宝石(鉱物)

登録日:2012/02/05 Sun 04:57:57
更新日:2024/04/20 Sat 20:16:51
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宝石とは鉱物の中でも希少性があり、ふつくしい外観を有した固体(多くは天然に産する鉱物)のことである。


概要

金銀パールプレゼント♪のような代表的なものから翡翠琥珀・珊瑚の様に御伽の話に出てくる物までその種類は様々。
用途もまた多岐に渡り、指輪やネックレスにして身に付けるのはもちろん、カットされた石(ルース)だけを眺めてみたり、原石のまま置物やお守りにしたり、ストーンカメオと呼ばれる彫刻品の材料にする等々…。
大まかな定義としては、鑑賞性・希少性・耐久性の3つを揃えていれば大体は宝石と思えば大丈夫だろう。中にはどれか1つに全振りしたようなものもあるが。
なお琥珀や珊瑚など宝石ではあるが鉱物ではないという物もある。念のため。


天然石か否か

おおよそ目にするのは天然物の原石を加工したものだが、中には人工(合成)・人造・模造品といった物も存在する。

天然石以外は、大まかな区分としては以下の通り。

  • 人工宝石(合成宝石)
科学の粋によって作られたロマン品。天然宝石と同じ成分なので偽物ではない。
しかも純度や傷などの面でも質が良い。

作成法は、材料を溶融したり、天然石の生成過程を再現して結晶を成長させたり…と様々。
原料に「天然石のハネ品」を使うケースもある。

だが市場価格の安い石に対しては、天然石を掘った方が安い場合もありコストが宜しくない。
また高価な石に対しても、天然である事に価値を見い出す傾向もあってパチモン扱いされる等、冷遇されがち。
実際、天然石と偽る、「シンセティック(英:合成の)」や「ラボグロウン(英:工場で育った)」に言い換えて英語に弱い人を引っ掛けようとする、などの悪用も絶えない。

一方、品質のバラつきの無さや安定供給が重要視される産業用途には深くかかわっており、現代生活を支える存在なのであまり無下にしてはいけない。

例:時計用水晶発振子、研磨用ダイヤモンド、サファイアガラス、サファイア軸受…など


  • 処理宝石
天然石にカット・研磨以外の人工的加工(トリートメント)を施したもの。
色や透明度等を変化させ見栄えを良くする為に行われる。ヒビや傷を埋めて強度を増すための液体の浸透(含浸)なども含まれる。
複数の石の接着など加工が過ぎると模造宝石(後述)になってしまうが、そこまで行かなければ一般的には偽物とはみなされない。
どのような加工を施したかは鑑別書に備考や注記等で記載される。ただし技術的に特定が困難な場合や鑑別代をケチった場合(石の種類や処理方法によっては特殊分析の割増料金が必要)は、実際にどうなっているかに関わらず加工されている旨が一律で記載される。

以前は日本固有の分類として、最小限に近い加工をエンハンスメント(天然石とほぼ同等の価値)、自然界とはかけ離れた人工加工をトリートメント(価値は低く見られる事が多い)と呼んで区別していたが、使い分けはかなり曖昧だった。
例えば自然環境化でも起き得る反応であっても、加熱処理はエンハンスメントとされ特に問題視されていなかったのに対し、高温高圧処理や放射線・電磁波の照射はトリートメントとされていた。
2004年以降は諸外国に倣い、日本でも上記の区別をやめて全てトリートメントと呼ぶ様になっている。

例:
◇アクアマリン:色の濃い天然石はほとんど無く、加熱処理での発色が当たり前の様に行われている。現状では加熱・非加熱を調べる事は極めて困難
◇サファイア・ルビー:彩度も透明度も高い天然石はかなりの希少品。一般に普及している石には大抵加熱処理が行われている。
◇エメラルド:ほとんどの原石にヒビや傷があるため、オイル含浸を施すのが当たり前。ちなみにオイル以外(樹脂やガラス、染料など)で含浸した物は非常に価値が低い。
◇ファンシーダイヤモンド:冴えない茶色や薄黄色などを除き、天然で有色のダイヤモンドは極めて貴重。ピンクや青色等にもかかわらず安価な場合、高温高圧処理により変色させた物である。


  • 人造宝石
天然宝石っぽいが天然には存在しない(存在しても微量すぎるなど宝石としては使えない)宝石。
もしくは「ある宝石の代用品として、天然に存在する別種の宝石(類似石)を用いる」ケースを含める場合もある。
こちらは初めから代用品と割り切って使う需要が見られるが、やはり詐欺などに悪用される事もある。

例:キュービックジルコニア(人工)、モアッサナイト(人工)、ジルコン(天然)…など(この3種はいずれもダイヤモンドに似た特徴を持つ)


  • 模造宝石
ガラスやプラスチックなど明らかに宝石ではない素材を用いて、その名の通り宝石の様な形状を真似た細工品。
また天然宝石を用いていても、複数の石を接着する、金属コーティングで反射を強めたり色を変える等の細工を施した物であればこの範疇に入る。
そして案の定こちらも悪用される。
が、かの女性デザイナー、ココ・シャネルは「そんな高価なものジャラジャラつけて歩くのどうなのさ」とこっちの方を好んで採用している。

