デルタプラス

登録日:2011/04/08(金) 13:20:01
更新日:2024/02/02 Fri 20:27:27
所要時間:約 8 分で読めます





それで言い訳つくだろ!?
帰っちまえ!!!


機動戦士ガンダムUC』に登場するMS。


型式番号 MSN-001A1
所属 地球連邦軍(ロンド・ベル)
建造 アナハイム・エレクトロニクス社
生産形態 試作機
頭頂高 19.6m
重量 27.2t
出力 2,360kW
推力 92,400kg
センサー有効半径 16,200m
装甲材質 ガンダリウム合金

武装

搭乗者 リディ・マーセナス、ピコ・アルティドール(0094年時テストパイロット)



クシャトリヤ、そしてシナンジュとの戦いでMS部隊がほぼ全滅し、更に資源衛星『パラオ』の攻略を命令された「ネェル・アーガマ」にアナハイム社側から提供された可変式MS
グリプス戦役』及び『第一次ネオ・ジオン抗争』で活躍した高性能MS「百式」は本来ならば可変機構を持つガンダム「δ(デルタ)ガンダム」となるはずの機体であった。
だがフレーム強度の問題から変形が極めて不安定であり、やむなく変形機構を排除した非可変型MSとして完成。
百式」はMSとしては完成していたが、開発陣の望む「δガンダム」としては未完成の欠陥品であったのだ。

その後、アナハイムは設計を「δガンダム」まで差し戻して検証。
百式」の実働データと、それまで開発されたΖガンダムΖΖガンダムSガンダムなどあらゆる可変機のノウハウを導入。
更には技術部は挑戦的な設計を行い、その結果デルタプラスはもはや「δガンダムの改良再設計機」ではなく「可変型最新技術試験機」として完成することとなった。

本機はδガンダムと同様に巡航形態(ウェイブライダー)への変形が可能であり、巡航形態では単独での大気圏突入が可能である。


その推力は明らかに異常とも言えるほどで、1G重力下でサブフライトシステム的な運用も容易に可能であったとされる。
背部は通常のMSと違いフレキシブルバインダーのみで、推進用のバーニアスラスターは腰部と脚部の下半身に集中して配置されている。

百式と同様にメインカメラには最新型の
Image Directive Encode System
通称『イデシステム』を搭載。
更には簡易サイコミュデバイス『バイオセンサー』も採用していたとされる。


U.C.0090年に連邦軍から委託を受け開発。
漫画『デルタの鼓動』等によるとシャアの反乱時には完成していたらしく『ロンド・ベル隊』から支給申し込みがあったが、
上層部は「ロンド・ベルに過剰な戦力を与えること」を恐れてこれを却下。
後に艦載機の多くを失った「ネェル・アーガマ」に補充機体の一つとして配備された。
ただし、これは規格外の試作機であることから部隊編成に組み込み辛く、結果倉庫の荷物と化していた機体の「体のいい厄介払い」だったようである。
リディ少尉の機体としてパラオ攻略作戦に投入された本機は、ジェガンリゼルとは比較にならないほどの規格外の能力を発揮し、
連邦軍上層部が恐れた「ガンダムタイプ」の力を実証することとなった。


あくまでモデルは百式ではなくデルタガンダムなためバイザーは装備していない。
また、両機の特徴であったエマルジョン塗装による金色のコーティングは無く、装甲はグレーと紺の落ち着いた色調となっている。



□武装

  • ロング・メガ・バスター
本機専用のビームライフル。『メカニカルアーカイブス』の時点では大型のライフルということが分かっていた。
デザインは同系列の機体であるフルアーマー百式改のロング・メガ・バスターと同じ。
アニメでリディが搭乗した際は使用されていないが、『機動戦士ガンダム U.C.0094 アクロス・ザ・スカイ』のプロローグでは、
ガンダムデルタカイの試験でピコ・アルティドール大尉が搭乗した際に装備しており、本来の姿で活躍した。


