百式改

登録日:2012/04/29(日) 22:51:30
更新日:2023/12/21 Thu 09:24:12
所要時間:約 6 分で読めます





『Ζ-MSV』、『機動戦士ガンダム シャアの帰還』に登場するMS。
デザインは藤田一巳。初出は『B-CLUB』。


型式番号:MSR-100(MSR-100S、MSR-00100S、MSN-100S)
全高:19.2m
頭頂高:19.2m
本体重量:39.2t
全備重量:63.6t
出力:2,015kW
推力:93,500kg
センサー有効半径:11,500m
装甲材質:ガンダリウムγ

武装:
ビームライフル
ビームサーベル×2
ビームガトリングガン
パルスレーザー砲
グレネードランチャー×2


アナハイム・エレクトロニクス社が開発したエゥーゴ試作機
百式を完全な非可変機として再設計することで全体的に性能を向上させている。
カラーリングはもちろん金色で、両肩には「百改」と書かれている。

背中はフレキシブルバインダーが廃され、代わりにウイングバインダー付きの高機動デバイスを装備。
これはΖガンダムのスタビレーターを発展させたものでプロペラントタンクとスラスターユニットの機能を兼ね備えていて、元々高かった機動力をさらに高めている。

肩には武装追加用のハードポイント、腕には多目的ランチャーユニットが設置され、ベース機より火力が上がった。

頭部は大型化しており、高性能な電子機器を内蔵して通信や索敵能力を強化している。

ちなみに当初は「パルスレーザー砲が頭部に内蔵され、肩にはビームガンとガトリングガンが装着可能」とされていたが、いつの間にか「肩にパルスレーザー砲が装着可能で携行武装としてビームガトリングガンが用意されている」という設定に変わっている。

機動戦士ガンダムΖΖ』にも「百壱式」名義で登場予定だったという話もある。


○作中の活躍
ゲームブック『シャアの帰還』によると、地球連邦軍がロンド・ベル隊を結成した際、ネェル・アーガマに1機配備されたという。
パイロットは不明だが、ゲームの展開によってはシャアが奪って乗ることも。
武装はパルスレーザーしかないが、進め方次第ではドーベン・ウルフの残骸からメガランチャーを外して装備できる(このイベントはシャアがジェガンドライセン、リゲルグに乗っている場合も発生する)。

機動戦士Ζガンダム』のパラレル作品である近藤和久の漫画『サイドストーリー・オブ・ガンダム・ゼータ』では、ティターンズでMS中隊長を務めるシャアが搭乗し、ジオンの残党狩りを行う。



■派生機

◇フルアーマー百式改
型式番号:FA-100S
頭頂高:19.2m
本体重量:39.2t
全備重量:72.8t
出力:2,015kW
推力:113,000kg
センサー有効半径:12,500m
装甲材質:ガンダリウム合金

武装:
ビームライフル
ビームサーベル×2
ビームパルサーガン×2
腰部2連装ミサイルポッド×2
脚部2連装ミサイルポッド×2
メガ粒子砲
ビームキャノン
炸裂ボルト×2
ロングメガバスター

パイロット:クリフ・フレミング


『M-MSV』、『シークレットフォーミュラ フルアーマー百式改』、『機動戦士ガンダムΖΖ 悪夢の戦場』に登場。
カラーリングは当然金色で、胸のリフレクターパネルに「百改」と書かれている。

百式改に追加装備を取り付けた姿で、火力と防御力を高めている。
特に火力の向上が目覚ましく、ビームキャノンやメガ粒子砲、ロングメガバスター、炸裂ボルトなどといった武装を多数搭載している。
…が、重装備化したおかげで運動性は落ちてしまった。
リフレクターパネルからはIフィールドを展開可能で、ビームからコクピットブロックを守る。