例:
◇ラインストーン:ガラス、アクリル樹脂等を切子状に加工したもの。今日では裏面に金属を真空蒸着したものが多い。
◇コットンパール:圧縮した綿を芯にして、パール塗装を施した模造真珠。
◇オーラ水晶/ミスティッククォーツ:コーティングを施した水晶。
◇ダブレット/トリプレット:2つ/3つの素材を張り合わせ、あたかも一体化している様に見せる模造石。
…など


宝石の価値

  • 種類による価値
よく宝石は希少性の順に価値があると思われているが、厳密には異なる。もちろん希少な宝石程高くはなりやすいのは事実だが。

宝石の価値については市場に出る前に厳密に管理されていたり(シンジケート)、
イメージ操作によって価格操作を図られたり、その上で需要と供給も関わっているため、単純には言及できない。

この手の話はダイヤモンドが有名だが、真珠はより一層分かりやすく顕著である。
かつて真珠は超高級品だったのだが、日本で養殖技術が確立してからすぐに急激な様々な働きかけがあったために価格が絶望的なまでに下がっている。
これは需要と供給バランスも当然あるのだが、それ以上に政治的な働きが大きい。

また単純な需給バランスの観点でも、希少性が高すぎる宝石というのもまた困りもので、十分な量を供給できないため採算が合わなかったり早々に枯渇したりと、
単価こそ高くとも「商業的価値」が出ぬまま採掘が終わってしまい、コレクターしか知らないマイナー宝石の地位に甘んじるという末路を辿る事も。
漫画「宝石の国」のアニメ化に伴って一躍有名になったフォスフォフィライトやユークレースなどはおそらくこの類だろう。
余談だがそのフォスフォフィライトについても、アニメ化で人気が爆発した途端に業者は売値を吊り上げたとの事で、少なくとも国内市場では、かつての10倍程度まで暴騰したとか。

なお、宝石が資産や投資対象となると考えている人がたまにいるが、正直それはハイリスク・ローリターンなので認識を改めた方が良い。
稀少とされた宝石が新産地の発見で突如暴落したり、逆にありふれた宝石が鉱山の閉鎖やジュエリーメーカーのマーケティングで突如高騰したりと相場が全く読めず、価値の保存や差益の獲得に繋げる事ができないため。
どうしてもやるなら石単体(ルース)だけで百万単位の値が付く超一級品でなければ話にならない。
そして何より金・プラチナと違って買取の市場が小さく、たとえば買取店に指輪を持ち込んでも台座の金・プラチナだけが相場に沿って査定され、宝石の部分は貴重な種類であっても捨て値同然に扱われる事が当たり前というのが最大のネックとなる。
ちなみにそれを逆手に取って、宝飾品から外された宝石を集め、ハンドメイド材料などとして格安販売するというビジネスを立ち上げた貴金属買取業者も現れている。

  • 品質による価値
ただ単に「宝石」と聞くと高級品のイメージが強いものである。
だがその一方で、本物の宝石のアクセサリーやビーズ、原石などが異様に安く売られている事もしばしばある。

これは、そもそも宝石が自然の産物であり、品質のばらつきが大きい為である。
原石の段階で、石の質(主に透明度と色)に応じて「ジェムクオリティ」「ジュエリークオリティ」「アクセサリークオリティ」と分類される。意訳すると「宝石級」「宝飾品級」「装飾品級」といった所か。
宝石の種類によっても変わるが、この比率は非常に偏っている事がしばしばあり、ジェム/ジュエリークオリティが2つ合わせて10%、残り90%がアクセサリークオリティなんて事も。

ちなみに人工宝石であっても、天然最高級と同等の物が無条件かつ大量に作れるという訳ではない。
人工宝石「クレサンベール」シリーズを製造・販売している京セラ曰く、製品になるのは製造された中の数%だという。

いずれにせよ、高価な宝飾品になれる原石は選び抜かれたごく僅かなエリートだけなのだ。

もうお分かりだろう。カジュアルファッションの店や観光地の土産物店、後述のパワーストーン専門店などで扱われる安価な宝石はアクセサリークオリティ、つまり高級品にはなれない「落第」レベルの石という訳だ。
特に、アクセサリークオリティよりさらに下の最下層の原石は標本級とも呼ばれ、このクラスになってくると色がくすんでいたり、透明感がほとんど無かったり、
ヒビだらけだったり、サイズが小さすぎたりと実用に堪えない何かしらの問題を抱えている。
原石のまま無加工であれば、ダイヤモンドやルビーといった名だたる宝石でさえ1粒1000円程度、水晶など産出量の多い種類は200~300円なんて扱いもザラである。

また装飾品の場合は相当に良質な石でない限り、台座などの金具の材料費、およびデザインや加工といった技術料が価格の大半を占めている。相場1000円程度のアクセサリークオリティの宝石を用いても、金具に金・プラチナを使えば一気に数万円まで膨れ上がる。
しかし言い換えれば、貴金属としては割安な銀、あるいは貴金属ではないが独特な味のある真鍮などを用い、押し出し成型で大量生産された金具を使えば、この辺りのコストを大幅に抑える事が可能。

質の低い石とコストダウンされた金具を組み合わせる事で、本物の天然宝石を使っていても数千円という格安価格が実現できるのだ。
加えてこの手の市場なら客側もはなから高級品とは考えておらず、質や真贋をさほど気にせずに受け入れてくれるという面もあるだろう。

パワーストーン

宝石の中にはパワーストーンと呼ばれるものがあり、所謂アクセサリー(お守り)として身につけると効果があると信じられている。
中には厨二病臭い力や呪いを与える物、宇宙の神秘の力を秘めた物いわタイプが使うものもれなく可愛い女の子が付いて来る物なども存在する。