  • ビームライフル
互換性の問題からパラオ攻略戦にて使用されたリゼル用のビームライフル。


  • ビームサーベル
シールド先端に収納されており、シールドに取り付けたままでもビームを発振可能。
変形時には機首ビームガンとしても機能する。


  • 頭部60mmバルカン
MSの基本装備の一つ。


ウェイブライダー時には先端部を構成する伸縮機能を持った細身のシールド。
各種武装の懸架ユニットとしても機能する。


  • グレネードランチャー
シールドに取り付けられた二連装グレネードランチャー。発射後は自動装弾される。


  • シールドビームカノン
同じくシールド先端に取り付けられたビーム砲。


  • ビームマグナム
ユニコーンガンダムの装備。シャンブロ戦でユニコーンから奪い使用した。
一発撃っただけで右腕が破損し、動かなくなってしまったが、これは発射の反動によるものではなく、
本機がユニコーンガンダムのような専用の特殊規格電装系ではなく、量産型系MSと同規格の電装系だったためにショートしてしまったことが原因。



□劇中での活躍

◆『ガンダムUC』(U.C.0096)
リゼルに次ぐリディの第二の機体として登場。
小説版ではリゼルを喪失したのと作戦実行直前に急遽ネェル・アーガマに戻ってきたリディに与えられたと説明された。

パラオ攻略戦では先鋒部隊と共に攻撃を開始するも、実際にはミネバを連れて地球に降下するのが目的だったので、
罠にかかったネェル・アーガマを救助してすぐ戦線を離脱して独自行動を開始していた。
地球降下後は父の口添えもあってラー・カイラム艦載機として着任。
元々ジェスタによる小隊編成がメインだったのもあってか隊列に組み込みづらく、SFS不要で自由飛行可能な点や参謀本部からの命令を口実に独自行動を取る。

小説版ではダカールでの戦闘時にユニコーンガンダムの援護をしていたが、後のトリントン基地では敵対する。
リディがミネバにフラれて泣きべそをかいていたのを、バンシィのサイコミュを介して感じ取ったプルトゥエルブに罵倒されビームマグナムを食らう。
右手首を損傷する程度で変形飛行できたため、そのまま戦線離脱をしたがそれ以後の消息は不明。

OVA版ではダカールでの戦闘でユニコーンガンダムの援護をするまでは一緒だが、シャンブロにトドメを刺せないバナージに痺れを切らしてビームマグナムを強奪してシャンブロを撃破。
だが電装系がショートしてしまったこともあり、戦闘後に介入してきたバンシィ相手に太刀打ちできず、ユニコーンガンダムを鹵獲されてしまう。
一時格納庫でも右腕を取り外した姿が見られたが無事修理が終わったのか、ガルダへの移送ではジェスタ部隊に随伴している。
その後はミネバにフラれるまで流れは一緒だが、取っ組み合いをしているユニコーン2機に攻撃を仕掛けようとした所を、不幸にもガンダムタイプだったため錯乱したプルトゥエルブに襲われる。
アームド・アーマーVNでコクピット側面を殴打された後、抉られるように右半身をズタズタにされ右脚もへし折られたため大破し、以後は出てこなくなる。

漫画版では一部展開が異なり、初陣となるパラオ攻略戦ではクラーケ・ズール相手に変形飛行で逃走するも追いつかれるシーンがあるなど描写はそこそこ増えた。
最終的にはダカール戦後のバンシィ相手に素手で負けてしまい中破してしまう。装甲はズタボロにされ、内部は見た目以上にダメージがあるとの事で以降リディは別の機体に乗り換える。


◆『ガンダムNT』(U.C.0097)
漫画版に登場。
ルオ商会によるマーサ護送部隊襲撃作戦の際、高高度警戒任務についていた本機が偶然戦闘を発見し参戦。
ディジェ部隊による攻撃に戸惑いながらも二機を撃破するが、自身も相討ちとなり撃墜された。



