ライコウ

登録日:2010/11/04(木) 23:05:10
更新日:2024/02/11 Sun 20:08:10
所要時間:約 8 分で読めます







出典:劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール 幻影の覇者 ゾロアーク、OLM、
(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku
(C)Pokemon (C)2010 ピカチュウプロジェクト、
東宝、2010年7月10日公開。



ポケットモンスターシリーズに金・銀から登場する伝説のポケモン

■データ


全国図鑑No.243
分類:いかずちポケモン
英語名:Raikou
高さ:1.9m
重さ:178.0kg
タマゴグループ:未発見(性別不明)

タイプ:でんき
特性:プレッシャー(相手から受けた技のPPを1余分に減らす)
隠れ特性:せいしんりょく(怯まないいかくを受けない)

HP:90
攻撃:85
防御:75
特攻:115
特防:100
素早さ:115
合計:580

努力値:特攻+1、素早さ+2


■概要


長い犬歯を持ち背中の雨雲を象った鬣が特徴的な、サーベルタイガーと虎を合わせたような姿をしたポケモン

金銀の時は頭に「ほっかむり」を被ったようなぶっちゃけ微妙なグラフィックだったが、クリスタルからドット絵が完全に描き直され、
以降もクリスタルのときのデザインがずっと使われている事から黒歴史扱いのようだ。

雷と共に落ちてきたと伝えられており、背中の雨雲からみなぎるエネルギーを雷として放つ力を持つ。
その雄叫びはまるで落雷のように雄々しく、空気を歪め、大地すら震わせるとまで言われている。
雷の速さを宿していると言われており、落雷を発生させながら大地を駆け巡る荒々しいポケモンである。

名前の由来はおそらく、雷神の別名「」から。

もともと別のポケモンだったらしいがエンジュシティの塔が火事になった際に死んでしまい、
それを哀れに思ったホウオウの力によってエンテイスイクンと共に今の姿で蘇った伝説がある。


■ゲームでのライコウ


金銀クリスタル・HGSSではエンジュシティの「やけたとう」の地下にエンテイ、スイクンと共に眠っており、プレーヤーが近づくと目覚めて逃亡し各地の草むらを徘徊する。初代徘徊伝説ポケの一匹。レベルは40。
徘徊しているので狙って出会うのが難しく、出会ってもすぐに逃げられ、逃げるのを封じても「ほえる」で強制退却させられるので出来るだけマスターボールを使いたい。

金銀クリスタルでは技選択と同時に逃走を選択しており、技を使用可能なタイミングで逃走する。
1ターン目は100%、その後のターンは一定確率で逃走するため、本来なら眠らせて行動不能にすれば一時的に逃走しなくなるはずである。
しかしライコウの場合は「でんこうせっか」を覚えており、でんこうせっか選択と同時に逃走を選択された場合、こちらはほぼ何も出来ずに逃げられてしまう。

ちなみにクリスタル版では「スズのとう」のイベントにも登場する。

第三世代ではリメイク版赤緑に登場し、最初にゼニガメを選ぶと、1の島にあるネットワークマシン完成後にカントー地方を徘徊する。
ただし、FRLGの徘徊伝説の個体値はバグによって最低レベルになっている*1ため、実用性は低い。
対戦で使うならSM以降の「すごいとっくん」や剣盾の「ミント」で補いたい。

ポケモンコロシアムでは、ダークポケモンとして登場し、シャドー幹部の一人、ボルグが使用。

エメラルドでは、フロンティアブレーンの一人、リラが金シンボルの戦いで使用。

また映画『幻影の覇者 ゾロアーク』の前売り券にて限定配信もされ、
このライコウは色違いのプレシャスボール入りで「しんそく」「でんじほう」「はどうだん」「ウェザーボール」と、
通常覚えない技を覚えている超豪華仕様である。
ちなみに性格は「うっかりや(特攻↑特防↓)」固定。

第六世代ではORASでホウオウかルギアを手持ちに入れて大空を飛ぶことで「未開の森」に出現する。上陸時間により三犬のどれが出るかが決まっており、ライコウが出るのは毎時00~19分。

第七世代ではウルトラサン版のみウルトラスペースゼロの岩ステージで捕獲できる。

剣盾ではDLC第2弾『冠の雪原』から追加。ダイマックスアドベンチャーで捕獲できる。

アニメでのライコウ


三犬の中では不遇な扱い。


エンテイは映画の主役としてサトシ達と熱戦を繰り広げている。
スイクンは金銀編の序盤に登場し、映画でも脇役ながらサトシ達と共闘するなど活躍。

しかしライコウは金銀編180話でチラッと後ろ姿を見せただけ。
カスミとはぐれたトゲピーが野生のヘルガーに保護され、雨宿りしながら休んでいたとき、ライコウが近くを通り、飛び去る姿を見せた。
サトシ達との接触は一切なく、その話で特別な役割があったわけでもなく、モブどころかただの背景。
しかもこのエピソードでは劇場版の主題歌「風といっしょに」が挿入歌として流れていたため、視聴者の印象はそっちに持って行かれた。