近年ではパワーストーン専門店をショッピングモールなどで見かける機会も多い。
その一方で、石コレクターの中にはスピリチュアルな謳い文句を並べ立てて低品質の石に相場を逸脱した値付けをする店として煙たがる人も少なくないようだ。
また価格や謳い文句以外にも、浄化と称して日光に浴びせる、水に浸す、を盛る、ハーブの煙で燻す…といった行為を客に勧める事があり、石の種類によってはそれが変色や変質の原因に。
これで終わればまだ良いが、それによる石の損傷を邪気や悪運の身代わりになった結果などとして、店に言われるまま新たな石を買い続ける羽目になる事も。

もちろん全てのパワーストーン専門店がそうではないのだが、知識を持ったコレクターが行く様な宝石店(ルース専門店)・鉱物標本店と比べると、
パワーストーン専門店の方が認知度の高さも軒数の多さも圧倒的で、しかも石の知識に乏しい客も相手にするので、それに比例して悪質な店の数も自然と増えたり目立ったりしてしまうのだろう。

創作における魔法道具としての宝石はこちらへ。

主な宝石の種類

  • ガーネット/柘榴石(1月)
等軸晶系の珪酸塩鉱物。ノアの方舟にも明かりとして登場した石。洞察力を高め、優しさや慈しむ心を育むとされる。
一般的には赤色のイメージが強いが、実は緑や紫、黄色や黒など様々な色があり、青以外は全ての色があるのではと言われるほど。
その上、同系色で成分の異なる別種(赤系:パイロープとアルマンディン、緑系:デマントイドとツァボライトなど)も存在するため非常にバラエティ豊か。
なぜこうなるのかというと、後述のアメジスト&(無色の)水晶、アクアマリン&エメラルド、ルビー&サファイアなどは微量の不純物による色違いなのに対し、ガーネットの場合は不純物ではなく主成分から異なる6種類の鉱物を一纏めにしているため。
ちなみに存在しないと言われる青色も、見る時の光源によって色が変わるカラーチェンジガーネットという特殊な形ではあるが1990年代に遂に発見された。*1
石言葉は真実・友愛。

  • アメジスト/紫水晶(2月)
無水珪酸(+α)。元々は水晶。
αに相当する不純物や結晶構造のズレで偶々紫になった。魔除けや悪酔い、隠された能力を引き出す力を秘めている。
紫外線を長期に渡って浴びると退色してしまうので、普通に使う分には気付かないレベルだと思うが、直射日光の当たる窓際に何年も置く等の扱いは避けたい。
また、高温になると黄色に変色する性質があるので、質の低いアメジストは炉で加熱してシトリン(黄水晶)として売られているとか。ただし 加熱したアメジストは本当のシトリンとは別物 *2なので注意されたし。
石言葉は誠実・心の平和・高貴・覚醒・愛情。

  • アクアマリン/藍玉(3月)
六方晶系鉱物。ベリル(緑柱石)の一種。視力回復、心を癒して穏やかな気持ちにさせる力がある。
大昔のヨーロッパでは船乗りがお守りにしていたとか。
原石は六角柱型の整った結晶を作るのでそのまま置物にしても見栄えがする。
アメジスト同様、紫外線による退色に注意。
石言葉は勇敢。

ただの炭素。皆様ご存知宝石の看板娘。
値段と硬度は世界一ぃぃぃぃ!!
ダイヤモンドは砕けない…と言いたい所だが、
実際には世界一なのは引っ掻く力に対する耐久度(=傷つきにくさ)で、衝撃耐性(=砕けにくさ)はさほどでも無く、衝撃の与え方によっては結構あっさり砕ける。だからって割ったり燃したり蒸気機関車の燃料にするのは勘弁な!
人工のものは宝飾品だけではなく、その硬度を活かしてカッターやヤスリ、ガラス切り等にも利用されている。工業用に使うものは特殊なカットが必要なので見た目はそれほど綺麗でなくともお値段はそれなりにする。
そして割りと呪いの品も多い。デビアス社が市場を牛耳ってるからお高くとまっているものの実はそんなに大した事の無い宝石。
石言葉は永遠の絆・純潔・不屈。

  • エメラルド/翠玉(5月)
ベリルの一種、つまりアクアマリンの色違い。負の感情を正の方向へ換え、心と体を健康に導く。大昔は万能薬扱いされていた。コロンビアなどが主な産地。
同じベリル仲間であるアクアマリンに比べて、傷や内包物の目立つ原石が多く良質な物は貴重なため、ワンランク高く扱われている。この関係上、同種の鉱物の色違いであってもエメラルドの方が衝撃に弱くなりやすい。
銀河美少年のスターソードのひとつ。
鉄ヲタ的には常磐線(快速線・緩行線)のラインカラーとしてもおなじみだが、これは制定当時日本が高度成長期で、宝石がブームだったことが由来とされる。
石言葉は幸運・希望・安定。

