キングコング(2005年)

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&font(#6495ED){登録日}:2016/08/29(土) 19:41:19 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 15 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){「キングコングを初めて見たのは、八歳の時だ。 それ以来、髑髏島=スカルアイランドの世界は、あらゆる面で、 私の創作活動の推進力となった」byピーター・ジャクソン} 2005年に公開されたユニバーサル・ピクチャーズ製作の怪獣映画。ピーター・ジャクソン監督作品。187分。 原点に忠実かつ、1933年版『[[キングコング>キングコング(1933年)]]』では描写しきれなかった部分も丁寧に描いた傑作リメイクである。 *【作品解説】 ジャクソン監督が8歳のころに『[[キングコング>キングコング(1933年)]]』を鑑賞して以降ずっと構想を温めていたという作品である。 &bold(){2億700万ドル(248億4000万円)}という巨費が投じられたのと、[[ハリウッド版ゴジラ>GODZILLA(映画)]]の失敗のせいで一時は製作が難航したものの、無事完成までこぎつけた。 時系列はオリジナルと同じ1933年になっているが、これは''「恐竜の生き残りがいたとしてもギリギリ信じられる時代だから」''だそうである。 映像は監督が『[[ロード・オブ・ザ・リング>ロード・オブ・ザ・リング(映画)]]』シリーズで培った特撮技術が最大限に活用されており、非常に見ごたえのあるものとなっている。ロケはニュージーランドなどで行われた。 それ故か2005年度アカデミー賞において本作は視覚効果賞、音響編集賞、録音賞の計3部門を受賞している。 [[日本>日本国]]での公開時には50億円以上の興行収入を目指したが、当時怪獣映画が下火になっていたせいであまり振るわず、23億円にとどまってしまった。 これは海外でも同じだったようで、全世界の興行成績は5億4700万ドルにとどまった(10年後に封切していればまた違った結果だったかもしれない)。 しかし、映像作品としての評価は非常に高く、米映画レビューサイトや日本の各レビューサイトでも高評価されることが非常に多い。 一方、&bold(){島に上陸するまでの前振りが非常に長い}ため、人によっては中だるみを感じることも多いようであり、それはこの作品の欠点の一つといえるだろう。また、&bold(){節足動物の描写は人によっては叫びだしたくなること請け合い。} 本作に登場する生物をデザインしたのは、のちにギャレス・エドワーズ監督の『[[GODZILLA ゴジラ]]』を手掛けることになったウェタ・ワークショップで、そのせいか生物学的に見ても破綻のないものとなっている。 余談ながら田中芳樹氏の手によるノベライズ版がある。 *【あらすじ】 &bold(){※以下ネタバレ注意} 時は1933年の世界恐慌下の[[アメリカ>アメリカ合衆国]]。映画が失敗続きだった映画監督のカール・デナムは、一獲千金を求め海図に記載されていない島スカルアイランドへ、 失業していた喜劇女優のアン・ダロウ、脚本家のジャック・ドリスコル、アクション俳優のブルース・バクスターらとともに映画の撮影に向かう。 船が海流の影響などで座礁するといったアクシデントもあったが無事に到着し、島で映画を撮り始めるも、原住民の襲撃に会いアンがさらわれてしまう。 救助のためにジャックたちが村に辿り着いた時、ちょうどコングが生贄としてささげられていたアンを気に入り、奪い去るところだった。 一行ははアンの捜索に向かうことを決め、[[ジャングル>ジャングル/熱帯雨林]]内へと向かったが、島の想像を絶する脅威に見舞われ、一人また一人と命を落としていった。 しかし、最後まであきらめなかったジャックの尽力でコングからアンを取り戻したカール達は、怒り狂って襲いかかってきたコングをクロロホルムで眠らせ、ニューヨークに連れ帰ることに成功する。 そして、カールの手によりニューヨークのアルハンブラシアターで見世物となったコングだったが、公開日、カメラのフラッシュとアンがいなかったせいで興奮して鎖を引きちぎって街に逃げ出し…。 *【主な登場人物】 ◆アン・ダロウ(ナオミ・ワッツ) 声:安藤麻吹 喜劇専門の舞台女優。失職中にデナムにスカウトされ、新作映画のヒロインに抜擢される。 コングの生贄となるも、徐々に気持ちを理解し、長い間孤独だった彼の理解者となっていった。 ◆ジャック・ドリスコル(エイドリアン・ブロディ) 声:[[宮本充]] 脚本家。アンは彼の作品のファンである。[[海]]の男だったオリジナル版とは違い、どこか頼りない印象を受けるが、アンを思う気持ちはだれにも負けない。 巨大昆虫に取り囲まれても発狂しない度胸も兼ね備えている。 ◆カール・デナム(ジャック・ブラック) 声:後藤敦((予告編では[[高木渉>高木渉(声優)]]が担当)) 映画監督。野心家な一面がある。スカルアイランドで映画撮影をして一発逆転を狙っていたがカメラが谷底に落ちた際に破損し、映画撮影からコングの捕獲へと関心がシフトしていった。 最後まで生き残り、本編後に組織された島の学術探検隊にも参加し、自身が捕らえたコングが最後の一匹だったことを確認した。 ◆ハーブ(ジョン・サマー) 声:楠見尚己 デナムの助手である初老の撮影技師。かつてアザラシに片足を食べられたせいで[[義足>義手/義足]]をつけている。 ベナートサウルス(小説版ではカルノタウルス)に食べられてしまった。 ◆ランピー(アンディ・サーキス) 声:後藤哲夫 ベンチャー号のコック。性格は若干荒っぽく、「羊の脳の煮込み」などといったゲテモノ料理を作ることに定評がある。 ジャック曰く「本当に自分が作ったものを食べているかは疑問」とのこと。谷底で巨大な虫たちと戦って帰らぬ人に…。 ちなみに役者のサーキス氏はコングのモーションキャプチャーも演じていた。 彼はその後、ギャレス・エドワーズ監督の『GODZILLA ゴジラ』でゴジラのモーションキャプチャーも演じたため、 中島春雄氏に次いで世界で二人目となる、ゴジラとコングの両方を演じた俳優となった。 ◆チョイ(ロボ・チャン) 声:佐藤晴夫 ランピーの友人の中国人。趣味はボディビル。 コングに谷底に落とされ死亡。 ◆ジミー(ジェイミー・ベル) 声:伊丸岡篤 最年少の乗組員。銃の腕前は[[天才]]級。