映画でも活躍の機会がないどころか出してすら貰えなかった。
なにこの格差。


金銀編時代にテレビのスペシャル版『ポケットモンスタークリスタル ライコウ雷の伝説』でやっとマトモな出番が与えられた。
…が、とあるロケット団幹部に狙われる立場だったので、活躍どころか大苦戦。
ヒロインポジションに収まってしまい、他の二匹との格差は埋まらない。

DP編の頃、ヒカリのポッチャマがライコウに挑む…と言うエピソードがあったが、夢オチでした。

そして『幻影の覇者 ゾロアーク』でやっと映画初登場!
スクリーンで色違いと通常の二バージョンを拝むことができる。
だけど他の二匹も一緒に出たのでやはり格差が…

もう映画に登場することはないと思われたが、『キミにきめた!』でエンテイ、スイクンとともに再び登場。
そしてここでも新たなるアニメ不遇伝説を築き上げた。
エンテイはサトシらと戦ってたくましい姿を見せ、スイクンは静かに現れて神々しさを見せつけていたのに対し、ライコウは見せ場らしい見せ場もなく顔出しだけで退場。
更に他の二匹と違って退場後は一切話題にならなかった。

ライコウ自身ではないが、AG編テッセンの発明品としてメカライコウ君が登場する。


■対戦でのライコウ


電気タイプらしく高い特攻と素早さを持つ速攻型の能力を持つ準伝説。
また速攻型の能力ながら耐久もそこそこ。

かつては電気タイプのポケモン中唯一の「めいそう」使いであり、単純な突破力は電気タイプトップクラスとまで言われている優秀な積みエースアタッカー。
下手に積みまくられると3タテだってあり得る。
同じく電気タイプで速攻型の能力を持つサンダースは最大のライバルで、どちらのほうが優秀か度々議論になる事がある。


だが、
  • ライコウは素早さ以外の能力で勝り、「めいそう」「リフレクター」による居座りや突破能力に優れ
  • サンダースは素早さに優れライコウと比べて「バトンタッチ」等の優秀な補助技が多くサポート能力に優れる
と、どちらも違う魅力があり一長一短である。
変に比べる必要性があるのか微妙なところ。

しかし電気タイプの宿命かサブウェポンは「じんつうりき」や「シグナルビーム」ぐらいとまともな物が無く、
アタッカーとして扱う場合「めざめるパワー」の厳選(基本的に)は必須に近いのが最大の欠点。

だが伝説のポケモン故に遺伝による個体値操作が出来ず、厳選は超困難でサンダースの比ではない。
特にライコウの場合固定シンボルでの登場が皆無で「超手間のかかるHGSSの徘徊」か、「絶望的にテンポの悪いコロシアム」で粘る必要があり、
シンクロも使えないため理想個体を入手するには実に数ヶ月単位の時間を要するという。

普通の神経を持つ人間には事実上厳選不可能。
根気がいるってレベルじゃねぇぞ!

それでも粘りに粘った個体の強さは確かなもの。
めざパ一致高個体値ライコウを持つ事は超一級廃人の証である。
…まぁ世の中には乱数調整なんて便利な(ry

その厳選難易度のためかめざパに頼らない型も研究されており、中でも「まもる」と「みがわり」で粘り、
特性「プレッシャー」によるPP破壊と「どくどく」のダメージを稼ぐみがまもプレッシャー型、通称「ノイコウ」がとても有名。
この型も非常に強力で速いポケモンがいないと完封される可能性もある。「どくどく」でダメージを稼ぐのでハピナスでも止まらない。
似たよう事が出来るポケモンとしてプテラマニューラが挙げられるが、この二匹と比べて耐久面で大きく勝るのが大きな利点。

ただし電気も毒も効かないドリュウズハガネールには不利。

先述の限定配布産も「はどうだん」でバンギラスの対策をしたり、
霰パに投入して「ウェザーボール」を放ったりと面白い動きが出来るが、
上述の通り性格が「うっかりや(特攻↑特防↓)」固定で最速に出来ないのが痛すぎるためぶっちゃけ微妙。
フレドラ習得で悲願達成のエンテイ零度強すぎなスイクンと比べるとどうにも微妙な印象が漂っているが、
何だかんだで性格補正無しでも最速100族と同速まで持っていけるのは偉い。