  • パール/真珠(6月その1)
生体鉱物(バイオミネラル)・月のしずく・人魚の涙、と呼ばれる炭酸カルシウム(真珠質)。奥様方が着けるあれ。汗に弱い。
主にアコヤガイという貝(別名、真珠貝)から採取される。この貝は体内に入り込んだ異物を真珠質で包み込む性質を持っているのだ。
養殖真珠はこの貝を飼育し人為的に異物を入れる事で作られる。
13世紀には貝殻の内側に小さな仏像型の鉛板を入れ真珠質を付着させた「仏像真珠」が作られている。
因みに世界で初めて球形の養殖真珠の生産に成功したのは御木本幸吉。つまり日本人。その為か、今でも真珠の計量単位として尺貫法由来の「もんめ(匁)」が世界中で使われている。
その一方で、天然真珠採集が国の主産業だったクウェートはガチで滅亡の危機に陥った。
石言葉は健康・富・長寿・純潔。

  • ムーンストーン/月長石(6月その2)
フェルドスパー(長石)の一種。2種類の長石が層状に積み重なった構造によって、表面に光沢が浮かび上がる性質を持つ。
月の石や隕石からも発見される。そのせいなのかどうなのか、月の満ち欠けによって大きさが変わるという話も。
浮かび上がる光沢は白いものが一般的だが、青い光沢のブルームーンストーンも存在する。スリランカのミーティヤゴダ地域が有名な産地だったが、同地が枯渇した影響で価格が暴騰している。ただ、実際のところ小規模な採掘は続いているらしく、国内他地域に新たな鉱床も見つかったとの事で往時には及ばないが探せば意外と見つかる。
なおムーンストーンと同じ長石族のペリステライト(曹長石の変種)とラブラドライト(曹灰長石)という宝石にも青い光沢が浮かび上がる性質があり、
ややこしい事にそれらも低い知名度をカバーする目的でブルームーンストーンの名がしばしば拝借されている。
もっとも元祖ブルームーンストーンの様な暴騰価格ではなく、多くの場合それ相応の価格で流通しているため素人でも見分けやすい。
石言葉は愛の予感・悪魔払い。

  • アレキサンドライト/アレキサンドル石(6月その3)
クリソベリル(金緑石)の変種。当たる光によって色が変化する特殊な性質を持つ。
日光や蛍光灯など白っぽい光の下で見ると青緑だが、蝋燭の炎や白熱電球のようなオレンジっぽい光に当たると赤紫に変化する。
変色効果自体はガーネットやサファイアでも稀に見られるのだが「から」や「から」など比較的近い色での変化が多く、
それらと比べるとアレキサンドライトの「青緑から赤紫」という変化の激しさは突出している。
またアレキサンドライトは産出量自体が少なく、原石の状態でもかなり高価。
しかも小粒な物ばかりな上に、透明度は高いが変色効果が弱いor変色効果は強いが透明度が皆無という低質なものが少なくない。
大粒・高い透明度・強い変色効果の三拍子揃った良質な物を探すとなれば、原石だろうが加工品だろうが値段は天井知らず。
とりわけ、白色光下で見た地色の青味が強いほど高価な傾向にある。
石言葉は秘めた思い。誕生石としては2021年12月20日に追加された新参者。

六方晶系鉱物。コランダム(酸化アルミニウムのイルメナイト群)の一種。色の元は微量に含まれるクロム。
愛情・情熱・決意をより強固にし、防災、繁栄を呼び寄せる。
良質な天然品は貴重だが、成分としては僅かにクロムが混じった酸化アルミニウムの塊で空気中でも簡単に結晶するので、酸化アルミニウムの融点である2100℃以上の高温を作り出す技術が有れば宝石にはならない粗悪品を再結晶させる事やクロムが多過ぎる結晶と少な過ぎる結晶を混ぜて赤い色にする事自体は比較的容易である*3
サファイアとは兄妹の様な関係で工業用としても活躍している。最近はアニメの仕事も入ったようだ。
因みにダイアモンドに次いで硬い。
石言葉は熱情・情熱・純愛。

  • ペリドット/橄欖石(かんらんせき)/オリビン(8月その1)
斜方晶系鉱物。太陽の石と呼ばれ、暗闇への恐怖、妄想を吹き飛ばし、夜中独りでトイレに行く為の勇気をくれる。
太陽の石だが装備してもゴッドフレスコの加護は得られない。
ちなみに太陽と言いつつ隕石から発見される事があり、地上で採掘された普通のペリドットの何十倍もの相場で取引されている。
石言葉は夫婦の幸福。

  • スピネル/尖晶石(8月その2)
ラテン語でトゲを意味するspinaが語源で、原石では尖った八面体の結晶を作る事が特徴。
ルビーの鉱床のすぐそばで採れる事があり、モース硬度は8とルビーに近い硬さである。
赤い良質なスピネルは美しく、王族の財産の様な由緒正しい宝飾品にも数百年前からルビーと勘違いされて使われてきた。
そんな経緯もあって、鑑賞性・希少性・耐久性いずれも宝石として申し分ないにもかかわらずルビーの偽物というレッテルばかり貼られてしまう悲劇の宝石。
紛らわしい点は事実だが、スピネルも立派な宝石である。もし目にする機会があった時は、あまりぞんざいに扱わないでやってほしい。
ちなみにルビーとサファイアがコランダムという同種の鉱物の色違いであるかの如く、スピネルにも赤以外に青やピンク、紫などがある。なおコランダムは青より赤(ルビー)が産出が少ないが、スピネルは逆に青の方が少ない。
またスタールビー/サファイア同様、内包物の影響により星状の反射光を見せるスタースピネルも存在するが、こちらの方がより希少。
石言葉は内面の充実・安全。アレキサンドライトと同じく2021年12月20日から誕生石に仲間入り。