ヘイズとは親子のような関係。 船内ではジャックの脚本のミスを指摘したりもした。最後まで生き残った。 ◆ヘイズ(エヴァン・パーク) 声:楠大典 ベンチャー号の一等航海士を務める黒人。ジミーにとっては父に等しい存在である。 コングによって殺された。 ◆ブルース・バクスター(カイル・チャンドラー) 声:木下浩之 アクション俳優の二枚目。初期は意気地なしだったが、徐々に度胸をつけ、 最終的には率先してジャックたちのピンチを救いに来た。 演じたカイル・チャンドラーは、後に『[[ゴジラVSコング]]』にも出演し、コングと二度の共演を果たす。 *【スカルアイランドの自然的背景】 本作で一行が向かったスカルアイランドは、スマトラ島の近くに浮かぶ海図にも載っていない島である。これには理由があり、周辺の磁気が異常であることと、海流が荒れているせいで発見するのが困難だったからである。 もともとこの島は古代ゴンドワナ大陸のテチス海沿岸の一帯であった。この島が大陸移動で離れて以降、大規模な気候変動や環境の変化が外界では起こったが、島の内部の環境は非常に安定していたのだ。 そのため、先史時代の様々な動物が生き残ることができたのである。今から3000年前にはコングの祖先となるギガントピテクスを[[神]]とあがめるアジアからの入植者もやってきて、ヒッタイトやエジプトクラスの高度文明を千年前に地震で滅ぶまで維持した。 この島はインド・オーストラリアプレートとユーラシアプレートの境界線に位置していたが、そのせいで地震が頻発し、島の面積は過去数百年間で5分の1にまで減少している。特に平地の減少に至ってはひどいもので、数百年間に80パーセント近くも消滅したという。 &bold(){現在はスカルアイランドは存在しない。1948年に大地震が発生して海の底に沈んでしまったからだ。} だがその間にカール・デナムの指揮のもと何度か行われたプロジェクト・レガシーと呼ばれる調査で、島の生物や文化について一部だが明らかになった。 地域の大まかな区分は以下のとおりである。 ◆低地 スカルアイランドを二分する尾根に挟まれた、開けた草原地帯である。小川なども存在しているためのどかな印象を受ける。 前述したように[[消滅]]の危機に瀕していて、数百年間で80パーセント近くの地域が減少している。 この地域には鳥盤目のリゴクリスタスや竜脚類のブロントサウルス、フェルクタスといった植物食恐竜のほか、 それを狙うバスタトサウルスやゴルゴノプスに似たリュカイサウルスなどといった肉食恐竜が生息している。また、昆虫の数も非常に多い。 ◆ジャングル 高層ビルほどもある節くれだった木々がうっそうと生い茂るジャングルである。絶えずじめじめしていて薄暗く、地面には巨大ナメクジや昆虫がうごめいている。 このジャングルがあったせいでスカルアイランドの生物の多くは絶滅を免れることができたため、新たな種へと進化することができたと推測されている。 ベナートサウルスやフィートドン、シミトドン、カーバー、幼体のバスタトサウルス、エサは選り好みしないカラフルな雑食恐竜のアバルサウルス、 竜脚類のアスペルドルサス、地中の根やキノコを食べるモンストゥルタルプス、[[ステゴサウルス>ステゴサウルス(古代生物)]]の子孫のアテルクリサウルスといった[[恐竜]]が生息している。 また、ムカデも非常に多く、その多くが恐竜をエサにしているため、1937年の春季探検隊が''「ムカデが恐竜を食べるなど、地球上でそんな場所がほかにあるだろうか?」''と驚愕しているほど。 ◆谷 地震と自然の浸食作用によって作られた谷間に、生暖かい湧き水とジャングルから流れてきた糞やミネラルなどの豊富な栄養素が混ざってできた。 地上では考えられないほど巨大な節足動物や無脊椎動物が支配する環境下で、彼らが死肉や落ちてきた哀れな犠牲者を貪って独自の生を営んでいる。 この場所でクルーが襲われるシーンがあるが、虫嫌いの人は[[トラウマ]]必至なので閲覧注意。 ◆高地 スカルアイランド中心部の高山地域。地殻変動によってできた木が一本も生えていない険しい山脈地帯である。ここにコングの住処が存在している。 植物は低木の藪や地衣類などがかろうじて生えている程度で、それをエサとする草食動物や、彼らを襲って食べるテラプスモルダックス、 スキンバードなどの肉食動物が存在し、地上よりはずっとましだが、ここでも生存競争は盛んである。 *【スカルアイランドの生物】 コングのほかにも恐竜や、ここでしか見ることのできない巨大な節足動物、飛行性の哺乳類、クジラぐらいもある巨大な魚、肉食性の飛べない鳥などが生息している。 あまりの多様さに1937年探検隊の一人は「この島は動物学者にとっては夢の地であり、科学者にとっては悪夢のフィールドである」と称したほど。 キリがないので本記事の解説は原則として映画に登場したもののみにとどめさせていただく。(比較対象としては未登場の生物も使うが) (※非常に長いので折りたたみました) #openclose(show=▷映画に登場した生物一覧){ ◆バスタトサウルス・レックス(Vastatosaurus rex) 学名の意味は「破壊竜の王」。[[ティラノサウルス>ティラノサウルス(古代生物)]]を祖先に持つスカルアイランド最大級の捕食者である。体長12~15メートル。 短距離であれば時速40キロという驚異的なスピードで移動することが可能である。若いころは集団で行動するが、年を取ると一匹で行動することが多くなる。また、雌の方が体が大きく強い((これは実在したティラノサウルスにも共通する特徴である))。 獲物を襲って食べることもあるが、ほかの捕食者が捕った獲物を横取りしたり、腐肉を漁ることも多い。 作中ではコングに三匹で喧嘩を挑み敗北。 ◆ベナートサウルス((「ヴェナトサウルス」などとも表記される))(Venatosaurus) ドロマエオサウルス類を先祖に持つ肉食恐竜。全長4.9~7.3メートル。小説版ではカルノタウルスに変更されている。 非常に頭がよく、手先も発達している。股関節が柔軟に動くせいでジャングルの中でも問題なく行動することが可能である。 狩りの際には仲間との連係プレーで、竜脚類のブロントサウルスすら仕留めることもある。 コミュニケーションは尻尾で行い、非常に社会性のある恐竜である。映画には未登場だがベナートサウルス・インハビタスという小型の亜種もいる。 余談ながら顔の造形はピットブルをモデルとしており、恐竜造形作家の荒木一成氏は「この顔があまり好きではない」とのこと。 ◆ブロントサウルス(Brontosaurus) スカルアイランド最大の草食動物。