炸裂ボルトはどのような存在なのか不明瞭な点が多く、媒体によって下記の様に解釈が分かれている。
  • 増加装甲を強制パージする用途の装備(を攻撃に転用したもの)
  • ショットガン同様、接近する敵に榴弾をみまうもの(『SDクラブ』)
  • 接近戦用の装備(多くのゲーム作品)
英名はExplosive Boltであり、一般的に「Bolt(ボルト)」は物を締め付けたりするのに使うボルトナットのボルトの事を指す。
また「Explosive Bolt」は「分離ボルト」と呼ばれる実際に存在する火薬入りボルトで、火薬を発火させることで締結を解除するボルト*1である。強制パージ説はおそらくこれを基にしていると思われる。
榴弾説の場合、クロスボウ等で打ち出す大型の矢であるボルト(こちらも「Bolt」)に、炸薬を詰め込んで榴弾にしたものと考えられる。
後に『ガンダムUC』関連の資料でどちらも可能とする記述が追加され、ガンダムデルタカイにもオプション兵装として採用されている。
ゲーム媒体ではボルト=電圧とさらに曲解してしまい*2、一部の作品で電撃を放つ近接武器として描写されている。
近年の作品では電撃設定は無くなりつつあるのか、2021年発売のスーパーロボット大戦30でパンチで殴りつつ爆発を起こす武器(電撃描写は無し)という武器で描写されている。
ちなみにデルタカイの炸裂ボルトは爆破衝撃と高圧電流による複合破壊効果を与える攻撃特化仕様であり、ある意味この電撃要素も逆輸入される形となった。

現在ではスラスターの推力は113,000kgとなっているが、当初は11,300kg(推定)と表記されていた。百式改どころか一年戦争時のMSよりも低い……。


○作中の活躍
月面都市イプシロンで調整を受けていたところをティターンズ量産型サイコガンダムに襲撃される。
迎撃するも取り逃がし、機体は破損。応急修理して再出撃し、攻撃されていたアイリッシュ級戦艦クークスタウンを守りきった。

また、の裏側で試験運用中に突然行方をくらまし、後にプロトタイプサイコガンダムに無人機として操られた状態でプロトタイプΖΖガンダムと戦ったらしい。



◇量産型百式改
型式番号:MSR-100S(MSR-00100S)
頭頂高:19.2m
本体重量:39.2t

武装:
ビームライフル
ビームサーベル×2
ビームガトリングガン

パイロット:マーティン・マータフ


『Ζ-MSV』に登場。
その名の通り、百式改の量産仕様。
生産性を高めるためか背中の高機動デバイスがオミットされていて、まるで背中のバインダーを外した百式の頭と両腕を百式改のそれに変えたような外見をしている。これはエマルジョン塗装していない百式のローコストモデルがベースだかららしい。

カラーリングは金色である。量産機なのに。「百改」の文字は左肩にだけ書かれている。

実はこれ、当時売れ残りまくっていた『ハイコンプリートモデル』の百式をなんとか売り切ろうとして設定された機体なのである(ガレージキットの百式改と抱き合わせて売られたという)。
前述の外見をしているのはそのため。


○作中の活躍
エゥーゴの新たな主力機の座を競合機の量産型Ζガンダムと争い、見事勝ち取った。

…はずなのだが、その後どこかに配備されたといった話はさっぱり聞こえてこない。
やはり色がマズかったのか、それとも量産機としてはジム系と比べると割高で扱いづらい点も多かったのか……。

U.C.0094年頃にはデルタカイの技術比較検証の為にマリアナ基地に1機配備され、その後フレスベルク隊が創設されるとそちらの戦力として使われた。
最後は量産型Ζガンダムを庇って頭と右腕を吹っ飛ばされ、コクピットにもダメージを与えた。



◇陸戦用百式改
型式番号:MSK-100S
頭頂高:19.2m
本体重量:39.2t
全備重量:63.6t
出力:2,015kW
推力:70,800kg
センサー有効半径:10,840m
装甲材質:ガンダリウム合金

武装:
60mmバルカン砲×2
レールガン付ビームライフル
ビームサーベル×2
ハンドグレネード
グレネードランチャー×2
3連装ミサイルポッド
ビームキャノン

パイロット:スパルナ・キャリバン


『M-MSV』、『機動戦士ガンダムΖΖ外伝 ジオンの幻陽』に登場。
ティターンズの新型可変機に対抗すべくカラバに配備された機体で、百式改を陸戦仕様に再設計している。
砂漠や湿地帯などでの運用も想定されているらしく、各部には防塵・防湿処理が施されている。
水中戦も可能だが、時間は短い。

バックパックも変更され、自由落下中でも効果的に使えるようにバーニアを調整している。
また、ビームキャノンと3連装ミサイルポッドをオプションとして装備可能。

カラーリングは緑。しかし設定画だと金色に見えるのだが…。


○作中の活躍
ニューヤーク基地を攻撃してきたネオ・ジオン軍を迎撃するために出撃したが敗北し、スパルナ大尉は他のパイロットと共に捕らえられた。



また、デルタガンダムの活躍を描いた漫画『デルタの鼓動』(後に『機動戦士ガンダムUC テスタメント』に収録)では、上記4つの機体が「兄弟」として並んで登場。
コマの中には、月面都市イプシロンやニューヤーク基地での戦いを描いたものもある。


彼らは証明できたのだろうか?