ゲームでの活躍

受難枠…かもしれんが、基本的にバンシィのアームド・アーマーVNでお陀仏することはないのでその点は救われている。

「WORLD」で初登場。それほど性能は高くなく武装は平凡だが、「ビームサーベル」のカットインに妙に気合いが入っている。リディを乗せると上記のセリフと共に斬り捨てる。
レベルアップでSガンダムへ派生する。
が、ゲテモノぞろいのGジェネではそれだけでは生きていけない。ぶっちゃけ下位である筈のΖプラスの方が遥かに使える。
せめてシールドカノンが使用できたら……。
「OVERWORLD」ではSガンダムではなくガンダムデルタカイに開発可能に(Sガンダムへはデルタカイから開発できる)。
デルタカイが超優秀なのでますます繋ぎ的な立ち位置になった。
「GENESIS」ではバルカンの代わりにシールドのビームキャノンが追加され、特殊能力のバイオセンサーも追加されたためパイロットによってはそこそこの火力も出せる。


コストは2000で参戦。
2500コストのΖガンダムをダウンサイジングしたような射撃向け機体。ビームライフルは3連射から2連射に、サブ射のグレネードは足を止める必要があるなどコスト相応に弱体化している。
格闘も良くも悪くも射撃機相応の性能で、変形機としても強力な武装に欠けており地味な機体という印象は否めない。

唯一の長所と呼べるのは、本機が始祖となるアメキャンの存在である。
特殊射撃コマンドに配置されたリゼル呼出だが、ここからメイン射撃に繋げる事で自由落下できる。そのリゼル自体は挟み込むように一機ずつ展開し、それぞれライフルを三連射してくれるので弾幕要員として非常に頼れる攻撃だったのも大きい。
殆ど生命線と言っても過言ではないこのコマンドを中心に、実質弾数無限のメイン射撃やサブ射撃でチマチマと後ろからダメージを与えていくのがお仕事。

余談だが、無印時代のアップデートでビームライフルのビームがピンクから原作通りの水色に変更された事がある。
変更はこれだけだったが、夏仕様などのネタ的な意味でデルタプラススレは一時的に盛り上がった。

だが後のシリーズでも武装に大きな変化はなく、次第に他機体のアップデートの対比で追い込まれていく事になる。
デルタを開祖とするアメキャン系の落下ムーブは様々な機体に実装されていき、アメキャンの独自性はシリーズを経るごとに失われていく。
その結果、単体ではダウンすらままならないメイン射撃を中心に没個性的性能の本機は評価を落としていく。

EXVS2』においては上記の弱点と火力の低さを根本的に解決できないまま、微妙な修正を貰った。
一応の強化点は、サブ射撃が移動撃ち可能になった事、変形格闘がEP3で披露した切り抜けになった事、変形特殊射撃に単発のビームマグナムが追加されている。
だがアシストがリゼルからジェスタに変更され、緩慢なグレネードを発射するものと至近距離でしか機能しない突進なので頼りない。変形サブ射撃も誘導が弱体化されたのも追い打ちをかけている。

EXVS2XB』では、変形時のメイン射撃がビームガン&グレネードとなり誘導が優秀なため滞空維持が重要になった今作では追い風となっている。
また幾つかの武装性能が向上し、特に前作から変更されたアシストのジェスタがそこそこの性能に上げられたので、ギリギリ何とかやっていけるくらいには良くなったはず。とはいえ環境に追いついているとはいえず、他機体に無い本機の魅力とは?という課題が永遠に拭えずにいる。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2 OVER BOOST』では格闘方面で強化が入る。
旧前格闘がN格闘3段目に、旧横格闘が前格闘に、横格闘と格闘後派生に新規のビームサーベル斬り攻撃が追加されている。
また他の機体には当然のようについていた変形特殊格闘の変形解除に誘導切りが付与されている。
一方で振り向きアメキャンが削除され、安全な着地を目指すためには敵機に対して前を向く必要が出てきた。
だが前へ出ても安心できる攻撃という択が乏しい本機にはハッキリ言って向いていない調整点ばかりなので、相対的に弱体化したとも……。