  • サファイア/蒼玉(9月)
コランダムの一種。ルビーとは色違いの関係…というより赤くないコランダムは全てサファイアに分類されるので、一般的イメージの青だけでなく様々な色が存在する。
ピンクや黄色、緑、無色、パパラチアサファイアと呼ばれるピンクとオレンジの中間色など。
感情の乱れを抑え、理性を保つという紳士に必要不可欠な余裕をくれる。
内包物の作用で星状の白い反射光を見せるものはスターサファイア/ルビーと呼ばれ、珍しがられるとか。
BBAとか言っちゃ駄目。王女は良いの。
石言葉は慈愛・誠実・貞操。

  • /(10月その1)
非晶質の含水珪酸鉱物。創造や自発性を高める波動を生む虹色石。遊色効果(プレイ・オブ・カラー)と呼ばれる虹の輝きと顔を持つ。
ちなみに遊色効果が無いもの(コモンオパール)も存在する。
ローマ時代から珍重された。また、日本にも白オパールの鉱床がある。
硬度的にやや脆い事に加え、水分を含むため乾燥によってヒビ割れを起こす事もあるので取り扱い注意。
ものによっては着加熱処理をしたり、色料を含浸させて着色したりする。
石言葉は希望・無邪気・潔白・安楽・忍耐。

  • トルマリン/電気石(10月その2)
複雑な成分から成る珪酸塩鉱物。宝石にならない物も含め、主成分が異なる39種類もの鉱物の総称。
最もポピュラーなのは主成分にリチウムとルミニウムを含むエルバイトトルマリン(リチア電気石)で、微量の不純物によって緑や青、ピンクに黄色など豊富なカラーバリエーションを持つ。
電気石という和名は圧力や熱によって電気を帯びる性質を持つ事に由来する。
そこに着想を得たのか、2000年代にはマイナスイオンを放出し健康増進などに効果があるとの疑似科学に利用された事もあった。
石言葉は希望・潔白・寛大・忍耐。ほとんどがオパールと被っているのはネタ切れか?

  • トパーズ/黄玉(11月)
斜方晶系鉱物。成分として含まれるフッ素と水酸基の割合によって2つのタイプが存在する。
感受性や好奇心を高めるパワーを持つ。何処ぞの太陽神が宿るとされる石。
和名の通り黄色のイメージが強いが、自然界にあるトパーズは無色が最も一般的で色付きの物はそれほど多くない。
また色付きであっても、フッ素が優勢な「Fタイプ」のトパーズは紫外線による退色に注意しなければならない(水酸基が強い「OHタイプ」は退色しない。ちなみに屈折率がFタイプよりやや高いため輝きが良く、インペリアルトパーズと呼ばれる)。
ちなみに無色のものは放射線と熱で青色に変えて売られる事も多い。自然界にも青色のトパーズがあるにはあるが、非常に珍しい上に色は薄い事がほとんど。
日本からも産出。
石言葉は誠実・友情・潔白。

  • ターコイズ/トルコ石/トルクワーズ(12月その2)
三斜晶系。旅行安全、友情を強めるとされる。
良く見かけるのは不透明な物だが、稀に透き通った美しい結晶状態で産出される事も。
紀元前4000年頃からシナイ半島で産出。
因みに名前に反しトルコからは殆ど産出しない。
石言葉は成功・繁栄・不屈。

  • ラピスラズリ/瑠璃(12月その2)
ラズライト(青金石/Lazurite)を主成分に様々な鉱物が溶け合って固まった物。
ちなみに主成分のラズライトとは別に、同じ発音で綴りの違うラズライト(天藍石/Lazulite)という別種があり紛らわしい。
電子の妖精で有名なのは言わずもがな。その色合いからしばしば空や星に例えられる。
昔はこれを砕いて絵の具にしていた。
持ち主に最高の幸運と試練を与える。
石言葉は尊敬・崇高。

  • ジルコン/風信子石(ひやしんすせき)(12月その3)
地球上で最も古い鉱物と呼ばれ、約44億年前に生成されたとされる欠片がオーストラリアで発見されている。
また古代遺跡から出土したという話もあり、人類は遥か昔からその美しさを知っていたようだ。
ダイヤモンドに近い光の屈折率と分散率を持ち、硬度もダイヤモンドよりかなり劣るが7.5と宝石としては及第点。
褐色をはじめとした色付きが多いが、無色のジルコンは大昔にダイヤモンドの代用品として使われていた。(現代ではそうした用途にはあまり用いられない)
なお現代でダイヤモンドの代用品の役目を担っている人造宝石キュービックジルコニアとの混同も多いが、これは語感が似ているだけの別物。
…といった事情から、鑑賞性・希少性・耐久性いずれも宝石として申し分ないにもかかわらず
ダイヤモンドの偽物というレッテルは貼られるわ、酷い時は天然石とすら思ってもらえないわという悲劇の宝石その2。
紛らわしい点は事実だが、ジルコンも立派な宝石である。もし目にする機会があった時は、あまりぞんざいに扱わないでやってほしい。
ちなみにジルコンには複屈折という透過した光を2つに分ける性質があり、これがダイヤモンドおよびキュービックジルコニアとの区別点かつジルコンの個性となる。
この複屈折によってジルコンを通して見た景色は二重にブレるのだが、カットされると裏側のエッジなどが表面にブレて映るため複雑なモザイク状の輝きを放つようになる。
これを引き立てるために、ダイヤモンド向けに考案されたブリリアントカット(58面カット)を変形させ、ジルコンカット(66面カット)という方式も生み出されたほど。
石言葉は安らぎ・成功・行動力・無限・生命力。2021年12月20日に追加され(ry