自分が生まれた意義を…



■立体物

  • フィギュア
『GFF』で百式が発売されていて、陸戦用以外の全機に換装できる。

『ガンダムコレクション』では初期シリーズにてシークレットで収録。

2018年にはプレミアムバンダイで食玩『Gフレーム』の百式改が発売され、百式と量産型百式改に換装が可能。

中でも異例なのが『SDガンダム フルカラーカスタム』。
シリーズ15でΖガンダムが登場して、次は百式か……と思ったら次のシリーズ16で、なぜか百式改量産型が先に登場した。いきなりのZのMSV系の機体の登場に多くのユーザーが驚いた。なお、SDガンダムフルカラーシリーズの中ではこれが初の商品化となった。
ちなみに百式の方は次のステージ17で登場した。

2015年にMG量産型百式改が、MG百式Ver.2.0をベースにプレミアムバンダイで発売されている。
百式Ver.2.0はメッキだが、こちらはメッキではない。百式への組み替えも可能で、バリュートパックやメガ・バズーカ・ランチャーも装備させられる。
2016年には量産型じゃない方の百式改も百式Ver.2.0をベースにMG化され、プレミアムバンダイで発売された。
こちらも百式とのコンパチだが、組換えるのであれば一部パーツを分解する必要がある。
なお百式Ver.2.0の仕様でクレームが出た&量産型の方がメッキじゃなかったせいか、こちらはいつも通りのピッカピカな金メッキとなっており、非っ常に派手。

『元祖SDガンダム』ではなぜか百式を差し置いて発売。
頭部をスライドさせるとキバ付きの口が飛び出すというイミフなギミックが語りぐさとなった。
まぁ、後ろに伸びた頭部がエイリアンっぽいとかたぶんそんな理由なんだろうけども。



■ゲーム

F』にて改を差し置いてFAのみが初登場。
入手するために特定のルートを通る必要があるとはいえ、敵の切り払いが怖い今作で切り払いされないメガ粒子砲を主力武装としていることや、
ルート次第でサザビーが手に入らないこともあり、今まで機体に恵まれなかったクワトロの乗機として活躍できる。

α』では改も登場し、百式から改、FAと段階的に強化されていく。
α外伝』ではサザビーが低難易度モードでないと入手できないことと、終盤の敵ボスの援護防御に対してロングメガバスターが有効であるため、需要が高い。

IMPACT』ではとあるステージでガトーを逃がさずに倒した上で、とあるステージのコンテナを確保した場合、
熟練度が高いと改、低いとFAが手に入る。FAを入手するための熟練度調整は面倒だが、それに見合うだけの強力さを持っている。
MX』は格闘武器の演出に力を入れており、炸裂ボルトもやはり動きまくる。

30』では、フルアーマー百式改が久々の登場。これまで主力だった胸部メガ粒子砲がオミットされてしまったのが痛い。
クワトロ(シャア)が強制出撃の際に使うので、ある程度は改造しておきたい。
P武器ではない長距離武装が中心なので、パイロットにはヒット&アウェイが必須。
また、最初はMAP版ロングメガバスターがなく、ストーリー中盤での追加となる。
高レベルのNTであるクワトロの乗機としてはファンネルも無く、パンチに欠けている面が否めない。
ライバルも多く、ナラティブC装備や汎用性の高いV2ガンダム、DLC込みだと、NT技能が生きるHi-νガンダムも視野に入る。
MAP兵器を扱える点で、差別化を図りたい。


初代から『F』までは量産型も陸戦用もFAも登場していたが、『SPIRITS』~『OVERWORLD』の期間では改のみの登場。
性能は最高レベルには及ばないものの、『WORLD』『OVERWORLD』ではメガバズーカランチャーがマルチロック武装であるため使い易い。
また、パルスレーザー砲が特殊射撃で防御アビリティを無視し易いのも地味にお得。

『GENESIS』ではメガバズを取り上げられてしまったが久々に量産型とFAが登場。FAはビームコーティングとフルアーマーを両立するため非常に頑丈。
なお、同作では炸裂ボルトがナックルガードから電流を出して殴る武装と解釈されており、ビームサーベルの演出に組み込まれている。