全長24~37メートルと、ジュラ紀の祖先より大型。 他にもアスペルドルサスやディアブロサウルスという竜脚類もいるが、これら2種はジャングルに適応し小型化している。 卵胎生で、一回で1~3頭ほどの子供を出産する。 温和な性格だが、パニックを起こしやすい。 作中ではベナートサウルスに追われ、デナム一行を巻き込みながら逃げ惑っていた。 ◆フィートドン(Foetodon) がっしりとした体格の[[ワニ]]によく似た四足歩行の肉食恐竜。若いころは水中で生活し、年を取ると陸上に上がる。 そのせいか手足には水かきが残っている。狩りは腐葉土に隠れて獲物を待ち伏せ、通りがかった時に奇襲攻撃をあびせるという戦法。しかし、腐葉土中の微生物による感染症で顔が荒れている。 作中では二頭でアンを襲ったがバスタトサウルスに食われてしまった。 未登場ながら他にもシミトドンやカーバー、タータルサウルスといった四足の肉食恐竜がいる。 ◆フェルクタス(Ferrucutus) スカルアイランドに生息する角竜の一種。全長7~10メートル。パキリノサウルスやアケロウサウルスに似ている。 12匹ほどの群れで普段は生活している。頭の突起は年齢を重ねるほど大きくなっていくようだ。 エクステンデッド版に登場し、クルーに襲いかかってトンプソン機関銃で射殺された。 登場はしなかったがフェルクタス以外にも島にはトゥリー・トプスという角竜が生息している。 ◆ブルトロニス(Brutornis) スカルアイランドに生息している肉食性の飛べない鳥。肩までの高さ1.8~2.1メートル。 非常に視力がよく、茂みの中から獲物に襲い掛かる。 エクステンデッド版に登場。茂みに潜んでクルーを襲おうとしたが先に気づかれ、射殺された。 未登場だがムカデ食専門のノクトゥペルバグスや、刺激性の吐しゃ物を武器とするピナトノといった鳥もいる。 ◆テラプスモルダックス(Terapusmordax) コウモリとハダカデバネズミを合わせたような、げっ歯類から進化した飛行生物。自分たちの営巣地は糞から出る刺激臭で守る。 雑食性で、果物や植物から、昆虫や恐竜まで何でも食べる。アンとジャックをさらった。 当初は1933年版でも登場したプテラノドンを出す予定だったらしい。 ◆ピラニアドン(Piranhadon) 沼地に生息している肉食性の巨大魚。オスよりもメスのほうが大きく、メスが最大21メートルほどに成長するのに対してオスは最大でも6メートルほどにしかならない。 [[ガノトトス]]のように水辺に近づいてきた動物を浅瀬で待ちかまえていて、やってきた獲物は水中に引きずり込んで食べる。 エクステンデッド版に登場。クルー3人が犠牲になった。 小説内で田中芳樹氏は「子供の悪夢に出てくる怪物のよう」と評している。 ◆スコルピオ・ピード(Scorpio-pede) 沼地のシーンで登場。[[サソリ>さそり]]に似ているが、実は水中生活に高度に適応したムカデの一種である。約60~90センチ。 尾の部分に、数分以内に外敵を死に至らしめる即効性の猛毒を持っている。産卵は水場の植物に行われる。 ◆ウェタ・レックス(Weta-rex) スカルアイランドに生息している巨大なカマドウマの一種。大群で襲いかかって小型恐竜すら食い殺す。 作中ではジャックが襲われたが、ジミーの射撃で全滅した。 ◆アラクノ・クラウ(Arachno-Claw) クモとサソリとカニを合わせたような不気味な容姿の節足動物。 幼虫は後述するカルニクティスに寄生して育つ。 ブルースの攻撃で全滅。 ◆デプレクター(Deplector) 陸生の巨大なオカガニ。メスのほうがオスよりもはるかに大きい。未登場だがアビスシディスという近縁種もいる。 岩場に巣を作り、獲物が来るのを始終待ち構えている。普段の獲物は飛行性恐竜のバルトゥルサウルである。 一晩に十数匹もバルトゥルサウルを捕らえるが、バルトゥルサウルは非常に数が多いのであまり問題ではない。 ◆バルトゥルサウル(Vultursaur) 飛行できるように進化した獣脚類。翼長50~64センチ。 夜行性で、強い夜間視力を持っている。 ◆カルニクティス(Carnictis) 恐竜の体内にいた寄生虫から進化した生物。全長4メートル。エラヒキムシやフルフルの頭の部分によく似た容姿である。 作中ではランピーを襲い食い殺した。驚異的な生命力も持っていて、卵の状態であれば何十年も休眠状態で生きられる。 余談ながら、''海外の紳士たちの間ではなぜか人気があるようで、こいつに触手プレイをさせているファンアートがある。'' ◆デカルノシメックス(Decarnocimex) 巨大なオケラ。谷底に落ちてきた生物を襲って食料としている。 作中ではデナムに襲い掛かったが返り討ちにされた。 ◆オムニマテルシメックス・ハルペフォルセプス(Omnimatercimex harpeforceps) 鳥のひなや恐竜の子供を中心に喰らう、樹上生活ムカデの中では最大種。全長76~89センチ。 獲物を倒した後は独占するために刺激臭をつけ、ほかの生き物に横取りされないようにしてから貪り食う。 二匹でアンに襲い掛かったが逃げられてしまった。未登場だが他にも卵食専門のギュアス・ギュアス、樹上生活中心のアイドロン・イロドゥスなどの巨大ムカデが生息している。 ◆コング(Kong) 髑髏島最強の[[ゴリラ>ゴリラ(動物)]]。全長5.5~7.6メートル。先祖はギガントピテクスで、島に高度な文明を築いた民族がアジアから入植の際に連れてきた。 数千年前は現在よりも小さかったが、島の環境に適応するために短期間で大きく強大な姿へと進化していった。大昔は集団生活を送っていたらしい。 しかし、大型類人猿特有の繁殖力の低さと恐竜との生存競争に敗れて少しずつ減少していき、1933年の段階では種族は彼一頭しかいないという状態にまでなってしまっていたため、 もともとは非常に温和な性格であったが、防衛意識の強い荒っぽい性格のゴリラになってしまった。 アンとの出会いで徐々に心を開き、人間を信じ始めていたが、デナムたちに捕らえられてニューヨークに連れていかれたせいで元の凶暴な性格を取り戻してしまい、 ニューヨークで大暴れした。最期はアンに雄大な景色を見せるためにエンパイアステートビルの上に上ったが、迎撃にやってきた米国軍複葉機隊の総攻撃を受けて死亡。 余談ながら転落後にデナムが「飛行機じゃない、美女が野獣を殺した」と言うシーンがあるが、これはもともとは1933年版でアン・ダロウを演じた女優フェイ・レイが言う予定であった((2004年に亡くなったことで実現しなかった))。 } 追記・修正はスカルアイランドを調査しようと思っている方がお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,13) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 初見時スカルアイランドへ着くまでに1時間近くかかったもんだから途中で寝てしまった。 -- 名無しさん (2016-08-30 00:28:48) - ↑ それね。個人的にお気に入りのシーンは多いし何度も見返したけど、いかんせん前振りが長いなといつも思う。 -- 名無しさん (2016-08-30 01:54:08) - 17年版がこれの設定引き継ぐとかはじめてきいたんだけど。 -- 名無しさん (2016-08-30 05:25:58) - ジミーの解説が間違ってない? -- 名無しさん (2016-08-30 06:33:11) - ↑2 某大百科やニュースサイトなんかではそう書いてあったのですが、再度調べたところ本当かどうかは不明だったので削らせていただきました。すみません -- 項目作成者 (2016-08-30 07:25:51) - ジミーの役者はジェイミー・ベルかな? タンタンの実写化映画とリトル・ダンサーに出ていたような -- 名無しさん (2016-08-30 09:44:56) - ↑ 修正しました -- 名無しさん (2016-08-30 09:51:42) - 2度めのギラーミン版も好きなんだが、こちらが原点をよりリスペクトしているカンジでもっと好き。恐竜もちゃんと出てくるし。 -- 名無しさん (2016-08-30 13:18:27) - 映画のコングはアンを片手に抱えながらというハンデを背負いながらVレックス3頭に対し1頭で渡り合い、最後の1頭はアンを気にせず戦えたからか終始圧倒、それでも種族的には生存競争で負けてるって厳しい世界だなスカルアイランド -- 名無しさん (2016-08-30 19:48:52) - 実にロマンあふれる作品であるが当時恐竜大好きだった俺としては「ムカデなどの昆虫もコウモリっぽいのも恐竜を餌とする」というのはさすがに恐竜カマセ扱いすぎじゃないかとモヤモヤしていた。 -- 名無しさん (2016-08-31 00:16:19) - ↑生物学っぽく言えばこの島の勝者だからこそ他の生物の餌になるほどの多様性と数が出来たんじゃない?まあどっちみち可哀想だけれど。 -- 名無しさん (2016-08-31 09:37:10) - エイドリアン・ブロディが体張りすぎて驚くw アンディ・サーキスha -- 名無しさん (2016-08-31 09:51:33) - ↑アンディ・サーキスは監督に「あんな死なせ方させやがってw!」と文句を言ったんだよな -- 名無しさん (2016-08-31 09:53:08) - ↑あの死に方は確かに嫌だw音も立てず静かにあのでかいヒルみたいなのが襲ってくるのはトラウマすぎるww -- 名無しさん (2016-08-31 18:53:53) - 17年版のコングはゴジラと互角で100m以上あるし別個体みたいだけど… -- 名無しさん (2016-08-31 19:00:08) - Vレックス3匹の関係は、子供(最初の個体)、女家長(2匹目の歯並び悪いやつ)、オス(3匹めの奇襲したやつ)らしい。 -- 名無しさん (2016-08-31 21:04:40) - 月ジャンの漫画が印象に残っているな -- 名無しさん (2016-09-01 12:31:09) - ↑3 17年のは30m程度って聞いたけどどうなんだろう。ゴジラと対決するならギャレゴジなら90mは欲しいところ。 -- 名無しさん (2016-09-01 21:55:49) - ジャック・ブラックがカンニング竹山に見えてしまう不思議  -- 名無しさん (2016-09-02 09:09:33) - 蟲無双シーンの犠牲者って崖登ってたやつとコックの二人だけと魚より少ないらしいね。インパクトって大事 -- 名無しさん (2016-09-02 11:39:00) - 正直この島でサバイバルするにはピクルか範馬勇次郎クラスでもない限り無理だと思う -- 名無しさん (2016-09-20 11:47:23) - 魅力的な世界観と生物がいっぱい出ているからいつか世界観を流用した別作品を見てみたい -- 名無しさん (2016-10-06 10:17:04) - ↑偶然事故かなんかで島に流れ着いてコング不在の島で襲いかかる肉食恐竜や捕食動物と殺るか殺られるかの死闘を繰り広げるサバイバルものとか見たいよね… -- 名無しさん (2016-11-12 08:28:40) - キングコングを演じたアンディ・サーキスは2014年はゴジラも演じており、中島春雄に次ぐゴジラとキングコング両方を演じた2人目の俳優となった -- 名無しさん (2017-05-19 15:10:12) - 要するに裏設定ではデナムは司法取引か何かを駆使して「探検隊を組織すれば無罪放免」ということになりやがった…んだよね?一方でコングは骨にされてニューヨークの自然史博文館に収蔵されたとか…(これはDVD版の映像特典より)。そして…劇中の無毛巨大蝙蝠の一頭が数百年前に突然変異したか石仮面をかぶるかして吸血鬼化、「吸血鬼ノスフェラトゥ」ことオルロック伯爵になったと私は信じてますぞ! -- 昼太郎 (2019-04-03 20:47:53) - この作品は76年版以上にカネがかかり過ぎた為興行収入との釣り合いがいまいち悪かったせいか、ヘンテコな続編を作られずにすんだ。もっとも個人的にはこの作品の続編としての「キングコング対ゴジラ」を見たかったけど… -- 昼太郎 (2019-04-09 12:56:41) - サクラ大戦の花組があの谷に転落したらどうなるんだろう。すみれとマリアはパニックになりそうだ。 -- 名無しさん (2019-06-26 21:56:41) - ブルースを演じたカイル・チャンドラーが数十年後にゴジラに遭遇し、再びコングとも -- 名無しさん (2020-09-24 14:50:24) - ↑共演するのが凄い。名前もチャンドラーだしどこか運命的なものを感じる… -- 名無しさん (2020-09-24 14:51:28) - やはり三時間(うち島に着くまでが一時間)は長いな……同時期のゴジラが90分映画だから二倍の長さということになる。 -- 名無しさん (2023-03-08 10:42:26) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2016/08/29(土) 19:41:19 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 15 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){「キングコングを初めて見たのは、八歳の時だ。 それ以来、髑髏島=スカルアイランドの世界は、あらゆる面で、 私の創作活動の推進力となった」byピーター・ジャクソン} 2005年に公開されたユニバーサル・ピクチャーズ製作の怪獣映画。ピーター・ジャクソン監督作品。187分。 原点に忠実かつ、1933年版『[[キングコング>キングコング(1933年)]]』では描写しきれなかった部分も丁寧に描いた傑作リメイクである。 *【作品解説】 ジャクソン監督が8歳のころに『[[キングコング>キングコング(1933年)]]』を鑑賞して以降ずっと構想を温めていたという作品である。 &bold(){2億700万ドル(248億4000万円)}という巨費が投じられたのと、[[ハリウッド版ゴジラ>GODZILLA(映画)]]の失敗のせいで一時は製作が難航したものの、無事完成までこぎつけた。 時系列はオリジナルと同じ1933年になっているが、これは''「恐竜の生き残りがいたとしてもギリギリ信じられる時代だから」''だそうである。 映像は監督が『[[ロード・オブ・ザ・リング>ロード・オブ・ザ・リング(映画)]]』シリーズで培った特撮技術が最大限に活用されており、非常に見ごたえのあるものとなっている。ロケはニュージーランドなどで行われた。 それ故か2005年度アカデミー賞において本作は視覚効果賞、音響編集賞、録音賞の計3部門を受賞している。 [[日本>日本国]]での公開時には50億円以上の興行収入を目指したが、当時怪獣映画が下火になっていたせいであまり振るわず、23億円にとどまってしまった。 これは海外でも同じだったようで、全世界の興行成績は5億4700万ドルにとどまった(10年後に封切していればまた違った結果だったかもしれない)。 しかし、映像作品としての評価は非常に高く、米映画レビューサイトや日本の各レビューサイトでも高評価されることが非常に多い。 一方、&bold(){島に上陸するまでの前振りが非常に長い}ため、人によっては中だるみを感じることも多いようであり、それはこの作品の欠点の一つといえるだろう。また、&bold(){節足動物の描写は人によっては叫びだしたくなること請け合い。} 本作に登場する生物をデザインしたのは、のちにギャレス・エドワーズ監督の『[[GODZILLA ゴジラ]]』を手掛けることになったウェタ・ワークショップで、そのせいか生物学的に見ても破綻のないものとなっている。 余談ながら田中芳樹氏の手によるノベライズ版がある。 *【あらすじ】 &bold(){※以下ネタバレ注意} 時は1933年の世界恐慌下の[[アメリカ>アメリカ合衆国]]。映画が失敗続きだった映画監督のカール・デナムは、一獲千金を求め海図に記載されていない島スカルアイランドへ、 失業していた喜劇女優のアン・ダロウ、脚本家のジャック・ドリスコル、アクション俳優のブルース・バクスターらとともに映画の撮影に向かう。 船が海流の影響などで座礁するといったアクシデントもあったが無事に到着し、島で映画を撮り始めるも、原住民の襲撃に会いアンがさらわれてしまう。 救助のためにジャックたちが村に辿り着いた時、ちょうどコングが生贄としてささげられていたアンを気に入り、奪い去るところだった。 一行ははアンの捜索に向かうことを決め、[[ジャングル>ジャングル/熱帯雨林]]内へと向かったが、島の想像を絶する脅威に見舞われ、一人また一人と命を落としていった。 しかし、最後まであきらめなかったジャックの尽力でコングからアンを取り戻したカール達は、怒り狂って襲いかかってきたコングをクロロホルムで眠らせ、ニューヨークに連れ帰ることに成功する。 そして、カールの手によりニューヨークのアルハンブラシアターで見世物となったコングだったが、公開日、カメラのフラッシュとアンがいなかったせいで興奮して鎖を引きちぎって街に逃げ出し…。 *【主な登場人物】 ◆アン・ダロウ(ナオミ・ワッツ) 声:安藤麻吹 喜劇専門の舞台女優。失職中にデナムにスカウトされ、新作映画のヒロインに抜擢される。 コングの生贄となるも、徐々に気持ちを理解し、長い間孤独だった彼の理解者となっていった。 ◆ジャック・ドリスコル(エイドリアン・ブロディ) 声:[[宮本充]] 脚本家。アンは彼の作品のファンである。[[海]]の男だったオリジナル版とは違い、どこか頼りない印象を受けるが、アンを思う気持ちはだれにも負けない。 巨大昆虫に取り囲まれても発狂しない度胸も兼ね備えている。 ◆カール・デナム(ジャック・ブラック) 声:後藤敦((予告編では[[高木渉>高木渉(声優)]]が担当)) 映画監督。野心家な一面がある。スカルアイランドで映画撮影をして一発逆転を狙っていたがカメラが谷底に落ちた際に破損し、映画撮影からコングの捕獲へと関心がシフトしていった。 最後まで生き残り、本編後に組織された島の学術探検隊にも参加し、自身が捕らえたコングが最後の一匹だったことを確認した。 ◆ハーブ(ジョン・サマー) 声:楠見尚己 デナムの助手である初老の撮影技師。かつてアザラシに片足を食べられたせいで[[義足>義手/義足]]をつけている。 ベナートサウルス(小説版ではカルノタウルス)に食べられてしまった。 ◆ランピー(アンディ・サーキス) 声:後藤哲夫 ベンチャー号のコック。性格は若干荒っぽく、「羊の脳の煮込み」などといったゲテモノ料理を作ることに定評がある。 ジャック曰く「本当に自分が作ったものを食べているかは疑問」とのこと。谷底で巨大な虫たちと戦って帰らぬ人に…。 ちなみに役者のサーキス氏はコングのモーションキャプチャーも演じていた。 彼はその後、ギャレス・エドワーズ監督の『GODZILLA ゴジラ』でゴジラのモーションキャプチャーも演じたため、 中島春雄氏に次いで世界で二人目となる、ゴジラとコングの両方を演じた俳優となった。 ◆チョイ(ロボ・チャン) 声:佐藤晴夫 ランピーの友人の中国人。趣味はボディビル。 コングに谷底に落とされ死亡。 ◆ジミー(ジェイミー・ベル) 声:伊丸岡篤 最年少の乗組員。銃の腕前は[[天才]]級。ヘイズとは親子のような関係。 船内ではジャックの脚本のミスを指摘したりもした。最後まで生き残った。 ◆ヘイズ(エヴァン・パーク) 声:楠大典 ベンチャー号の一等航海士を務める黒人。ジミーにとっては父に等しい存在である。 コングによって殺された。 ◆ブルース・バクスター(カイル・チャンドラー) 声:木下浩之 アクション俳優の二枚目。初期は意気地なしだったが、徐々に度胸をつけ、 最終的には率先してジャックたちのピンチを救いに来た。 演じたカイル・チャンドラーは、後に『[[ゴジラVSコング]]』にも出演し、コングと二度の共演を果たす。 *【スカルアイランドの自然的背景】 本作で一行が向かったスカルアイランドは、スマトラ島の近くに浮かぶ海図にも載っていない島である。これには理由があり、周辺の磁気が異常であることと、海流が荒れているせいで発見するのが困難だったからである。 もともとこの島は古代ゴンドワナ大陸のテチス海沿岸の一帯であった。この島が大陸移動で離れて以降、大規模な気候変動や環境の変化が外界では起こったが、島の内部の環境は非常に安定していたのだ。 そのため、先史時代の様々な動物が生き残ることができたのである。今から3000年前にはコングの祖先となるギガントピテクスを[[神]]とあがめるアジアからの入植者もやってきて、ヒッタイトやエジプトクラスの高度文明を千年前に地震で滅ぶまで維持した。 この島はインド・オーストラリアプレートとユーラシアプレートの境界線に位置していたが、そのせいで地震が頻発し、島の面積は過去数百年間で5分の1にまで減少している。特に平地の減少に至ってはひどいもので、数百年間に80パーセント近くも消滅したという。 &bold(){現在はスカルアイランドは存在しない。1948年に大地震が発生して海の底に沈んでしまったからだ。} だがその間にカール・デナムの指揮のもと何度か行われたプロジェクト・レガシーと呼ばれる調査で、島の生物や文化について一部だが明らかになった。 地域の大まかな区分は以下のとおりである。 ◆低地 スカルアイランドを二分する尾根に挟まれた、開けた草原地帯である。小川なども存在しているためのどかな印象を受ける。 前述したように[[消滅]]の危機に瀕していて、数百年間で80パーセント近くの地域が減少している。 この地域には鳥盤目のリゴクリスタスや竜脚類のブロントサウルス、フェルクタスといった植物食恐竜のほか、 それを狙うバスタトサウルスやゴルゴノプスに似たリュカイサウルスなどといった肉食恐竜が生息している。また、昆虫の数も非常に多い。 ◆ジャングル 高層ビルほどもある節くれだった木々がうっそうと生い茂るジャングルである。絶えずじめじめしていて薄暗く、地面には巨大ナメクジや昆虫がうごめいている。 このジャングルがあったせいでスカルアイランドの生物の多くは絶滅を免れることができたため、新たな種へと進化することができたと推測されている。 ベナートサウルスやフィートドン、シミトドン、カーバー、幼体のバスタトサウルス、エサは選り好みしないカラフルな雑食恐竜のアバルサウルス、 竜脚類のアスペルドルサス、地中の根やキノコを食べるモンストゥルタルプス、[[ステゴサウルス>ステゴサウルス(古代生物)]]の子孫のアテルクリサウルスといった[[恐竜]]が生息している。 また、ムカデも非常に多く、その多くが恐竜をエサにしているため、1937年の春季探検隊が''「ムカデが恐竜を食べるなど、地球上でそんな場所がほかにあるだろうか?」''と驚愕しているほど。 ◆谷 地震と自然の浸食作用によって作られた谷間に、生暖かい湧き水とジャングルから流れてきた糞やミネラルなどの豊富な栄養素が混ざってできた。 地上では考えられないほど巨大な節足動物や無脊椎動物が支配する環境下で、彼らが死肉や落ちてきた哀れな犠牲者を貪って独自の生を営んでいる。 この場所でクルーが襲われるシーンがあるが、虫嫌いの人は[[トラウマ]]必至なので閲覧注意。 ◆高地 スカルアイランド中心部の高山地域。地殻変動によってできた木が一本も生えていない険しい山脈地帯である。ここにコングの住処が存在している。 植物は低木の藪や地衣類などがかろうじて生えている程度で、それをエサとする草食動物や、彼らを襲って食べるテラプスモルダックス、 スキンバードなどの肉食動物が存在し、地上よりはずっとましだが、ここでも生存競争は盛んである。 *【スカルアイランドの生物】 コングのほかにも恐竜や、ここでしか見ることのできない巨大な節足動物、飛行性の哺乳類、クジラぐらいもある巨大な魚、肉食性の飛べない鳥などが生息している。 あまりの多様さに1937年探検隊の一人は「この島は動物学者にとっては夢の地であり、科学者にとっては悪夢のフィールドである」と称したほど。 キリがないので本記事の解説は原則として映画に登場したもののみにとどめさせていただく。(比較対象としては未登場の生物も使うが) (※非常に長いので折りたたみました) #openclose(show=▷映画に登場した生物一覧){ ◆バスタトサウルス・レックス(Vastatosaurus rex) 学名の意味は「破壊竜の王」。[[ティラノサウルス>ティラノサウルス(古代生物)]]を祖先に持つスカルアイランド最大級の捕食者である。体長12~15メートル。 短距離であれば時速40キロという驚異的なスピードで移動することが可能である。若いころは集団で行動するが、年を取ると一匹で行動することが多くなる。また、雌の方が体が大きく強い((これは実在したティラノサウルスにも共通する特徴である))。 獲物を襲って食べることもあるが、ほかの捕食者が捕った獲物を横取りしたり、腐肉を漁ることも多い。 作中ではコングに三匹で喧嘩を挑み敗北。 ◆ベナートサウルス((「ヴェナトサウルス」などとも表記される))(Venatosaurus) ドロマエオサウルス類を先祖に持つ肉食恐竜。全長4.9~7.3メートル。小説版ではカルノタウルスに変更されている。 非常に頭がよく、手先も発達している。股関節が柔軟に動くせいでジャングルの中でも問題なく行動することが可能である。 狩りの際には仲間との連係プレーで、竜脚類のブロントサウルスすら仕留めることもある。 コミュニケーションは尻尾で行い、非常に社会性のある恐竜である。映画には未登場だがベナートサウルス・インハビタスという小型の亜種もいる。 余談ながら顔の造形はピットブルをモデルとしており、恐竜造形作家の荒木一成氏は「この顔があまり好きではない」とのこと。 ◆ブロントサウルス(Brontosaurus) スカルアイランド最大の草食動物。全長24~37メートルと、ジュラ紀の祖先より大型。 