スイクン

登録日:2010/11/04(木) 00:15:44
更新日:2024/04/14 Sun 13:29:53
所要時間:約 16 分で読めます




わき水の優しさを宿したポケモン。滑るような身のこなしで大地を走り濁った水を清める力を持つ。


出典:ポケットモンスター、53話『伝説ゲット!?水の守護神スイクンを探せ!!』、
19年11月17日~2022年12月16日まで放送。
OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon



スイクン(Suicune)とは、『ポケットモンスター』シリーズのポケモンの一種である。

■データ


全国図鑑No.:0245
分類:オーロラポケモン
英語名:Suicune
高さ:2.0m
重さ:187.0kg
タマゴグループ:未発見(性別不明)

タイプ:みず
特性:プレッシャー(相手から受けた技のPPを1余分に減らす)
隠れ特性:せいしんりょく(怯まないいかくを受けない)

HP:100
攻撃:75
防御:115
特攻:90
特防:115
素早さ:85
合計:580

努力値:防御+1、特防+2


■概要


透き通った水色の体色に、頭には風になびく紫色の後ろ髪と水晶を象ったような装飾を持つ美しい獣のような姿をした伝説のポケモン
所謂「準伝説」ながら『クリスタル』バージョンのパッケージを飾ったポケモンでもあり、準伝説でパッケージになったのは今のところスイクンだけである。

どんなに汚れた水も一瞬で綺麗に浄化する力を持つ。
清水の優しさを宿していると言われており、清らかな水が流れる土地を求めてしなやかな身のこなしで大地を駆け巡る。

「北風の化身」とも呼ばれており彼の訪れた地には北風が吹くという。

名前の由来は「」の「君主」から。

もともと別のポケモンだったらしいがエンジュシティの塔が火事になった際に死んでしまい、
それを哀れに思ったホウオウの力によってライコウエンテイと共に今の姿で蘇った伝説がある。


■ゲームでのスイクン


『金・銀』ではエンジュシティの「やけたとう」の地下にライコウ、エンテイと共に佇んでおり、
プレーヤーが近づくと逃亡し各地の草むらを徘徊する。初代徘徊伝説ポケの一匹。

徘徊しているので狙って出会うのが難しく、出会ってもすぐに逃げられ、
逃げるのを封じても「ほえる」で強制退却させられるので出来るだけマスターボールを使いたい。
一応、内部処理上は技選択と同時に逃走を選択しているため、眠らせた場合も行動不能となって逃走を一時的に阻止することができる。

しかしパッケージを飾った『クリスタル』では、固定シンボルで決まった地点を徘徊する仕様へと変更され、草むらでのバトルは起こらないようになった。
近づくと障害物だろうが海だろうが飛び越えて行くため、袋小路に追い詰めても無駄。
その代わりに「とうめいのスズ」入手後に「スズのとう」1階で固定シンボルとなってライコウ、エンテイと共に現れ、他の2匹が去った後に戦える。
固定シンボルでのエンカウトになったおかげで捕獲難易度が大幅に下がった。
ただし塔に入ったらバトルになる上、直前に坊主3人衆との3連戦があるため回復忘れやアイテムの買い忘れに注意。
この際、バトルは逃走不可能になっているため、影響をきたさないようスイクンだけレベルアップわざから「ほえる」が抜けて「オーロラビーム」が追加されている。
「ほえる」はわざマシンを使えってことかな?
「オーロラビーム」は単なるイメージ優先とはいえPPが多く、クリスタルでは旅パにも入れやすいので意外と実用的。
「れいとうビーム」は殿堂入り後の水曜or土曜限定、かつコイン4000枚が必要なので、手軽には覚えさせられない。
余談だが、対伝説のポケモンの戦闘BGMに専用BGMが入ったのはここから。

またスイクンストーカーことミナキという人物も追加され、若干ながらストーリーにも絡んでいる。


HGSSでも同じくミナキにストーカーされており、
ジョウト地方の各地を飛び回った後に25番道路のハナダの岬にてシンボルエンカウントで戦う事が出来る。
ただしこのイベント時にデータが開けなくなる致命的なバグがあるので注意。