第六世代のXYでは特殊技の威力が下がったため火力がダウンしたが、居座りは相変わらず強力。
また、電気タイプは麻痺しないようになったため止まりにくくなった。

さらにORASルギアホウオウを連れて大空を飛ぶと未開の森という場所が現れ、そこで三犬に出会える。
今までできなかったシンクロが遂に可能になったばかりか3V確定であるため厳選が非常に楽になった。廃人歓喜であろう。

しかし第七世代に入ると、カプ・コケコという強力なライバルが登場。
こちらの素早さを余裕でぶち抜く130族な上に優秀な複合タイプ。特殊電気技の火力も「エレキフィールド」込みならコケコが勝る。
さらにあちらは技レパートリーも豊富で、よりによってこのポケモンのアイデンティティだった「めいそう」や両壁まで覚えてしまう
おまけに「はねやすめ」で回復面も勝っているという始末。
当然使用率はガタ落ちし、コケコはもちろん、とうとうサンダースにまで使用率が抜かされてしまった。
一気に苦しい立場に追い込まれてしまったが、耐久の高さやノイコウ型、「バークアウト」などで上手く差別化していきたいところ。
アローラガラガラなどに有効な「シャドーボール」もあるが、サンダースも使えるので注意。

第八世代では、大半の準伝説と共にリストラされた。が、DLC『冠の雪原』にて復活。クラウンライコウしか使えなかった「はどうだん」「しんそく」「ウェザーボール」が通常個体でも習得可能となった。
また、「めざめるパワー」の廃止により地面に滅法弱くなると危惧されていたが、何故か「ねっとう」を習得。元ネタはタイガーの電気ケトルか?地面タイプの多くに弱点をつけるようになった他、やけどのプレッシャーも与えることが出来るようになった。
前作での最重要課題だったカプ・コケコとの差別化に成功したと言える。
…尤も、こんどは新顔のレジエレキがサポート役としてもアタッカーとしても目の上のたんこぶになっているのが現状であるのだが。

またエンテイ・スイクン共々、VC版金銀の配信によって隠れ特性が初解禁された。
通常特性が場に出たとき発動するものなので隠れ特性を見分けるのは非常に簡単で、怯み狙いの技はそうそう飛んでこない。
第八世代以降は「いかく」を無効化できるようになり、元々「バークアウト」によるダブル適性をある程度備えていたところに「じならし」「とおぼえ」などを採用したサポーターとしての採用で有用性が増した。

第9世代でも「藍の円盤」で無事復帰。
意外な事に「ねっとう」を習得できる個性は健在だが、一方新技は物理や小技ばかりなのがちょっと寂しい。

しかし、何よりまずいのは環境においてでんきタイプの影が薄いタイミングで復帰してしまった事。
なにせサンダーやレジエレキですらまともに活躍できない状況である。超高速勢に一歩劣る素早さと、個性はあるものの派手さを持たないライコウでは活躍は厳しく、ものの見事に今までのエンテイ枠にすっぽりとはまる羽目になってしまった。
一応、カプ・コケコは出禁を喰らったのでライバルは減ったのだが……。


ちなみに第ニ世代でクリスタルが発売するまでは「10まんボルト」が使えなかったためか、伝説の中でも使いづらいポケモンだった。
対戦では命中率の低い「かみなり」か威力65の「スパーク」に頼らなければならなかった。
更なる余談ではあるが、環境上研究が進められた結果サンダー共々「かみなり」をメインにする型も増えてきてたりする。

■余談


ポケスペで、ゴールドピチュー「超ライジングサンダー」という技を放ったが、これの元ネタはポケモンカード「R団のライコウ」のワザ「ライジングサンダー」。

効果は30ダメージを与えた後、コイントスを行い、表なら相手のベンチに、裏なら自分のベンチポケモンに20ダメージを与える。


HGSSのRTAでは徘徊伝説のはずのライコウを捕まえて走るチャートが存在している。
めざめるパワー地面持ちの良個体のライコウを使用して種族値とレベルで無双するというチャートなのだが、理想個体を引いたりエンカウントを避けたりマスターボールをIDくじで確実に引いたりするためにひたすら乱数調整を繰り返す。
しかもこれはRTA。乱数調整失敗は即リセットとなるため、ニューゲーム地点から歩数と順路が厳密に定められている他途中で意味不明な行動を何度か行う
あまりの難易度の高さと常識破りぶりに視聴者の多くが感心するよりもドン引きしたとか。

ちなみにマスターボールを確実に引く以外にもルギアが滝登り要員として使われた挙げ句即ボックスに放り込まれるというネタもあったりする。

SVでは、ライコウに似たタケルライコというポケモンが登場している。



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最終更新:2024年02月11日 20:08
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*1 HPは0〜31までパターンがあるが、攻撃は0〜7まで。それ以外は全部0固定