  • カバンサイト/カバンシ石
どこか引き込まれる鮮やかな青色をした鉱石。宝石に適した性質を持っておらず、壊れやすいので加工難易度が高い。比較的入手は簡単なので原石市場では人気がある。
心から恐怖や悲しみを取り除き、直感力を強め、創造力を膨らませる力がある。
石言葉は精神の安定・集中力。

  • ヘマタイト/赤鉄鉱/鏡鉄鉱
またの名をブラックダイヤモンドと呼ばれる鉄。六方晶系菱面体晶族鉱物。黒銀色だが傷を付けるとそこは血の色。
血行やストレスに効果があるとされる。
石言葉は勝ちを取る・心の内に燃える思い。
また鉄鉱石の一種であり、鉄や鋼鉄にも加工できる。宝石扱いされる金属鉱物という異色の存在。

  • 水晶/クォーツ/ロッククリスタル/玻璃
二酸化ケイ素の結晶である「石英」の中でも、無色透明な物、あるいは結晶の形が明瞭な物を指す。
この辺の定義は曖昧で「透明だが結晶の形が不明瞭」「結晶の形は明瞭だが白濁」といった場合は水晶と呼ぶか否か意見が分かれる。
原子レベルで不純物が混ざると紫水晶(アメジスト)や紅水晶(ローズクォーツ)等の色つきに変化する。また緑水晶や青水晶など、他の鉱物の微細な粒が混ざる事で色づいて見える水晶もある。
更にスカルを足すとオーパーツハートを付けると殺意が出来る。
世界中で大量に採れるので、これ単体での価値は実は高くない。
内部に他の鉱物を閉じ込める、双晶と呼ばれる特殊な形をしている、超特大サイズ、職人が手間暇かけた彫刻品…など何らかの付加価値が価格に反映される。
モース硬度は7で、宝石の耐久性の基準となる事が多い。これは「その辺の砂にも石英の微細な粒が含まれている為、それより硬度が高い宝石なら砂埃等で擦れても傷付かない」という理屈らしい。
石言葉は完璧・冷静沈着・神秘的。

  • カーネリアン/紅玉髄
石英の一種。二酸化ケイ素の結晶という点は水晶と共通だが、玉髄の場合は肉眼で見えない非常に微細な結晶の集合体である点が異なる。
名の由来はラテン語で肉。色も肉い。和名に「紅」と付くだけある色。ナポレオンも愛用した活力を与える石。
石言葉は勇気・友情・連帯・喜び・落ち着き・精神バランス。

  • 瑪瑙(メノウ)/アゲート
玉髄の一種。蛋白石・石英・玉髄が層状になった鉱物の変種で名前の由来は馬の脳みそに似てるから。イメージとしてはそれ又は年輪。
多孔質で液体が染み込みやすい事から人為的に染色された品も多いので、天然にこだわる人は要注意。
石言葉は金運・対人トラブル。

  • サンストーン/日長石
ムーンストーンがあるなら当然の様にサンストーンもある。しかもムーンストーンと同じ長石族である。
ただ外見や性質は全く異なり、こちらは無色~オレンジの地色に金属質の不純物の粒を内包する事で生じるギラギラとした煌めきが特徴。
またムーンストーンを名乗れるのは長石族の中の特定の種類のみという風潮に対し、何故かサンストーンは金属質の不純物による煌めきさえあれば長石族のどの種類かは問われないというぞんざいな扱いを受けている。
石言葉は恋のチャンス・輝き。



宝石や鉱物の関連用語

  • 原石
無加工の石。ただし適度なサイズになる様に分割したり、不要な部分を削ぎ落としたりといった工程(トリミング)は行われる事がある。
目当ての石を傷めなければ薬品で付着物や周囲(母岩)を溶かす方法を用いる事も。

  • タンブル
大量の原石と研磨剤を機械に入れて、洗濯機の様に回転させて磨いたもの。
川の上流の岩石が下流へ流されるにしたがって角が削れて丸くなっていくのと同じ原理。

  • ラフ
原石の別名。もしくは大きな原石をかち割りにしたもの。
後述の劈開性が強い石は、かち割りでも規則的な形状になる事がある。

  • 母岩
鉱物が生成される際に土台となった岩石。水晶などの別の鉱物が母岩となっている事もある。
原石コレクターには、目当ての石単体よりも母岩付きの方が人気が高い傾向にある。

  • ルース/裸石/カット石
原石をカットしたが、アクセサリーなどには取り付けられていない石単体の事。全くの新品だけでなく、アクセサリーなどから取り外された「外し石」も流通する。
装飾品などへの加工を前提としない鑑賞用のルースも稀に作られる。

  • カラット
1. 宝石の重さの単位。表記は通常ctだが、1ctを超えるとctsと表記される場合もある。大きさではなく重さの単位なので、比重の軽い石ならカラット数が小さくても大粒になる。
2.金の純度を24段階で表した単位。通常Kで表記され、K24で純金となる。

  • ガイ単価
宝石の1ctあたりの価格。通常ルースでしか用いられない。
ちなみにガイ単価の高い宝石は、原石からの目減りを抑えて重さを稼ぐために雑にカットされてしまう事も少なくない(カットの良し悪しを価値に含む慣習のあるダイヤモンドは除く)。