またこのスイクンが岬にいる状態だと、我らがマーメイド、カスミと電話番号を交換出来ない。
何ともはた迷惑な仕様である。
幸い捕獲せずに倒すか逃げるかすると殿堂入り後に「やけたとう」へ移動するので、厳選を後回しにしてカスミとデートしたいなら覚えておこう。
他の2匹と比べてシンボルエンカウントで入手しやすく、パッケージを飾ったポケモンだけあってかなり優遇されている。


第三世代では『ポケモンコロシアム』で「ダークポケモン」として登場し、シャドー幹部のヴィーナスが所持している。

FRLGで最初にヒトカゲを選ぶと1の島にあるネットワークマシン完成後にカントー地方を徘徊する。レベルは50。
しかし、FRLGの徘徊伝説の個体値はバグによってとてつもなく悲惨になっており、がんばっても逆4V固定*1
ただ、第七世代以降なら「すごいとっくん」で能力を個体値V相当まで上げられるので性格さえ粘れば良くなり、剣盾であれば性格補正さえも変えられるようになったので極論捕まえるだけで良くなった

また映画「幻影の覇者 ゾロアーク」の前売り券にて限定配信もされ、
このスイクンは色違いのプレシャスボール入りで「ぜったいれいど」「しんそく」「エアスラッシュ」「アクアリング」と、
通常覚えない技を覚えている超豪華仕様である。ちなみに性格は「のんき(防御↑素早さ↓)」固定。


USUMでは手持ちにライコウとエンテイがいるとウルトラスペースゼロの滝ステージで捕獲できる。
レックウザギラティナランドロスキュレムと同列の扱いであり、ここでも優遇されている。

第八世代では、剣盾のDLC第2弾「冠の雪原」から追加。
ダイマックスアドベンチャー最初に捕獲できる伝説のポケモンとして登場。シナリオ序盤のチュートリアルで驚愕したプレイヤーも多い。
準伝説としては登場時期があまりに早い(しかも捕獲時点でレベル70)ので加入させればレベルと種族値の暴力でストーリーを楽に進められる。最速で入手するとホップのレベル10台のポケモンを一方的に倒すことになる。流石に可哀想すぎる。
そんな訳でDLCありのレギュレーションのRTAでも早速コイツを使ったチャートが開発された。
ちなみに捕獲しない限りは何度でも挑戦できるので、色違いを粘ることも可能*2

ヨロイ島、カンムリ雪原ではポケモンの連れ歩きが可能だが、スイクンを連れて水上を走ると水の上を走ってついてくる。浮遊してついてくるポケモンを除くとケルディオと並んで数少ないケースである。


第九世代ではこいつによく似た古代のポケモンが登場した。現時点では関係性は不明。*3
「タイムパラドックスによる代物」「スイクンになる前の別のポケモンの正体」「ガラル3ウミトリオリククラゲなどのようにスイクンに似てるだけの全くの別種」など様々な考察がされている。


■アニポケでのスイクン


サトシ金銀編開始直後のワカバタウンに向かう途中、
謎のスイクンと思われるシルエットのポケモンと遭遇するというまるでアニメ一話のホウオウのような扱い。

劇場版『セレビィ 時を越えた遭遇』にも登場。CVは田中正彦。
序盤でサトシがその姿を一瞬目撃し、現地で知り合ったホワイトからそれがスイクンだと教えられる。
その後、ロケット団最高幹部、仮面のビシャスによってダークボールで捕獲され、邪悪なポケモンになったセレビィがセレビィ・ゴーレムに変貌して暴れている所に現れる。
そしてサトシ達と共闘。
更に作中では、どんなに汚れた水でも一瞬で綺麗に浄化する設定もちゃんと使われていたりする。やはりスイクン優遇か…。