他にもアスペルドルサスやディアブロサウルスという竜脚類もいるが、これら2種はジャングルに適応し小型化している。 卵胎生で、一回で1~3頭ほどの子供を出産する。 温和な性格だが、パニックを起こしやすい。 作中ではベナートサウルスに追われ、デナム一行を巻き込みながら逃げ惑っていた。 ◆フィートドン(Foetodon) がっしりとした体格の[[ワニ]]によく似た四足歩行の肉食恐竜。若いころは水中で生活し、年を取ると陸上に上がる。 そのせいか手足には水かきが残っている。狩りは腐葉土に隠れて獲物を待ち伏せ、通りかかった時に奇襲攻撃をあびせるという戦法。しかし、腐葉土中の微生物による感染症で顔が荒れている。 作中では二頭でアンを襲ったがバスタトサウルスに食われてしまった。 未登場ながら他にもシミトドンやカーバー、タータルサウルスといった四足の肉食恐竜がいる。 ◆フェルクタス(Ferrucutus) スカルアイランドに生息する角竜の一種。全長7~10メートル。パキリノサウルスやアケロウサウルスに似ている。 12匹ほどの群れで普段は生活している。頭の突起は年齢を重ねるほど大きくなっていくようだ。 エクステンデッド版に登場し、クルーに襲いかかってトンプソン機関銃で射殺された。 登場はしなかったがフェルクタス以外にも島にはトゥリー・トプスという角竜が生息している。 ◆ブルトロニス(Brutornis) スカルアイランドに生息している肉食性の飛べない鳥。肩までの高さ1.8~2.1メートル。 非常に視力がよく、茂みの中から獲物に襲い掛かる。 エクステンデッド版に登場。茂みに潜んでクルーを襲おうとしたが先に気づかれ、射殺された。 未登場だがムカデ食専門のノクトゥペルバグスや、刺激性の吐しゃ物を武器とするピナトノといった鳥もいる。 ◆テラプスモルダックス(Terapusmordax) コウモリとハダカデバネズミを合わせたような、げっ歯類から進化した飛行生物。自分たちの営巣地は糞から出る刺激臭で守る。 雑食性で、果物や植物から、昆虫や恐竜まで何でも食べる。アンとジャックをさらった。 当初は1933年版でも登場したプテラノドンを出す予定だったらしい。 ◆ピラニアドン(Piranhadon) 沼地に生息している肉食性の巨大魚。オスよりもメスのほうが大きく、メスが最大21メートルほどに成長するのに対してオスは最大でも6メートルほどにしかならない。 [[ガノトトス]]のように水辺に近づいてきた動物を浅瀬で待ちかまえていて、やってきた獲物は水中に引きずり込んで食べる。 エクステンデッド版に登場。クルー3人が犠牲になった。 小説内で田中芳樹氏は「子供の悪夢に出てくる怪物のよう」と評している。 ◆スコルピオ・ピード(Scorpio-pede) 沼地のシーンで登場。[[サソリ>さそり]]に似ているが、実は水中生活に高度に適応したムカデの一種である。約60~90センチ。 尾の部分に、数分以内に外敵を死に至らしめる即効性の猛毒を持っている。産卵は水場の植物に行われる。 ◆ウェタ・レックス(Weta-rex) スカルアイランドに生息している巨大なカマドウマの一種。大群で襲いかかって小型恐竜すら食い殺す。 作中ではジャックが襲われたが、ジミーの射撃で全滅した。 ◆アラクノ・クラウ(Arachno-Claw) クモとサソリとカニを合わせたような不気味な容姿の節足動物。 幼虫は後述するカルニクティスに寄生して育つ。 ブルースの攻撃で全滅。 ◆デプレクター(Deplector) 陸生の巨大なオカガニ。メスのほうがオスよりもはるかに大きい。未登場だがアビスシディスという近縁種もいる。 岩場に巣を作り、獲物が来るのを始終待ち構えている。普段の獲物は飛行性恐竜のバルトゥルサウルである。 一晩に十数匹もバルトゥルサウルを捕らえるが、バルトゥルサウルは非常に数が多いのであまり問題ではない。 ◆バルトゥルサウル(Vultursaur) 飛行できるように進化した獣脚類。翼長50~64センチ。 夜行性で、強い夜間視力を持っている。 ◆カルニクティス(Carnictis) 恐竜の体内にいた寄生虫から進化した生物。全長4メートル。エラヒキムシやフルフルの頭の部分によく似た容姿である。 作中ではランピーを襲い食い殺した。驚異的な生命力も持っていて、卵の状態であれば何十年も休眠状態で生きられる。 余談ながら、''海外の紳士たちの間ではなぜか人気があるようで、こいつに触手プレイをさせているファンアートがある。'' ◆デカルノシメックス(Decarnocimex) 巨大なオケラ。谷底に落ちてきた生物を襲って食料としている。 作中ではデナムに襲い掛かったが返り討ちにされた。 ◆オムニマテルシメックス・ハルペフォルセプス(Omnimatercimex harpeforceps) 鳥のひなや恐竜の子供を中心に喰らう、樹上生活ムカデの中では最大種。全長76~89センチ。 獲物を倒した後は独占するために刺激臭をつけ、ほかの生き物に横取りされないようにしてから貪り食う。 二匹でアンに襲い掛かったが逃げられてしまった。未登場だが他にも卵食専門のギュアス・ギュアス、樹上生活中心のアイドロン・イロドゥスなどの巨大ムカデが生息している。 ◆コング(Kong) 髑髏島最強の[[ゴリラ>ゴリラ(動物)]]。全長5.5~7.6メートル。先祖はギガントピテクスで、島に高度な文明を築いた民族がアジアから入植の際に連れてきた。 数千年前は現在よりも小さかったが、島の環境に適応するために短期間で大きく強大な姿へと進化していった。大昔は集団生活を送っていたらしい。 しかし、大型類人猿特有の繁殖力の低さと恐竜との生存競争に敗れて少しずつ減少していき、1933年の段階では種族は彼一頭しかいないという状態にまでなってしまっていたため、 もともとは非常に温和な性格であったが、防衛意識の強い荒っぽい性格のゴリラになってしまった。 アンとの出会いで徐々に心を開き、人間を信じ始めていたが、デナムたちに捕らえられてニューヨークに連れていかれたせいで元の凶暴な性格を取り戻してしまい、 ニューヨークで大暴れした。最期はアンに雄大な景色を見せるためにエンパイアステートビルの上に上ったが、迎撃にやってきた米国軍複葉機隊の総攻撃を受けて死亡。 余談ながら転落後にデナムが「飛行機じゃない、美女が野獣を殺した」と言うシーンがあるが、これはもともとは1933年版でアン・ダロウを演じた女優フェイ・レイが言う予定であった((2004年に亡くなったことで実現しなかった))。 } 追記・修正はスカルアイランドを調査しようと思っている方がお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,13) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 初見時スカルアイランドへ着くまでに1時間近くかかったもんだから途中で寝てしまった。 -- 名無しさん (2016-08-30 00:28:48) - ↑ それね。個人的にお気に入りのシーンは多いし何度も見返したけど、いかんせん前振りが長いなといつも思う。 -- 名無しさん (2016-08-30 01:54:08) - 17年版がこれの設定引き継ぐとかはじめてきいたんだけど。 -- 名無しさん (2016-08-30 05:25:58) - ジミーの解説が間違ってない? -- 名無しさん (2016-08-30 06:33:11) - ↑2 某大百科やニュースサイトなんかではそう書いてあったのですが、再度調べたところ本当かどうかは不明だったので削らせていただきました。すみません -- 項目作成者 (2016-08-30 07:25:51) - ジミーの役者はジェイミー・ベルかな? タンタンの実写化映画とリトル・ダンサーに出ていたような -- 名無しさん (2016-08-30 09:44:56) - ↑ 修正しました -- 名無しさん (2016-08-30 09:51:42) - 2度めのギラーミン版も好きなんだが、こちらが原点をよりリスペクトしているカンジでもっと好き。恐竜もちゃんと出てくるし。 -- 名無しさん (2016-08-30 13:18:27) - 映画のコングはアンを片手に抱えながらというハンデを背負いながらVレックス3頭に対し1頭で渡り合い、最後の1頭はアンを気にせず戦えたからか終始圧倒、それでも種族的には生存競争で負けてるって厳しい世界だなスカルアイランド -- 名無しさん (2016-08-30 19:48:52) - 実にロマンあふれる作品であるが当時恐竜大好きだった俺としては「ムカデなどの昆虫もコウモリっぽいのも恐竜を餌とする」というのはさすがに恐竜カマセ扱いすぎじゃないかとモヤモヤしていた。 -- 名無しさん (2016-08-31 00:16:19) - ↑生物学っぽく言えばこの島の勝者だからこそ他の生物の餌になるほどの多様性と数が出来たんじゃない?まあどっちみち可哀想だけれど。 -- 名無しさん (2016-08-31 09:37:10) - エイドリアン・ブロディが体張りすぎて驚くw アンディ・サーキスha -- 名無しさん (2016-08-31 09:51:33) - ↑アンディ・サーキスは監督に「あんな死なせ方させやがってw!」と文句を言ったんだよな -- 名無しさん (2016-08-31 09:53:08) - ↑あの死に方は確かに嫌だw音も立てず静かにあのでかいヒルみたいなのが襲ってくるのはトラウマすぎるww -- 名無しさん (2016-08-31 18:53:53) - 17年版のコングはゴジラと互角で100m以上あるし別個体みたいだけど… -- 名無しさん (2016-08-31 19:00:08) - Vレックス3匹の関係は、子供(最初の個体)、女家長(2匹目の歯並び悪いやつ)、オス(3匹めの奇襲したやつ)らしい。 -- 名無しさん (2016-08-31 21:04:40) - 月ジャンの漫画が印象に残っているな -- 名無しさん (2016-09-01 12:31:09) - ↑3 17年のは30m程度って聞いたけどどうなんだろう。ゴジラと対決するならギャレゴジなら90mは欲しいところ。 -- 名無しさん (2016-09-01 21:55:49) - ジャック・ブラックがカンニング竹山に見えてしまう不思議  -- 名無しさん (2016-09-02 09:09:33) - 蟲無双シーンの犠牲者って崖登ってたやつとコックの二人だけと魚より少ないらしいね。インパクトって大事 -- 名無しさん (2016-09-02 11:39:00) - 正直この島でサバイバルするにはピクルか範馬勇次郎クラスでもない限り無理だと思う -- 名無しさん (2016-09-20 11:47:23) - 魅力的な世界観と生物がいっぱい出ているからいつか世界観を流用した別作品を見てみたい -- 名無しさん (2016-10-06 10:17:04) - ↑偶然事故かなんかで島に流れ着いてコング不在の島で襲いかかる肉食恐竜や捕食動物と殺るか殺られるかの死闘を繰り広げるサバイバルものとか見たいよね… -- 名無しさん (2016-11-12 08:28:40) - キングコングを演じたアンディ・サーキスは2014年はゴジラも演じており、中島春雄に次ぐゴジラとキングコング両方を演じた2人目の俳優となった -- 名無しさん (2017-05-19 15:10:12) - 要するに裏設定ではデナムは司法取引か何かを駆使して「探検隊を組織すれば無罪放免」ということになりやがった…んだよね?一方でコングは骨にされてニューヨークの自然史博文館に収蔵されたとか…(これはDVD版の映像特典より)。そして…劇中の無毛巨大蝙蝠の一頭が数百年前に突然変異したか石仮面をかぶるかして吸血鬼化、「吸血鬼ノスフェラトゥ」ことオルロック伯爵になったと私は信じてますぞ! -- 昼太郎 (2019-04-03 20:47:53) - この作品は76年版以上にカネがかかり過ぎた為興行収入との釣り合いがいまいち悪かったせいか、ヘンテコな続編を作られずにすんだ。もっとも個人的にはこの作品の続編としての「キングコング対ゴジラ」を見たかったけど… -- 昼太郎 (2019-04-09 12:56:41) - サクラ大戦の花組があの谷に転落したらどうなるんだろう。すみれとマリアはパニックになりそうだ。 -- 名無しさん (2019-06-26 21:56:41) - ブルースを演じたカイル・チャンドラーが数十年後にゴジラに遭遇し、再びコングとも -- 名無しさん (2020-09-24 14:50:24) - ↑共演するのが凄い。名前もチャンドラーだしどこか運命的なものを感じる… -- 名無しさん (2020-09-24 14:51:28) - やはり三時間(うち島に着くまでが一時間)は長いな……同時期のゴジラが90分映画だから二倍の長さということになる。 -- 名無しさん (2023-03-08 10:42:26) #comment #areaedit(end) }

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