第3次Z時獄篇で初登場。
Gジェネでの不遇っぷりとは逆に非常に使いやすい性能となっているため、愛機の到着が遅いアムロカミーユはストーリー上搭乗を拒否したのに乗り換えする羽目になる。
隠し要素のために撃墜数を稼ぎたいダグザにも便利。
リディ?聞いてくれるな。
天獄篇では序盤にリディが乗っているが、すぐに行方不明になり本機が空くため、乗機に困るハサウェイ等を乗せるといい。
BXではリディの愛機として序盤継続してスポット参戦(なんとユニコーンより期間が長い)→条件付きで搬入される隠し機体として登場。
射程の短さがネックだが改造度が初期から高く、まさかのバイオセンサー搭載と空適応ボーナス持ちで使いやすい。
機動戦艦ナデシコ」の設定が反映されてて空陸扱いの火星面用や、切り込み役の相方として、バンシィよりもデルタプラスが投入されたりすることすらある。
Vでは宇宙世紀世界の序盤でスポット参戦し、そこから分岐終了後に入手する。格闘型である。
「百式の親戚なら、オレにピッタリだ!」
なお、入手面ではまさかの敵対。そしてリディのすごく忙しそうな乗り換えシーンが展開されるのであった。


連邦軍コスト300の射撃機体として登場。フライトモード搭載機体で、変形後にメイン&格闘武装の性能が変化する。
メイン武装は連射性能が高くフライトモード時に長距離からのスナイプが可能なビーム・ライフルA
連射性能は低いが威力が高く、フライトモード時に置き撃ちがしやすく、高威力で一発ダウンが特徴のビーム・ライフルB
常時リロードでやや硬直が少なく、フライトモード時にチャージビームとなるビーム・ライフルC(コスト+20)

格闘武装はフライトモード時に誘導が強いグレネード・ランチャーになるビーム・サーベルA
連射とダウン値の低さが特徴のビーム・キャノンとなるビーム・サーベルBがある。

フライトモードとの使い分けに頭を使うが、アンチタンクから護衛まで幅広い運用が可能となる機体で愛用者も多い。


  • バトルオペレーション2
コスト650始動の強襲機として2022年5月に実装。
主兵装のビームライフルだが、設定ではリゼルのものと同一のはずだが見た目は同じなだけで性能が全く異なる専用装備扱いになっている。
また本来の主兵装であるロング・メガ・バスターに関しては影も形も無い。(アプデで追加される可能性はあるが)
シールド内のビームキャノンも、本編では小型のものだったが、本作では高出力ビームと同等の扱いを受けているなど、やや設定に乖離したものが多い。
攻撃面では射程と威力が劣るもののDPSとよろけ性能の高さが魅力。特に変形を用いた武装切替による回転率の高さを活かした強襲らしい立ち回りがやりやすい。
機動性も高く防御性能も優れているが、全体的には強襲機というより汎用機に近い操作感覚なので強襲機らしいプレイスタイルでは上手く扱いきれない。いかにしてスキルを活かすかが肝となってくる。
一方で変形による高機動が必須となるので、地下基地や宇宙ステージではその特長が活かしづらいという欠点がある。



ガンプラ等立体化

HGUCで発売。百式の金型流用ではなく完全新規金型。
Ζガンダムやリゼルのように変形用ブロックを使った差し替え変形の採用で脅威の薄さを実現。
可動域も良く、合わせ目も出づらい仕様なのでかなりおすすめ。
色は薄い青紫色。
後にイベントやプレバン限定でインナースペースクリアVer.が発売。こちらの色は紫色。

MGも発売中。こちらは完全変形だが、変形プロセスは設定とは異なるらしい。
色は青系統の灰色。

FW GUNDAM STANDartでは第8弾目で登場。
色は灰色。



それで追記・修正出来るだろ!?帰っちまえ!!!

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最終更新:2024年02月02日 20:27