また、劇場版では『幻影の覇者 ゾロアーク』でも登場している。こちらでのCVはシンジ役などでお馴染みの古島清孝
ゾロアークによる偽物が街を荒らすのにブチ切れて、エンテイ、ライコウとともに登場した。
ちなみに全員色違い。ゾロアークの変身体と見分けるための措置だろう。



第7シリーズでは53話に登場。CV:うえだゆうじ
主人公の一人であるゴウゲットされた
ハンターに体力の限界にまで追い込まれたうえに毒状態になっていたためボール一発でゴウにゲットされたが、当然懐いておらずゴウを威嚇していた。
自分のために動くゴウを見て心を開き、ゴウは逃がそうとするもスイクンの意思でゴウの手持ちに加入した。しかしサクラギパークに入ってすぐに消えてしまった。
サクラギパークの何処かにいるのか、あるいは拠点を確認後に浄化の旅に出たのかは不明。後者だとすると絶対に捕まらない徘徊型の伝説のポケモンになったと言う事になる。


ポケスペでのスイクン


第3章中盤の主人公の一体として活躍。
主人公と言ってもメインで活躍するだけで、積極的に人語を話したりするわけではない。*4
本作では水晶の壁を生成する能力も発揮しており、スイクン以外は「とうめいなスズ」がないと通り抜けることができない。
当初は同僚共々やけた塔の地下に封印されていたが、イエローによって何故か解放された。
そして仮面の男に対抗するべく仕えるトレーナーを探してジョウト各地を放浪し、ジムリーダーに戦いを挑む。
途中でクリスと対決したが、激闘の末振り切る。*5この時に彼女が落としたイヤリングを拾った。
結果、水のエキスパートであるカスミをパートナーと選び仮面の男との戦いに挑むが、それでも仮面の男は強くカスミは倒れてしまう。
しかしクリスをもう一人のパートナーとし、図鑑所有者たちと共に最終決戦に挑み勝利。いずこかへと去っていった。

なお、第9章のラストでは未だミナキに追われ続けているシーンが描かれている。


■対戦でのスイクン


弱点の少ない水単タイプに高い防御・特防・HP、他の能力もそこそこバランスが良い耐久型として非常に優秀な準伝説。
不遇時代の長かったエンテイ、能力は優秀だが他の電気ポケモンとの競争も激しいライコウと比べ、どの世代でも安定して高い評価を得ている。

第二世代当時からその片鱗を見せていたが、RSE時代にはナンバー2最有力候補とされたポケモン。
厳選難易度以外の全てが優秀でカビゴンとのタッグで大活躍していた。


その優秀な能力とタイプから鋼や地面等の多くのポケモンに役割を持つ事が可能で、
メジャー所の起点にもされ難い点から第四世代後半でも受けポケの中でも最高クラスに位置するとまで評された耐久ポケモン。
特にドラゴン受けとしての需要が高い。


役割が持てる相手に物理アタッカーが多いためか努力値振りは防御寄りが主流。
また耐久型ながら素早さ種族値85と地味に高いのもポイント。素早さ調整のやりがいがあるポケモンとも言える。

ただし回復技が「ねむる」のみなため回復速度が遅いのが欠点。
技的に水タイプに決定打が無いのも辛い(相手次第では無理矢理押しきれるが)。
また耐久型全般の欠点として「ちょうはつ」や「トリック」に弱いのも注意したい。


型は「めいそう」「リフレクター」で耐久と火力を補給しつつ「なみのり」「ハイドロポンプ」「れいとうビーム」で攻撃する瞑想型が基本。

他にも「まもる」と「みがわり」で粘り特性「プレッシャー」でPPを削りつつ「たべのこし」で回復を狙ったみがまも型や「ねごと」を用いたねむねご型等がある。

「ミラーコート」や「こごえるかぜ」辺りも優秀。
第五世代から習得したやけどの追加効果を持つ「ねっとう」も耐久型のスイクンと相性が良い。


また前述の限定配布産スイクンはかなり強力。
特に一撃技の「ぜったいれいど」はその安定した耐久と相まって驚異で苦手な水タイプ等の居座りを許さない。
まさに役割無視の潰し技で、脅威以外の何物でもない。
世界大会で大暴れした時には、当時未解禁だった海外勢から「零度ジャパン」と揶揄されたほど。
色違いのプレシャスボール入り、故に読まれやすい事や素早さ下降性格のため調整がしづらい等の欠点があるが、それを考慮しても十分の強さ。