  • カット
原石を研磨して形を整える事。
ただし、原石の形を残したまま艶出しを目的に磨く場合や、先述のタンブルなどはカットと呼ばれない。

  • カボションカット
半球状にするルースのカット方法。透明度の低い乳白色系の石や硬度の低い石に用いられる。

  • ファセットカット
多面的な形状にするルースのカット方法。多くの人が宝石と言われて想像するブリリアントカットもこの一種。
ファセットとは平らに磨かれた面の事で、先のブリリアントカットは58のファセットがある。
余談だが、原石においても結晶の平らな面(結晶面)を「天然のファセット」と呼ぶ事がたまにある一方、割った時に生じた平らな面(劈開面)は何故かファセットと呼ばない事が多い。

  • ポリッシュ
艶出しのための研磨。
ルースを作る際の最終工程である他、すりガラス状などの原石に対して見栄えを良くする為に行われる事もある。


  • 貴石
宝石の中でも鑑賞性・希少性・耐久性が特に高い物。通常はダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドの四大宝石にアレキサンドライトを加えた五大宝石を指す。
……という名目だが、19世紀から存在する用語でありながら明確な定義がなく、ガーネットや翡翠などが加わったり、逆にアレキサンドライトを除外した四大宝石だけが貴石として扱われたりとバラバラ。
それに加えて、そもそも五大宝石とそれ以外の宝石の間でも質の良し悪しで希少性や価値の逆転が容易く起こるので、今では形骸化した分類法となっている。

  • 半貴石
貴石ではない宝石。ほとんど全ての宝石がここに該当。貴石の項に記した通り、現在では形骸化した分類法である。

  • 有機原石
生物由来の宝石である琥珀、珊瑚、真珠などの総称。地質学的な作用で生成された物質ではないため、宝石ではあるが鉱物ではない。また宝石としては、貴石と半貴石のどちらにも分類されない事が多い。
ちなみに化学における「有機物」とは別。(たとえば真珠・珊瑚の主成分である炭酸カルシウムは化学の世界では無機物)

  • 希少石/レアストーン
極端に珍しい石。明確な定義はないが、貴石・半貴石の分類法に比べると理由がはっきりしている事が多い。
幾つか例を挙げると、
■そもそもの産出量が極端に少ない(例:マスグラバイトなど)
■ルースはよく見るが原石では滅多に見ない(例:ダイヤモンドの母岩付き原石*4など)
■原石はよく見るがルースでは滅多に見ない(例:岩塩のルースなど)
■絶産した産地やマイナーな産地(例:ロシア産アレキサンドライトなど)
■小粒ならよく見るが大粒は滅多に採れない(例:アウインなど)
などがある。
しかし明確な定義がない事には変わりないので、店側が購入欲を煽るために拡大解釈して使われている事もある。要注意。

  • 色石/カラーストーン
ダイヤモンド以外の宝石。

  • 鑑定
ダイヤモンドの品質をチェックする事。色石には通常使われない用語だが、民間資格で認定された宝石鑑定士はダイヤモンドだけでなく色石も扱う事がある。

  • 鑑別
宝石の種類や真贋、天然/人工などを特定する事。鑑定とは違い、品質については言及せず、あくまでも正体を調べるだけ。

  • コマーシャルネーム/フォルスネーム
鉱物学で認められた学名や古くから定着している宝石名とは別に付けられた商業用の通称。
良質な石が採れる鉱山や地域の名前を冠したものが多い。
またコマーシャルネームの中でも、安価な石に別の高価な石の名前を使って紛らわしくしたものを特にフォルスネームと区別して呼ぶ。
■コマーシャルネームの例:サンタマリア(ブラジル・サンタマリア鉱山産の濃色のアクアマリン)、パライバ・トルマリン(銅とマンガンを含んだ蛍光色の青~緑のトルマリン、ブラジル・パライバ州で初発見)など
■フォルスネームの例:イブニングエメラルド(ペリドット)、ハーキマーダイヤモンド(アメリカ・ニューヨーク州ハーキマー産水晶)など

  • 宝石質
1. 原石の透明度や色が良い事の通称。だが明確な定義はなく、たとえばルビーとサファイアは同じコランダムという鉱物の色違いだが、業者やコレクターによっては「透明度が低い物はルビーでもサファイアでもなくコランダムと呼ぶ」の様な線引きをしている事がある。
2. 宝石の品質分類で最高ランクに位置する「ジェムクオリティ」のこと。

  • インクルージョン/内包物
石の内部に閉じ込められた物質。他の鉱物の微細な結晶のほか、液体を閉じ込めている場合もある。また、表面まで達しない程度の亀裂や内傷もこれに含める事がある。
通常は透明感を阻害する要素として価値を下げるが、見栄えが良い場合は逆に価値が上がる場合も。水晶にルチル(金紅石)の結晶が閉じ込められた「針入り水晶」がその最たる例。
ただ、近年は見栄えの悪いインクルージョンまで個性や天然の証と言い張って高値を付ける店も目立つ。
汚点か個性かの決定権はあくまでも客側にあるという事を忘れず、ぼったくられないように気を付けよう。

  • 多色性
見る角度や光の当たる角度によって色が変化する性質。濃淡が少し変化する程度の弱い多色性ならサファイアやアメジストなど多くの石に見られる。
しかし強い多色性を持つ石だと、ほとんど無色まで薄れたり全く違う色になったりと、同じ石とは思えないほど劇的に変化する。