  • ギレンの野望 アクシズの脅威V
百式改・陸戦用百式改が初参戦。
改造を使えばデルタガンダム→百式→百式改→陸百式となる。
クワトロが所属する連邦勢力や、ネオジオンで開発可能。

百式改は主に連邦やエゥーゴで開発するが、困った事に、完成する頃にはパイロット不足。
特に原作イベントが起こしたエゥーゴでは、クワトロが長期間使えないのだ。
なので、モルモット隊やジャック・ザ・ハロウィン隊に与えるのがいいだろう。

陸戦用百式改は、連邦側の数少ない水陸両用モビルスーツとして高い性能を発揮。
高性能な分コストは高いが、なんと地上適正が全て◯。地上なら何処でも活動できる、なかなかに壊れた機体。
陸では砂地、山岳といった地形に足を取られず、どんどん進軍が可能。
水中に放り込めば、水泳部やSFSだろうと一方的に葬る事ができる。
空こそSFSが無いと飛べないが、攻撃適正は◯なのでそもそも飛ぶ必要無し。
エースパイロットを乗せ、偵察機を付けてやれば終盤のネオジオン決起、もとい終戦まで十二分に活躍できる。

  • 機動戦士ガンダムバトルオペレーション2
フルアーマー百式改が2021年1月、百式改が2022年1月に実装。余談だが百式も2020年1月実装と系列機が毎年1月に実装されている。
ただし量産型百式改は2022年11月~12月の限定任務報酬配布機体となりこの法則から外れた。
百式改は600コスト汎用。地上宇宙出撃可能で宇宙適正あり。
主兵装こそ550コスト強襲用の百式用ビームライフルなので弾数等に物足りなさはあるが、それを補って余りあるほど副兵装が充実している。
即撃ち即よろけ2種となるクレイバズーカ、切り替えが早く追撃DOT撒きに便利なG・ランチャー[焼夷]、蓄積よろけを取りやすいG・ランチャー、
ASLを備えバルカン代わりに使える頭部パルス・レーザー砲の全4種どれも使い所がある。
このコスト帯の汎用系に求められるスキルも一通り備え、足回り・装甲も優秀。
特に同コスト帯汎用は何かと癖が強い機体が多かったため、癖のない*3本機は初心者にも扱いやすい機体と言える。
一方で「とりあえずこれを押し付けていれば有利が取れる」ような絶対的な強みは少なく、
相手や状況に合わせての立ち回りを要求されると言う受け身のポジションが合わない人は熟練者の中にも多い。
そのため難易度は高いが武装を回しきれば圧倒的火力を押し付けられるリ・ガズィ・カスタム等に比べると潜在的ポテンシャルが低いと言う評価もある。

量産型百式改は550コスト汎用。
百式改をコスト50下げて相応にダウンスケールしましたという感じの機体でこちらも扱いやすい部類。
静止射撃&DPSそこそこ止まりの肩部ガトリングの使い所が少ないが、その分主兵装が2丁持ち&DOT付きで強力になっている。
2週間後に実装された600コスト版は緊急回避制御が百式改と同じくLv2に上昇し、ほぼ武装の好みで使い分ける性能。

フルアーマー百式改は650コスト支援。地上宇宙出撃可能で宇宙適正あり。
装甲面が極めて優秀で800コスト並とも言われる防御力を誇る。挙げ句Iフィールドによりビーム攻撃には特に強い。
更にブースト射撃可能かつ蓄積よろけが取れるメガ粒子砲は、支援機としては破格の自衛力をもたらしている。
武装面は若干回転率が低い傾向はあるものの、歩き撃ち可能で一撃の火力が高いロングメガバスター、射程と弾速に優れるビームキャノン、
実弾兵装のため環境的に火力が出やすいミサイル・ポッド、前述の自衛力を支えるメガ粒子砲と充実。
足回りも支援機としては優秀な部類であり、実装以来1年以上650コスト支援の最適解の位置をキープし続けていたが、
流石に強襲や汎用のインフレが進み、更に足回りとビーム耐性に拍車がかかったデルタガンダムLv2が登場しトップの座を譲った。



追記・修正は、シロッコから「そんなモビルスーツ」と言われないようにしてからお願いします。

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最終更新:2023年12月21日 09:24

*1 現実の例だとロケットの1段目と2段目の締結に使われ、1段目の燃焼が終わるとボルトを爆砕して分離させている。

*2 電圧は「Volt」なので設定上意図されたものとは考えにくいか

*3 当初はZガンダムがその位置にいたが環境の変化に伴いむしろ格闘に尖りすぎる機体となった