他の技もそこそこ強力だが「ぜったいれいど」程のインパクトは無く技スペや攻撃範囲の関係から選択肢には入りにくい。

スイクンのぜったいれいどの存在は非常に大きく、その後第五世代~第六世代でも猛威を振るい続けた。
ORASで使用不可になり一時期鎮静するが、過去作のポケモンが使用可能になったシーズン12では否や猛烈な勢いで使用率が上昇した。
猛威を振るいすぎたのか、シーズン13では再封印され、まるで夢を見ていたが如くこれまた凄まじい勢いで使用率が鎮静化している。
こいつもしかして零度が本体なのか

第七世代では思い出し技としてまさかの零度解禁
すでにレートで使えなくなっていたとはいえ、配布型の利点が減ってしまった。
……しかし今まで散々猛威を振るってきた代償か、氷タイプに無効になり、氷タイプ以外が使うと命中率が約10%下がるという二重の弱体化が施されている。
前者はともかく、後者は実質スイクンピンポイントの調整と言っても過言ではないだろう。*6
また、この世代はカプ系が猛威を振るっていたが、スイクンはカプ相手で悉く弱いのも痛い。
特にタイプ相性が悪いコケコブルルは言わずもがな。
コケコは特性によりエレキフィールドを展開するので、ねむカゴまでもが封じられる。
テテフはH極振りでも相手がC特化だとフィールド込み「サイコキネシス」で確2。
最大のライバルとも言えるレヒレにはHPの関係で素の耐久は勝っているものの、耐性の数はあちらの方が上。
さらにレヒレ相手には有効打がない上、ねむカゴはおろか、「ねっとう」や「どくどく」まで阻害されてしまう。
おまけにあちらには安定した削り技である「しぜんのいかり」まである。
他にも、火傷ダメージの弱体化やZワザの登場で数値受けが難しくなるといった環境の変化により、使用率を減らしている模様。
とはいえ、その耐久から「プレッシャー」でPP切れを狙ったり、「こごえるかぜ」や「おいかぜ」によるS操作、「ほえる」で起点防止などの利点は変わっていない。
H極振りなら無補正コケコの「10まんボルト」を耐えられるので、「ミラーコート」で返り討ちにできる。ついでに「しぜんのいかり」も返せる。

シングルの時点でもこんな有様だが、ダブルバトルでも変わらず、
「おいかぜ」こそ使えるもののカプ・レヒレが全体技である「だくりゅう」を使えるためますます差をつけられている上に、
そもそもダブルバトルでは同じ水単なら特性が圧倒的に優秀なミロカロスがいるため出番は相当限られてしまう。
完全に立場を喪失した同僚よりはマシだがわりと辛い立場に追いやられてしまっている。

またライコウ・エンテイ共々、VC版金銀の配信によって隠れ特性が初解禁された。
「プレッシャー」が場に出た時に発動する特性のため、どちらにせよ初見で特性がバレるので注意。


剣盾では配布限定技の「しんそく」「エアスラッシュ」を獲得した。
登場が目の上のたんこぶであるカプ・レヒレと同時だったため当初は辛い立場だったが、あちらがフェアリー対策として使われる毒タイプが抜群・鋼タイプが等倍になる一方で、スイクンはそれぞれ等倍・半減に抑えられることから伝説解禁環境になると使い分けされる形で、こちらも少しずつ使用率を伸ばしている。何だかんだで「ミラーコート」型として使われ、独自の立場を築き上げたと言える。
ちなみにそんな剣盾では、しれっと「オーロラビーム」が没収されている。分類がオーロラポケモンなのに何故だ。