  • 変色効果
日光や蛍光灯のような白色系の光源と、炎や白熱灯のようなオレンジ系の光源で色が変化する現象。
変化する色が寒色←→暖色ならカラーチェンジ、寒色同士/暖色同士の変化ならカラーシフトと区別して呼ばれる事も。
そのほか通称カラーリバースと呼ばれる、これらに当てはまらない変化を見せる宝石もある。

  • 蛍光反応
紫外線を当てると発光する現象。適当な安物のブラックライトで反応する石もあれば、特殊な波長が必要なため高価なライトでなければ無反応の石もある。

  • 硬度
文字通り石の硬さ。硬いといっても、あくまで引っかき(モース硬度)や押し込み(ヌープ硬度)に対する強さなので、衝撃に対する強さとは別。
自然界で最も硬いダイヤモンドが金づち等で簡単に割れるのは有名な話。

  • 晶系
多くの鉱物は規則的な配列で分子・原子が繋がって結晶を作っている。その規則的な配列のタイプ。
そもそも結晶を作らない鉱物(黒曜石など)の場合は晶系がなく、非晶質(アモルファス)と呼ばれる。

  • 劈開
石が衝撃を受けた時に、特定の方向に割れやすい性質。完全・明瞭・不明瞭・なしの4段階に分類される。
最も硬い鉱物のダイヤモンドが金槌で簡単に割れるのはこの劈開が強いため。
一方、石英や黒曜石など劈開が無い鉱物は、不規則な割れ口(断口)になる。

  • ミネラルショー
宝石・鉱物・化石など様々な「石」とその関連商品の展示即売会。コレクターがネット以外で石を買う際はしばしばお世話になる。
かつては業者向けの見本市に一般公開日を設けたようなイベントで国内では三大都市圏でしか開催されなかったが、
近年は小規模で業者日のないフリーマーケット的なスタイルのものが増えたため地方民にも少しは身近になってきた。
海外ではアメリカのツーソン、ドイツのミュンヘン、フランスのサンマリーで開催されるものが世界三大ミネラルショーと称されるほど非常に大規模で、
日本の業者も海外通販ポチポチや海外業者の日本事務所で買う事を直輸入や海外仕入れと謳う怠慢業者以外は買い付けはもとより人脈を広げるためにも毎年出向いている。

  • 誕生石

    r ‐、
    | ○ |         r‐‐、
   _,;ト - イ、      ∧l☆│∧  良い子の諸君!
  (⌒`    ⌒ヽ   /,、,,ト.-イ/,、 l  上に書いてある誕生石だが、
  |ヽ  ~~⌒γ⌒) r'⌒ `!´ `⌒)  あれは宝石業界が
 │ ヽー―'^ー-' ( ⌒γ⌒~~ /|  販売促進の為に勝手に作ったものだ!
 │  〉    |│  |`ー^ー― r' | 夢の無い話だな!
 │ /───| |  |/ |  l  ト、 |
 |  irー-、 ー ,} |    /     i
 | /   `X´ ヽ    /   入  |

一応、誕生石の起源は旧約聖書に記された「裁きの胸当てにはめる12個の貴石」や、新約聖書に登場する「エルサレムの城壁の土台に飾られた宝石」などが有力視されている。
だが具体的に何の宝石を指すかは未だはっきりしておらず、翻訳によって石の種類にはブレがある。
そのせいか、上記の通り宝石業界が「売りたい石」を好き勝手に選んで販促用に作られた風習に成り代わり、本来の起源は「12」という数字に名残を留めるのみとなったようだ。
また販促用の風習なので、アメリカの業界団体が1912年に決めたものを大まかなベースとしつつも、お国柄によって微妙に異なる宝石が選ばれたり、時代の変化やソース不明のどさくさ紛れで追加されたりもしている。
実際、2021年12月20日には日本の誕生石に10種類の石がソース不明のどさくさ紛れで広まったものを追認する形で国内の業界団体によって追加された。
ちなみに発展版として365日の宝石を決めた「誕生石」もあるが、こちらはお高くとまった宝石業界ではあまり用いられず、スピリチュアルな要素を謳うパワーストーン界隈で目にする機会が多い。




追記修正は瞳の中に宝石を宿し、魔法学校に通うついでに女の子をペロペロした後、
頭に今どき乙女を乗せて刺激的に上下運動してゴリラのような美女にカイザーナックルで殴られたい方にお願いします

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最終更新:2024年04月20日 20:16

*1 ただし鑑別に出すと青緑色との結果が返ってくる事も少なくないほか、色が光源に左右される石をさも単色であるかのように青い石として扱う事がそもそも不適切という見方もあるため、「ブルーガーネット」という呼び方はあくまで通称である事に留意されたい

*2 シトリンは結晶構造の原子レベルの欠陥が原因で黄色に発色しているため多色性があり、見る方向によって色合いが少し変わる。一方、加熱したアメジストの黄色は微細な鉄鉱石の内包に由来する発色のため、どの方向から見ても色合いは変わらない。

*3 尤も、単純に高熱火炎で溶かして再結晶させただけでは細かい気泡が混じるので、宝石商や宝飾職人には一発で見抜かれてしまう

*4 出回っている物の大半がそれっぽく接着した模造品で、天然の状態で母岩に付着した物は滅多に出回らない