終回避率+15%」もある為回避は更に上がる)。
ついでに搭乗機がバリア持ちなので万が一当たってもダメージカットと重なり基本的に無効化されるため、上記のキリコとは違い連続ターゲット補正ですらスザクを止める事はできないという恐ろしさ。ラスボスかな?
これに「見切り」を習得させようものなら……数少ない弱点は、上から一気に削られて撃墜されるのにはお手上げな所か。

ちなみに『30』では「ギアスの呪縛」発動時にカットインが入るのだが、上記の通りエースボーナス取得で常時発動する様になる為、エースボーナスを取得したが最後2度とカットインが見られなくなる。視覚情報コンプしたい時は注意。


α外伝で強化版の「ガッツ」を所持。これを発動したYF-19の回避能力は凄まじい。
ただし素の状態で敵の攻撃が当たるとほぼ一撃で落ちるので防御や味方の支援(てかげん+マップ兵器)を用いて発動するのが前提なのは勿論、「必中」を使ってきたボスにぶつけたりするのもNG。

α外伝ではありがたいガッツ持ちなのだが、ザムジードスレードゲルミルはHP回復付きという残念仕様。
スレードゲルミルはあきらめてもHP10000オーバーなど素の性能で盾役として動かせるが、ザムジードは勿体ない。

↑のミオ同様の残念なパターン。
キリコと同じくリアル系で高レベルの底力(Lv8)を持つが、愛機ヴィルキスカスタムボーナスが「HP回復(中)・EN回復(中)を追加」になっており、機体改造を進めると折角の高レベル底力が活かしづらくなってしまう。

  • ボスキャラ全般
下記のように、「ボスなのに持っていない」キャラが特徴になる位には標準装備。
高レベルの底力を所持している事が多く、HPの量も桁違いのため、自軍からしたら信じられないHPで発動する。
同一のキャラでも開発元が異なると所持していたり所持してなかったり、そんな事例はあったりする。
『30』は味方全体の強化が容易なため、それに合わせてか高Lv底力持ちが多数登場している。


□持たないことが特徴的なパイロット


ビッグ・オーはバリバリのスーパー系なのにパイロット当人は底力を覚えないという珍しいパターン。
同様にZシリーズで底力を持っていないスーパー系だった『グラヴィオン』の斗牙やサンドマンは第2次Z再世篇で低レベルながら底力を習得したが、
ロジャーはZシリーズの最後の最後まで底力を持たなかった。そんなに底力出すのが嫌なのだろうか。
代わりにガードを初期習得しているが、安定性を高めるならやはり底力の養成もしておきたいところ。

最終盤のボスにしては珍しく非所持。普遍的な生死を超越し、今の今まで追いつめられて必死になるという概念を忘れ去っていたのかもしれない。
なお、追放された喜びのアドヴェントは人間性を理解しているのか普通に底力を発揮して相手してくる。唯一ヘリオース搭乗時はあえて負けてドクトリンとテンプティをZ-BLUEにぶつけるため、底力無しであっけなく倒されてみせている。
2021年に予期せぬ形で再登場した際は「腕試し」をしている意味合いもあってか非所時。他のラスボス級よりはダメージを与えやすい。

彼らは本編中、その時まで敗北の味を知らない絶対者的な立場からか待っていない。
特にエンブリヲは劇中でのうろたえっぷりからくる小物さ加減のせいで違和感がない。*2

  • エメロード姫
漫画版で読者に、アニメ版で視聴者に、そしてお祭りゲーでプレイヤー諸氏に大きなショックを与えたセフィーロの柱たる人物。
本作唯一の4回行動に代表される初見殺し極まりない攻撃力な一方で、愛したザガートの元に早く逝きたい気持ちの表れで、底力に代表される防御系の特殊能力を一切持っていない。

K』では底力L8だったが本作では代わりに「強運」(敵ユニットを撃墜した時の獲得資金アップ)を持って登場する。確かに原作ではその強運で命拾いしているが、スパロボでは無意味。『30』ではその「強運」も削除された。
むしろ原作での強運っぷりを再現できる「ラッキー」*3じゃなくて本当によかったというべきか。スタッフ「お前には…ラッキーは、やらない!」
ボスとして戦う頃には延命措置も限界に来ていたり夢を砕かれたりもしているため、これでは命運が尽きつつあるようにしか思えない。


追記・修正はHPをてかげんで10にしてからお願いします

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最終更新:2023年08月02日 20:07

*1 デフォルトで所持している初期気力上昇スキル「闘争心」と合わせると最初から気力120以上で出撃でき、結果としてこれまで通り常時発動することにはなるが、単にスキルが発動するだけより気力が上がってくれた方が色々と有難い。

*2 レナード・テスタロッサも同様の理由からか3Z天獄篇では所持していなかったが、Vではイベント後に取得。ある意味男を見せた。

*3 OGシリーズに登場する特殊技能。技能Lvに応じた一定の確率でその戦闘での命中率、回避率、クリティカル率が100%になる。しかもこれが精神コマンドの効果すら貫通する(つまり必中が避けられるだけならまだしも、必中を無効化するひらめきですら当てられる。あと熱血とクリティカルが重複する)という発動さえすれば極悪な効果である。