ポッ拳でのスイクン


伝説のポケモンがプレイアブルキャラとしてまさかの参戦。

ルカリオピカチュウと同じくスタンダードタイプ。
だが、二匹と違いHPが一際高く、オーロラビームやハイドロポンプなどの超射的距離のビーム技や、
空中から放たれる高火力の吹雪を打ち分けるバリバリの重戦車タイプの射撃キャラである。
スタンダード(笑)
飛び道具が強力なため、接近されると弱いかと思いきや案外そうでもなく大きな穴はない(というかスイクンの飛び道具が豊富なので近付き辛い)。
やっぱりスタンダードだった。

バーストアタックは「超・絶対零度」
周りに冷気を発生させて当たった相手を凍結させて大ダメージを与える攻撃。
通常色だが絶対零度である。
なお全キャラのバーストアタックの中で唯一の通常攻撃+ブロック攻撃判定なので発動直後に相手の攻撃が当たると、攻撃範囲関係なく必ず相手にヒットする。

機動力以外に特に欠点がないためポッ拳稼働当初はピカチュウと並んで二強だと言われてたが、
ビームが一直線で連射が効かず誘導が無い故に避けられると隙だらけになること、プレイヤー間で研究が進んだこと、
アプデで他キャラにテコ入れが入ったことによりそう言われることはあまり無くなった。



ピカチュウ?知らね


Pokemon GOでのスイクン


2017年9月に日本を含むアジア太平洋地域のレイドバトルで出現。

通常技は「じんつうりき」or「めざめるパワー」、ゲージ技は「バブルこうせん」or「みずのはどう」or「ハイドロポンプ」。
レイドに臨む際はTL(トレーナーレベル)30以上が7人以上で、
「タネマシンガン・ソーラービーム」持ちナッシーを中心に、サンダーカイリューなど、
一致抜群や水技に耐性のあるポケモンでパーティを組んでいればそれほど苦戦しないだろう。

で、肝心の性能はというと……
はっきり言って




不 遇





の一語に尽きる。


まず、ステータス。
レベル20(レイドで入手したポケモンの初期レベル)での最高CPは1613。
このゲームの水ポケモン最強と名高かったシャワーズのCPは同レベルで1804。

……この時点で大きく差をつけられている。
Pokemon GOにおける種族値は攻撃と特攻、防御と特防のうち高い方を参照するようになっており、素早さは実質存在しない。
さらにCPは攻撃種族値の比率が大きい仕様となっている。
つまり重火力系のポケモンが有利な仕様であり、攻撃系種族値が低めで、防御系種族値が均等なスイクンはこのゲームではかなり無駄の多い配分となっているのだ。
またシャワーズと比較すると防御のみ優っているが、シャワーズのHPが飛び抜けて高いので結局は耐久面でも劣ることになる。

次に技。
シャワーズはDPS、EPS*7が超優秀な「みずでっぽう」、水技最強の「ハイドロポンプ」、低コストで小回りの利く「アクアテール」の組み合わせをタイプ一致で使うことができるが、
スイクンの場合「ハイドロポンプ」こそあれど、技1にタイプ一致技が事実上存在しない*8
一応「めざめるパワー」でタイプ一致を狙うことができるが、本家をプレイ経験のある方はお目当てのタイプを狙うことがいかに困難かご存知であろう。
また、タイプが捕獲時点で決定されるため、わざマシンを何度使ってもタイプを変えることはできない。
仮に運良くタイプ一致めざパ持ちを入手できても、「みずでっぽう」の性能に完敗しているのが余計泣ける。
このポケモンの原作での習得技を考えると、せめて「バブルこうせん」が技1だったらもう少し使いやすかっただろうというのが悔やまれる。*9
そしてこのゲームには変化技や回復技というものは存在しない
スイクンは高い耐久と「プレッシャー」を活かして「めいそう」を積んだり、「どくどく」からのみがまもで粘ったりするのが持ち味だったのに……

さらに追い打ちをかけるかのように、伝説のポケモンはジムに置くことができない。
ジムを長時間守ることでゲーム内通貨「ポケコイン」の貰える量が増え、ジムバッジの経験値*10も稼げるため、耐久型のスイクンにはうってつけのはずが、職場さえないという事実。
同じ耐久型かつ、レイドで有利な相手が少ないルギアの方はカイリキーのソロレイド要員、
タイプ一致技に恵まれないホウオウは(期間限定とはいえ)グラードンのレイド要員という就職先があったのだが……

ちなみに海外で先行解禁されたライコウ・エンテイの性能だが、前者のレベル20の最高CPは1913、後者は1930。
おまけにそれぞれのタイプで最高の組み合わせとされている「でんきショック・ワイルドボルト」、「ほのおのうず・オーバーヒート」が可能という始末。
これにより、ますます悲惨さが浮き彫りになってしまっている。

こうして見ると、GOの仕様はことごとくスイクンに不利にできているという事が分かるであろう。
事実、某SNSで「スイクン」と検索すると、関連予測に「弱い」という言葉まで出てきた辺り、いかにプレイヤーの落胆が大きいかが窺える。
無駄のないと思われていたスペックがこんな所で仇となるとは、一体誰が想像したであろうか……
本編とGOで求められる強さの形が違っていたが故の悲劇と言える。

2017年12月9日、第三世代ポケモン本格実装に伴い、一部ポケモンに新たな技が追加されたが、
スイクンはよりによって「めざめるパワー」をレガシー化され、タイプ不一致の「バークアウト」に差し替えられるという仕打ちを受けた
同じ水タイプで技1にタイプ一致が無かったために評価が伸び悩んでいたギャラドスは「たきのぼり」を習得したというのに……
もはや死体蹴りレベルの冷遇である。

……と、このようにGOでは悲惨極まりない状態だったのだが、2019年9月に転機が訪れた。
「バブルこうせん」と「バークアウト」が強化され、「バークアウト」のチャージ量から、「バブルこうせん」の確定デバフを連発できるように
これにより、スーパー~ハイパーリーグで要注意クラスへと出世したのである

とはいえこの構成だと突破性能が低いという欠点があった…のだが後に2023年12月に原作でも強力だった攻撃デバフ技「ねっとう」を習得。同時期にデバフ確率が引き上げられたこともあり、攻防共に強力なポケモンに仕上がった。
しかし2023年現在は同じデバフ使い水タイプにニョロボンドククラゲといったライバルが増えており、差別化点こそあるもののこれらと比較すると現在は大人しめの性能と言わざるを得ない。それでもいざ相手にした時の厄介さはなかなかのもの。




      
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最終更新:2024年04月14日 13:29
添付ファイル

*1 HP:0〜31、こうげき:0〜7、それ以外:0固定

*2 ただし色違いか否かはクリアした時の捕獲したポケモンを選択する際でしか分からない。

*3 もしこれがスイクンの古代の姿だった場合、伝説に矛盾ができてしまう。

*4 作劇的な事情として、作画交代に伴い主人公交代を余儀なくされたものの、連載している3誌の主人公をクリス一人にするのはバランスが微妙と判断した日下先生が、1誌のみ視点を変えることにしたためである。

*5 だがこれが原因でクリスは深刻なスランプに陥ってしまった。

*6 氷タイプ以外で零度を使えるポケモンは他にもドーブルとカイオーガがいるが、前者は「こころのめ(ロックオン)」と併用できるとはいえ、ダブルでのサポートが主な役割であり、後者はそもそも圧倒的な火力を誇っているため使う場面が少ない

*7 1秒あたりでチャージできるゲージ量

*8 本家ならタイプ不一致技は相手の交代読みで活かす事ができるが、このゲームにそんな要素はないため、ジム置きに特化させる以外でタイプ不一致技を採用する意義は薄い

*9 ちなみにこのポケモン以外で「バブルこうせん」を使えるのは、地域限定かつ低ステータスのサニーゴと進化前ポケモンのみ

*10 これを溜めることでランクアップさせると、そのジムで貰えるアイテムの数が増える